「時任次郎坊清玄」の版間の差分

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2016年7月22日 (金) 18:55時点における版

時任次郎坊清玄

  • よみ:ときとう じろうぼう せいげん

修験道を修めた山伏の青年。「剥離城アドラ」の遺産相続に参加した魔術師の1人。

略歴
修験道の家系に生まれる。清玄の家では多くの兄弟を競わせて後継者を選定する方法を取っていたが、跡目争いに敗れた兄弟達の逆恨みによる襲撃事件が発生し、一族の大半が死亡する大惨事となった。修行をサボっていた清玄だけが生き残ってしまい、清玄は瀕死の状態の兄から損傷した魔術刻印を託されることになる。魔術刻印を望まずして継承してしまった彼は、その刻印の修復技術を求めて「剥離城アドラ」の遺産相続に参加した……はずであった。
その正体は「剥離城アドラ」の事件の犯人。実際には清玄は遺産相続事件が始まるより以前に剥離城を訪れ、魔術刻印修復を受けていた。その際に、ゲリュオンの死した息子「グラニド・アッシュボーン」の魔術刻印の一部を移植され、その記憶や感情に汚染されてしまう。結果、人格の八割、九割以上は清玄のままでありながらグラニドの衝動、感情に操られ、望まぬ凶行を繰り返してしまっていた。
事件後は片腕を失いながらも何とか生き延び、グラニドの影響を取り除くべくリハビリを受けている。
人物
白い法衣に兜巾、首から法螺貝を下げた山伏の青年。病で視力を失った右目には眼帯をしている。
年齢は二十代半ばほど。やたらと訛った英語(表記上は関西弁)で喋り、一人称は「わい」。陽気で女好き、剽軽な印象を与える人物。
修験道を修める山伏の家系の出身。本来は極東と西洋の魔術のシステムは異なるが、清玄の家は西洋魔術の影響を受けた一派であり、魔術刻印なども存在していた。十代を超える古い家系だが、もともと分家であり、それほど大した家柄ではないという。
一子相伝が基本の魔術師には珍しく子供が十数人もいる家で、清玄は後継者からは遠い不真面目な落ちこぼれであった。後継者として最有力だったのは清玄と仲の良い兄だったが、跡目争いに敗れたことを逆恨みした他の兄弟達により魔術刻印の移植儀式の最中に襲撃を受けてしまう。その結果、当主や兄、襲撃者までもが全滅。一人修行をサボって出掛けていた清玄のみが生き残り、瀕死の兄から損傷した魔術刻印を託されることになった。その魔術刻印を落ちこぼれの自分とは違う相応しい子孫にいつの日か受け継ぐことを夢見ている。
魔術刻印の位置は右肩。二つの紋様が融合したような形状で、まるでグラニドの魔術刻印に清玄本来の魔術刻印が抑えこまれているように見える。
能力
修験道の験力としての魔術を習得している。手のひら大の金属製の「鉢」を操って物理的に在り得ない動きで高速で撃ち出す「飛鉢法」や、重力を無視するかのような数メートルの大跳躍を行う「烏飛び」あるいは「天狗飛び切りの術」と呼ばれる魔術などを使う。跳躍術は極めれば魔法一歩手前の空間移動にも近しい力を発揮するという。また、炎を放ったり、独鈷を武器として使用したりもしている。


グラニド・アッシュボーン

  • スペル:

清玄の中に巣食う、死んだはずの魔術師。

略歴
「剥離城アドラ」の主、ゲリュオン・アッシュボーンの息子。死病に侵され、既に死去している。
しかし、ゲリュオンは死した息子の魔術刻印を摘出し、それを魔術刻印の修復を依頼にきた魔術師に移植していた。そして、その一人である時任次郎坊清玄の中に記憶と感情の一部を宿すことに成功。彼の人格に干渉する形で事件を引き起こした。
剥離城アドラでは、アッシュボーンの「獣」によって化野菱理ハイネ・イスタリを殺害。エルメロイ2世らに正体を看破されてからは「獣」と共にグレイと対決する。彼女の魔術礼装と宝具の前に敗れるが、最後に残った力でオルロックを刺殺し、そのまま意識を失った。
人物
一人称は「僕」。
ゲリュオン・アッシュボーンの息子とされているが、実はゲリュオンの妻とオルロックとの間に生まれた子供である。
遺伝性の死病で母を亡くし、グラニド自身も同じ病気によって若くしてこの世を去った。しかし、ゲリュオンはオルロックとの共同研究を活かし、死したグラニドから魔術刻印を剥離、それを他の魔術師に移植していた。そうして清玄の中に蘇ったグラニドは魔術刻印への執着、そしてゲリュオンを殺したオルロックへの復讐のために行動を起こしたのだった。
清玄は完全に乗っ取られたわけではなく、人格の大半は清玄本人のまま。しかし、まるで試験管の水に数滴の毒薬が垂らされたかのようにグラニドの影響が混じり合い、別のものに変質させられてしまっている。
能力
「グラニド」が出てきている場合でも、清玄の魔術は通常通り使用可能。また、剥離城で死した魔術師たちの無数の怨霊を使役する。
さらに「アッシュボーンの獣」と呼ばれる使い魔と連携し、戦闘を行う。

アッシュボーンの獣

体高だけで2メートルは超える巨大な狼か蜘蛛のような四足の獣。
鋭い爪と時速300キロで飛び回れるほどの身体能力を持ち、咆哮によって高熱の気流を巻き起こすこともできる。
また、天使の歌と呼ばれる特殊な音を咆哮として発し、魔術師の魔術刻印を停止させる能力を持つ。剥離城内部はその音を共鳴させる構造になっており、城内にいれば一流の魔術師を纏めて昏倒させることすら可能。魔力と波長を変化させれば、物理的な破壊力を持たせることもできる。
この獣の正体はグラニドの母親。死病に侵された自分の妻をゲリュオンが使い魔として作り変えた存在である。

登場作品

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿
「剥離城アドラ」の遺産相続に参加した魔術師の1人。

人間関係

ハイネ・イスタリ
遺産相続の中で親交を持ち、友人とも言える関係になるが……。
ロザリンド・イスタリ
ハイネと共に親しくなり、面倒を見る。
オルロック・シザームンド
復讐の相手。グラニドの実の父親。

名台詞

メモ

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