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;略歴
 
;略歴
:持って生まれた己が性に懊悩し、苦しんだ青年時代を送る。父・[[言峰璃正]]から八極拳を習い、神の教えに帰依し、[[聖堂教会]]の代行者として活動した時期もある。聖遺物の管理・回収を任務とする第八秘蹟会に席を置いていた。またこの頃、妻を迎えたが死別。<br />晴れることのない懊悩を抱えたまま、第四次聖杯戦争の開始に先立ち、父と親交のあった[[遠坂時臣]]を聖杯戦争の勝者とすべく、教会から派遣されるという体裁で[[魔術|魔術師]]として弟子入りする。<br>第四次聖杯戦争において、[[アサシン (第四次)|アサシン]]を召喚。表向きは師から離反・敵対したよう装いつつ、裏では時臣の補助に回って活動。諜報に秀でた[[サーヴァント]]を使って、情報収集と監視に徹していた。<br>だが後に時臣のサーヴァントであった[[ギルガメッシュ]]によって、己が迷いと決別。<br />聖杯戦争終盤、アインツベルン陣営との取引の結果、時臣の命令で海外へ出されることが決定するが、修了の証として受け取ったアゾット剣で師を殺害。密約に従ってアーチャーと再契約し、聖杯戦争を影から操る。<br>聖杯戦争開始当初から[[衛宮切嗣]]の存在に注目していた。彼が自分と同じく「心の虚無を埋める為に、あえて苛烈な人生を選んだ人物」と推測し、彼の聖杯にかける願いを知れば自分の悩みにも答えを見出せるのではないか、と固執するようになる。<br>しかしそれは全くの見当外れであり、切嗣は叶わない理想のために生きてきた人間だった。期待を裏切られた怒りと恨み、そして彼が願っても得られなかった幸福を手にしながら、それを切り捨てて生きてきた切嗣を妬み、その願いを砕くために戦うことを決意する。<br>切嗣との最終決戦で死亡するが、アーチャーを通して[[聖杯]]の泥を浴び、それが心臓となって蘇生。<br>その後10年、第四次聖杯戦争の真実を隠し、時臣の娘・[[遠坂凛]]の後見人を務めるなどをしている。<br />第五次聖杯戦争に際しては、聖堂教会と[[魔術協会]]の双方に顔が利くことも手伝い、正式に監督役に就任。<br />代行者時代に面識があり、魔術協会から派遣されてきた[[バゼット・フラガ・マクレミッツ]]に騙し討ちをかけ、[[令呪]]と[[ランサー|サーヴァント]]を奪い、第五次聖杯戦争の裏で暗躍を始める。その目的は生まれ出るであろう「この世全ての悪」の誕生を見届け、それを祝福することにある。
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:持って生まれた己が性に懊悩し、苦しんだ青年時代を送る。父・[[言峰璃正]]から八極拳を習い、神の教えに帰依し、[[聖堂教会]]の代行者として活動した時期もある。聖遺物の管理・回収を任務とする第八秘蹟会に席を置いていた。またこの頃、妻を迎えたが死別。<br>晴れることのない懊悩を抱えたまま、第四次聖杯戦争の開始に先立ち、父と親交のあった[[遠坂時臣]]を聖杯戦争の勝者とすべく、教会から派遣されるという体裁で[[魔術|魔術師]]として弟子入りする。<br>第四次聖杯戦争において、[[アサシン (第四次)|アサシン]]を召喚。表向きは師から離反・敵対したよう装いつつ、裏では時臣の補助に回って活動。諜報に秀でた[[サーヴァント]]を使って、情報収集と監視に徹していた。<br>だが後に時臣のサーヴァントであった[[ギルガメッシュ]]によって、己が迷いと決別。<br>聖杯戦争終盤、アインツベルン陣営との取引の結果、時臣の命令で海外へ出されることが決定するが、修了の証として受け取ったアゾット剣で師を殺害。密約に従ってアーチャーと再契約し、聖杯戦争を影から操る。<br>聖杯戦争開始当初から[[衛宮切嗣]]の存在に注目していた。彼が自分と同じく「心の虚無を埋める為に、あえて苛烈な人生を選んだ人物」と推測し、彼の聖杯にかける願いを知れば自分の悩みにも答えを見出せるのではないか、と固執するようになる。<br>しかしそれは全くの見当外れであり、切嗣は叶わない理想のために生きてきた人間だった。期待を裏切られた怒りと恨み、そして彼が願っても得られなかった幸福を手にしながら、それを切り捨てて生きてきた切嗣を妬み、その願いを砕くために戦うことを決意する。<br>切嗣との最終決戦で死亡するが、アーチャーを通して[[聖杯]]の泥を浴び、それが心臓となって蘇生。<br>その後10年、第四次聖杯戦争の真実を隠し、時臣の娘・[[遠坂凛]]の後見人を務めるなどをしている。<br>第五次聖杯戦争に際しては、聖堂教会と[[魔術協会]]の双方に顔が利くことも手伝い、正式に監督役に就任。<br>代行者時代に面識があり、魔術協会から派遣されてきた[[バゼット・フラガ・マクレミッツ]]に騙し討ちをかけ、[[令呪]]と[[ランサー|サーヴァント]]を奪い、第五次聖杯戦争の裏で暗躍を始める。その目的は生まれ出るであろう「この世全ての悪」の誕生を見届け、それを祝福することにある。
    
