哪吒

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ランサー
真名 哪吒
読み なた
性別 女性
身長 164cm
体重 57kg
出典 『封神演義』『西遊記』など
地域 中国
属性 中立・善
声優 小倉唯
デザイン 蒼月タカオ
設定作成 ???
レア度 ☆4
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

Fate/Grand Order』の登場人物。槍兵サーヴァント

略歴
『Fate/Grand Order』期間限定イベント『星の三蔵ちゃん、天竺に行く』に三蔵らを導くために登場。
本編では『禁忌降臨庭園セイレム』で登場。カルデアから現地に赴くサーヴァントとして選抜される。
人物
中性的な外見をした、中華風の人物。一人称は「ボク」。性別については触れられたくない様子。
やたらと古風な性格で、体言止めを多用した文語調の喋り方をしている。物言いがはっきりしており、時として辛辣だが、根っからの正義者にして熱血少女。若干過激なところもあるが、一方で知的な一面も見せる。また、子供好きでもある。
能力
様々な宝貝を持つが、此度の現界に在っては「火尖槍」と「風火輪」、「乾坤圏」を使用する。李書文は「封神演義」における花形として高く評価している。
戦闘時は風火輪の力で常に浮遊・飛行している。このため、行動領域が広い。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
ランサー 主人公 (Grand Order) C+ B A B A A 対魔力:A 道術:A
霊珠子:A
如来の加護:B

宝具

地飛爽霊 火尖槍(ちひそうれい かせんそう)
ランク:A
種別:対軍宝具
風火輪の超加速で空に駆け上がり、文字通り槍と一体となって突撃降下する灼熱のチャージ攻撃。
斉天大聖・孫悟空との決戦を想定した哪吒が、ランサーとして宝貝・火尖槍の威力を最大限に引き出さんとする大技。

真名:哪吒

天界きっての精鋭武将、中壇元帥・哪吒太子。
九十六洞もの妖魔を討ち封ずるという武勲を誇る、斉天大聖・孫悟空の最大のライバル(と本人は思っている)。
元はヒンドゥー神話のナラクーバラと呼ばれる下級神であったが、仏教の守護神として中国に伝わり、道教に取り入れられて少年神・哪吒太子となった。現在でも中国を中心とした東アジア地域で祀られ親しまれている。
『封神演義』では主要人物として登場。『西遊記』においても天界で暴れる孫悟空の討伐に駆り出されたり、三蔵法師一行の旅を助けるために天帝に度々遣わされた。
そもそも哪吒は人間ではない。崑崙山の仙人・太乙真人によって、下界へ下ろされた宝珠を核として生まれ落ちた、人とも仙人ともつかぬ存在である。
出生時から備わっていたという宝貝(パオペエ)「乾坤圏(けんこんけん)」「混天綾(こんてんりょう)」の他にも、太乙真人はことあるごとに哪吒に宝貝を贈り与えた。
「斬妖剣」「砍妖刀」「縛妖索」「降魔杵」「綉毬」「風火輪」そして「火尖槍(かせんそう)」である。
下界で成長した哪吒は、邪悪ではないが、あまりにも傍若無人の暴れん坊だった。川を汚したことを神に咎められれば神を殺し、その上位の神すらも殺めた。やがてそれが咎められ、下界の両親にまで災禍が及ぶとなると、やむなく自害に及んだ。
その後、紆余曲折あったものの、下界において凄惨な死を迎えた哪吒は蓮の花から復活し、蓮華の精として蘇る。復活には、太乙真人だけでなく釈迦如来の力添えがあった。
ランサーとして召喚された哪吒は『西遊記』における仏教の守護者としての性格を濃く帯びている。自害に及ぶ直前の、『封神演義』での残虐な性質の哪吒として召喚されたならば、おそらくはバーサーカーのクラスであろう。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order
期間限定イベント『星の三蔵ちゃん、天竺に行く』に登場。
亜種特異点Ⅳ『異端なるセイレム』にて正式に実装される。およそ1年5ヶ月ぶりの登場。何の前触れも無くカルデア所属になっているが、何があったのかは不明。

人間関係

Fate/Grand Order

玄奘三蔵
期間限定イベント『星の三蔵ちゃん、天竺に行く』にて、彼女を導いてゆく。彼女とは間接的ながら「西遊記」において面識がある。
イベントでも若干辛辣だったがマイルームでもボロクソに貶しまくっている。
覚者
上記イベントにて、彼に焦点を合わせる為のレンズとなって行動する。
また生前は「釈迦如来」として自身の復活に力添えして加護をくれた人物。
玉藻の前
当初は彼女のことを、封神演義に登場した悪女「妲己」と見なして本気で襲いかかったが、後に和解した。

生前

孫悟空
「西遊記」で縁のある相手。
最大のライバル(と、本人は思っている)。相手からはどう思われているのかは不明。
大乙真人
親代わりとなった仙人。彼が下界に降ろした宝珠が核となって哪吒が生まれた。
哪吒にはかなり甘く、ことあるごとに様々な宝貝を惜し気もなく与えた。
太公望
「封神演義」で縁のある相手。傍若無人な哪吒も、彼の言うことには素直に従った。


