聖槍
聖槍
水平線の彼方、世界の果てに立つ塔。世界の裏側の最果てにて輝く塔。『塔』と『槍』二つの姿を持っている。
『塔』はこの世界を貫いている巨大な光の柱。これは聖槍の在り方がカタチとなったものであり、本来の姿。
『槍』はその塔が地上に落とした影のもの。塔の能力、権能をそのまま使える個人兵装。
『塔』は世界の果てに在り続けるもの、『槍』は塔の管理者が持ち続ける武器。例えるならば、塔が本体で槍は子機という事である。
「聖槍は健在なり」と人間に示したものであり、実際に塔としてあるようだが、『世界の果て』にあるため、人間には永遠に辿り着けない。
塔は世界の果てにそびえながら、人界のすべてを見通し、見守っている。
世界の裏側
神代の終わりに、幻想種たちが去っていった場所。アヴァロン等の理想郷は『星の魂の置き場所』であり、裏側とは別のもの。
物質的なくびきから解脱できない者、霊体になっても生きられない者は世界の裏側に移動できない。
神代の終焉を理解した幻想種たちが地上を譲り渡し、この場所に移動した。
現在の人間が住む世界とは、惑星の地表に薄く広がる織物のようなもので、その下に「地球」という惑星が存在する。
一方、世界の裏側とは人間が住む以前の世界、即ち、幻想種たちが闊歩していた時代の〝織物〟。
つまり地球は惑星の地表が一番下にあり、それを包んでいるのが惑星の地表に張り付いた〝織物〟の一つ「世界の裏側」である。
そして現在の物理法則が支配する世界は、この上に重ねられた別の〝織物〟に過ぎない。
この裏側の〝織物〟が剥がれてしまうと、今の世界が崩壊し世界が神代に逆戻りしかねない。
聖槍はそれを防ぐ為に裏側を世界に縫い付け、繋ぎとめている。それが『最果ての塔』と呼ばれる現象。
この『塔』は何もブリテンに限った話ではなく、世界に点在し、何本もあるものであり、そのうちの一本がアルトリアの持つロンゴミニアドである。
俵藤太は「霊験あらたかな見晴らしの塔」玄奘三蔵は「信仰を受け止める仏塔のようなもの」と擬えられている。
聖都
『Fate/Grand Order』第一部六章の舞台である西暦1273年のエルサレムに現れた理想都市。細部こそ異なるが、円卓の城キャメロットと似通っている
聖地の上に一夜にして築かれたが、それもその筈、あの都市は「聖槍」そのもの。
獅子王は聖都に理想都市を作り、選ばれた人間を集めたが、その実態は理想都市で生きる為ではなく、理想の人間として集めたに過ぎない。
選ばれた人間を保護したというが、真相は逃がさないように閉じ込めた。故に聖都に運ばれた人間は、みな聖槍の中に仕舞われたようなもの。
ちなみに清らかな人間というのは「清く正しい人間」をではなく、「何が起ころうと正しい行いしかできない人間たち」である。
ヘルメスの計算によると、聖槍には五百人分の魂が収納でき、獅子王は聖都を最果ての塔にし、聖都にいるものを聖槍に取り込ませる。
こうなれば生命として活動する余地はなく、生きるか死ぬかという話ではなくなり、皆“善良な人間の要素”として管理される。
聖都は収束し、一つの塔になるが、その塔の中には圧縮された地獄があり、獅子王の元で人間の価値を証明するように永久に保管される。
無論、『塔』が出来るという事は、その一帯は全て『世界の果て』になり、『塔』という完全な世界を作る代わりに、『塔』の外の世界は消滅する。
第六特異点が異例中の異例で人理定礎値がEXになっているのは、崩壊が始まり、既に“世界のどこでもない”場所だったからである。
獅子王はゲーティアの大偉業により人理は焼却され、人類史は無に返される。
しかし神が人間によって生み出された以上、人間が消滅すれば神もまた存在できない。そして、彼女もまた人間を愛している。
ならば、何を犠牲にしようとも人間たちを残すことを決め、清き魂を集めて、聖槍に保管することにした。
だが、主人公からは「ただの標本」と否定され、獅子王との最終決戦の末にベディヴィエールによって聖剣返還を成され、この時代を乱した原因である聖槍、ひいては聖都も消滅したのであった。
人物
人間
- 沙条愛歌
- 『Labyrinth』において世界の表裏を繋ぎとめる聖槍に近づいたが、本体の封印が解けると世界全てが神代に逆戻りしてしまう為か、青く輝く瞳を持つ人に止められてしまう。
- グレイ
- グレイの持つ武器の真の姿を所有している。
サーヴァント
- アルトリア・ペンドラゴン〔ランサー〕
- 王として台頭した後、聖槍を主武装としたブリテンを統治したアーサー王のイフ。
- アルトリア・ペンドラゴン〔ランサーオルタ〕
- 聖槍を手にしたアルトリアが女神と成り果てる最中、聖杯の呪いと『嵐の王』として定義したイフ。
- 女神ロンゴミニアド
- ベディヴィエールが三度目においても聖剣を返還できなかったアーサー王のイフ。
- 非常に長い間に聖槍を持ち続けたことで精神構造は女神化している。