;人物
 
;人物
:万人が「美しい」と感じるものを美しいと思えない破綻者。生まれながらにして善よりも悪を愛し、他者の苦痛に愉悦を感じる。悪党ではないが悪人。非道ではないが外道。<br />若い頃は自身の本質を理解しておらず、この世には自分が捧げるに足る理念も目的もないと考え、「目的を見つけるのが目的」という生き方をしていた。あらゆることを他人の数倍の努力をもって身につけ、しかしそこに情熱はなく、時が来ればあっさりとそれを捨てて次に挑む、という繰り返し。この頃の綺礼にとっての信仰とは、自身で見出した理想ではなく、ただ不完全な自身を痛めつける場であるという意識の方が強かった。<br>第四次聖杯戦争の頃までは、そういった自身の在り方に懊悩していたが、聖杯戦争で出会ったギルガメッシュとの出会いをきっかけに吹っ切れた。その後は、ある種の悟りと余裕のある態度で生きている。<br />紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐を好む。その辛さ、『殺人』『外道』の冠詞を要するほど。<br>また、若い頃は酒の蒐集をしていた。
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:万人が「美しい」と感じるものを美しいと思えない破綻者。生まれながらにして善よりも悪を愛し、他者の苦痛に愉悦を感じる。悪党ではないが悪人。非道ではないが外道。<br>若い頃は自身の本質を理解しておらず、この世には自分が捧げるに足る理念も目的もないと考え、「目的を見つけるのが目的」という生き方をしていた。あらゆることを他人の数倍の努力をもって身につけ、しかしそこに情熱はなく、時が来ればあっさりとそれを捨てて次に挑む、という繰り返し。この頃の綺礼にとっての信仰とは、自身で見出した理想ではなく、ただ不完全な自身を痛めつける場であるという意識の方が強かった。<br>第四次聖杯戦争の頃までは、そういった自身の在り方に懊悩していたが、聖杯戦争で出会ったギルガメッシュとの出会いをきっかけに吹っ切れた。その後は、ある種の悟りと余裕のある態度で生きている。<br />紅洲宴歳館・泰山特製の激辛麻婆豆腐を好む。その辛さ、『殺人』『外道』の冠詞を要するほど。<br>また、若い頃は酒の蒐集をしていた。
    
;能力
 
;能力
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;[[バゼット・フラガ・マクレミッツ]]
 
;[[バゼット・フラガ・マクレミッツ]]
:第五次聖杯戦争参加者。旧知の間柄で、代行者としての任務の途中、仕事がバッティングした縁で知り合った。聖杯戦争開始に際し、協力を持ちかけるように見せて、騙し討ちにする。<br>なお、知り合ったのは第四次聖杯戦争の後の話である。
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:第五次聖杯戦争参加者。旧知の間柄で、代行者としての任務の途中、仕事がバッティングした縁で知り合った。<br>第五次聖杯戦争開始に際し、協力を持ちかけるように見せて、騙し討ちにする。<br>なお、知り合ったのは第四次聖杯戦争の後の話である。
 
;[[ランサー]]
 
;[[ランサー]]
 
:バゼットから奪ったサーヴァント。
 
:バゼットから奪ったサーヴァント。
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;[[主人公 (EXTRA)]]
 
;[[主人公 (EXTRA)]]
:若きマスター、あるいはお客様。マーボーをプッシュし、その美味さで彼もしくは彼女を洗脳しようと狙っている。主人公の方も彼の喋り方は苦手だが、彼なりの応援には内心感謝している。
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:若きマスター、あるいはお客様。マーボーをプッシュし、その美味さで彼もしくは彼女を洗脳しようと狙っている。<br>主人公の方も彼の喋り方は苦手だが、彼なりの応援には内心感謝している。
 
;[[BB]]
 
;[[BB]]
 
:強かにも裏で彼女と交渉し、購買の売り上げ5%を上納することで、身の安全を確保する。当初は上納金は「売上全て」だったのだが、商いの意欲が減少してしまうため粘り強く交渉して、ここまで譲歩させたという。<br>………一体どんな手を使ったのだろうか?
 
