巌窟王 エドモン・ダンテス

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アヴェンジャー (Grand Order)

  • 真名:巌窟王 / エドモン・ダンテス
  • 身長:185cm / 体重:75kg
  • 出典:デュマ著『モンテ・クリスト伯』?
  • 地域:フランス
  • 属性:混沌・悪
  • 性別:男性
  • CV:島﨑信長

復讐者」のサーヴァント

略歴
第四特異点の定礎復元の後、監獄塔に魂を幽閉された主人公を待ち受けていたサーヴァント。主人公に現在の状況と脱出の手立てを示す導き手であり、自らも主人公を仮のマスターとして戦いを促し、共に七つの「裁きの間」へ挑む。
しかし、本来の「シャトー・ディフ」がそうであったように、この監獄塔も脱出できる者はただ一人。七つの裁きを打ち破った後、彼は最後の敵として主人公の前に立ちはだかる。
主人公に敗れた彼は、しかしかつて彼を導いたファリア神父の如く、そして最後には復讐を成し遂げずに生涯を終えた己が知ることのなかったもの…罠に落ちた者を導き救う「勝利」へと至ったことを喜びながら、称賛と共に別れを告げた。
その後は冠位時間神殿に召喚され、それまでの他の座に姿を見せなかったサーヴァント達の筆頭として、Ⅹの座を統括する廃棄孔アンドロマリウスに強襲を仕掛ける。
更に亜種特異点Ⅰでも最後の最後で主人公の元へ馳せ参じて助力し、主人公の戦いが続く限り力を貸すことを告げた。
人物
ポークパイハットを被った色白の肌をした青年。一人称は「俺」だが時折「私」も使用する。
「運命と現実への復讐者」であり、常に世界に遍く理不尽と悪意を憎んでいる。
一見すれば自己以外の世界すべてを憎悪しているようにも映るが、決して無辜なる人々を憎む悪鬼ではなく、不道徳と悪逆に満ちながら君臨する現実そのものをこそ、彼は憎み否定し続ける。
自己を「永劫の復讐鬼」として定義しており、近寄る物の全てを傷つける荒々しさと暴威に満ちている。非常に尊大で苛烈な性格であり、恐ろしげな振る舞いを見せる事も多い。
一方でアヴェンジャークラスの先輩同様に人間の事は悪し様に言いつつも愛しており、主人公に対しても最大限に協力しようとしてくれる。
能力
超高速行動を用いた格闘戦や怨念の魔力投射攻撃を行い、青黒い怨念の炎を以って敵にダメージを与える。基本的には毒系であり、本来であれば直接ダメージに加えて持続ダメージやステータス異常を与える事が可能。
スキル「鋼鉄の決意」により痛覚の完全遮断、超高速行動に耐えうる超人的な心身を有しているほか、「窮地の智慧」は危機的な状況で幸運を呼び込み、また「窮地の智慧」とクラスの特殊性が合わさることで、「道具作成」も可能となっている。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アヴェンジャー 主人公 (Grand Order) B A+ C B A 復讐者:A
忘却補正:B
自己回復(魔力):D
鋼鉄の決意:EX
黄金律:A
窮地の智慧:A

