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== 概要 ==
 
== 概要 ==
Fate/EXTRAシリーズにおける[[聖杯]]であり、一連の作品の舞台となるスーパーコンピューター。<br>
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Fate/EXTRAシリーズにおける[[聖杯]]であり、一連の作品の舞台となるスーパーコンピューター。
月で発見された、人類外のテクノロジーによる太陽系最古の「古代遺物(アーティファクト)」。ムーンセルの本体は、全長三千キロメートルに及ぶフォトニック純結晶体<ref>光そのものを閉じ込める事が出来る鉱物。光そのものを記録媒体や回路として使える</ref>。<br>
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人類に発見されたのは西暦1973年。旧世界の魔術が途絶えた後、国連所属のウィザードが侵入に成功し、公式にムーンセルの存在が明らかにされた。<br>
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月の内部にあるエネルギー集積体であり、地表以外の月の全てが聖杯である。その構造・技術体系は、過去・現在はおろか未来においても解析不能と言われ、人類の思考形態では理解できない領域にある<ref>『EXTRA Material』でも、「物質に頼る人類の文明とは形式が違いすぎるため、言語体系、技術では理解できない」</ref>。
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ただ、何者がどうやって作ったかは理解できなくとも、ムーンセルが行っていること自体はやがて判明した。<br>
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月で発見された、人類外のテクノロジーによる太陽系最古の「古代遺物(アーティファクト)」。ムーンセルの本体は、全長三千キロメートルに及ぶフォトニック純結晶体<ref group = "注">光そのものを閉じ込める事が出来る鉱物。光そのものを記録媒体や回路として使える</ref>。人類に発見されたのは西暦1973年。旧世界の魔術が途絶えた後、国連所属のウィザードが侵入に成功し、公式にムーンセルの存在が明らかにされた。月の内部にあるエネルギー集積体であり、地表以外の月の全てが聖杯である。その構造・技術体系は、過去・現在はおろか未来においても解析不能と言われ、人類の思考形態では理解できない領域にある<ref group = "注">『EXTRA Material』でも、「物質に頼る人類の文明とは形式が違いすぎるため、言語体系、技術では理解できない」と解説されている</ref><ref group="出" name="『Fate/EXTRA material』213ページB">『Fate/EXTRA material』213ページ「ムーンセルの発見」より。</ref>
その機能は、地球の誕生から全てを克明に観察・記録すること。地球上全ての生命を忠実にシミュレートし、確かな未来予測まで可能とする。<br>
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人類のデータベース。その生態、歴史から思想、魂までを記録した莫大なメモリー<ref>より踏む込むと、全ての生命、全ての生態、生命の誕生、進化、人類の発生、文明の拡大、歴史、思想、魂まで及んでいる。</ref>。全地球の記録にして設計図。神の遺した自動書記装置。七つの階層からなる、七天の聖杯(セブンスヘブン・アートグラフ)。<br>現存する人類のコンピューターをあらゆる規模で凌駕する演算装置。その処理能力は、現存するコンピューターが、石を並べて計算しているように思えるほどのもの。神の頭脳、神のキャンパスとも言われる。<br>
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技術レベルが向上し、月の内部を探知できるようになった知的生命体へ、次のステージへの移行、神に等しい能力を約束する禁断の箱である。
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EXTRA世界ではムーンセルの使用権のことを『[[聖杯]]』と呼称する。<br>
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ただ、何者がどうやって作ったかは理解できなくとも、ムーンセルが行っていること自体はやがて判明した。その機能は、地球の誕生から全てを克明に観察・記録すること。地球上全ての生命を忠実にシミュレートし、確かな未来予測まで可能とする。人類のデータベース。その生態、歴史から思想、魂までを記録した莫大なメモリー<ref group = "注">より踏む込むと、全ての生命、全ての生態、生命の誕生、進化、人類の発生、文明の拡大、歴史、思想、魂まで及んでいる。</ref>。全地球の記録にして設計図。神の遺した自動書記装置。七つの階層からなる、七天の聖杯(セブンスヘブン・アートグラフ)。現存する人類のコンピューターをあらゆる規模で凌駕する演算装置。その処理能力は、現存するコンピューターが、石を並べて計算しているように思えるほどのもの。神の頭脳、神のキャンパスとも言われる。技術レベルが向上し、月の内部を探知できるようになった知的生命体へ、次のステージへの移行、神に等しい能力を約束する禁断の箱である<ref group="出" name="『Fate/EXTRA material』212-213ページ">『Fate/EXTRA material』212-213ページ「ムーンセル」より。</ref><ref group="出" name="『Fate/EXTELLA material』115ページ">『Fate/EXTELLA material』115ページ「ムーンセル」より。</ref>。