:強かにも裏で彼女と交渉し、購買の売り上げ5%を上納することで、身の安全を確保する。当初は上納金は「売上全て」だったのだが、商いの意欲が減少してしまうため粘り強く交渉して、ここまで譲歩させたという。<br>………一体どんな手を使ったのだろうか?
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===Fate/stay night===
 
===Fate/stay night===
 
;「喜べ少年。君の望みはようやく叶う」
 
;「喜べ少年。君の望みはようやく叶う」
:衛宮士郎がもつ「歪み」を察し、聖杯戦争を戦うことを決めた彼の背中に声をかける。プレイヤーがこの意味がわかるのはもっと後になる。
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:衛宮士郎がもつ「歪み」を察し、聖杯戦争を戦うことを決めた彼の背中に声をかける。<br>プレイヤーがこの意味がわかるのはもっと後になる。
    
;「その傷を切開する。さあ、懺悔の時だ」
 
;「その傷を切開する。さあ、懺悔の時だ」
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;「無論だ。今のおまえは衛宮切嗣だ。それが勝てない筈がない」
 
;「無論だ。今のおまえは衛宮切嗣だ。それが勝てない筈がない」
:HFルートにおけるイリヤとの夜の公園の会話で「正義の味方」であり続ける事を選んだBADENDより。理想のために親しい少数を見限ってでも多くを救う決意を固めた士郎の姿に言峰はかつての宿敵の姿を重ね、桜や臓硯だけでなくやがて凛やイリヤも葬り去った士郎が勝者となり、そして士郎が聖杯を破壊する事によって第五次聖杯戦争は終結するであろうと予言する。
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:HFルートにおけるイリヤとの夜の公園の会話で「正義の味方」であり続ける事を選んだBADENDより。<br>理想のために親しい少数を見限ってでも多くを救う決意を固めた士郎の姿に言峰はかつての宿敵の姿を重ね、桜や臓硯だけでなくやがて凛やイリヤも葬り去った士郎が勝者となり、そして士郎が聖杯を破壊する事によって第五次聖杯戦争は終結するであろうと予言する。
    
;「おまえには自分という概念がない。だがそのおまえが、まさか一つの命に拘るとはな。いや、それとも――<br> 多くの命に拘る、のではなく。一つの命に拘るが如く、全ての命に拘ったのか。」
 
;「おまえには自分という概念がない。だがそのおまえが、まさか一つの命に拘るとはな。いや、それとも――<br> 多くの命に拘る、のではなく。一つの命に拘るが如く、全ての命に拘ったのか。」
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;「だがいい<ruby><rb>条件</rb><rt>ハンデ</rt></ruby>だ。つまるところ、私とおまえの戦いは<br>外敵との戦いではなく、自身を賭ける戦いという事だ―――!」
 
;「だがいい<ruby><rb>条件</rb><rt>ハンデ</rt></ruby>だ。つまるところ、私とおまえの戦いは<br>外敵との戦いではなく、自身を賭ける戦いという事だ―――!」
:HFルート終盤より。大聖杯の前で互いに満身創痍の体を押した最終決戦。格闘技術で圧倒する言峰であったが固有結界の暴走によって体中から剣が生えてくる士郎の体は殴る度に言峰の拳も傷付ける。どちらが息絶えるのが先か…長かったHFルートを締めくくる最後の泥仕合に空虚であった言峰も己の存在を賭けて叫ぶ。
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:HFルート終盤より。大聖杯の前で互いに満身創痍の体を押した最終決戦。格闘技術で圧倒する言峰であったが固有結界の暴走によって体中から剣が生えてくる士郎の体は殴る度に言峰の拳も傷付ける。どちらが息絶えるのが先か……長かったHFルートを締めくくる最後の泥仕合に空虚であった言峰も己の存在を賭けて叫ぶ。
    
===Fate/Zero===
 
===Fate/Zero===
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===フェイト/タイガーころしあむ===
 