名台詞

「宝具開封 桃園仙術式目 三魂飛んで七魄霧散! これ即ち火尖槍! 炎上!」
宝具発動。斉天大聖・孫悟空との決戦を想定した哪吒が、ランサーとして宝具・火尖槍の威力を最大限に引き出さんとする大技。
「サーヴァント、哪吒....それだけ。」
召喚時の台詞。実に素っ気ない。

メモ

  • 日本では安能務翻案の「封神演義」及びそれに影響を受けた諸作品のために「なたく」という読み方が広まっているが、正しくは「なた(もしくは「なだ」)」。
    • 日本で最も有名なのは漫画の「藤崎竜」版の封神演義だろう、この作品は日本で封神演義といえばこれ、と言う程に非常に有名だが原典の封神演義とは別物の作品と言っていいほど設定が異なるので留意すべし。ちなみに型月における哪吒にロボ要素があるのかこれに由来すると思われる。原典での哪吒の体は人造人間的な要素があるがあくまで精霊なので機械的な要素はほぼ無い為である。
  • 当初はサーヴァントであることこそ判明していたが未実装であり、後の登場が示唆されていたが、イアソン同様クラスは明言されていなかった。原典では大量の宝貝(仙人が使用する魔法の武器)を使いこなしているが、その中で最も有名なものとして「火尖槍」という炎の槍があるので、ランサーの可能性が最も高く。他に有力な候補としてライダーやセイバーが挙げられていた。
    • 後に実装された時には、一番予想されていたランサーであった。
  • 中国では「竜退治の神様」として有名で、日本でいう桃太郎に匹敵するような存在だが、『封神演義』では『西遊記』の孫悟空に匹敵する暴れん坊で、誕生してから3日後に竜宮に乗り込んで蛟龍の背すじを引っこ抜き、帯ヒモにしてしまったとある。この蛟龍は東海竜王の部下、ないしは息子とされている。ちなみに、孫悟空も竜宮に殴り込んで暴れた事があるが、さすがに竜王の息子を殺すような事はしていない(代わりに、子分にしているが)。
    • 更には「西遊記」おいては孫悟空とガチタイマンを繰り広げた事がある。その際は互いに三面六臂に変身し合い、三つの如意棒と多数の宝貝で激戦を繰り広げたが、流石に敵わず完敗している。
  • 仏教との縁が解りにくいが、彼の父は仏法を守護する四天王の一人、かの毘沙門天と同一視される托塔李天王(更に四天王をまとめる将の李靖とも描写される)。長男は釈迦如来の弟子とされる前部護法・金托、次男は観音菩薩の弟子とされる恵岸行者・木托、その三男坊なので家系的に非常に縁が深い。そもそも彼は元となる存在がインドから仏教から取り込まれて中国に渡る事で産まれたキャラクターである。ちなみに彼自身は道教の神として奉られている。
  • 外見上は男性とも女性ともとれるが、当初は明言されていなかった。そもそも原典の時点で蓮の花の精であり、人間的な意味での性別は定められていない。
    彼は蓮の精で童子の格好を模しているとされているので本場中国でも少女のように見える外見というのは間違ってない(演劇や映像作品でも女優が演じることが多い)。一度画像検索してみて本場の彼の姿を見てみるのもよいだろう。
    • 厳密には転生体なので前世の性別はあるのだろうが、ちなみにそのパターンだと男になる。前世があるので上記の幼少期の逸話や家族関係はそれに由来する。
    • 後にサーヴァントとして実装された際に女性と確定したが、これは、太乙真人は被造物の性別には甚だ無頓着であり、そもそも哪吒を二次性徴前の童子扱いしていた事が原因。復活後の哪吒の身体は、生前とは異なる性別で構成されてしまい、性別の話題に関しては気後れしてしまう。
    • なお、中性的な割には極めて女性的な外見に近いのか、『星の三蔵ちゃん天竺に行く』では主人公が哪吒の性別に興味を示し出し、幕間の物語『物騒な人々』では何度も性別の話題を振ってはマシュに止められている[1]懲りるという事を知らないのか。
  • 上記の設定を見て俺の知ってる設定と違うじゃん!と思われる方も多いだろうが、「西遊記」と「封神演義」で設定が大幅に変わってるのでどっちが正解などは厳密には決まっていない。哪吒の場合は特に人気キャラ故に多く描写されやすいが、それゆえに両作品同士で設定に多くの矛盾が生じてしまっている。更に元ネタが下記のナラク―バなので両作品とも哪吒の初出作品ではないという点も混乱の要素の一つか。
    • ちなみに封神演義の世界観では仏教というものがまだ存在していない。理由としては封神演義の舞台となる殷が周をに滅ぼされたのが紀元前11世紀、仏教が産まれたのが紀元前5世紀である為(勿論、哪吒というキャラクターが生まれたのは下記の通りなのでこの設定は封神演義独自の設定である)。なので後に仏教に所属するキャラクター達も当時は両陣営に分かれて戦っているという状況になっており、同じく仏教出身のキャラクターも当時は別のキャラクターとして敵味方に多数存在している。
      • 特に一番ひどいのが彼の父親である托塔李天王、彼は前述の通り毘沙門天と同一視されるが、先述した通り「多聞天」という名前も有名。封神演義では四天王が敵側として登場する事になる為、その多聞天と哪吒の親子が敵味方に分かれてた闘う…、どころか同一の存在のはずの多聞天と托塔李天王が別の人物として敵味方陣営に分かれて存在すると言う異様な光景が発生している。[2]ちなみに仏教がメインの西遊記だと同一人物だったり他人だったりと日本で翻訳される書籍によってすら異なるので何とも言えない。
  • なにかと話題の偉大な親父の托塔李天王だが哪吒との仲はとても悪い。哪吒の死因に関係してたり彼の蘇生を邪魔したりしてたいたりするのだが、そもそもの発端は上記の哪吒の幼少期の暴れん坊っぷりに托塔李天王が激怒したのが原因なので正直どっちもどっちである。ちなみに西遊記版でも封神演義版でも結局は和解すると言う決着になっているが、それでも李天王は報復を恐れていたりするので偉大な武神の割には両作品でいまいち親父としての威厳が無かったりする。[3]
  • 元となったインドの神は「ナラクーバラ」、同じく後の毘沙門天となる父「クベーラ」に関わる神として仏教伝来時に中国に伝わって来た。ちなみに彼は「ラーマーヤナ」にも存在が言及され、シータをさらった魔王ラーヴァナが、昔ナラク―バラの妻を強姦した際に彼は激怒し次に強姦したら頭が爆裂する呪いをかけた故に、シータは貞操を守る事が出来たとされている。
  • イベント中では釈迦如来のレンズとなって登場した哪吒だが、彼と哪吒の縁は意外な事に結構ある。まず父親が古代インドにおいて釈迦から説法を聞き仏教へ帰依し、釈迦の入滅の際に仏法の守護を託された四天王の一人、そして全てを聞き漏らさず釈迦の教えに精通した事で「多聞天」と称された。兄の金托は釈迦の弟子とされ、彼の元となったナラクーバラは仏教叙事詩「ブッタチャリタ」にて釈迦の生誕は天部におけるナラクーバラの誕生と等しい慶事と記され、その記録がナラクーバラが登場した最古の書物となっており、また経典「ジャータカ」においては弟子と釈迦が前世ではナラクーバラと彼が仕えた王の関係性であったとされている。哪吒本人との関係性では、西遊記において死んだ哪吒を蓮の精として転生させたのは釈迦如来とされ、恨みで父の李天王を殺そうとした哪吒を釈迦如来が一応和解させたとされている。イベントに置いて哪吒が協力したのはこれらの縁があった故かもしれない。ちなみに封神演義においては彼の誕生には太乙真人が関わってており、藤崎竜版の影響もあってかナタ生誕の縁者といえば彼のイメージは強い。
  • 「FGO」プレイヤーからは、容姿や髪の毛の色がとある薄幸少女に似ていると言われているが関連は不明。

