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| : 『[[Fate/Apocrypha]]』では聖杯大戦において赤のサーヴァントとして召喚される。本来の召喚者であるマスターではなく[[天草四郎時貞|シロウ]]達に与し、彼らの野望を知りながら協力しているが、自らの「物語」への欲から[[スパルタクス|バーサーカー]]にミレニア城塞の在り処を教え、暴走させるトラブルメーカーでもある。 | | : 『[[Fate/Apocrypha]]』では聖杯大戦において赤のサーヴァントとして召喚される。本来の召喚者であるマスターではなく[[天草四郎時貞|シロウ]]達に与し、彼らの野望を知りながら協力しているが、自らの「物語」への欲から[[スパルタクス|バーサーカー]]にミレニア城塞の在り処を教え、暴走させるトラブルメーカーでもある。 |
| : ユグドミレニア攻撃の際はシロウの援護に努め、[[フランケンシュタイン|黒のバーサーカー]]の足止めを行う。大聖杯奪取後は、空中庭園内部に「工房」という名の個人的な書斎を作り、ひたすら執筆活動に明け暮れる。 | | : ユグドミレニア攻撃の際はシロウの援護に努め、[[フランケンシュタイン|黒のバーサーカー]]の足止めを行う。大聖杯奪取後は、空中庭園内部に「工房」という名の個人的な書斎を作り、ひたすら執筆活動に明け暮れる。 |
− | :『[[Fate/Grand Order]]』の第四特異点『[[死界魔霧都市 ロンドン]]』では西暦1888年のロンドンに出現した魔霧から召喚され、一応、居合わせた主人公達に付く(基本的に[[ヘンリー・ジキル&ハイド〔アサシン〕|ジキル]]のアパルトメントに籠り、戦闘に参加したのは時計塔の探索時のみ)。 | + | :『[[Fate/Grand Order]]』の第四特異点『[[死界魔霧都市 ロンドン]]』では西暦1888年のロンドンに出現した魔霧から召喚され、一応、居合わせた主人公達に付く(基本的に[[ヘンリー・ジキル&ハイド〔アサシン〕|ジキル]]のアパルトメントに籠り、戦闘に参加したのは[[時計塔]]の探索時のみ)。 |
| :終局特異点『[[冠位時間神殿 ソロモン]]』では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅣの座を統括する[[バルバトス|管制塔バルバトス]]と交戦する。 | | :終局特異点『[[冠位時間神殿 ソロモン]]』では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅣの座を統括する[[バルバトス|管制塔バルバトス]]と交戦する。 |
| :亜種特異点Ⅰ『[[悪性隔絶魔境 新宿]]』では[[オルタナティブ]]として召喚され、敵側に監禁されて創作幻想を作らされていた。 | | :亜種特異点Ⅰ『[[悪性隔絶魔境 新宿]]』では[[オルタナティブ]]として召喚され、敵側に監禁されて創作幻想を作らされていた。 |
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| : 一方でつまらない『物語』を強く嫌悪しており、『物語』を壊しかねない存在を全力で排除しようとする。また、行動や思考、思想が単純で容易に操れるような平凡な人物も忌み嫌っている。 | | : 一方でつまらない『物語』を強く嫌悪しており、『物語』を壊しかねない存在を全力で排除しようとする。また、行動や思考、思想が単純で容易に操れるような平凡な人物も忌み嫌っている。 |
| ; 能力 | | ; 能力 |
− | : 「キャスター」でありながら[[魔術|魔術師]]ではなく、工房や礼装を作成することは勿論、使い魔を使役して情報収集することなど一切出来ない。戦闘能力もまるで無く、一見すると何の役にも立たない無能なサーヴァントでしかない。 | + | : 「キャスター」でありながら[[魔術師]]ではなく、工房や礼装を作成することは勿論、使い魔を使役して情報収集することなど一切出来ない。戦闘能力もまるで無く、一見すると何の役にも立たない無能なサーヴァントでしかない。 |
− | : しかし固有[[スキル (サーヴァント)|スキル]]『エンチャント』を持ち、物品に強力な機能を付与することが可能。これは魔力による物ではなく、文豪・シェイクスピアが魂を篭めてその物品についての文章を書く事によって、その物品を『概念武装』に仕上げると言う特異なスキル。道端の石ころにすら必殺の概念を所有させる事ができ、曰くのある(文章を書ける)物品ならば宝具にすら昇華する事が可能。シロウの所有する「とある剣豪が所有していた日本刀」三池典太三世はこのスキルによってCランク宝具となった。 | + | : しかし固有[[スキル (サーヴァント)|スキル]]『エンチャント』を持ち、物品に強力な機能を付与することが可能。これは魔力による物ではなく、文豪・シェイクスピアが魂を篭めてその物品についての文章を書く事によって、その物品を『[[概念武装]]』に仕上げると言う特異なスキル。道端の石ころにすら必殺の概念を所有させる事ができ、曰くのある(文章を書ける)物品ならば宝具にすら昇華する事が可能。シロウの所有する「とある剣豪が所有していた日本刀」三池典太三世はこのスキルによってCランク宝具となった。 |
− | : また『自己保存』によってマスターが無事な限りは殆どの危機から逃れることができるが、裏を返せば本人は全然戦わないというものであり、通常の聖杯戦争で召喚された場合もっぱら戦うのはマスターとなっている。 | + | : また『自己保存』によってマスターが無事な限りは殆どの危機から逃れることができるが、裏を返せば本人は全然戦わないというものであり、通常の[[聖杯戦争]]で召喚された場合もっぱら戦うのはマスターとなっている。 |
− | : いざ戦闘となった場合は「劇団」と呼ばれる幻影を呼び出す魔術を操り、対象を混乱させる。召喚された人物は対象者と全く見分けがつかないが、キャスターの意向次第でその人物が本来行う筈のない言動をさせることが出来る。また召喚された者は誰かに殺されない限り多少の事では消滅せず、断末魔の悲鳴すら上げる。幻影の正体は木の人形のような物が対象者に化けたものらしく、消滅時には木屑が残る。ルーラーとして「真名看破」のスキルを保持しているシロウとの連携によって、相手の親しい人や因縁のある人物、トラウマの元となった者を呼び出し、ピンポイントで心の隙を突く悪辣な精神攻撃と化しており、[[フランケンシュタイン|黒のバーサーカー]]に対しては、彼女の創造者であった[[ヴィクター・フランケンシュタイン]]を召喚して時間稼ぎに用いた。 | + | : いざ戦闘となった場合は「劇団」と呼ばれる幻影を呼び出す魔術を操り、対象を混乱させる。召喚された人物は対象者と全く見分けがつかないが、シェイクスピアの意向次第でその人物が本来行う筈のない言動をさせることが出来る。また召喚された者は誰かに殺されない限り多少の事では消滅せず、断末魔の悲鳴すら上げる。幻影の正体は木の人形のような物が対象者に化けたものらしく、消滅時には木屑が残る。ルーラーとして「真名看破」のスキルを保持しているシロウとの連携によって、相手の親しい人や因縁のある人物、トラウマの元となった者を呼び出し、ピンポイントで心の隙を突く悪辣な精神攻撃と化しており、[[フランケンシュタイン|黒のバーサーカー]]に対しては、彼女の創造者であった[[ヴィクター・フランケンシュタイン]]を召喚して時間稼ぎに用いた。 |