宝具

巌窟王(モンテ・クリスト・ミトロジー)
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:-
最大捕捉:1人
サーヴァントとして現界した彼は後悔と改心の果てに救われた存在ではなく、復讐心滾らせてパリへと舞い降りた「巌窟王」そのものであり、復讐の化身である。
復讐の化身故に如何なるクラスにも当てはまらず、エクストラクラス・アヴェンジャーとして現界した肉体は、その生きざまを昇華した宝具と化している(一説では、生前に邂逅したという「14の遺物」が関係しているとも)。
強靭な肉体と死に至る毒炎を怨念の魔力として行使することによる攻撃に加え、自らのステータスやクラスを隠蔽、偽の情報を見せることも可能な常時発動型の宝具。
真名開放の効果は溜め込んだ怨念が一気に周囲へと撒き散らされ、敵は疑心暗鬼に陥って同士打ちを始めることになる。その効果が『Grand Order』で使用されることはない。
虎よ、煌々と燃え盛れ(アンフェル・シャトー・ディフ)
ランク:A
種別:対人 / 対軍宝具
レンジ:1~20
最大捕捉:1~100人
地獄の如きシャトー・ディフで培われた鋼の精神力が宝具と化したもの。肉体はおろか、時間、空間という無形の牢獄さえをも巌窟王は脱する。     
超高速思考を行い、それを無理矢理に「肉体」に反映することで、主観的には「時間停止」を行使しているにも等しい超高速行動を実現するのである。
『Fate/Grand Order』に於いては、魔力によって形成された黒い怨念の炎が複数の分身から放たれて、対象にダメージを与える。
待て、しかして希望せよ(アトンドリ・エスペリエ)
ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:1~50
最大捕捉:1人
悪逆と絶望と後悔に満ちた暗黒の中に在って眩く輝く、一条の希望。
人間の知恵は全てこの二つの言葉「待て、しかして希望せよ」に凝縮される。
自陣のうち一名を、瀕死(戦闘不能状態)からでも完全回復させる上に、全パラメーターを一時的にランクアップさせる回復宝具。
『Fate/Grand Order』には実装されていないが、亜種特異点Ⅰで霊核に致命傷を負ったはずのジャンヌオルタがその後登場して戦えていたので、助けた際にこの宝具を使用して治療したものと思われている。

真名:巌窟王 / エドモン・ダンテス

エドモン・ダンテス。「復讐者」として世界最高の知名度を有する人物。「巌窟王」として知られている。
マルセイユの海の傍らで働く誠実な男で、この世が邪悪に充ちているとは知らずに生きていた。19歳の時、悪辣な陰謀が導いた無実の罪によって孤島にある牢獄、イフの塔シャトー・ディフに囚われてしまう。
鋼の精神によって屈することなく十四年もかけて監獄島から生還し、彼は復讐鬼となった。
人間が持つ善性を捨て、悪魔が如き狡猾さと力を、そして自らに希望を与えたファリア神父より授かった救世主の島、財宝の城――モンテ・クリスト島の財宝を得てパリへと舞い降りた。それと同じ名「モンテ・クリスト伯爵」を名乗り、憤怒のままに復讐に耽って、かつて自分を陥れてフランスに君臨する有力者の人々を一人ずつ地獄へと引きずり落としたという。
その苛烈な生き様と正体を隠した復讐劇、踏みにじられ奪われた恋人メルセデスへの想いと愛執、そして苦悩と後悔から改心へと至る道程は、フランスのみならず世界中の人々に喝采され「世界で最も高名な復讐者」として人々の記憶に刻まれた。
厳窟王の物語はアレクサンドル・デュマによる創作とされるが、イフの塔に収監されたエドモンを導く「ファリア神父」の実在が現実では確認されている。
「エドモン・ダンテス」を真名として持つものの、マルセイユの海の男であった「エドモン・ダンテス」と自分は別人であると彼は認識している。
なぜなら「エドモン・ダンテス」とはパリに於ける血塗られた復讐劇の果てに自らを構成した悪性を捨て、善性を取り戻した男の名だから。
凄絶な復讐鬼になり果てるも、最後には愛を取り戻して旅立った彼の隣には、彼を愛する異国の姫エデがいた。
だが、サーヴァントとして現界した彼は人類史に刻まれた悪鬼の陰影、永遠の復讐者であるが故に「復讐鬼の偶像」で在り続けている。
巌窟王モンテ・クリスト―――それは復讐のためだけに生み出された、悪魔の名。
自らを愛も情も知らず憎悪と復讐のみによって全てを灰燼に帰するアヴェンジャーと定め、隣にエデがいないならば、この身は永劫の復讐鬼と在り続けるまで―――

