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*真名:ネロ・クラウディウス
 
*真名:ネロ・クラウディウス
 
*身長:150cm/体重:42kg
 
*身長:150cm/体重:42kg
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*イメージカラー:薔薇の赤
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*特技:何でも出来るぞ!
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*好きな物:自分 奏者
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*苦手な物:節制・反逆・没落
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*天敵:セネカ・アグリッピナ(母親)
 
*スリーサイズ:B83/W56/H82
 
*スリーサイズ:B83/W56/H82
 
*属性:混沌・善
 
*属性:混沌・善
<!-- *イメージカラー:
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* 特技:
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*好きな物:
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*苦手な物:
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*天敵: -->
   
*CV:丹下桜   
 
*CV:丹下桜   
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「[[クラス (セイバー)|剣士]]」のクラスの[[サーヴァント]]。[[Fate/EXTRA|ムーンセルの聖杯戦争]]において、[[主人公 (EXTRA)|主人公]]によって召喚される。<br />赤い衣装の少女剣士。
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「[[クラス (セイバー)|剣士]]」のクラスの[[サーヴァント]]。[[Fate/EXTRA|ムーンセルの聖杯戦争]]において、[[主人公 (EXTRA)|主人公]]によって召喚される。<br>赤い衣装の少女剣士。
    
;略歴
 
;略歴
:主人公と共に戦うサーヴァント。主人公がマスターとして不完全であるため、当初はその霊格の全てを再現できない。<br />戦略的な理由から、真名と宝具の正体を明かさぬまま、聖杯戦争に挑む。
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:主人公と共に戦うサーヴァント。主人公がマスターとして不完全であるため、当初はその霊格の全てを再現できない。<br>戦略的な理由から、真名と宝具の正体を明かさぬまま、聖杯戦争に挑む。
    
;人物
 
;人物
:赤い舞踏服(ドレス)に身を包んだ少女剣士。自ら皇帝を名乗り、一人称は「余」。マスターである主人公のことは「奏者」と呼ぶ。<br />我が儘で身勝手、常に上から目線で猪突猛進気味と、普通であれば嫌な性格となる要素が満載ながら明るく闊達、あまり細かいところは気にしない大雑把さ、子供のような無邪気さを併せ持った、非常に可愛らしい性格。<br />情熱的な性分であり、主人公と接しているときは「いろいろと自重している」らしい。恋愛関係には生前のこともあって寛大だが、度を超されると拗ねる。<br />芸術家を自称し、独特の美意識を持つ。美少年や美老年が好き。美少女はもっと好き。美しければ何であれ大好き。自分の事を至高の芸術と謳いながら、あらゆる人々の人生も美しいと讃える「暴君」。華々しく散る生命を象徴するような、誰よりも身勝手で、何よりも眩しい少女。<br />背が低いことを密かに気にしている。子供扱いされるのが嫌いで、「姫」と呼ぶと怒る。<br />湯浴みが好きで、彼女自身のイメージもあってよく薔薇風呂に入っている絵が描かれている。<br />自身の全てについて自信を持っているため、ギャグなどでは所謂ドヤ顔で描かれることが多い。ドヤ顔で得意げにしつつ、褒めろ構えとこちらをそわそわと伺うその姿はまさに飼い主に構ってほしがるワンコそのものである。
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:赤い舞踏服(ドレス)に身を包んだ少女剣士。自ら皇帝を名乗り、一人称は「余」。マスターである主人公のことは「奏者」と呼ぶ。<br>我が儘で身勝手、常に上から目線で猪突猛進気味と、普通であれば嫌な性格となる要素が満載ながら明るく闊達、あまり細かいところは気にしない大雑把さ、子供のような無邪気さを併せ持った、非常に可愛らしい性格。<br>情熱的な性分であり、主人公と接しているときは「いろいろと自重している」らしい。恋愛関係には生前のこともあって寛大だが、度を超されると拗ねる。<br>芸術家を自称し、独特の美意識を持つ。美少年や美老年が好き。美少女はもっと好き。美しければ何であれ大好き。自分の事を至高の芸術と謳いながら、あらゆる人々の人生も美しいと讃える「暴君」。華々しく散る生命を象徴するような、誰よりも身勝手で、何よりも眩しい少女。<br>背が低いことを密かに気にしている。子供扱いされるのが嫌いで、「姫」と呼ぶと怒る。<br>湯浴みが好きで、彼女自身のイメージもあってよく薔薇風呂に入っている絵が描かれている。<br />自身の全てについて自信を持っているため、ギャグなどでは所謂ドヤ顔で描かれることが多い。ドヤ顔で得意げにしつつ、褒めろ構えとこちらをそわそわと伺うその姿はまさに飼い主に構ってほしがるワンコそのものである。
    