膨大なシミュレート記録を保管するムーンセルを閲覧すれば、そこには必ず『あなたが望む未来の地球』が存在している。ムーンセルを使える事になった[[聖杯戦争]]の勝者は、ただ一言、「この、私のとって理想の未来を再現しろ」と告げるだけでいい。ムーンセルは速やかに地球をその未来のカタチに運んでいくだろう。そのための方法を、実行手段を、月は全て識っているために。<br>
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例えば、「地球人類の女の子ぜんぶワイの妹にしてほしい」と願えば、おそらく十年くらいで地球はそのような社会形式になると思われる。或いは、その夢が『リアルに見られる』装置を作るため、地球全体がそのように運営される。<br>
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人間は人間が想像する範囲において、実現できないものはない。それがどのような幻想、絵空事であっても、体験する手段はあるのである。
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だがそう言ったモノはあまりに危険であるため、[[西欧財閥]]によって封印指定にされ、宇宙開発それ自体を人類社会から取り上げ、物理的接触を断たれたほど<ref>尤も、物理的な侵入方法が存在しない以上、月にロケットを飛ばしたところで、アクセスすることは不可能であるが。</ref>。<br>ただし、例外となるのが[[ウィザード]]と呼ばれる霊子ハッカー。物理的接触の代わりに、ムーンセルが地球を精査する路を通って魂で聖杯へと繋がる能力を持った者達。<br>聖杯は魂を、形而上の人の精神だけは観測できない。しかし知らねばならない。ゆえに自ら人間を招くのである。<br>通常のハッカーも手段があれば表層にアクセスすることは可能だが、魂を霊子化できる魔術師でなければSE.RA.PHは光としてしか認識できず、第二層以降へのアクセスもできない<ref>旧世界の魔術師(メイガス)も瞑想の一環としてムーンセル内部にコンタクトしていたという。
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EXTRA世界ではムーンセルの使用権のことを『[[聖杯]]』と呼称する。膨大なシミュレート記録を保管するムーンセルを閲覧すれば、そこには必ず『あなたが望む未来の地球』が存在している。ムーンセルを使える事になった[[聖杯戦争]]の勝者は、ただ一言、「この、私のとって理想の未来を再現しろ」と告げるだけでいい。ムーンセルは速やかに地球をその未来のカタチに運んでいくだろう。そのための方法を、実行手段を、月は全て識っている。例えば、「'''地球人類の女の子ぜんぶワイの妹にしてほしい'''」と願えば、おそらく十年くらいで地球はそのような社会形式になると思われる。或いは、その夢が『リアルに見られる』装置を作るため、地球全体がそのように運営される。人間は人間が想像する範囲において、実現できないものはない。それがどのような幻想、絵空事であっても、体験する手段はあるのである<ref group="出" name="『Fate/EXTRA material』194ページ">『Fate/EXTRA material』194ページ「聖杯」より。</ref>。
</ref>。
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だがそう言ったモノはあまりに危険であるため、[[西欧財閥]]によって封印指定にされ、宇宙開発それ自体を人類社会から取り上げ、物理的接触を断たれたほど<ref group = "注">尤も、物理的な侵入方法が存在しない以上、月にロケットを飛ばしたところで、アクセスすることは不可能であるが。</ref>。ただし、例外となるのが[[ウィザード]]と呼ばれる霊子ハッカー。物理的接触の代わりに、ムーンセルが地球を精査する路を通って魂で聖杯へと繋がる能力を持った者達。聖杯は魂を、形而上の人の精神だけは観測できない。しかし知らねばならない。ゆえに自ら人間を招くのである。通常のハッカーも手段があれば表層にアクセスすることは可能だが、魂を霊子化できる魔術師でなければSE.RA.PHは光としてしか認識できず、第二層以降へのアクセスもできない<ref group = "注">旧世界の魔術師(メイガス)も瞑想の一環としてムーンセル内部にコンタクトしていたという。</ref><ref group="出" name="『Fate/EXTRA material』212-213ページ"/><ref group="出" name="『Fate/EXTELLA material』115ページ"/>。
 