| : 『Fate/Grand Order』の亜種特異点Ⅰ『[[悪性隔絶魔境 新宿]]』では舞台となった新宿自体が空想に近くなっていた為、より直接的に戦闘能力を持った実体「創作幻想」を作成し、戦力として使用させられていた。 | | : 『Fate/Grand Order』の亜種特異点Ⅰ『[[悪性隔絶魔境 新宿]]』では舞台となった新宿自体が空想に近くなっていた為、より直接的に戦闘能力を持った実体「創作幻想」を作成し、戦力として使用させられていた。 |
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| ! クラス !! マスター !! 筋力 !! 耐久 !! 敏捷 !! 魔力 !! 幸運 !! 宝具 !! [[スキル (サーヴァント)|クラス別能力]] !! [[スキル (サーヴァント)|保有スキル]] !! 備考 | | ! クラス !! マスター !! 筋力 !! 耐久 !! 敏捷 !! 魔力 !! 幸運 !! 宝具 !! [[スキル (サーヴァント)|クラス別能力]] !! [[スキル (サーヴァント)|保有スキル]] !! 備考 |
| |- | | |- |
− | | rowspan="2"|[[キャスター]] || [[天草四郎時貞|シロウ・コトミネ]] || E || E || D || C++ || B || C+ || 陣地作成:C<br />道具作成:- || エンチャント:A<br />自己保存:B || style="text-align:left"| | + | | rowspan="2"|[[キャスター]] || [[天草四郎時貞|シロウ・コトミネ]] || E || E || D || C++ || B || C+ || 陣地作成:C<br>道具作成:- || エンチャント:A<br>自己保存:B || style="text-align:left"| |
| |- | | |- |
− | | [[主人公 (Grand Order)]] || E || E || D || C++ || B || C+ || 陣地作成:C<br />道具作成:- || エンチャント:A<br />自己保存:B<br />国王一座:C || style="text-align:left"| | + | | [[主人公 (Grand Order)]] || E || E || D || C++ || B || C+ || 陣地作成:C<br>道具作成:- || エンチャント:A<br>自己保存:B<br>国王一座:C || style="text-align:left"| |
| |} | | |} |
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| == [[宝具]] == | | == [[宝具]] == |
| ; 開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を(ファースト・フォリオ) | | ; 開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を(ファースト・フォリオ) |
− | : ランク:B<br />種別:対人宝具<br />レンジ:1~30<br />最大捕捉:1人 | + | : ランク:B<br>種別:対人宝具<br>レンジ:1~30<br>最大捕捉:1人 |
| : シェイクスピアが発動する究極劇。発動した状況によってその効果は異なるものとなる。 | | : シェイクスピアが発動する究極劇。発動した状況によってその効果は異なるものとなる。 |
| : 世界改変型宝具。世界を閉塞させ、脚本を産み出し、物語を強制させる。敵味方関係なく、彼は対象者を自作劇の登場人物に仕立て上げ、その上で対象者に難題を突きつける。 | | : 世界改変型宝具。世界を閉塞させ、脚本を産み出し、物語を強制させる。敵味方関係なく、彼は対象者を自作劇の登場人物に仕立て上げ、その上で対象者に難題を突きつける。 |
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| | | |
| == 真名:ウィリアム・シェイクスピア == | | == 真名:ウィリアム・シェイクスピア == |
− | :ウィリアム・シェイクスピア。劇作家であり俳優。英国が世界に誇る文豪。 | + | :劇作家であり俳優。英国が世界に誇る文豪。 |
− |
| + | :彼は卓越した人間観察眼からなる繊細な内面の心理描写により、四大悲劇をはじめに数多くの傑作を執筆し、英文学史上において名声は留まるところを知らなかった。 |
− | :彼は卓越した人間観察眼からなる繊細な内面の心理描写により、四大悲劇をはじめに数多くの傑作を執筆し、英文学史上において名声は留まるところを知らなかった。<br>当時の先輩劇作家から「成り上がりのカラス」と罵倒されるほどにはやっかまれていたが、彼の半生は謎に包まれていた。 | + | :当時の先輩劇作家から「成り上がりのカラス」と罵倒されるほどにはやっかまれていたが、彼の半生は謎に包まれていた。 |
− | | + | :ともあれ、彼が数々の著作を興したことは紛れもない事実であり、それが近代・現代におけるおおよそ全ての「物語」に影響に及ぼしたのだ。何せ、シェイクスピアの名、彼が記した物語、そしてその名言の数々は、時代を越えて世界中に知れ渡っているのだから。 |
− | :ともあれ、彼が数々の著作を興したことは紛れもない事実であり、それが近代・現代におけるおおよそ全ての「物語」に影響に及ぼしたのだ。<br>何せ、シェイクスピアの名、彼が記した物語、そしてその名言の数々は、時代を越えて世界中に知れ渡っているのだから。 | |
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| === 関連 === | | === 関連 === |
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| : 「赤」のサーヴァントとして登場。 | | : 「赤」のサーヴァントとして登場。 |
| ; [[Fate/Grand Order]] | | ; [[Fate/Grand Order]] |
− | : ゲーム開始時から実装されている。 | + | : サービス開始時から実装されている。 |
| : 第四特異点では魔霧の影響で召喚されたはぐれサーヴァントとして登場する。 | | : 第四特異点では魔霧の影響で召喚されたはぐれサーヴァントとして登場する。 |
| | | |
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| :自著『ジュリアス・シーザー』で主役として登場させた。もっとも「死んでからが本番な感じで書いた」とやや辛辣。 | | :自著『ジュリアス・シーザー』で主役として登場させた。もっとも「死んでからが本番な感じで書いた」とやや辛辣。 |
| ;[[ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕]] | | ;[[ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕]] |