;能力
 
;能力
:彼女の持つ真紅の大剣「原初の火(アェストゥス・エウトゥス)」は自ら鍛えたもの。銘には「regnum caelorum et gehenna(レグナム カエロラム エト ジェヘナ/天国と地獄)」と刻まれている。<br />[[スキル (サーヴァント)|スキル]]「皇帝特権:EX」により、本来持ち得ないスキル(騎乗、剣術、芸術、カリスマ、軍略、等)でも本人が主張する事で短期間だけ獲得できる。あらゆる状況に対応できる強力な能力だが、生前の出自に由来する呪いとも言えるスキル「頭痛持ち:B」によって、精神スキルの成功率は著しく低下している。探索中は「黄金率」、戦闘中は「剣術」を発動させている。<br />剣士としての能力は高く、当初は未熟なマスターのせいでステータスが著しく低下していたが、[[セイバー (EXTRA・白)]]や[[ランサー|ランサー(EXTRA・青)]]といった強敵を真っ向勝負で下すほどの実力を発揮するようになる。<br />自身に元々対魔力がないためセイバークラスなのに対魔力がCと低い。<br />CCCでは皇帝特権で「魔力放出(炎)」を会得したのか、爆発的な火炎を生み出し敵を燃焼する技「星馳せる終幕の薔薇(ファクス・カエレスティス)」を習得する。
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:彼女の持つ真紅の大剣「原初の火(アェストゥス・エウトゥス)」は自ら鍛えたもの。銘には「regnum caelorum et gehenna(レグナム カエロラム エト ジェヘナ/天国と地獄)」と刻まれている。<br>[[スキル (サーヴァント)|スキル]]「皇帝特権:EX」により、本来持ち得ないスキル(騎乗、剣術、芸術、カリスマ、軍略、等)でも本人が主張する事で短期間だけ獲得できる。あらゆる状況に対応できる強力な能力だが、生前の出自に由来する呪いとも言えるスキル「頭痛持ち:B」によって、精神スキルの成功率は著しく低下している。探索中は「黄金率」、戦闘中は「剣術」を発動させている。<br>剣士としての能力は高く、当初は未熟なマスターのせいでステータスが著しく低下していたが、[[セイバー (EXTRA・白)]]や[[ランサー|ランサー(EXTRA・青)]]といった強敵を真っ向勝負で下すほどの実力を発揮するようになる。<br />自身に元々対魔力がないためセイバークラスなのに対魔力がCと低い。<br>CCCでは皇帝特権で「魔力放出(炎)」を会得したのか、爆発的な火炎を生み出し敵を燃焼する技「星馳せる終幕の薔薇(ファクス・カエレスティス)」を習得する。
    
=== [[宝具]] ===
 
=== [[宝具]] ===
 
;招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)
 
