エレナ・ブラヴァツキー
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キャスター
- 真名:エレナ・ブラヴァツキー
- 身長:145cm / 体重:38kg
- 出典:史実
- 地域:欧州
- 属性:混沌・善
- 性別:女性
- CV:金元寿子 / イラスト:松竜
『Fate/Grand Order』に登場する「魔術師」のサーヴァント。
- 略歴
- 『Fate/Grand Order』第五章に登場。
- トーマス・エジソン率いる合衆国軍の副官として、全体の統制で多忙なエジソンの代わりに前線指揮を執っている。
- サーヴァントの絶対数が不足していることから主人公達を引き込もうとするものの決裂し、以降は敵対関係に。
- エジソンを治療して和解した後は味方として共に行動し、ケルト軍を打ち倒して人理を修復した。
- 人物
- 常に好奇心旺盛で未知なるものの探求に魅力を見いだす、華やかな女性。
- 若干高飛車な性格で人を顎で使うことにもまったく抵抗がないが、本質的には面倒見のよい性格である。
- オカルトに造詣が深く、時折陰謀論めいた言動もあるものの、一般的な魔術師とはかけ離れた社交的な人格者。
- 史実同様、東洋哲学に傾倒気味であり、特にインドについては「魂の故郷」とまで言い切る。
- 能力
- 手に持つ本から光を放って攻撃する。
- 突然変異で生れ落ちた天才魔術師であり、他に類を見ない独自の魔術回路を持つ。
- 神智学の元となった数多の古代から近現代までの魔術を操るオールラウンダーであり、古代エジプト魔術や聖堂教会の洗礼詠唱までをも操ってみせるが、古代のモノはあまり得意ではない。
- 道具作成スキルを使い、かつて自分に仕えた片腕たる「オルコット大佐」に似せた小型の自動人形を必ず複数体作成し、小間使い代わりにあれこれ便利に使っている。ちなみに、あまり戦闘には向かない。
- また、彼女が言う所のマハトマからの囁きを常時受信している為か、「嫌な予感」はほぼ確実に当たるとのこと。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャスター | 主人公 (Grand Order) | E | E | D | A | A | A | 道具作成:B 陣地作成:A |
魔力同調:C マハトマ:A 未知への探求:B |
宝具
- 金星神・火炎天主(サナト・クマラ)
- ランク:A
種別:対軍宝具 - かつて金星より来訪した神性であり、地球創造神の一柱である護法魔王尊(サナト・クマラ)の力を一時的に再現する神智学の奥義……と彼女が主張する宝具。
- 『Fate/Grand Order』では、敵全体にダメージを与えつつ、防御力・クリティカル発生率・弱点耐性をダウンさせる。
- ビジュアルは「巨大な謎の飛行物体が飛んできて不可思議な機動をしながらビームを照射する」という凄まじいもの。
- なお、この「未確認飛行物体」は不明だとされている。
真名:エレナ・ブラヴァツキー
エレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー。「ブラヴァツキー夫人」の名前で有名な神秘主義者。
若くしてロシア貴族と結婚するも即座に出奔して魔術世界を華やかに生きた十九世紀の女性オカルティスト、神智学の祖。
出奔したにも関わらず何故「ブラヴァツキー夫人」のままかというと、彼女自身は離婚したがっていたものの「そういう時代」だったために叶わなかったが故。