− | :2017年のバレンタインイベントにて「自分の顔そっくりのチョコを渡せば嫌がらせになる」と大嘘をついて主人公へのプレゼントを作らせる。 | + | :彼女のバレンタインシナリオにて「自分の顔そっくりのチョコを渡せば嫌がらせになる」と大嘘をついて主人公へのプレゼントを作らせる。 |
| :なお、後で嘘がバレて捕まって火あぶりにされた模様。 | | :なお、後で嘘がバレて捕まって火あぶりにされた模様。 |
| ;[[ジェームズ・モリアーティ]] | | ;[[ジェームズ・モリアーティ]] |
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| :自著『アントニーとクレオパトラ』で主役として登場させる。 | | :自著『アントニーとクレオパトラ』で主役として登場させる。 |
| ;[[紫式部]] | | ;[[紫式部]] |
− | :2019年のバレンタインイベントにて共演。 | + | :『ボイス&レター・これくしょん!』にて共演。 |
| :お近づきになるべく、彼女の好きな日本の古典を読み漁っていた。もっとも、下世話な下心ではなく「日本最古の女性の小説家」ということで彼女のエピソードや私生活の話を聞きたいという<del>ある意味もっと下世話な</del>動機であったが。 | | :お近づきになるべく、彼女の好きな日本の古典を読み漁っていた。もっとも、下世話な下心ではなく「日本最古の女性の小説家」ということで彼女のエピソードや私生活の話を聞きたいという<del>ある意味もっと下世話な</del>動機であったが。 |
| :なお彼女が後に作った図書館については「アホみたいに長い名前」と辛辣。 | | :なお彼女が後に作った図書館については「アホみたいに長い名前」と辛辣。 |
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| :自著『夏の夜の夢』で主要登場人物として登場させる。 | | :自著『夏の夜の夢』で主要登場人物として登場させる。 |
| :が、その描写のせいで洒落にならないほどの影響を受けたことから相当な恨みを買っており、毒入りのファンレターを送られかかっている。 | | :が、その描写のせいで洒落にならないほどの影響を受けたことから相当な恨みを買っており、毒入りのファンレターを送られかかっている。 |
− | :彼としてもお互い様のようで、[[シバの女王]]の幕間の物語『三匹のジンのレポート』では彼への債権を全部買い取った彼女に「肉や血を含めた五体差し押さえ」を提案したり自分名義の借用書(偽造)を紛れ込ませたりと嫌がらせをしている。 | + | :彼としてもお互い様のようで、[[シバの女王]]の[[幕間の物語]]『三匹のジンのレポート』では彼への債権を全部買い取った彼女に「肉や血を含めた五体差し押さえ」を提案したり自分名義の借用書(偽造)を紛れ込ませたりと嫌がらせをしている。 |
| ;[[ジーク (Grand Order)|ジーク]] | | ;[[ジーク (Grand Order)|ジーク]] |
| :とある聖杯戦争で縁のあった相手。 | | :とある聖杯戦争で縁のあった相手。 |
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| == 名台詞 == | | == 名台詞 == |
| ===Fate/Apocrypha=== | | ===Fate/Apocrypha=== |
− | ; 『―――<ruby><rb>馬だ</rb><rt>A_horse</rt></ruby>!<br> <ruby><rb>馬を引け</rb><rt>A_horse</rt></ruby>!<br> <ruby><rb>馬を引いてきたら王国をくれてやるぞ</rb><rt>My_kingdom_for_a_horse</rt></ruby>!』 | + | ; 『───<ruby><rb>馬だ</rb><rt>A_horse</rt></ruby>!<br> <ruby><rb>馬を引け</rb><rt>A_horse</rt></ruby>!<br> <ruby><rb>馬を引いてきたら王国をくれてやるぞ</rb><rt>My_kingdom_for_a_horse</rt></ruby>!』 |
| : 初登場時のセリフ。'''彼のセリフは大体この調子で、頻繁に自作のセリフが引用されている。'''ここの出典は「リチャードⅢ世」で、強欲で滑稽な支配者リチャードⅢ世の最後の台詞。 | | : 初登場時のセリフ。'''彼のセリフは大体この調子で、頻繁に自作のセリフが引用されている。'''ここの出典は「リチャードⅢ世」で、強欲で滑稽な支配者リチャードⅢ世の最後の台詞。 |
| : 恐らくバーサーカーが暴走を始めたという、緊急事態が発生した事を暗示する意味で、このセリフを選んだのだと思われる。 | | : 恐らくバーサーカーが暴走を始めたという、緊急事態が発生した事を暗示する意味で、このセリフを選んだのだと思われる。 |
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| : アニメ版で、撤退を指示したシロウに対して。メタ的に様々な方面に突き刺さりそうな危険な台詞である。 | | : アニメ版で、撤退を指示したシロウに対して。メタ的に様々な方面に突き刺さりそうな危険な台詞である。 |
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− | ; 「おお、なるほどなるほど! それでは愛しく憎悪しているであろう彼に会わせてあげましょう!<br />『<ruby><rb>人間の一生は彷徨い歩く影法師</rb><rt>Lifes but a walking shadow</rt></ruby>、<ruby><rb>哀れな役者に過ぎぬ</rb><rt>a poor player</rt></ruby>。<br> <ruby><rb>己の出番の時は</rb><rt>That struts and</rt></ruby>、<ruby><rb>舞台の上でふんぞり返って喚くだけ</rb><rt>frets his hour upon the stage</rt></ruby>!』」 | + | ; 「おお、なるほどなるほど! それでは愛しく憎悪しているであろう彼に会わせてあげましょう!<br>『<ruby><rb>人間の一生は彷徨い歩く影法師</rb><rt>Lifes but a walking shadow</rt></ruby>、<ruby><rb>哀れな役者に過ぎぬ</rb><rt>a poor player</rt></ruby>。<br> <ruby><rb>己の出番の時は</rb><rt>That struts and</rt></ruby>、<ruby><rb>舞台の上でふんぞり返って喚くだけ</rb><rt>frets his hour upon the stage</rt></ruby>!』」 |
| : 宝具『開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を』。悪辣なる虚構の劇場が幕を開ける。 | | : 宝具『開演の刻は来たれり、此処に万雷の喝采を』。悪辣なる虚構の劇場が幕を開ける。 |
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| :彼の自作を引用する喋り方も相まって、最早、狂気すら感じられる。 | | :彼の自作を引用する喋り方も相まって、最早、狂気すら感じられる。 |