;招き蕩う黄金劇場(アエストゥス・ドムス・アウレア)
: 由来:聴衆に自らの公演を強制的に最後まで聞かせるべく、劇場の出入り口を全て封鎖し閉じ込めたというエピソード<br />自己の願望を達成させる絶対皇帝圏。生前の彼女が自ら設計し、ローマに建設した劇場「ドムス・アウレア」を、魔力によって再現したもの。自分の心象風景を具現した異界を作り出す[[固有結界]]とは似て非なる大魔術であり、自身が生前設計した劇場や建造物を魔力で再現する。<br />展開されている間、閉じ込められた敵は弱体化し建造物をカスタマイズすれば形や機能も変更できる。わかりやすく言えば、建築過程を無視し建造物を投影、その中であれば自分の定めたルールを発動できる。EXTRAでは劇場を展開するだけだったが、CCCでは剣戟による攻撃を交えて展開されるようになった。<br />敵が張った固有結界を上書きする形で塗りつぶすことが可能で、CCCで時空の歪みの中で戦った[[アーチャー]]の「無限の剣製」を無効化した。<br />ゲーム的には、展開時に敵に防御力無視の物理ダメージを与え、3ターンの展開中は敵の筋力・耐久力を低下させる。<br />また、展開中のみ剣技「童女謳う華の帝政(ラウス・セント・クラウディウス)」が使用可能。<br />漫画版では空間内の敵の筋力の低下させ、十全な力を発揮させないという効果。
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: 由来:聴衆に自らの公演を強制的に最後まで聞かせるべく、劇場の出入り口を全て封鎖し閉じ込めたというエピソード<br />自己の願望を達成させる絶対皇帝圏。生前の彼女が自ら設計し、ローマに建設した劇場「ドムス・アウレア」を、魔力によって再現したもの。自分の心象風景を具現した異界を作り出す[[固有結界]]とは似て非なる大魔術であり、自身が生前設計した劇場や建造物を魔力で再現する。<br />展開されている間、閉じ込められた敵は弱体化し建造物をカスタマイズすれば形や機能も変更できる。わかりやすく言えば、建築過程を無視し建造物を投影、その中であれば自分の定めたルールを発動できる。EXTRAでは劇場を展開するだけだったが、CCCでは剣戟による攻撃を交えて展開されるようになった。<br>敵が張った固有結界を上書きする形で塗りつぶすことが可能で、CCCで時空の歪みの中で戦った[[アーチャー]]の「無限の剣製」を無効化した。<br>ゲーム的には、展開時に敵に防御力無視の物理ダメージを与え、3ターンの展開中は敵の筋力・耐久力を低下させる。<br>また、展開中のみ剣技「童女謳う華の帝政(ラウス・セント・クラウディウス)」が使用可能。<br />漫画版では空間内の敵の筋力の低下させ、十全な力を発揮させないという効果。
    
=== セイバー・ブライド ===
 
=== セイバー・ブライド ===
『[[Fate/EXTRA CCC]]』で発表された衣装。名称は限定版特典figmaに使用されているもの。<br />ゲーム中のアイテム名称「拘束の花嫁衣裳」の通り、花嫁衣裳と拘束服を合わせたような意匠をしている。なお、拘束服がモチーフとなっているのは[[アーチャー (EXTRA・赤)|アーチャー]]・[[キャスター (EXTRA・青)|キャスター]]も共通の特徴。<br />赤基調の服ではなくなったため、こちらはファンからは「嫁セイバー」や「嫁王」などと呼ばれている。
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『[[Fate/EXTRA CCC]]』で発表された衣装。名称は限定版特典figmaに使用されているもの。<br>ゲーム中のアイテム名称「拘束の花嫁衣裳」の通り、花嫁衣裳と拘束服を合わせたような意匠をしている。なお、拘束服がモチーフとなっているのは[[アーチャー (EXTRA・赤)|アーチャー]]・[[キャスター (EXTRA・青)|キャスター]]も共通の特徴。<br>赤基調の服ではなくなったため、こちらはファンからは「嫁セイバー」や「嫁王」などと呼ばれている。
    
