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:潜伏地・アリマゴ島において研究サンプルが漏れ出す事故が発生する。その際に羅患した幼馴染の少女・[[シャーレイ]]が、苦しみから彼に自分を殺してくれと頼む。しかし恐怖からそれを拒絶して、大人に助けを求めその場から逃げた。大切な人を殺せなかったその結果、島は地獄と化した。
 
:潜伏地・アリマゴ島において研究サンプルが漏れ出す事故が発生する。その際に羅患した幼馴染の少女・[[シャーレイ]]が、苦しみから彼に自分を殺してくれと頼む。しかし恐怖からそれを拒絶して、大人に助けを求めその場から逃げた。大切な人を殺せなかったその結果、島は地獄と化した。
 
:危険な試薬を作った父親、好奇心で使用した少女、死徒騒ぎを聞きつけやって来た者たち、惨劇の要因は多数あるが、発端は彼自身にあった。少女の願いを聞き入れ殺していればこのような惨劇は起こらなかったのだから。そのため彼は「愛する一人を殺せなかったために大勢を殺した」という、強烈なトラウマを刻み込まれた。
 
:危険な試薬を作った父親、好奇心で使用した少女、死徒騒ぎを聞きつけやって来た者たち、惨劇の要因は多数あるが、発端は彼自身にあった。少女の願いを聞き入れ殺していればこのような惨劇は起こらなかったのだから。そのため彼は「愛する一人を殺せなかったために大勢を殺した」という、強烈なトラウマを刻み込まれた。
:父がまた違う場所で、危険を一切顧みず研究を続けると予見した彼は、背を向けた父親を銃殺した。
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:父がまた違う場所で、危険を一切顧みず研究を続けると予見した彼は、背を向けた愛する父親を銃殺した。
:その後、父を狙っていた[[ナタリア・カミンスキー]]と共に島を脱する。孤児をただの子供として養う余裕も温情もナタリアは持っていないので必然的に働き手として使役されることになったが、切嗣が望んだことでもある。そして外界を体験した彼はアリマゴ島の惨劇など珍しくない、日常茶飯事な出来事であると思い知った。悲劇の再発防止に父を殺した行為など大海から一滴の水を掬い上げたに等しい。この手で殺したことに価値を見出そうとするならば、父と同類の異端の魔術師たちを全て殺した果てにしか見出せない。ゆえに魔術師を狩る生き方を躊躇なく決めた。ハンターとして生きるため苛烈すぎる経験と鍛錬を積みながら過ごし、血と硝煙にまみれた生活を送っていたため既に眼差しは10代のものではなくなっていた。そんなある日、仕事の途中にナタリア一人と他の大勢の命を天秤にかけねばならない場面に直面した彼は、再び非情な決断を強いられる。
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:その後、父を狙って来た[[ナタリア・カミンスキー]]と共に島を脱する。孤児をただの子供として養う余裕も温情もナタリアは持っていないので必然的に働き手として使役されることになったが、切嗣が望んだことでもある。ナタリアが協会と交渉した結果、父の遺体から魔術刻印の一部を継承することが出来た。二割にも満たないが魔術師として自立するには十分だった。
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:外界を体験した彼はアリマゴ島の惨劇など珍しくない、日常茶飯事な出来事であると思い知った。悲劇の再発防止に父を殺した行為など大海から一滴の水を掬い上げたに等しい。この手で殺したことに価値を見出そうとするならば、父と同類の異端の魔術師たちを全て殺した果てにしか見出せない。ゆえに魔術師を狩る生き方を躊躇なく決めた。ハンターとして生きるため苛烈すぎる経験と鍛錬を積みながら過ごし、血と硝煙にまみれた生活を送っていたため既に眼差しは10代のものではなくなっていた。そんなある日、仕事の途中にナタリア一人と他の大勢の命を天秤にかけねばならない場面に直面した彼は、再び非情な決断を強いられる。彼が下した選択は正しかった。死ぬしかない者が殺され、死ぬ理由のない者たちが救われた。それが『正義』でなくてなんなのか。今更止まれない、止まったら追い求めたものは無になる。支払った代価も積み上げた犠牲も無価値になる。だからこれからも自身の理想を憎み、呪いながら、理想に従うのだろうと彼は悟った。
 