===フェイト/タイガーころしあむ===
;「…まったく<br /> 面影以外は何も似ていないな」
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;「…まったく<br> 面影以外は何も似ていないな」
 
:カレンルートで最後に贈った言葉。ただの独り言だというが……。
 
:カレンルートで最後に贈った言葉。ただの独り言だというが……。
    
===カーニバル・ファンタズム===
 
===カーニバル・ファンタズム===
;「正直事後処理がめんどくさい」<br />「学校の生徒全員が衰弱しているなんて事態、どうやったって誤魔化しきれん」
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;「正直事後処理がめんどくさい」<br>「学校の生徒全員が衰弱しているなんて事態、どうやったって誤魔化しきれん」
 
:第1話でいきなりぶっちゃけた'''弱音'''(しかも泣きながら)。彼だって人の子です。
 
:第1話でいきなりぶっちゃけた'''弱音'''(しかも泣きながら)。彼だって人の子です。
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*迷い苦しみ、後に悟った破綻者ではあるが、信仰心は本物で、凛曰く「聖職者としては完璧だった」。『Fate/EXTRA』でも言峰を再現したNPCが「根は聖職者だったようだ」と再現元の人物を評している。
 
*迷い苦しみ、後に悟った破綻者ではあるが、信仰心は本物で、凛曰く「聖職者としては完璧だった」。『Fate/EXTRA』でも言峰を再現したNPCが「根は聖職者だったようだ」と再現元の人物を評している。
 
*士郎に対する聖杯戦争のルール説明、時臣の遺産管理、凛への誕生日プレゼントなど、非常に大雑把で適当な処理を行うことがままある。
 
*士郎に対する聖杯戦争のルール説明、時臣の遺産管理、凛への誕生日プレゼントなど、非常に大雑把で適当な処理を行うことがままある。
*第四次から第五次聖杯戦争までの10年間で成人してから8cmも身長が伸びた。しかも体重は全く変わっていない。<br />ファンからはよく「聖杯の泥を被ったからか?」と言われる。内実はイメージ調整による副産物である。<br />虚淵氏がZero第一稿において193cmという第五次での身長を意識したあまり、「巨漢」「雲を衝くような」といった表現をヤング綺礼に対し用いたことで「イメージじゃないよね…」とTYPE-MOON首脳会議が開かれ、さりげなく身長の方が変更に。すごく伸びたというより、すごく縮んだ。
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*第四次から第五次聖杯戦争までの10年間で成人してから8cmも身長が伸びた。しかも体重は全く変わっていない。<br />ファンからはよく「聖杯の泥を被ったからか?」と言われる。内実はイメージ調整による副産物である。<br>虚淵氏がZero第一稿において193cmという第五次での身長を意識したあまり、「巨漢」「雲を衝くような」といった表現をヤング綺礼に対し用いたことで「イメージじゃないよね…」とTYPE-MOON首脳会議が開かれ、さりげなく身長の方が変更に。すごく伸びたというより、すごく縮んだ。
 
*コンプエース2009年2月号付録ドラマCD「迷わぬ人々」(現在はアンソロジードラマCDvol.1に収録)における、幼少時の凛の評によれば、第四次の頃の私服姿はイヤリングもしていたりと「ずいぶんとおしゃれ」。ただし「あなた修道服以外に服を持っていたのね」とのことで、本人からすれば私服姿は身バレを避ける目的の「変装」であるらしい
 
*コンプエース2009年2月号付録ドラマCD「迷わぬ人々」(現在はアンソロジードラマCDvol.1に収録)における、幼少時の凛の評によれば、第四次の頃の私服姿はイヤリングもしていたりと「ずいぶんとおしゃれ」。ただし「あなた修道服以外に服を持っていたのね」とのことで、本人からすれば私服姿は身バレを避ける目的の「変装」であるらしい
 
**ソフトウェア流通版Zero1巻表紙のヤング綺礼の耳には本来、十字架のイヤリング(ピアス?)が描かれている。その綺礼の姿を虚淵氏はいたく気に入り、以後描かれなかったことを惜しんで「(イヤリングは)礼装ってことにすればよかった」と宣ったほど。
 
**ソフトウェア流通版Zero1巻表紙のヤング綺礼の耳には本来、十字架のイヤリング(ピアス?)が描かれている。その綺礼の姿を虚淵氏はいたく気に入り、以後描かれなかったことを惜しんで「(イヤリングは)礼装ってことにすればよかった」と宣ったほど。
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== 話題まとめ ==
 