関連

シャトー・ディフ
フランス・マルセイユ沖に位置するイフ島に造られた牢獄。「モンテ・クリスト伯」の舞台となった。
この世に在りながら「地獄」とさえ称され、許されざる大罪を犯した者どもを収監する、死の牢獄。地上の苦しみが集った場所であり、囚われれば最後、脱出など不可能と言われていた。
唯一生還したエドモン・ダンテスも、無限の怨嗟を背負った「暗黒の鬼が如き者」と化してしまった事から、その過酷さが伺い知れる。
ダンテスは病死したファリア神父の遺体と入れ替わり、海に捨てられたことで死を偽装しながら脱獄に成功した。

登場作品と役柄

Fate/Grand Order
  • 〔アヴェンジャー〕キャラクターデザイン:小松崎類 / 設定作成:桜井光 / レア度:☆5
『監獄塔に復讐鬼は哭く』の開催に伴い期間限定でガチャに追加。イベントガチャ限定サーヴァントであり、恒常的な入手手段は現状ない。
「空の境界」コラボイベントの際に顔見せとして登場し、続くイベント「監獄塔に復讐鬼は哭く」にてキーキャラクターとして登場した。
ちびちゅき!
生徒役。体育祭の真っ最中でもいつもの黒マントだったために熱中症でぶっ倒れた上、ナイチンゲールに治療として氷の塊を頭に叩き付けられる。