話題まとめ

「封神演義」とFate
  • 先ほどから「宝具」と「宝貝」の非常に似ている二つの言葉をややこしく思われる方もいるだろうが、元々Fateの元ネタの一つが封神演義なのではないかという一つの説がある。先ほどの「宝具」と「宝貝」の名前の共通点や同じく名有りのキャラならほぼ誰もが持ち、不思議な現象を発生させる切り札としての立ち位置として似てるだけでなく、神仙が作り出す自己の思い通りの世界を創造する術である「陣」と「固有結界」、死んだ英雄や神仙の魂が集う場である「封神台」と「英霊の座」(作中で死んだ者が行く場となると聖杯にも近しい)、等根幹の設定に共通点が見られる。勿論だからと言って確定とは言えず、仮に元ネタの一つであっても全部が全部そうとは限らないであろう、現にきのこは魔界転生を源流の一つと語っている。だが考察としては非常に興味深い説とも言える。
    • ちなみにきのこは中国の仙人のサーヴァントを出そうとした虚淵玄に対して西洋縛りの他に「仙人は強すぎる」とZeroマテリアルでコメントを残している。[4]

脚注

  1. 一度目はコーヒー、二度目はブラックコーヒー、三度目は火傷するほど熱いコーヒーを差し出している。
  2. 封神演義の托塔李天王は実績では諸葛孔明以上、人によってはイスカンダル大王に匹敵すると評価されるほどの軍神、そもそもサーバントとして召喚されても不思議ではない唐初の名将、李靖が多聞天信仰と合体して神格化されたのが托塔李天王なので、別人でもおかしくはない。なお、水滸伝の晁蓋も托塔李天王の化身ということになっている。
  3. この場合の托塔というのは哪吒を制御するために仏様から貰ったアイテムのこと。つまり、托塔がなかったらあっさりと殺されてしまうほどに父親のほうが弱い。
  4. 仙人が強い理由の一つに、最低でも100年以上、下手をすれば1000年以上も修行してきた人々であり、大半のサーヴァントより長命な点が挙げられる。

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