== 話題まとめ ==
 
;綺礼の妻
 
;綺礼の妻
:まだ己の本性に気付いていなかった頃、迷い悩む渦中にあった綺礼が、「人並みの幸福のカタチ」を得る試みとして迎えた妻。死病を患っていて、余命のない女性だった。「そんな女だから選んだのか、その女しか選べなかったのか。その基準だけは、こうして思い返しても判らない」と綺礼は述べている。<br />共に暮らしたのは2年ほど。その間に子供を儲けている。<br>「何もない空虚な自分」というものに苦悩する綺礼をそのまま愛し、癒そうとした女性。綺礼からすれば「聖女」だったという。<br>最期は、「私にはおまえを愛せなかった」と告げる綺礼に対し、「――いいえ。貴方は私を愛しています」と告げ、微笑みながら自害した。綺礼が人を愛せることを証明するために。女には、最期に綺礼が泣いているように見えた。女には。<br>確かに綺礼は女の死を悲しんだ。だが、悲しんだのは「どうせ死ぬのなら、私の手で殺したかった」からだ、と綺礼は述懐する。<br>――その、自分の手で殺したかったという願望が、ただの「快楽」のためであったのか、「愛したものだからこその悲哀」なのか、綺礼は考えることに蓋をした。女の死は「無意味」だったと断じながらも、「無価値」にはしたくないと、考えることを止めた。<br>なお、この影響かどうかは不明だが、『stay night』の桜ルートにて、士郎と共にアインツベルンの森でイリヤを逃がそうとした際に、「助けた者が女なら殺すな。目の前で死なれるのは、中々に応えるぞ」と士郎に漏らしている。
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:まだ己の本性に気付いていなかった頃、迷い悩む渦中にあった綺礼が、「人並みの幸福のカタチ」を得る試みとして迎えた妻。死病を患っていて、余命のない女性だった。「そんな女だから選んだのか、その女しか選べなかったのか。その基準だけは、こうして思い返しても判らない」と綺礼は述べている。<br>共に暮らしたのは2年ほど。その間に子供を儲けている。<br>「何もない空虚な自分」というものに苦悩する綺礼をそのまま愛し、癒そうとした女性。綺礼からすれば「聖女」だったという。<br>最期は、「私にはおまえを愛せなかった」と告げる綺礼に対し、「――いいえ。貴方は私を愛しています」と告げ、微笑みながら自害した。綺礼が人を愛せることを証明するために。女には、最期に綺礼が泣いているように見えた。女には。<br>確かに綺礼は女の死を悲しんだ。だが、悲しんだのは「どうせ死ぬのなら、私の手で殺したかった」からだ、と綺礼は述懐する。<br>――その、自分の手で殺したかったという願望が、ただの「快楽」のためであったのか、「愛したものだからこその悲哀」なのか、綺礼は考えることに蓋をした。女の死は「無意味」だったと断じながらも、「無価値」にはしたくないと、考えることを止めた。<br>なお、この影響かどうかは不明だが、『stay night』の桜ルートにて、士郎と共にアインツベルンの森でイリヤを逃がそうとした際に、「助けた者が女なら殺すな。目の前で死なれるのは、中々に応えるぞ」と士郎に漏らしている。
 
*以上は『stay night』での綺礼。<br>『Zero』での綺礼は未だ悟りを得ていないため、妻に関する記憶をねじ曲げているとされ、この時覚えたはずの「どうせ死ぬのなら、私の手で殺したかった」という思いは自覚していない。
 
*以上は『stay night』での綺礼。<br>『Zero』での綺礼は未だ悟りを得ていないため、妻に関する記憶をねじ曲げているとされ、この時覚えたはずの「どうせ死ぬのなら、私の手で殺したかった」という思いは自覚していない。
 
*後に同様の思いを父・璃正の死に際しても憶えたが、妻の時と同様にまだ悟りを得ていないため、無理やりに封じ込めた。<br>また、後に[[間桐臓硯]]が父の死を弄ぶような発言をした際には、悟りを得た後だったもののまだ直後だったゆえか、臓硯に反発している。
 
*後に同様の思いを父・璃正の死に際しても憶えたが、妻の時と同様にまだ悟りを得ていないため、無理やりに封じ込めた。<br>また、後に[[間桐臓硯]]が父の死を弄ぶような発言をした際には、悟りを得た後だったもののまだ直後だったゆえか、臓硯に反発している。

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