人間関係

Fate/Grand Order

主人公 (Grand Order)
自分が住まう監獄に落とされた主人公に対して人間の悪業を見せることで導き、最後にはその命を以て送り出す。
人類史を焼却から救うマスターに、「悪辣な運命と現実に翻弄されるエドモン・ダンテス」の写し身としての姿と、ファリア神父やエデのような「憎悪の偶像として現界した巌窟王に寄り添う者」としての姿、二つの象を見出す。
しかし、戦いの中で、ファリア神父やエデとも、ましてや自分自身の写し身とも異なる存在であることを認識する。自分と共に歩むマスターはただひとりであり、過去現在未来他にいない、そこに抱く想いも唯一のものでなくては、と。
両儀式
オガワハイムで戦った「殺人鬼」。彼女からは、人間好きと評されている。
ジャンヌ・ダルク
悲惨な最期を遂げたにも関わらず人間に対する憤怒、憎悪を否定した彼女の存在は、彼の芯にある激情を否定するものであるが故に、彼が苦手とし、相容れぬと位置付ける人物。
エドモンは世界に裏切られたが如き彼女が、復讐の炎を抱いていない訳がないと彼女の在り方を疑っている。
ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕
同じ復讐者として色々思うところがある模様。アヴェンジャーとして現界した彼女の行く末を静かに見守る。
亜種特異点Ⅰではヘシアン・ロボの攻撃により致命傷を負った彼女を救助した。
ファントム・オブ・ジ・オペラ
監獄塔において「嫉妬」を司った英霊。彼の慟哭を聞き、彼こそ人間であると讃えた。
フェルグス・マック・ロイ
監獄塔において「色欲」を司った英霊。巌窟王曰くこれは本人というわけではなかったらしいが…
ジル・ド・レェ(キャスター)
監獄塔において「怠惰」を司った英霊。一見ミスキャストに見えるが、この場合の怠惰は「やるべきこと(騎士としての役割や振る舞い)をやらずに自分の好きなことに没頭している」という意味合いと、「神への祈りを怠ること」が当てはまる。
ジル・ド・レェ(セイバー)
「憤怒」の間にてジャンヌと共に現れるが、あくまで巌窟王を救おうとするジャンヌの抑えも聞かずに巌窟王を倒そうとして返り討ちにあう。イベント中で各ボスに用意されている特殊スキルをジャンヌではなく彼が使うため、実際には彼が憤怒の担当だったのかもしれない。
カリギュラ
監獄塔において「暴食」を司った英霊。今回は主人公の状態を逆手に取り、意外な姿を見せた。
天草四郎時貞
監獄塔において「強欲」を司った英霊。彼の望みや考え方をいたく気に入っているらしく、機嫌よさそうに彼のことを主人公に語る。
世界を救わんとするその強欲、まぎれもなく人間性の顕れであると、彼の生き様をエドモンは高く評価している。
アンリマユ
元祖アヴェンジャー。自身と同類でありながら、自身とは違う在り方をする存在。その在り方を尊重している。
作家サーヴァント
自身の人生を作品にされたことで思い入れがあるのか、執筆に取り組んでいる彼らにコーヒーを差し入れてほしいとマスターに要望する。彼自身も時折自分で入れたコーヒーを持っていっている模様。
なお、現在彼の人生を著作にした本人はまだ実装されていない。可能性はあるため、実装された場合の反応が期待されるところである。
ゲーティア
「空の境界」イベントではオガワハイムを新たな特異点にさせようと巌窟王を召喚するも、魔術王が恩讐を持たないことを理由に断られた上、オガワハイムを特異点ではなくサーヴァントを変質させる空間として勝手に利用されてしまう。
続く「復讐鬼は監獄塔に哭く」でも最終的に主人公を殺させるためのサーヴァントとして巌窟王を再召喚し、こちらはある程度は思惑通りに進んでいたと思われるが、最終的には巌窟王が望んだ通りの形で失敗に終わる。
一度断られたにも関わらず再召喚していることから、ゲーティアからは一定以上の評価を受けていたと思われるが、巌窟王の方は全く好ましくは思っておらず、噛み合わない関係である。
ナイチンゲール
記憶喪失の彼女と「復讐鬼は監獄塔に哭く」にて共演。記憶の無い彼女に何か思うところがあったのか、かつての恋人メルセデスの名を名乗らせる。
後に最後の裁きの間で対峙。死霊を味方に付けた彼女を「お前の刃は優しすぎた」と一蹴する。彼女の正体にはっきりと気づいてはおらず興味もなさげであったが、前述の言葉や「いずれ名のある英霊になるやもしれぬ」と評するなど暗に迫りつつはあった。
英霊として個別に認識してるわけではないまでも、彼女が秘めた揺るぎない信念、偶像の域にまで至った魂のあり方に眩きものを垣間見る。
カルデアで記憶が戻った彼女と再会した後も、普段は「バーサーカー」と呼ぶものの時折メルセデスと呼んでしまっている。このため、彼女からは青髯やファントムと同類の精神負傷者扱いされている模様。
シャーロック・ホームズ
亜種特異点Ⅰでの彼の変装相手として姿を借りられる。
その理由は「巌窟王の姿と名前であれば、見破られることを前提にしても主人公の信頼をある程度勝ち得た上で接触・忠告出来る」というもので、その無二の信頼関係があったからこその選択であったらしい。
ジェームズ・モリアーティ
彼からは「悪を以て正義を為した」として興味を抱かれているものの、フランクに接しようとする彼を無視し全く相手にしていない模様。
ウィリアム・シェイクスピア
亜種特異点に現れた本来の目的は、囚われていた彼の救助を依頼されたからとのこと。
依頼主は彼のファンとのことだが、これに該当するもので巌窟王と縁があるのは「ハムレット」に感激して劇作家を志したとされるデュマその人である。