== 真名:ネロ・クラウディウス ==
 
== 真名:ネロ・クラウディウス ==
ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス。帝政ローマ第5代皇帝。悪名高き「暴君」。史実では男性だが、EXTRAでは女性。<br />キリスト教をはじめとするあらゆる宗教を弾圧し、一説にはこの弾圧に対する反発によって「ヨハネ黙示録」が書かれたとも言われる。<br />父は第4代皇帝のいとこであり、本来は帝冠を戴くべくもない出自であった。しかし、母が皇帝と再婚。その母の奸計・暗殺によって皇帝が死し、義父からの相続によって帝位を継承した。西暦54年の即位時の年齢は16であった。<br />正当なる出自によって帝位を継承したわけではない反動ゆえか、彼女は身内よりも他人を愛した。即位後、すべての間接税を廃止し、減税し、国民ひとりひとりに皇帝即位の祝い金を与えもした。その気前のよい政策によって市民からは絶大な人気を獲得する。<br />もっとも、市民からの人気が高かったのは皇帝即位前からであり、非常に有能な裁判官として慕われていた。義父である皇帝が、まだ若いからと禁止していたにもかかわらず、その公正さ、有能さから、重要な訴訟をいくつも持ち込まれていたという。<br />皇帝となってのもその為政者としての手腕は色あせることはなく、西暦64年に発生した「ローマの大火」への対処は、彼女に対し批判的である歴史家にさえ「人智の限りをつくした有効な施策」といわしめたほど。<br />外交にも気を使い、国外での人気も高い。
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ネロ・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス。帝政ローマ第5代皇帝。悪名高き「暴君」。史実では男性だが、EXTRAでは女性。
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為政者として高い能力を持つ一方、自らを「楽神アポロンに匹敵する芸術家」と称して自分用の劇場を建設し独唱会を開いたりするのみならず、やはり自ら「太陽神ソルに匹敵する戦車御者」と称してオリンピックに出場したり、それに対抗して「ネロ祭」を創設したりと、放埓な振る舞いも目立った。<br />
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キリスト教をはじめとするあらゆる宗教を弾圧し、一説にはこの弾圧に対する反発によって「ヨハネ黙示録」が書かれたとも言われる。<br>父は第4代皇帝のいとこであり、本来は帝冠を戴くべくもない出自であった。しかし、母が皇帝と再婚。その母の奸計・暗殺によって皇帝が死し、義父からの相続によって帝位を継承した。西暦54年の即位時の年齢は16であった。
   −
史実において帝政ローマを衰退させたとして語り継がれ、それは紛れもない事実だが、その芯にあったのは改革であった。私利私欲によって腐敗しきり、特権化していた元老院と真っ向から対立。元老院属州と皇帝属州を統合し、国庫を一本化する改革を進める。<br />敵は元老院だけではなく、実母アグリッピナもまた彼女を悩ませる。アグリッピナにとって彼女は「自分を『皇帝の母』にするだけの舞台装置」であり、次々と国政に私欲の口を出してくる始末。<br />遂に彼女は母の暗殺を決意。しかし暗殺はことごとく失敗し、とうとう公衆の面前で母を切り捨てるしか道はなくなった。<br />
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正当なる出自によって帝位を継承したわけではない反動ゆえか、彼女は身内よりも他人を愛した。即位後、すべての間接税を廃止し、減税し、国民ひとりひとりに皇帝即位の祝い金を与えもした。その気前のよい政策によって市民からは絶大な人気を獲得する。<br>もっとも、市民からの人気が高かったのは皇帝即位前からであり、非常に有能な裁判官として慕われていた。義父である皇帝が、まだ若いからと禁止していたにもかかわらず、その公正さ、有能さから、重要な訴訟をいくつも持ち込まれていたという。
   −
「――この者は余に毒を盛った。母であれ、皇帝に反する者は死罪である」<br />
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皇帝となってのもその為政者としての手腕は色あせることはなく、西暦64年に発生した「ローマの大火」への対処は、彼女に対し批判的である歴史家にさえ「人智の限りをつくした有効な施策」といわしめたほど。<br>外交にも気を使い、国外での人気も高い。
   −