:ナタリアの死後は独立し、フリーランスの魔術師として活動。魔術師関連の殺しと並行して戦況がもっとも激化し破滅的になった時期に傭兵として各地の戦地に赴いていた。
 
:ナタリアの死後は独立し、フリーランスの魔術師として活動。魔術師関連の殺しと並行して戦況がもっとも激化し破滅的になった時期に傭兵として各地の戦地に赴いていた。
 
:「魔術師殺し」の戦歴をアインツベルンに買われ、共同で第四次聖杯戦争に参加。開戦以前に[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン|アイリスフィール]]と夫婦になり、娘の[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン|イリヤスフィール]]を設けている。
 
:「魔術師殺し」の戦歴をアインツベルンに買われ、共同で第四次聖杯戦争に参加。開戦以前に[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン|アイリスフィール]]と夫婦になり、娘の[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン|イリヤスフィール]]を設けている。
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:すべてを救うそのためにすべて捨てる。そう誓った彼にとって情愛は己を責め苛むばかりのものだった。誰かを愛すたび、それを喪う覚悟を懐き続けなければならない呪い。それが理想の代価であり、情愛は決して己を癒すことはないと思っていた。なのになぜ、一人の女と、血を分けた我が子とを、こんなにも愛してしまったのか、自問しても答えを得れなかった。
 
:発掘された聖剣の鞘を触媒にセイバーを召喚。触媒である「全て遠き理想郷」は代理マスターとして戦地に送り込んだアイリに預けていた。
 
:発掘された聖剣の鞘を触媒にセイバーを召喚。触媒である「全て遠き理想郷」は代理マスターとして戦地に送り込んだアイリに預けていた。
 
:戦争の終結後、現場で唯一生き残っていた[[衛宮士郎|少年]]を発見。瀕死だった彼を「全て遠き理想郷」を体に埋め込むことで救い、脱出する。士郎を養子に迎えた後「世界旅行」と称して屋敷を離れて、我が子を迎えにアインツベルンを幾度も訪れたが、裏切者に[[ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン|アハト翁]]が結界を解くはずがなく娘と再会することは叶わなかった。
 
:戦争の終結後、現場で唯一生き残っていた[[衛宮士郎|少年]]を発見。瀕死だった彼を「全て遠き理想郷」を体に埋め込むことで救い、脱出する。士郎を養子に迎えた後「世界旅行」と称して屋敷を離れて、我が子を迎えにアインツベルンを幾度も訪れたが、裏切者に[[ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン|アハト翁]]が結界を解くはずがなく娘と再会することは叶わなかった。
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;[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン]]
 
;[[アイリスフィール・フォン・アインツベルン]]
 
:最愛の妻。初めて出会ったのは培養槽越しでその時目を開けた彼女の瞳の緋色の奥底に魅入られその瞬間が焼き付いた。
 
:最愛の妻。初めて出会ったのは培養槽越しでその時目を開けた彼女の瞳の緋色の奥底に魅入られその瞬間が焼き付いた。
:馴れ初めは彼女が培養槽から出た後から。彼女を犠牲にすることは子が生まれる前から何度も二人の間で話され、そのたび泣き、呪う切嗣を彼女は赦し励ましてきた。
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:彼女を犠牲にすることは子が生まれる前から何度も二人の間で話され、そのたび泣き、呪う切嗣を彼女は赦し励ましてきた。
    
;[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]
 
;[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン]]
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:もう遊んであげないと言われたので謝りつつも今度はノグルミがあるなと胸の中では考えており全然反省していない。大人げない父親だった。
 
:もう遊んであげないと言われたので謝りつつも今度はノグルミがあるなと胸の中では考えており全然反省していない。大人げない父親だった。
 
:だがノグルミの樹は見当たらなかったためか今回の勝負はイリヤが勝った。
 
:だがノグルミの樹は見当たらなかったためか今回の勝負はイリヤが勝った。
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;「……じゃあ、父さんも約束する。イリヤのことを待たせたりしない。父さんは必ず、すぐに帰ってくる」
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:血で穢れきった己が普通の父親のように我が子を抱きしめるなど赦されないと自身を戒めてきた。だがもう、母に抱擁されることはない、なのに父までもその役を辞するわけにはいかない。
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:ただ一人の父親として、逃げることも偽ることもなく腕の中のぬくもりを受け入れていかなけばいけないと我が子を固く抱きしめ約束した。
    
;「……あんな馬鹿に、世界は一度征服されかかったのか?」
 
;「……あんな馬鹿に、世界は一度征服されかかったのか?」
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