生前

メルセデス
愛した相手。しかして二人の仲は第三者により引き裂かれた。
フェルナンに体を許しアルベールという一人息子まで産んだが、心は決して折れておらず、生きているかも分からぬエドモンを愛し続けていた。
『モンテ・クリスト伯』においては唯一モンテ・クリスト伯の正体がエドモン・ダンテスだとひと目で気づき、また彼女の子アルベールの存在がモンテ・クリスト伯をエドモンに引き戻した。
ファリア神父
シャトー・ディフで偶然から出会った老賢者。
彼に様々な知識、モンテ・クリスト島の秘宝、最後には自らの死により自由を与えた。
「人々は愛され、救われるべきである」と心から信じていた、敬虔で高潔な人物。
ダンテスとは互いを親子と認め合うほどの絆を結ぶ。
エデ
復讐の過程で救い出した少女。
元はさる王族の姫だったが、巌窟王の復讐相手フェルナンの裏切りにより家族も地位も全て奪われ、奴隷になっていたところを巌窟王に救われた。
巌窟王を深く愛しており、最後は彼女を置いて去ろうとする彼に愛を打ち明けて彼の心に救いをもたらし、共に新しい人生へと旅立っていった。
モレル氏
投獄される前のダンテスの雇い主であり、彼の乗っていた船「ファラオン号」の持主。
ダンテスが投獄された際には残された彼の父親やメルセデスを気にかけつつ復古したナポレオンに彼の解放を願い出るなど懸命に動いてくれていたのだが、ナポレオンの再度の失脚によりそれらの行動が「熱心なボナパルト派」という疑惑に変わり苦境に立たされてしまう。
その後不幸が重なり負債が膨らみ、自殺による名誉の維持とそれに伴う同情による遺される者達の状況の緩和を覚悟するほど追い詰められるが、裏から手を回したダンテスにより苦境を脱する。
死の間際に家族らに「きっと墓から出てきたエドモンが助けてくれたのだ」と語り、穏やかに天寿を全うした。
ジョヴァンニ・ベルトゥッチオ
モンテ・クリスト伯の家令。
コルシカ島の密輸業者であったが、濡れ衣を着せられたところをダンテスに救われ、以後モンテ・クリストに仕えるようになる。
不審な死を遂げた兄の捜査を「コルシカ人だから」という理由で無視したヴィルフォールへと復讐を目論む。
結果的に彼が引き取って育てていたヴィルフォールの私生児が、その復讐を果たす一因となった。
フェルナン・モンテゴ、ダングラール、ジェラール・ド・ヴィルフォール
復讐対象となった三人の男達。
フェルナンはメルセデスへの想い故に、ダングラールは若き船長という約束された未来への妬みに、ヴィルフォールは己と父の保身の為にエドモン・ダンテスを陥れた。
後に帰参したダンテスにより社会的破滅や経済的痛打、時には家族までも巻き込んだ報復を受け、自殺、茫然自失、発狂と悲惨な末路を遂げる。
しかしダンテスはこの中の誰一人として直接手にかける事はなく、逆に罪なき家族を巻き込んでしまったことで深い後悔に苛まれてしまう。
カドルッス
準復讐対象とでも言うべき相手。ダンテスのかつての隣人であり、ダンテスの父が窮しているのを知っていながら借金を取り立て、餓死するのも放置していた。
ダングラールとヴィルフォールが悪事を企てていた現場に偶然居合わせていたものの、酩酊していたために看過。その後ダンテスが逮捕された時は二人に真実を暴露するよう訴えたものの、逆に現場にいた自身を巻き込むと脅迫されて黙秘してしまう。
この「間の悪かった」出来事に端を発して二転三転の人生を送った末に殺害されており(ダンテスによってではない)、自身の再度の妨害に現れたジャンヌにダンテスはそのタイミングの悪さを「カドルッスにも匹敵する」と罵倒している。

その他

アレクサンドル・デュマ
「巌窟王」という存在の生みの親。「性質の悪い小説家め」と毒づく。
亜種特異点Ⅰでの発言から、FGOでは既に彼と座で面識が出来ている疑惑が浮かんでいる。
また、「巌窟王」のモデルと思しき人物と彼の間に生前から面識があった疑惑も持たれている。