母の死により、彼女は頭痛に悩まされるようになる。母から逆らえぬよう、幼い頃から毒と解毒剤を同時に盛られていた彼女は、母と共に、その解毒剤をも失ったのである。<br />母によって強制的に婚姻させられた妻、オクタヴィアの自殺。<br />自身の権力を強固にする為の義弟の殺害。そして師であり、心から頼りにしていた哲学者セネカの自刃。彼女はセネカを許すと言ったが、市民たちに絶大な人気を誇った皇帝は、同時に、親族たちにとっては死と恐怖をまき散らす悪魔でしかなく、セネカはそれを信じられなかったのだ。<br />西暦69年に起きた反乱で皇帝の座を追われ、その最後は自決であった。<br />だが、その様は潔いものではなかったらしく、「この世から何と素晴らしい芸術家が消えることか」と泣きこぼしては、幾度も喉を突こうとする短剣の手を止めたという。<br />皇帝の座を追われた時、彼女は楽観してもいた。市民たちが、最後の最後では退位を許すことはないだろう、と。<br />だが、何もなかった。彼らからは、何もなかったのだ。<br />彼女は偽りなく市民を愛した。だがその愛は我が儘――何もかも与える代わりに、何もかも奪わねば気が済まない、炎のようなものだった。全てを捧げ、費やし、燃え尽きる愛。繁栄しながらも永遠を望まない、激しい情熱のかたち。<br />それは、市民が望んでいた愛ではなかった。彼女と人々では愛のカタチが違ったのだ。<br />彼女も気づいてはいた。でも、どうしても、理解できなかった。彼女には、彼らの言う愛が、どうしても。<br />愛を共有できなかった。つまるところ、それはただひとりの孤独。<br />……愛し、愛される歓び。誰よりも人間を愛しておきながら、そんな簡単な歓びを、ついぞ、彼女は知る事はなかった。
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為政者として高い能力を持つ一方、自らを「楽神アポロンに匹敵する芸術家」と称して自分用の劇場を建設し独唱会を開いたりするのみならず、やはり自ら「太陽神ソルに匹敵する戦車御者」と称してオリンピックに出場したり、それに対抗して「ネロ祭」を創設したりと、放埓な振る舞いも目立った。<br>
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史実において帝政ローマを衰退させたとして語り継がれ、それは紛れもない事実だが、その芯にあったのは改革であった。私利私欲によって腐敗しきり、特権化していた元老院と真っ向から対立。元老院属州と皇帝属州を統合し、国庫を一本化する改革を進める。<br />敵は元老院だけではなく、実母アグリッピナもまた彼女を悩ませる。アグリッピナにとって彼女は「自分を『皇帝の母』にするだけの舞台装置」であり、次々と国政に私欲の口を出してくる始末。<br>遂に彼女は母の暗殺を決意。しかし暗殺はことごとく失敗し、とうとう公衆の面前で母を切り捨てるしか道はなくなった。<br>
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「――この者は余に毒を盛った。母であれ、皇帝に反する者は死罪である」<br>
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母の死により、彼女は頭痛に悩まされるようになる。母から逆らえぬよう、幼い頃から毒と解毒剤を同時に盛られていた彼女は、母と共に、その解毒剤をも失ったのである。
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母によって強制的に婚姻させられた妻、オクタヴィアの自殺。<br>自身の権力を強固にする為の義弟の殺害。そして師であり、心から頼りにしていた哲学者セネカの自刃。彼女はセネカを許すと言ったが、市民たちに絶大な人気を誇った皇帝は、同時に、親族たちにとっては死と恐怖をまき散らす悪魔でしかなく、セネカはそれを信じられなかったのだ。<br>西暦69年に起きた反乱で皇帝の座を追われ、その最後は自決であった。<br />だが、その様は潔いものではなかったらしく、「この世から何と素晴らしい芸術家が消えることか」と泣きこぼしては、幾度も喉を突こうとする短剣の手を止めたという。<br>皇帝の座を追われた時、彼女は楽観してもいた。市民たちが、最後の最後では退位を許すことはないだろう、と。
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だが、何もなかった。彼らからは、何もなかったのだ。<br>彼女は偽りなく市民を愛した。だがその愛は我が儘――何もかも与える代わりに、何もかも奪わねば気が済まない、炎のようなものだった。全てを捧げ、費やし、燃え尽きる愛。繁栄しながらも永遠を望まない、激しい情熱のかたち。<br />それは、市民が望んでいた愛ではなかった。彼女と人々では愛のカタチが違ったのだ。<br />彼女も気づいてはいた。でも、どうしても、理解できなかった。彼女には、彼らの言う愛が、どうしても。<br />愛を共有できなかった。つまるところ、それはただひとりの孤独。<br />……愛し、愛される歓び。誰よりも人間を愛しておきながら、そんな簡単な歓びを、ついぞ、彼女は知る事はなかった。
    