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− | ;「それは無論、“面白そうだから”に決まっているではありませんか!<br> 何しろ人類救済ですよ、誰かを救いたいなどという矮小なものではない。全人類、この世界に住む六十億の救済。<br> しかも彼はただの聖人などではない。善行を積み、祈るだけで救われようとした面白味のない連中とは訳が違う!<br> 彼は戦い、そして敗北し――無残に全てを奪われた!<br> そう彼は全てを恨んでいる筈です! 三万七千人を皆殺しにした統治者を! それをただ見過ごした人々も!<br> だが彼は恨まない! そればかりか、彼らすら救済の対象だ!<br> 全人類を救うという事は、そういうことでしょう。それも彼も理解している!<br> その苦悩、その煩悶、何たる悲劇!<br> それ故――彼はひどく面白い。<br> ならば退屈なマスターなど放逐して当然でしょう。吾輩はマスターに仕える者ではなく、物語に仕える者故に!」 | + | ;「それは無論、“面白そうだから”に決まっているではありませんか!<br> 何しろ人類救済ですよ、誰かを救いたいなどという矮小なものではない。全人類、この世界に住む六十億の救済。<br> しかも彼はただの聖人などではない。善行を積み、祈るだけで救われようとした面白味のない連中とは訳が違う!<br> 彼は戦い、そして敗北し──無残に全てを奪われた!<br> そう彼は全てを恨んでいる筈です! 三万七千人を皆殺しにした統治者を! それをただ見過ごした人々も!<br> だが彼は恨まない! そればかりか、彼らすら救済の対象だ!<br> 全人類を救うという事は、そういうことでしょう。それも彼も理解している!<br> その苦悩、その煩悶、何たる悲劇!<br> それ故──彼はひどく面白い。<br> ならば退屈なマスターなど放逐して当然でしょう。吾輩はマスターに仕える者ではなく、物語に仕える者故に!」 |
| :何故シロウに手を貸すのか問われて。<br>「ただ面白いからマスターに手を貸し、その思想自体には何の興味も無く、『物語』こそ全てに優先される」と言い切る。<br>英霊として気高くもなく、立派な振る舞いであると呼べず、どちらかというと「信念」より妄執に近い。だが紛れもない本心からの言葉であり、それに至れば誰もが認めざるを得ない。 | | :何故シロウに手を貸すのか問われて。<br>「ただ面白いからマスターに手を貸し、その思想自体には何の興味も無く、『物語』こそ全てに優先される」と言い切る。<br>英霊として気高くもなく、立派な振る舞いであると呼べず、どちらかというと「信念」より妄執に近い。だが紛れもない本心からの言葉であり、それに至れば誰もが認めざるを得ない。 |
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− | ;「――何を視たのです? 何を知覚したのです?<br> 愚かなこと。何を視ようと、それは最早<RUBY><RB>過去の残骸に過ぎませぬ</RB><RT>・・・・・・・・・・・</RT></RUBY>。<br> 我々は過去の亡霊、亡霊が過去を悔やめばただの怨霊でしかない」 | + | ;「──何を視たのです? 何を知覚したのです?<br> 愚かなこと。何を視ようと、それは最早<RUBY><RB>過去の残骸に過ぎませぬ</RB><RT>・・・・・・・・・・・</RT></RUBY>。<br> 我々は過去の亡霊、亡霊が過去を悔やめばただの怨霊でしかない」 |
| :何も知らぬはずの道化の言葉は、これ以上ないほどに[[アタランテ|純潔の狩人]]の心底を抉り出し彼女を憤激させた。 | | :何も知らぬはずの道化の言葉は、これ以上ないほどに[[アタランテ|純潔の狩人]]の心底を抉り出し彼女を憤激させた。 |
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| :アサシンから自身の書く本が自分達に益しないと判明すれば生かしておく理由はないと恫喝されながら、<RUBY><RB>道化</RB><RT>キャスター</RT></RUBY>は平然と"<RUBY><RB>不完全</RB><RT>・・・</RT></RUBY>"とのたまう。 | | :アサシンから自身の書く本が自分達に益しないと判明すれば生かしておく理由はないと恫喝されながら、<RUBY><RB>道化</RB><RT>キャスター</RT></RUBY>は平然と"<RUBY><RB>不完全</RB><RT>・・・</RT></RUBY>"とのたまう。 |
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− | ;「アッシリアの女帝よ、それは当然でしょう。完全な存在、完全な人間、秩序と論理のみで構築された完全な物語など―――<RUBY><RB>クソ面白くもない</RB><RT>・・・・・・・・</RT></RUBY>!<br> "<RUBY><RB>若葉の日々</RB><RT>My salad days,</RT></RUBY>、<RUBY><RB>何とも青臭い若気の至り</RB><RT>When I was greenin judgement,cold in blood</RT></RUBY>"! 吾輩の物語は不完全故に美しく、不完全故に純正の娯楽です。<br> 失敗は死? 構いませんとも! しくじる確率があり、償わなければならない! <RUBY><RB>だからこそ</RB><RT>・・・・・</RT></RUBY>、吾輩は奮起して傑作を書き上げましょう」 | + | ;「アッシリアの女帝よ、それは当然でしょう。完全な存在、完全な人間、秩序と論理のみで構築された完全な物語など───<RUBY><RB>クソ面白くもない</RB><RT>・・・・・・・・</RT></RUBY>!<br> "<RUBY><RB>若葉の日々</RB><RT>My salad days,</RT></RUBY>、<RUBY><RB>何とも青臭い若気の至り</RB><RT>When I was greenin judgement,cold in blood</RT></RUBY>"! 吾輩の物語は不完全故に美しく、不完全故に純正の娯楽です。<br> 失敗は死? 構いませんとも! しくじる確率があり、償わなければならない! <RUBY><RB>だからこそ</RB><RT>・・・・・</RT></RUBY>、吾輩は奮起して傑作を書き上げましょう」 |
| :上記の返答に対し完全ではないのかと問われて、物書きとしての道化の矜持が、これでもかと無駄にあふれている。因みに出典は「アントニーとクレオパトラ」の[[クレオパトラ]]の台詞から。 | | :上記の返答に対し完全ではないのかと問われて、物書きとしての道化の矜持が、これでもかと無駄にあふれている。因みに出典は「アントニーとクレオパトラ」の[[クレオパトラ]]の台詞から。 |
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| :生前あれだけ論った聖処女との初対面。芝居がかった口調で相変わらず好き勝手にのたまう。「ハムレット」の主人公ハムレットの親友・臣下であるホレーショへの台詞が元ネタ。 | | :生前あれだけ論った聖処女との初対面。芝居がかった口調で相変わらず好き勝手にのたまう。「ハムレット」の主人公ハムレットの親友・臣下であるホレーショへの台詞が元ネタ。 |