ともかく彼女はレムリア大陸の実在を信じて神秘主義に没頭し、高次の存在「マハトマ」やその集合体「ハイアラキ」と接触し、多くの叡智を得たとされる。 「マハトマ」「ハイアラキ」とは彼女が根源に至った先達を高次の存在だと規定(想定)してつけた名称。 彼女自身はいつも彼らのメッセージを感じていたと言うが、他者が同じものを感じ取るには彼女と同じ才能(特殊な魔術回路)が必要となる。 魔術師が追い求めていた「根源」への可能性を目にしたのかもしれないが、レムリア大陸もマハトマも実在せず、彼女が「独自の世界解釈を行う、ただの天才」である可能性は高い。
登場作品と役柄
- Fate/Grand Order
- キャスターのサーヴァントとして登場。レア度はSR(☆4)。イラストレーターは松竜氏。
人間関係
Fate/Grand Order
- 主人公 (Grand Order)
- マスター。ただし、彼女にとってマスターは「マハトマ」のことなので、そうは呼んでくれない。
- 基本的には先達として、師匠と弟子のような関係。
- メディア
- 神代の魔女として興味津々で、同じ魔術師として魔術トークをしたがっている。
- ナーサリー・ライム
- 彼女が嫌うSPRの支持者であるドジソン(=ルイス・キャロル)の作品が子供たちに人気であることに対して複雑なコメントを残している。
- トーマス・エジソン
- 生前の知人。神智学協会での同志でもあり、「オカルトを研究するが、オカルトには頼らない」という姿勢を何よりも評価している。
- 第五章では最大の理解者として、現状のままでは破綻すると知りつつも彼を見守り続ける。
- カルナ
- 第五章での仲間。共にエジソンの行く末を見守り続ける。
- エリザベート・バートリー
- 第五章で出会った際、何が琴線に触れたのか、「エリエリ」と呼んで意気投合する。
- (主に料理が)金星的なことが直感的に理解できたのであろうか。
- ナイチンゲール
- 第五章では一応同じ陣営なのだが、状況を理解せずに突っ走る彼女に頭を痛めている。
生前
- オルコット大佐
- 生前の彼女に仕えていた片腕。英霊になった後も、彼を模した人形の使い魔を連れ歩くほど。
名台詞
- 「よくってよ。このキャスターがあなたを導いてあげる!」
- 召喚時の台詞。Fateでは珍しい正当派のキャスター。
- 「そのカードね」
- 戦闘でのカード選択時。イメージとしてはタロット占術か何かなのだろうが、メタ発言に聞こえなくもない。
- 「嫌いなもの? そんなんSPRに決まってるじゃない! 時計塔の連中も絶対絡んでたと思うのよね!」
- マイルーム台詞。
- ちなみにSPRは、「The Society for Psychical Research(心霊現象研究協会)」の略称であり、心霊現象を科学的に調査することを目的とした英国の団体。
- 史実では彼らに自分の行いをトリック呼ばわりされた経緯があり、それはこちらの世界でも同じようである。
- そして彼女の認識が正しいなら、時計塔も抗争に一枚噛んでいたようである。……実際、彼女の存在は当時の時計塔にとっては超ド級の厄ネタであることは疑いない(後述)。
- 「海にレムリア、空にハイアラキ。そして地にはこの私!『
金星神・火炎天主 』!」 - 宝具開放。地球創造の理を顕す、神智学の奥義。
- 「ーーー我が手にドジアンの書。
光よ、此処に。天にハイアラキ、海にレムリア。そして、地にはこのあたし!