=== 関連 ===
 
=== 関連 ===
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== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
'''Fate/EXTRA'''
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'''''Fate/EXTRA'''''
 
;「如何も何も、これ以上に的確な<RUBY><RB>冠</RB><RT>な</RT></RUBY>はない。余が望まずとも、余は余なのだ。一個人としての名乗りなど余には許されぬ。<br /> そなたも両親に名付けられた<RUBY><RB>命</RB><RT>な</RT></RUBY>があろう。それを偽ることは、そなただけでなく、そなたの両親の願いまで汚すことになる。<br /> 余が<RUBY><RB>個人</RB><RT>おのれ</RT></RUBY>を語れたのは、幼少期までの話だ。<br /> ……ふん。仮に、一個人を名乗れる時があるとしても、それは余の半生の敗北を意味する。<br /> 余が捧げた全てを捨てさせるほどのモノ。そんなものと出会えたなら――<br /> その時こそ、この身は人に戻るのだ」
 
;「如何も何も、これ以上に的確な<RUBY><RB>冠</RB><RT>な</RT></RUBY>はない。余が望まずとも、余は余なのだ。一個人としての名乗りなど余には許されぬ。<br /> そなたも両親に名付けられた<RUBY><RB>命</RB><RT>な</RT></RUBY>があろう。それを偽ることは、そなただけでなく、そなたの両親の願いまで汚すことになる。<br /> 余が<RUBY><RB>個人</RB><RT>おのれ</RT></RUBY>を語れたのは、幼少期までの話だ。<br /> ……ふん。仮に、一個人を名乗れる時があるとしても、それは余の半生の敗北を意味する。<br /> 余が捧げた全てを捨てさせるほどのモノ。そんなものと出会えたなら――<br /> その時こそ、この身は人に戻るのだ」
 
:一人称が「余」なのはいかがなものか? という問いに対しての回答。赤い暴君が自身を「余」ではなく「私」と呼ぶ時がきたら、それは――
 
:一人称が「余」なのはいかがなものか? という問いに対しての回答。赤い暴君が自身を「余」ではなく「私」と呼ぶ時がきたら、それは――
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:第二回戦にて、アーチャーに「どこまでマスター大好きなんだアンタ!?」と問われ、「余にもまだわかっておらぬ!」と返した後。
 