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− | ;「条件一、心情の問題。<br>『<RUBY><RB>忘恩の人間より恐ろしい怪物はいない</RB><RT>O,see the monstrousness of man When he looks out in an ungrateful shape!</RT></RUBY>』と言うように、吾輩は"赤"の側で禄を<RUBY><RB>食</RB><RT>は</RT></RUBY>んでおります。<br> 吾輩、ダンディぶりでは"赤"の側でも一、二を争う自信がありますし―――知性なき怪物になどなりたくもない!」<br>「そして条件二、娯楽の問題。<br>『<RUBY><RB>詩人の瞳は天恵を得て回転し</RB><RT>The poet`s eye,in fine frenzy rollings,</RT></RUBY>、<RUBY><RB>天から地、地から天と広く見渡す</RB><RT>Doth glance from heaven to Earth,from Earth to heaven.</RT></RUBY>』我が目はただいま絶好調!<br> まさに<RUBY><RB>霊感</RB><RT>スピリッツ</RT></RUBY>を得た<RUBY><RB>創作者</RB><RT>クリエイター</RT></RUBY>。つまり、今この瞬間この一時が愉快極まる!」<br>「そして最後に条件三、戦力の問題。<br> 我々の戦力は、貴女が想像するより遥かに、遥かに絶望的なのですよ。<br> 貴女は急ぎに急いでやってきたが間に合わなかった。いや、恐らくはどれほど急いでもその分必ず間に合わなかった![[アキレウス]]と亀のようなもの。<br> そして間に合わなかった以上、貴女は此処で―――――――死ぬ」 | + | ;「条件一、心情の問題。<br>『<RUBY><RB>忘恩の人間より恐ろしい怪物はいない</RB><RT>O,see the monstrousness of man When he looks out in an ungrateful shape!</RT></RUBY>』と言うように、吾輩は"赤"の側で禄を<RUBY><RB>食</RB><RT>は</RT></RUBY>んでおります。<br> 吾輩、ダンディぶりでは"赤"の側でも一、二を争う自信がありますし───知性なき怪物になどなりたくもない!」<br>「そして条件二、娯楽の問題。<br>『<RUBY><RB>詩人の瞳は天恵を得て回転し</RB><RT>The poet`s eye,in fine frenzy rollings,</RT></RUBY>、<RUBY><RB>天から地、地から天と広く見渡す</RB><RT>Doth glance from heaven to Earth,from Earth to heaven.</RT></RUBY>』我が目はただいま絶好調!<br> まさに<RUBY><RB>霊感</RB><RT>スピリッツ</RT></RUBY>を得た<RUBY><RB>創作者</RB><RT>クリエイター</RT></RUBY>。つまり、今この瞬間この一時が愉快極まる!」<br>「そして最後に条件三、戦力の問題。<br> 我々の戦力は、貴女が想像するより遥かに、遥かに絶望的なのですよ。<br> 貴女は急ぎに急いでやってきたが間に合わなかった。いや、恐らくはどれほど急いでもその分必ず間に合わなかった![[アキレウス]]と亀のようなもの。<br> そして間に合わなかった以上、貴女は此処で───────死ぬ」 |
| :サーヴァントとしての力の差から降伏を申し出られるキャスターだが、逆に降伏の条件三つをそちらが満たしていないと突っ撥ね、大胆にも聖女に死を宣告した。 | | :サーヴァントとしての力の差から降伏を申し出られるキャスターだが、逆に降伏の条件三つをそちらが満たしていないと突っ撥ね、大胆にも聖女に死を宣告した。 |
| :しかし、第二、第三の条件はまだしも、一番初めの条件に至っては、自身を召喚したマスターを退屈とのたまって放逐し、「面白いから」とシロウに乗り換えた時点ではっきりいって目も当てられない。というより、この道化は"恩"なんてもので動く玉では断じてない。少なくともサーヴァントとしては、どこぞの[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン|毒舌童話作家]]に言わせれば一点たりともくれてやれない失格者であろう。 | | :しかし、第二、第三の条件はまだしも、一番初めの条件に至っては、自身を召喚したマスターを退屈とのたまって放逐し、「面白いから」とシロウに乗り換えた時点ではっきりいって目も当てられない。というより、この道化は"恩"なんてもので動く玉では断じてない。少なくともサーヴァントとしては、どこぞの[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン|毒舌童話作家]]に言わせれば一点たりともくれてやれない失格者であろう。 |
| :出典は上から順に「アテネのタイモン」のタイモンの台詞と、「夏の夜の夢」の登場人物であるアテネの公爵シーシュースの台詞、そして『アキレウスと亀』のパラドックス。 | | :出典は上から順に「アテネのタイモン」のタイモンの台詞と、「夏の夜の夢」の登場人物であるアテネの公爵シーシュースの台詞、そして『アキレウスと亀』のパラドックス。 |
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− | ;「さあ、我が宝具の幕開けだ! 席に座れ! 煙草は止めろ! 写真撮影お断り! 野卑な罵声は真っ平御免!<br> 世界は我が手、我が舞台! 開演を此処に―――万雷の喝采を!」 | + | ;「さあ、我が宝具の幕開けだ! 席に座れ! 煙草は止めろ! 写真撮影お断り! 野卑な罵声は真っ平御免!<br> 世界は我が手、我が舞台! 開演を此処に───万雷の喝采を!」 |
| :この世界を閉塞させ、<RUBY><RB>脚本</RB><RT>ちつじょ</RT></RUBY>を産み出し、<RUBY><RB>物語</RB><RT>みちすじ</RT></RUBY>を強制させる。悪辣な舞台宝具が、聖女に牙を剥く。 | | :この世界を閉塞させ、<RUBY><RB>脚本</RB><RT>ちつじょ</RT></RUBY>を産み出し、<RUBY><RB>物語</RB><RT>みちすじ</RT></RUBY>を強制させる。悪辣な舞台宝具が、聖女に牙を剥く。 |
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250行目: |
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| :道化の<RUBY><RB>短剣</RB><RT>ことば</RT></RUBY>は、狙い違わず聖女の心臓を容赦なく貫く。 | | :道化の<RUBY><RB>短剣</RB><RT>ことば</RT></RUBY>は、狙い違わず聖女の心臓を容赦なく貫く。 |