名台詞

「──待て、しかして希望せよ」
口癖。『モンテ・クリスト伯』の最も有名な名台詞。
「慈悲などいらぬ!」
「我が往くは恩讐の彼方…『虎よ、煌々と燃え盛れアンフェル・シャトー・ディフ』!」
宝具解放。この世の地獄を脱する過程で培われた鋼の精神力で以て、巌窟王は現世に存在するあらゆる縛めからも脱する。
「俺を呼んだな!復讐の化身を!そうとも、俺こそ黒き怨念。エクストラクラス、復讐者アヴェンジャーである!」
召喚時。アヴェンジャーとして召喚される事に喜びを抱いている様にも思える。
「作家系のキャスターがいるな。よかろう…ウェイター! 彼にコーヒーを!」
マイルームにて。元ネタは2004年放送のアニメ「巌窟王」第一話のモンテクリスト伯の台詞「ベルッツィオ! お二人にコーヒーを!」か。
「ほう……俺以外のアヴェンジャーとして現界した者がいるか。俺は人の性を怒り、奴は人の性を笑う。なるほど。人間とは、分からぬものだ」
マイルームにてアンリマユ所持時に。
人の犠牲にされた同類でありながら、自身とは違う在り方を示す彼に感慨深げな言葉を漏らす。
「……おまえは、何だ? この俺にこうも付き合うなど、まるで……いや、エデとおまえは違う。おまえは、おまえだな」
マイルーム会話「絆Lv5」。主人公を生前結ばれたエデとは違う存在とするが、その声には確かな信頼が込められている。
「調停は俺から最も遠い言葉だ。その推測、挑戦と解釈した。」
「空の境界/the Garden of Order」にて。7つのクラスどれにも該当しない黒い影のサーヴァントに「じゃあルーラーか!?」と言う主人公に対しての返答。
後に監獄塔のイベントにて正体が判明するのだが、彼の言う通り、その在り方もクラスの特性もルーラーとは完全に真逆と言っていい物だった。
「黙れ。黙れ、黙れ!!
 黙れェ!!」
「監獄塔に復讐鬼は哭く」の第四の扉にて。「憤怒」に当たるはずだった第四の支配者に対しての激昂。憤怒を否定することは、同時にそこから起因する復讐と復讐者を否定することに他ならない。故に、悲惨な最期を遂げてもなお憤怒を含めた負の感情を抱かず、救いと赦しを口にする彼女と相容れないのは必然なのかも知れない。
ジャンヌが「人間や祖国に対する憤怒と憎悪を抱く」というありえないイフをある人物が復讐のために聖杯に願い、新たに「復讐者」として誕生したのは、余りにも皮肉と言える。
「違う、違う違う!!」
第六の扉にて。「強欲」に当たる第六の支配者のことは何やらお気に入りのようで、主人公曰く「楽しそうに話す」様子で裁きの間へと向かったのだが――そこに待ち受けていたのは第四の支配者として既に一度戦った忌まわしきジャンヌ・ダルク!思わず激昂する巌窟王であった。
なお、ちゃんと本来の支配者も一緒に居たため、そちらに向き合ってからは平静を取り戻していた。
「我が恩讐を語るな、女!」
「我が黒炎は、請われようとも救いを求めず!我が怨念は、地上の誰にも赦しを与えず!
 "虎よ、煌々と燃え盛れ。汝が赴くは恩讐の彼方なれば"
 オレは巌窟王モンテ・クリスト!人類史に刻まれた悪鬼の陰影、永久の復讐者である!」
ジャンヌの指摘に対して吠える巌窟王。復讐の怨念として召喚された彼の執念を感じる。
「さあ、征くぞマスター。おまえとオレは最早、一心同体だ。