:第二回戦にて、アーチャーに「どこまでマスター大好きなんだアンタ!?」と問われ、「余にもまだわかっておらぬ!」と返した後。
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;「いや、だから、みんな幸せになるんだぞ。最後におかしな機械が出てきてな。"<RUBY><RB>色々あったが、神が出てきて解決した</RB><RT>デウス・エクス・マキナ</RT></RUBY>"と」<br />「うん? うむ、確かに納得はいかない。だが演劇の脚本であるなら、これぐらいの夢は欲しい。<br /> "色々あったが、解決した。" ……ああ、余はいい言葉だと思うぞ。<br /> 人間の親愛や愛憎は、決して消え去らぬ。それを、機械仕掛けであれ、神が解決してくれるのだ。<br /> 余はそこに、創作者の嘆きを見る。<br /> 逆説的に言えば、絡まった愛憎の糸は人間では解決できないのだと、多くの創作者は分かっていたのだ。<br /> だから、これは最後の希望なのだと思う。<br /> 滅びに傾いたものたちが、絶望の中で、それでもどこかに解決できる者がいる筈だと請い願う。<br /> ……そうだな、たとえばの話。あらゆる宗教を弾圧した王がいたとしたら、そやつは喜ぶであろうよ。<br /> 祈る神のいないそやつにとって、この機械仕掛けの神こそが、己が憐れな最期を看取ってくれるのだろうからな」
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;「いや、だから、みんな幸せになるんだぞ。最後におかしな機械が出てきてな。"<RUBY><RB>色々あったが、神が出てきて解決した</RB><RT>デウス・エクス・マキナ</RT></RUBY>"と」<br />「うん? うむ、確かに納得はいかない。だが演劇の脚本であるなら、これぐらいの夢は欲しい。<br> "色々あったが、解決した。" ……ああ、余はいい言葉だと思うぞ。<br> 人間の親愛や愛憎は、決して消え去らぬ。それを、機械仕掛けであれ、神が解決してくれるのだ。<br /> 余はそこに、創作者の嘆きを見る。<br> 逆説的に言えば、絡まった愛憎の糸は人間では解決できないのだと、多くの創作者は分かっていたのだ。<br> だから、これは最後の希望なのだと思う。<br> 滅びに傾いたものたちが、絶望の中で、それでもどこかに解決できる者がいる筈だと請い願う。<br> ……そうだな、たとえばの話。あらゆる宗教を弾圧した王がいたとしたら、そやつは喜ぶであろうよ。<br> 祈る神のいないそやつにとって、この機械仕掛けの神こそが、己が憐れな最期を看取ってくれるのだろうからな」
 
:大好きな演劇についてを嬉々として語るセイバー。しかし最後は寂しげに、自嘲と共に。
 
:大好きな演劇についてを嬉々として語るセイバー。しかし最後は寂しげに、自嘲と共に。
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:オリンピア・プラウデーレ。宝具解放。「招き蕩う黄金劇場」。独唱の幕はここに上がる。<br />'''「レグナム カエロラム エト ジェヘナ……築かれよ我が摩天! ここに至高の光を示せ!」'''<br />ゲームバージョンその1。<br />'''「我が才を見よ……万雷の喝采を聞け……座して称えるがよい! 黄金の劇場を!!」'''<br />ゲームバージョンその2。<br />'''「この一輪を手向けとしよう… 舞い散るが華、斬り裂くは星! これぞ至高の美… しかして讃えよ!ドムス・アウレアと!!」'''<br />CCCで追加されたバージョンその3。
 
:オリンピア・プラウデーレ。宝具解放。「招き蕩う黄金劇場」。独唱の幕はここに上がる。<br />'''「レグナム カエロラム エト ジェヘナ……築かれよ我が摩天! ここに至高の光を示せ!」'''<br />ゲームバージョンその1。<br />'''「我が才を見よ……万雷の喝采を聞け……座して称えるがよい! 黄金の劇場を!!」'''<br />ゲームバージョンその2。<br />'''「この一輪を手向けとしよう… 舞い散るが華、斬り裂くは星! これぞ至高の美… しかして讃えよ!ドムス・アウレアと!!」'''<br />CCCで追加されたバージョンその3。
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'''Fate/EXTRA CCC'''
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'''''Fate/EXTRA CCC'''''
 
;「然り!我が剣は原初の<RUBY><RB>情熱</RB><RT>ほのお</RT></RUBY>にして、剣戟の音は<RUBY><RB>宙</RB><RT>ソラ</RT></RUBY>巡る星の如く。<br />聞き惚れよ。しかして称え、更に喜べ。<br />余は至高にして至上の名器―――剣の英霊、そなたのサーヴァントだ!」
 
;「然り!我が剣は原初の<RUBY><RB>情熱</RB><RT>ほのお</RT></RUBY>にして、剣戟の音は<RUBY><RB>宙</RB><RT>ソラ</RT></RUBY>巡る星の如く。<br />聞き惚れよ。しかして称え、更に喜べ。<br />余は至高にして至上の名器―――剣の英霊、そなたのサーヴァントだ!」
 
:待ち望んだ主人公との虚数空間での再会。万感の想いを込めて彼女は謳い上げる。
 
:待ち望んだ主人公との虚数空間での再会。万感の想いを込めて彼女は謳い上げる。

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