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− | ;「さあ、この舞台劇の<RUBY><RB>分類</RB><RT>ジャンル</RT></RUBY>が決まったぞ!<br> <RUBY><RB>喜劇</RB><RT>コメディ</RT></RUBY>だ! なあ、聖女よ! ようこそ人殺しの世界へ!<br> 一度としてその手を汚さなかった貴女が最初に選んだ犠牲者は、貴女を心から慕う少年だったとは!」<br>「道化の時間はこれにて終了、<RUBY><RB>救済</RB><RT>おわり</RT></RUBY>の支度が整いました。<br> ―――これより我がマスター、天草四郎時貞の再臨です」 | + | ;「さあ、この舞台劇の<RUBY><RB>分類</RB><RT>ジャンル</RT></RUBY>が決まったぞ!<br> <RUBY><RB>喜劇</RB><RT>コメディ</RT></RUBY>だ! なあ、聖女よ! ようこそ人殺しの世界へ!<br> 一度としてその手を汚さなかった貴女が最初に選んだ犠牲者は、貴女を心から慕う少年だったとは!」<br>「道化の時間はこれにて終了、<RUBY><RB>救済</RB><RT>おわり</RT></RUBY>の支度が整いました。<br> ───これより我がマスター、天草四郎時貞の再臨です」 |
| :高らかに告げる、反道徳の勝利宣言。聖女の慟哭を生前の史劇以上に煽り嘲り貶める。 | | :高らかに告げる、反道徳の勝利宣言。聖女の慟哭を生前の史劇以上に煽り嘲り貶める。 |
| :そしてその直後、一もう一つの喜劇が凱歌を上げる。 | | :そしてその直後、一もう一つの喜劇が凱歌を上げる。 |
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| ;「ははははは! <RUBY><RB>終わりだ</RB><RT>ジ・エンド</RT></RUBY>! これで終わりだ! 完結した! 完結したぞ!<br> 彼等の物語は素晴らしい結末を迎えた!<br> これが、我輩の新作である!」 | | ;「ははははは! <RUBY><RB>終わりだ</RB><RT>ジ・エンド</RT></RUBY>! これで終わりだ! 完結した! 完結したぞ!<br> 彼等の物語は素晴らしい結末を迎えた!<br> これが、我輩の新作である!」 |
− | ;「ああ、だがしかし――主役は我輩が演じたかったなぁ!」 | + | ;「ああ、だがしかし──主役は我輩が演じたかったなぁ!」 |
| :邪竜の飛翔が全ての終わりを告げ、崩れ行く空中庭園の中、稀代の劇作家は己の物語を一心不乱に書き上げ、終止符を打った。 | | :邪竜の飛翔が全ての終わりを告げ、崩れ行く空中庭園の中、稀代の劇作家は己の物語を一心不乱に書き上げ、終止符を打った。 |
| :その胸に去来するのは、かつて役者を目指し、挫折した過去であろうか。 | | :その胸に去来するのは、かつて役者を目指し、挫折した過去であろうか。 |
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| === Fate/Grand Order === | | === Fate/Grand Order === |
| ====戦闘==== | | ====戦闘==== |
− | ;「さて、それでは執筆を開始します。残り二人、頑張ってください」<br/> 「いま吾輩は執筆で忙しいのですけれど? 戦えとか、そんなこと言われても」 | + | ;「さて、それでは執筆を開始します。残り二人、頑張ってください」<br>「いま吾輩は執筆で忙しいのですけれど? 戦えとか、そんなこと言われても」 |
| :戦闘開始時の台詞。戦場においてもマイペースで飄々とした態度を崩さない。 | | :戦闘開始時の台詞。戦場においてもマイペースで飄々とした態度を崩さない。 |
| | | |
− | ;「タンマ! せめて結末を書かせて…おくれ」 <br/>「まだ…締切には間に合う…ぐふっ、はず……」 | + | ;「タンマ! せめて結末を書かせて…おくれ」 <br>「まだ…締切には間に合う…ぐふっ、はず……」 |
| :戦闘不能時。流石に慌てふためいているようだ。 | | :戦闘不能時。流石に慌てふためいているようだ。 |
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− | ;「勝利を獲得しましたぞ! では、記念に詩を作りましょう」 <br/>「勝利ですな。ところで敗北者の方々、今のお気持ちを聞かせてもらいたい」 | + | ;「勝利を獲得しましたぞ! では、記念に詩を作りましょう」<br>「勝利ですな。ところで敗北者の方々、今のお気持ちを聞かせてもらいたい」 |
| :戦闘終了時。「そういうこと」をするのは初登場時から示唆されていたが、ウザいことこの上ない。 | | :戦闘終了時。「そういうこと」をするのは初登場時から示唆されていたが、ウザいことこの上ない。 |
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| ====幕間の物語==== | | ====幕間の物語==== |
− | ;「ほう! そうきましたか! 元来それは人生において悩み苦しむことは全て、所詮は夢の中の出来事に過ぎないという儚い無常の意。<br/> しかし、しかし貴方は違いますな。貴方は違う意味を見出している。<br/> 夢とは希望。希望とは勇気と決断によって手向けられるもの。<br/> ならば、この場で戦うは自明の理。貴方たち自身が、夢であるのだから!」 | + | ;「ほう! そうきましたか! 元来それは人生において悩み苦しむことは全て、所詮は夢の中の出来事に過ぎないという儚い無常の意。<br> しかし、しかし貴方は違いますな。貴方は違う意味を見出している。<br> 夢とは希望。希望とは勇気と決断によって手向けられるもの。<br> ならば、この場で戦うは自明の理。貴方たち自身が、夢であるのだから!」 |
− | :幕間の物語『カーテンコール』にて、無意味な戦いをするのかという問いに「我らは、夢と同じものだ」と返した場合。 | + | :自身の幕間の物語『カーテンコール』にて、無意味な戦いをするのかという問いに「我らは、夢と同じものだ」と返した場合。 |
| :主人公の台詞を含めた元ネタは、「テンペスト」から。 | | :主人公の台詞を含めた元ネタは、「テンペスト」から。 |
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− | ;「ふふふ、やはりそうきましたか! その通り、まったくその通りですよマスター!<br/> 悪魔の囁き、合理的な結論、有無を言わさぬ正論、そういったものは全て。『くそくらえ』で片付けてしまっていいのです!<br/> 何故なら、それは正論に名を借りた邪悪。邪悪を理論という名の上塗りで誤魔化そうとする卑怯な企み。<br/> やってしまえばいいのです!」 | + | ;「ふふふ、やはりそうきましたか! その通り、まったくその通りですよマスター!<br> 悪魔の囁き、合理的な結論、有無を言わさぬ正論、そういったものは全て。『くそくらえ』で片付けてしまっていいのです!<br> 何故なら、それは正論に名を借りた邪悪。邪悪を理論という名の上塗りで誤魔化そうとする卑怯な企み。<br> やってしまえばいいのです!」 |
