:湖水地方に流れ着いた後、鏡の氏族の長の判断でたくさんの宝物と共に舟に乗せられてティンタジェルの海岸に辿り着き、以後はティンタジェルの妖精として育てられた。<br/>しかし彼女は妖精國を救う伝説の『予言の子』であると目されていると同時に「亜鈴の子」たる妖精國の住民とは異なる楽園の妖精という出自から、多くの妖精から内心忌み嫌われる宿命にあった<ref group = "注">船の宝物や装飾品は全て村の人達の食い扶持として勝手に売り払われ、アルトリア本人は女王モルガンの目を逸らす為とはいえ粗末な馬小屋に暖を取る道具も与えぬまま手足の指が凍傷で壊死するまで放置し、村人の半数は『予言の子になるための修行』と称して汚れ仕事や重労働などを押し付けて奴隷同然の酷使と虐待を繰り返し、もう半数はそんな彼女の処遇を見て見ぬふり、その癖肝心の「予言の子」として魔術に関する事や何をするべきか等については何一つ教えてやらず、ただ魔力が成長しないことをひたすら嘆いて非難するだけだった。</ref>。さらに彼女は高位の妖精眼を持っていたため、いくら優しく取り繕っていても労いや慈しみの言葉に混ざる『醜い感情や言葉』を見抜いてしまうので、現実でも夢の中でもその有象無象の悪意の嵐を直視し続ける羽目になっていたのである。 | :湖水地方に流れ着いた後、鏡の氏族の長の判断でたくさんの宝物と共に舟に乗せられてティンタジェルの海岸に辿り着き、以後はティンタジェルの妖精として育てられた。<br/>しかし彼女は妖精國を救う伝説の『予言の子』であると目されていると同時に「亜鈴の子」たる妖精國の住民とは異なる楽園の妖精という出自から、多くの妖精から内心忌み嫌われる宿命にあった<ref group = "注">船の宝物や装飾品は全て村の人達の食い扶持として勝手に売り払われ、アルトリア本人は女王モルガンの目を逸らす為とはいえ粗末な馬小屋に暖を取る道具も与えぬまま手足の指が凍傷で壊死するまで放置し、村人の半数は『予言の子になるための修行』と称して汚れ仕事や重労働などを押し付けて奴隷同然の酷使と虐待を繰り返し、もう半数はそんな彼女の処遇を見て見ぬふり、その癖肝心の「予言の子」として魔術に関する事や何をするべきか等については何一つ教えてやらず、ただ魔力が成長しないことをひたすら嘆いて非難するだけだった。</ref>。さらに彼女は高位の妖精眼を持っていたため、いくら優しく取り繕っていても労いや慈しみの言葉に混ざる『醜い感情や言葉』を見抜いてしまうので、現実でも夢の中でもその有象無象の悪意の嵐を直視し続ける羽目になっていたのである。 |