 あらゆる救いを断たれたシャトー・ディフに於いて、しかして希望し、生還を真に望むモノは!
 導かれねばならない・・・・・・・・・・のだよ!
 お前を!導けるのは、このオレだけだ!」
天草、ジャンヌというWルーラーとの戦闘前にて。それに対し主人公は「何を、今さら!」「……必ずカルデアに戻る!」と返す。
この辺りで巌窟王に対して一種の相棒の様な感覚が芽生えたプレイヤーも多いはず。
「そこを退け、女。オレは積極的に女を殺しはしない」
第七の扉にて。立ちふさがろうとするメルセデスに対して言った言葉だが、主人公から「どの口で!?」「ジャンヌさんの時は全力でしたよね」と突っ込まれる。返答は「あれはルーラーだ。人間城塞だ。女というには心身ともに堅すぎる」とのこと。
「―――はは、○○よ!オレたちの勝ちだ・・・・・・・!」
主人公との一騎打ちに破れた彼は監獄塔での真意を語る。彼――巌窟王モンテ・クリストにとって主人公が牢獄から解き放たれる事は、生前自身が果たせなかった「勝利」と等しい事だった。
「あの時、おまえは見逃されたのではない。もう”終わるもの”と見捨てられたのだ。
 だが―――はは、ははは! 結果はこの通りだ! 残念だったな魔術の王よ!
 貴様のただ一度の気まぐれ、ただ一度の姑息な罠は、ここにご破算となった!
 オレなんぞを選ぶからだバカ者め! ざまあない!
 歩むがいい! 足掻き続けろ! 魂の牢獄より解き放たれて―――おまえは!
 いつの日か、世界を救うだろう!」
自身を見事に打ち破り、シャトー・ディフより脱獄する主人公への最大の賛辞と、魔術王への侮蔑。
いつかの恩師のように、外界へ希望を送り出す喜びを胸に。
「……再会を望むか、アヴェンジャーたるオレに?
 はは、ははははははははは! ならばオレはこう言うしかあるまいな!
 ”―――待て、しかして希望せよ”と!」
主人公 (Grand Order)に「―――キミは、永遠に消えるのか?」問われての返し。自らの消滅を悼んでくれるマスターに、幾度となく口にしたかけがえのない言葉で応えて、彼は一時の別れを迎える。
「ハ。ハハハ。クハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
「笑わせるな、廃棄の末に絶望すら忘れた魔神ども! 貴様らの同類になぞ、その男(女)がなるとでも!」
「そうだ!
 この世の果てとも言うべき末世、祈るべき神さえいない事象の地平!」
「確かに此処は何人も希望を求めぬ流刑の地。人々より忘れ去られた人理の外だ。だが―――
 だが! 俺を呼んだな、○○!
 ならば俺は虎の如く時空を駆けるのみ! 我が名は復讐者、巌窟王エドモン・ダンテス!
 恩讐の彼方より、我が共犯者を笑いにきたぞ!」
終章にて。予測外の魔神柱の出現により絶体絶命の状況の中、いつか聞いた高笑いと共に参上する。
かつて自身とは違う存在としたエドモン・ダンテスの名を名乗った巌窟王は、七日間の悪夢を生き抜き脱獄を果たした共犯者を再び救済する為に時空を駆ける。
「……ふん。礼には及ばん。及ばんが、そうだな……」
「見ての通り、戦い尽くめで手が塞がっている。煙草に火を付けてくれ」
「―――上出来だ。少しは大人になったな、○○」
同上。監獄塔での別れから久々の邂逅だったが彼の主人公への信頼は揺らぐことは無く、かつてと同じく賞賛と共に主人公を決戦へと送り出したのだった。