| :同上。無意味な戦いをするのかという問いに「哲学なんか、くそくらえ」と返した場合。 | | :同上。無意味な戦いをするのかという問いに「哲学なんか、くそくらえ」と返した場合。 |
| :主人公の台詞を含めた元ネタは、「ロミオとジュリエット」から。 | | :主人公の台詞を含めた元ネタは、「ロミオとジュリエット」から。 |
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| ====イベント==== | | ====イベント==== |
− | ;「おやおや、一体どのような悪夢をご覧になったのですかな?<br/> “<ruby><rb>獰猛な虎が温和な鹿を爪で引き裂く</rb><rt>the tiger now hath seized the gentle hind.</rt></ruby>”夢でしょうか?」 | + | ;「おやおや、一体どのような悪夢をご覧になったのですかな?<br> “<ruby><rb>獰猛な虎が温和な鹿を爪で引き裂く</rb><rt>the tiger now hath seized the gentle hind.</rt></ruby>”夢でしょうか?」 |
| :『チョコレート・レディの空騒ぎ』にて悪夢から覚めた主人公に対して。だいたい夢に出てきた[[清姫]]のせいだが。 | | :『チョコレート・レディの空騒ぎ』にて悪夢から覚めた主人公に対して。だいたい夢に出てきた[[清姫]]のせいだが。 |
| :台詞の元ネタは「リチャードⅢ世」から。 | | :台詞の元ネタは「リチャードⅢ世」から。 |
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− | ;「ともかく大半の男子サーヴァントはチョコを貰うアテもなく、チベットスナギツネの如き目で世界を睥睨しております。<br/> まあ、気にしてはいない男らしい男子サーヴァントもいることにはいるのですが、そこはそれ。<br/> “<ruby><rb>嫉妬とは緑の目をした怪物であり、人の心を食物にして玩弄する</rb><rt>It (Jealosy) is the green-eyed monster whici doth mock The meat it feeds on.</rt></ruby>”<br/> ……というやつです」 | + | ;「ともかく大半の男子サーヴァントはチョコを貰うアテもなく、チベットスナギツネの如き目で世界を睥睨しております。<br> まあ、気にしてはいない男らしい男子サーヴァントもいることにはいるのですが、そこはそれ。<br> “<ruby><rb>嫉妬とは緑の目をした怪物であり、人の心を食物にして玩弄する</rb><rt>It (Jealosy) is the green-eyed monster whici doth mock The meat it feeds on.</rt></ruby>”<br> ……というやつです」 |
| :同上。これを聞いた主人公は「自分が配れば喜ぶだろうか?」と考え、チョコを作ろうと行動した。 | | :同上。これを聞いた主人公は「自分が配れば喜ぶだろうか?」と考え、チョコを作ろうと行動した。 |
| :台詞は「オセロ」から。 | | :台詞は「オセロ」から。 |
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− | ;「大体この手の御仁はバレンタインデーになるとブッ壊れる。これエンターテイメントの王道ですな。<br/> “<ruby><rb>ぶっちゃけるとご子息は頭がイカれてますぞ</rb><rt>I will be brief : your noble son is mad.</rt></ruby>”的なアレです」 | + | ;「大体この手の御仁はバレンタインデーになるとブッ壊れる。これエンターテイメントの王道ですな。<br> “<ruby><rb>ぶっちゃけるとご子息は頭がイカれてますぞ</rb><rt>I will be brief : your noble son is mad.</rt></ruby>”的なアレです」 |
| :同上。[[エドワード・ティーチ|黒髭]]が[[スパルタクス]]とともにバレンタインを潰そうとする様を「ハムレット」の一台詞になぞらえている。 | | :同上。[[エドワード・ティーチ|黒髭]]が[[スパルタクス]]とともにバレンタインを潰そうとする様を「ハムレット」の一台詞になぞらえている。 |
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− | ;「……あー、なるほど。あの方ですか。<br/> 憂い顔で『良かれと思って……』といっておけばいいんじゃねえの、と思ってる感じの。<br/> “<ruby><rb>微笑み、微笑み、微笑む大悪党</rb><rt>That one may smile, and smile, and be a villain.</rt></ruby>”というあの方」 | + | ;「……あー、なるほど。あの方ですか。<br> 憂い顔で『良かれと思って……』といっておけばいいんじゃねえの、と思ってる感じの。<br> “<ruby><rb>微笑み、微笑み、微笑む大悪党</rb><rt>That one may smile, and smile, and be a villain.</rt></ruby>”というあの方」 |
| :同上。黒幕の手駒として現れた[[ガイウス・ユリウス・カエサル|カエサル]]がその人物の人となりを語って。同じく「ハムレット」より引用。 | | :同上。黒幕の手駒として現れた[[ガイウス・ユリウス・カエサル|カエサル]]がその人物の人となりを語って。同じく「ハムレット」より引用。 |
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317行目: |
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| :同上。[[ナーサリー・ライム|ナーサリー]]に「おじ様」と呼ばれた際の台詞。親戚の集まりでおじさん呼ばわりされる感覚と似たようなモノだろうか……。 | | :同上。[[ナーサリー・ライム|ナーサリー]]に「おじ様」と呼ばれた際の台詞。親戚の集まりでおじさん呼ばわりされる感覚と似たようなモノだろうか……。 |
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− | ;「色褪せぬ永遠の夏を留めておくことはできても、享楽を永遠とするには代償が必要なのです。<br/> “<ruby><rb>悲報が訪れる時は、軍団で押し寄せてくる</rb><rt>When sorrows come, they come not single spies. But in battalions.</rt></ruby>”と相場が決まっておりますので」<br>「――そう、甘いお菓子、甘い紅茶、それらを代償として、君は――――――――。<br/> 虫歯になります」 | + | ;「色褪せぬ永遠の夏を留めておくことはできても、享楽を永遠とするには代償が必要なのです。<br> “<ruby><rb>悲報が訪れる時は、軍団で押し寄せてくる</rb><rt>When sorrows come, they come not single spies. But in battalions.</rt></ruby>”と相場が決まっておりますので」<br>「──そう、甘いお菓子、甘い紅茶、それらを代償として、君は────────。<br> 虫歯になります」 |