古きこと新しきこと、すべてをつまびらかに!」 - 第五章にて。上記の宝具開放台詞と被っている部分も多いが、こちらが正式な魔術詠唱なのだろうか。
メモ
- 非常に小柄な幼児体型ではあるが、アンデルセンなどのように子供の頃の年齢で現界しているわけではなく、生涯こうだったとのこと。
- 何故このような体型なのかは彼女自身も言葉を濁しており、何らかの理由があるのかないのかすら不明。
- 彼女の宝具である「サナト・クマラ」には「永遠の若者」という意味もあるので、彼女が接触したナニモノカの影響の可能性も考えられる。
- エジソンの台詞に「私の知る夫人とはちょっと年が違うな」というものがあるので、「ずっとこの姿だった」ということ自体がそもそもデタラメかもしれない。戸籍管理もいいかげんな時代であったことを考えると、社会的信用の為に人前に出るときには年齢相応の姿を偽装していた、という可能性もありうるが。
- イラストレーターである松竜氏によると、初期案ではナイスバディな体型だが、 「なんかコレジャナイ」というマハトマの導きにより現在の姿になったとのこと。
- 世界中を渡り歩きあらゆる宗教・神秘を研究したという設定から、一部ファンからは「リアル臥藤門司」とも呼ばれている。
- 彼女の宝具で言及されている「サナト・クマラ」だが、本来は「ラーマーヤナ」に登場するヒンズー教の聖人。日本では護法魔王尊や、牛若丸の師匠として有名な鞍馬天狗とも同一視されている。
- 宝具欄に書いてある通り、演出上登場する円盤状の飛行物体の正体は不明。本当に神霊が顕現しているのか、彼女の魔力が実体化しているだけなのか、それとも本当に金星から来ている「何か」なのか……真相は彼女も知らなさそうである。
- 彼女が活躍していた19世紀後半はオカルトと科学の領域が曖昧で、科学によって霊や魔術を研究しようという動きがあった時代である。つまり彼女の経歴が史実通りだとすれば、神秘を秘匿するTYPE-MOON世界の魔術師とは真逆の、神秘を世間に公開するというスタンスを取っていた魔術師ということになってしまう。……神秘の秘匿のために時計塔が行う事を考えると、よくトリック呼ばわりされただけで済んだものである。
- さらに言うと、時計塔が蔑視していた東洋の魔術基盤を大量に混ぜ込み、あげく神学論も一緒に取り扱うという暴挙に出ている為、聖堂教会にも喧嘩を売っている。実際、後に誕生した「神論と魔術論の融合」というアプローチのバララララ機関は聖堂教会の手によって潰されている。
- 強攻策に出ることができなかった理由として考えられるのは創設当初のメンバーと創設の場所が考えられる。かのトーマス・エジソンを筆頭に、フリーメイソンやら心霊協会会長やら当時の華やかなりし科学、オカルト両業界の著名人が大量に名を連ねていたのだから途方も無い。しかも創設された場所はアメリカ合衆国という手の出しにくさである。計算の上だとしたら実にしたたかという他無い。
- さらに言うと、時計塔が蔑視していた東洋の魔術基盤を大量に混ぜ込み、あげく神学論も一緒に取り扱うという暴挙に出ている為、聖堂教会にも喧嘩を売っている。実際、後に誕生した「神論と魔術論の融合」というアプローチのバララララ機関は聖堂教会の手によって潰されている。
- 史実の彼女は1851年にロンドン・エジプト・ニューヨークを巡っているという話があり、その事からサーヴァントとしての登場が発表された直後、「時計塔とアトラス院両方に縁があるのではないか」「むしろ彼女が現代魔術科の創始者なのではないか」と言った考察が為されていた。結果として魔術協会とはあまり関係ないルートで神秘学を編纂した独自研究家という位置に収まったが。
- とはいえ、彼女が生きていた年代の直後である二十世紀初頭に現代魔術科が誕生し、新興の魔術師たちへの門戸が開かれたことを考えると、まったくの無関係とも思えない。むしろ、在野の新興魔術師が彼女と似た活動を始めることを危険視した魔術協会が苦渋の選択として新興魔術師の受け皿を作った、という解釈も成り立つ。
- 『Fate/Grand Order』の第四章では1888年のロンドンが舞台になっているが、生前の経歴通りなら晩年の彼女がロンドンに在住していたはずである。シナリオでは出番が無かったが、何をしていたのであろうか。
話題まとめ
- オカルトの創始者
- TYPE-MOON的にも彼女の存在は重要である。
- 世界各国の世界観・宗教観を統合し、再解釈するという行動はTYPE-MOON作品でも行われていることであるが、彼女が西洋に東洋文化を大量に持ち込んだことで最初に行われたともいえる。
- 彼女の独自解釈の中を見ても、「アカシックレコード」やら「高次の霊的存在」やら「プラーナ」やら「地球外の存在」やら、TYPE-MOON作品以外でも現在のSF・伝奇系フィクションで頻繁に見られる概念があり、多くが彼女が生み出したものである。
- 極論するなら、彼女がいなかったらTYPE-MOONそのものがこの世に無かったかもしれないというレベルである。