メモ

  • アンリマユから12年を経て登場した二人目の「復讐者」のサーヴァント。アンリマユの特殊性を鑑みれば、真っ当な英霊としては初となる。
  • 『Grand Order』ゲーム中のセイントグラフ等に表記されている名前は「巌窟王 エドモン・ダンテス」だが、正式な真名は「巌窟王/エドモン・ダンテス」。これはヘンリー・ジキル&ハイドの「ヘンリー・ジキル/エドワード・ハイド」等と同様の表記であり、真名を2つ持っていることの表現だと思われる。
    • マイルーム会話では「俺の真名は“巌窟王”だ」(要約)と語る、ステータス画面右上や戦闘時に表示される名前が「巌窟王」となっている等ゲーム中では主に前者が使用されるが、「監獄塔に復讐鬼は哭く」でボスとして対峙した際の戦闘画面での表記は「エドモン・ダンテス」となっていた。
  • 竹箒日記によれば、「青年としての巌窟王」を目指したということで(「モンテ・クリスト伯」原作において、脱獄時には33歳、復讐を本格的に開始した頃には40代になっている)一般的な巌窟王のイメージに比べて、外見が若々しい。
    • キャラクターデザインが『ダンガンロンパ』で有名な小松崎類氏であることから、奈須氏や一部ファンからは「超高校級の英霊」と呼ばれることも。
  • 『モンテ・クリスト伯』はデュマの創作ではあるが、元ネタとなった実話が存在する。ピエール・フランソワ・ピコーという靴屋がそれである。大金持ちの娘と婚約していた彼は、それを妬んだ四人の友人に陥れられ「王党派のスパイ」(当時、フランスはナポレオンの第一帝政であった)として投獄されてしまう。獄中生活の中、ピエールはイタリアの聖職者に献身的に尽くし、彼の莫大な遺産を手にした。そして、その遺産と変装術を駆使し、自分を陥れた四人に復讐し始めたのである。しかし、4人目の復讐に取り掛かったところ正体を見破られ、逆に殺されてしまったという。

話題まとめ

小説「モンテ・クリスト伯」と無数の翻案作品
「巌窟王」という名称で有名だが、実はこの名称は日本で最初に出版された際の邦題であり、原作内では使われていない名称である。訳者の黒岩涙香は本作の他にも「モンテ・クリスト伯」フォロワー作品の一つであるマリー・コレリ作の「Vendetta! or The Story of One Forgotten」を『白髪鬼』という邦題で翻訳しており、これが「監獄塔に復讐鬼は哭く」の第一の扉・黒髪鬼の元ネタと推測される。
翻案作品『虎よ、虎よ!』とアニメ『巌窟王』
「虎よ、煌々と燃え盛れ」という宝具名や、瞬間移動を使うことなど、『モンテ・クリスト伯』をモチーフとしているSF小説『虎よ、虎よ!』のオマージュと思しき要素が見受けられる。
宝具開帳の口上は『虎よ、虎よ!』の別題『我が赴くは星の群』、宝具名はタイトルの由来であり小説冒頭にも引用されているウィリアム・ブレイクの詩『虎』 (The Tyger) の冒頭「虎よ、虎よ!ぬばたまの闇に燦爛と燃え(Tyger, Tyger, burning bright)」からか。
そのエドモン・ダンテスのイメージには全くそぐわないダイナミックな戦いのインパクトもあって、「エドモン・ダンテスではないと言うが、ならガリヴァー・フォイル(『虎よ、虎よ!』の主人公)なのでは?」などとネタにされたりも。
ぶっちゃけ、2004年放送のSFアニメ『巌窟王』の影響を大層に感じるキャラクターである。この宇宙を舞台にしたスペースオペラ版『巌窟王』も、元々は『虎よ、虎よ!』のアニメ化が著作権問題で頓挫したためモチーフ元の『モンテ・クリスト伯』を大幅アレンジする形になった作品である。
「暗黒の鬼が如き者」
礼装の説明における「暗黒の鬼が如き者」と化したというのは原作上でもあながち間違いではなく、原作で彼を見かけた貴族の婦人からその顔の青白さにより「ルスヴン卿」呼ばわりされている。
ルスヴン卿とはジョン・ポリドリ作の「吸血鬼」に登場する吸血鬼のことで、ブラム・ストーカーが「ドラキュラ」を執筆する以前に執筆された吸血鬼小説。この作品をフランスで舞台化したのが「巌窟王」執筆者であるデュマが慕っている「シャルル先生」と目される「シャルル・ノディエ」であったりする。
また、作者のボリドリはこの吸血鬼を書く以前に「フランケンシュタイン」を執筆したメアリー・シェリー(当時は結婚による改名前のパーシー・シェリー)と面識を持ったことがあるなど、他のサーヴァントの関係者と意外な接点を持った人物である。

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