| :同上。お茶会をなおも続けようとするナーサリーに対してシェイクスピアは残酷な真実を突きつける。これも「ハムレット」からの引用。 | | :同上。お茶会をなおも続けようとするナーサリーに対してシェイクスピアは残酷な真実を突きつける。これも「ハムレット」からの引用。 |
| :虫歯になると耐え難い苦痛が襲うという事実にナーサリーは追い詰められ、最終的に召喚された[[フェルグス・マック・ロイ|歯医者]]によって退散したのであった。 | | :虫歯になると耐え難い苦痛が襲うという事実にナーサリーは追い詰められ、最終的に召喚された[[フェルグス・マック・ロイ|歯医者]]によって退散したのであった。 |
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| == メモ == | | == メモ == |
− | *筆者泣かせなキャラクター。東出氏によれば「描写がものすごく大変」で、シーン毎に合っている名言を必死になって漁らなければならず、かといって既存の翻訳をそのまま使うわけにもいかないので、原文を引っ張り出してそれっぽく独自訳をしているとのこと。その後Apocrypha/materialでも「'''会話シーンは毎回後回しにする程頭の痛い代物'''」とコメントしており、極めて扱いづらく、台詞回しに限界があるキャラであることが示唆されている。 | + | *筆者泣かせなキャラクター。東出氏によれば「描写がものすごく大変」で、シーン毎に合っている名言を必死になって漁らなければならず、かといって既存の翻訳をそのまま使うわけにもいかないので、原文を引っ張り出してそれっぽく独自訳をしているとのこと。その後『Apocrypha/material』でも「'''会話シーンは毎回後回しにする程頭の痛い代物'''」とコメントしており、極めて扱いづらく、台詞回しに限界があるキャラであることが示唆されている。 |
| **奈須氏も、「他のキャラクターだと''一行で済むところが、三行に膨らんでしまう''」と苦言を呈している。 | | **奈須氏も、「他のキャラクターだと''一行で済むところが、三行に膨らんでしまう''」と苦言を呈している。 |
− | *サーヴァントとしてはかなり特異な立ち位置だったが、『[[Fate/EXTRA CCC]]』で同じようなスタイルの[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン|童話作家]]が登場。また、僅かに先行して『[[Fate/strange fake]]』にも似たタイプの[[アレクサンドル・デュマ・ペール|小説家]]が登場している。 | + | *サーヴァントとしてはかなり特異な立ち位置だったが、『[[Fate/EXTRA CCC]]』で同じようなスタイルの[[ハンス・クリスチャン・アンデルセン|童話作家]]が登場。また、僅かに先行して『[[Fate/strange Fake]]』にも似たタイプの[[アレクサンドル・デュマ・ペール|小説家]]が登場している。 |
| * 『Fate/Grand Order』で開催されたイベント「ネロ祭 ~勝ち抜け熱闘コロシアム~」予選初級にて、アンデルセンと[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|アマデウス]]とともに「サロン・ド・キャスター」を結成して参戦。その際の名義は「働く男」。「働かない男」名義であったアンデルセンと比べると、確かに作家としては熱心すぎる程に働く男である。 | | * 『Fate/Grand Order』で開催されたイベント「ネロ祭 ~勝ち抜け熱闘コロシアム~」予選初級にて、アンデルセンと[[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|アマデウス]]とともに「サロン・ド・キャスター」を結成して参戦。その際の名義は「働く男」。「働かない男」名義であったアンデルセンと比べると、確かに作家としては熱心すぎる程に働く男である。 |
| **[[アレクサンドル・デュマ・ペール|デュマ]]が本作に実装されていたら「たまたま居合わせた男」名義であったアマデウスではなく作家繋がりでその三人だったかもしれない。 | | **[[アレクサンドル・デュマ・ペール|デュマ]]が本作に実装されていたら「たまたま居合わせた男」名義であったアマデウスではなく作家繋がりでその三人だったかもしれない。 |
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| : シェイクスピアに限らず、15世紀以降の入手可能な英語の文献ではジャンヌ・ダルクは同様に描写されているが、このような扱いをされたのはジャンヌがイングランドの敵だったからである。当時アルマダの海戦で[[フランシス・ドレイク]]がスペイン無敵艦隊を破り、イングランドの愛国心は頂点に達していた。この愛国心が観客の史劇への関心を高めることになり、史劇の内容もその時勢に合うものが選ばれていた。 | | : シェイクスピアに限らず、15世紀以降の入手可能な英語の文献ではジャンヌ・ダルクは同様に描写されているが、このような扱いをされたのはジャンヌがイングランドの敵だったからである。当時アルマダの海戦で[[フランシス・ドレイク]]がスペイン無敵艦隊を破り、イングランドの愛国心は頂点に達していた。この愛国心が観客の史劇への関心を高めることになり、史劇の内容もその時勢に合うものが選ばれていた。 |
| : そういった時代背景が存在する中で彼の描いた「魔女」ジャンヌ・ダルクは特に有名で、その描写からは悪意すら感じられる。何の因果か、聖杯大戦にはルーラーとしてジャンヌが召喚されており、彼女に対し宝具で[[ジル・ド・レェ]]を召喚、トラウマを抉るというえげつない攻撃を行った。『Grand Order』ではジャンヌからこのことを根に持たれており、マイルーム会話で釘を刺されている。 | | : そういった時代背景が存在する中で彼の描いた「魔女」ジャンヌ・ダルクは特に有名で、その描写からは悪意すら感じられる。何の因果か、聖杯大戦にはルーラーとしてジャンヌが召喚されており、彼女に対し宝具で[[ジル・ド・レェ]]を召喚、トラウマを抉るというえげつない攻撃を行った。『Grand Order』ではジャンヌからこのことを根に持たれており、マイルーム会話で釘を刺されている。 |
− | : 『Grand Order』2017年バレンタインイベントでは、[[ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕|黒い方のジャンヌ]]に対しても大嘘を吹き込みおちょくっている。……後でバレてきっちり報復はされたようだが。 | + | : 『Grand Order』の[[ジャンヌ・ダルク〔オルタ〕]]のバレンタインシナリオでは、彼女に対しても大嘘を吹き込みおちょくっている。……後でバレてきっちり報復はされたようだが。 |
| ; ファーストフォリオ | | ; ファーストフォリオ |
| : 2016年4月に新たな本物のファーストフォリオが発見された。これで確認されている数は234冊になっている。 | | : 2016年4月に新たな本物のファーストフォリオが発見された。これで確認されている数は234冊になっている。 |