空の境界

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空の境界 the Garden of sinners

奈須きのこ

奈須きのこの処女長編小説。
世界の根源に通じるという「直死の魔眼」を持つ少女・両儀式と、彼女を狙う魔術師荒耶宗蓮の戦いを描く。

1998年、「竹箒」サイト上でのWeb公開が初出。同人PCゲームソフト『月姫』と世界観を共有しており、同ソフトの爆発的ヒットに伴って脚光を浴びる。

当初その完結編はごく少部数のコピー誌として領布されたため、再版を望む声が相次いだ。2001年、コミックマーケット61を皮切りに異例の3千部という規模で再版されるもすぐに完売、増刷に次ぐ増刷を重ねたと言われる。

2004年、講談社ノベルスにて商業出版が行われ、その際「限定愛蔵版」なる箱入り豪華装丁限定版も同時発売、熱心なファンによる予約争奪戦が行われた。

星海社のWEBサイト「最前線」にて、ウェブコミックが連載中。作画は天空すふぃあ。

用語や登場人物

登場人物

両儀式
本作の主役。事故により二年間の意識不明状態を経た後に回復。それ以来「死」を見る「直死の魔眼」を持つようになる。和服姿に赤いジャケットがトレードマークなアンニュイ少女。
黒桐幹也
式の高校時代からのクラスメイト。その関係は彼女の入院後も続いている。「普通」「一般」を形にしたような人。その名前により式から「コクトー」と呼ばれることがたまにある。
蒼崎橙子
表の顔は建築士と人形作家。廃ビルを事務所兼住まいにしている世捨て人のような人。その素顔は人形専門の魔術師、人形師である。眼鏡をかける、かけないで性格をスイッチする。
黒桐鮮花
幹也の妹。橙子の弟子。ブラコン。「禁忌」に惹かれ、兄に想いを寄せている。式いわく「ヘンタイ」とか。
巫条霧絵
接触する三人のうちの一人。「死に依存して浮遊する二重身体者」。
浅上藤乃
接触する三人のうちの一人。「死に接触して快楽する存在不適合者」。
白純里緒
接触する三人のうちの一人。「死に逃避して自我する起源覚醒者」。
臙条巴
家出少年。式のアパートに転がり込む。
黄路美沙夜
礼園女学院生徒。鮮花の先輩。
玄霧皐月
礼園女学院教師。
荒耶宗蓮
死を蒐集することで、根源へといたることを目的にしている魔術師。
コルネリウス・アルバ
赤いコートにシルクハット姿な魔術師。橙子や荒耶の学友であったらしい。
両儀要
式の兄。引きこもり。
硯木秋隆
両儀家の執事。
秋巳大輔
黒桐兄妹の従兄。刑事。

用語

直死の魔眼
目に捉えた対象の「死」を視覚化して見ることのできる眼。対象が何であろうと「死」に至らしめることができる。
空の境界
書籍タイトルにして作中章名。「そらのきょうかい」ではなく「からのきょうかい」と読む。
背表紙には仮名が振られている。

メモ

  • 通称「らっきょ」。「かきょうかい」からとられている。
  • 声優の中田譲治氏はドラマCD収録の際、わずかな台詞しかない荒耶宗蓮の役作りのため、当時同人作品だった本作を入手して読破したという。その姿勢に感激したTYPE-MOONスタッフから多大なリスペクトを受ける事になり、以降多くのTYPE-MOON作品に参加するようになった。

書誌情報

講談社ノベルス

限定版

講談社文庫

コミックス

その他商品

資料リンク

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