=== ムーンセルの中枢 ===
 
=== ムーンセルの中枢 ===
ムーンセルの中心核にして、その全て。<br>七つの階層に及ぶ月の内部は、その実、ムーンセルにとっては“追加メモリ”でしかなく、中枢こそが月を運営し、地球を観測し、過去と未来を収めた頭脳である。<br>運命を一覧する系統樹。情報のみで物理法則を書き換えるまで収束した光。<br>秒単位で枝分かれしていく運命を観測、演算し、光として閉じ込めた単眼の箱。何億光年もの光を閉じ込め、光によって稼働するこの結晶体。
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ムーンセルの中心核にして、その全て。
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無限の過去と現在を記録するほか、天文学的回数の「1分後の未来」のシミュレートを演算し続けている。「事象の書き換えすら可能になる」とされる<ref>厳密には膨大なシミュレーションサンプルの中から望む未来に確実に至れる方法を提示できるということ。</ref>。<br>その改竄能力は過去に遡って、現代を望んだ世界に変換出来る程。無限とも言える膨大な未来の可能性を記録している中枢は、フォトニック深淵領域、事象選択樹、熾天の檻(アンジェリカケージ)などと呼ばれる。
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七つの階層に及ぶ月の内部は、その実、ムーンセルにとっては“追加メモリ”でしかなく、中枢こそが月を運営し、地球を観測し、過去と未来を収めた頭脳である。運命を一覧する系統樹。情報のみで物理法則を書き換えるまで収束した光。秒単位で枝分かれしていく運命を観測、演算し、光として閉じ込めた単眼の箱。何億光年もの光を閉じ込め、光によって稼働するこの結晶体<ref group="出" name="『Fate/EXTRA material』213ページA">『Fate/EXTRA material』213ページ「ムーンセル中枢」より。</ref>。
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そして、聖杯戦争に勝ち残った勝者のみが立ち入ることを許される絶対禁断領域。
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無限の過去と現在を記録するほか、天文学的回数の「1分後の未来」のシミュレートを演算し続けている。「事象の書き換えすら可能になる」とされる<ref group = "注">厳密には膨大なシミュレーションサンプルの中から望む未来に確実に至れる方法を提示できるということ。</ref>。その改竄能力は過去に遡って、現代を望んだ世界に変換出来る程。無限とも言える膨大な未来の可能性を記録している中枢は、フォトニック深淵領域、事象選択樹、熾天の檻(アンジェリカケージ)などと呼ばれる。そして、聖杯戦争に勝ち残った勝者のみが立ち入ることを許される絶対禁断領域<ref group="出" name="『Fate/EXTRA material』213ページA"/>。
    
=== ムーンセルの成り立ち ===
 
=== ムーンセルの成り立ち ===
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もともとは異星文明によって置かれた観測機。地球の生命の在り方を記録するだけの装置だったが、観測するのならば「見えない部分<ref>ハイゼンベルグの不確定性。観測者が観る事で事象を決定させる。観ていない部分は確定しない。</ref>」があってはならず、すべてを平等に、ありのままに記録する為に、観測機以上の性能を必要し、観測から監視、果てには星の運営すら把握する演算器にまで拡張し、観測機であったムーンセルは長い年月を経て、現在の機能を持つに至った。
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もともとは異星文明によって置かれた観測機。地球の生命の在り方を記録するだけの装置だったが、観測するのならば「見えない部分<ref group = "注">ハイゼンベルグの不確定性=観測者が観る事で事象を決定させる。観ていない部分は確定しない。</ref>」があってはならず、すべてを平等に、ありのままに記録する為に、観測機以上の性能を必要し、観測から監視、果てには星の運営すら把握する演算器にまで拡張し、観測機であったムーンセルは長い年月を経て、現在の機能を持つに至った<ref group="出" name="『Fate/EXTRA material』212-213ページ">『Fate/EXTRA material』212-213ページ「ムーンセル」より。</ref><ref group="出" name="『Fate/EXTELLA material』115ページ"/>。
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規模が拡張すれば運営方針は複雑化していき、ムーンセルは多くの端末を作り、セクションごとに機能を管理する人工知能さえ作り出した<ref>これが後に『月の聖杯戦争』におけるNPC、上級AIなどに利用される。</ref><br>しかしその一方で、ムーンセルは自らに人工知能を搭載することだけは頑なに拒否した。これは、観測者であるムーンセルに知性があっては、物事の意味を観測者が決定してしまうことになり、ムーンセルはあくまで一つの眼として、絶対的な客観性を維持し続けた。<br>生まれていく知能らしきものを常に解体したことで、ムーンセルには善悪の思想も、未来への欲求も、さらには結末すらなく、神の残した自動書記として存在するだけでだった。
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規模が拡張すれば運営方針は複雑化していき、ムーンセルは多くの端末を作り、セクションごとに機能を管理する人工知能さえ作り出した<ref group = "注">これが後に『月の聖杯戦争』におけるNPC、上級AIなどに利用される。</ref>。しかしその一方で、ムーンセルは自らに人工知能を搭載することだけは頑なに拒否した。これは、観測者であるムーンセルに知性があっては、物事の意味を観測者が決定してしまうことになり、ムーンセルはあくまで一つの眼として、絶対的な客観性を維持し続けた。生まれていく知能らしきものを常に解体したことで、ムーンセルには善悪の思想も、未来への欲求も、さらには結末すらなく、神の残した自動書記として存在するだけでだった<ref group="出" name="『Fate/EXTRA material』212-213ページ">『Fate/EXTRA material』212-213ページ「ムーンセル」より。</ref><ref group="出" name="『Fate/EXTELLA material』115ページ"/>
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しかし、人間の精神活動を記録するために行われていた『月の聖杯戦争』と、その勝者である[[主人公 (EXTRA)|主人公]]の選択によって多少なりと、ムーンセルの在り方は変化した。<br>その広大な光子ネットワークを第二のフロンティアとして地球人類に提供。今後のSE.RA.PHは「人間を識るため」のものではなく、「人間が進化するため」の土壌となっていく。<br>そしてムーンセルはただ世界を提供するだけの、観測装置としての在り方は変えないまま、その歴史を記録していく。
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しかし『EXTELLA』では、人間の精神活動を記録するために行われていた『月の聖杯戦争』と、その勝者である[[主人公 (EXTRA)|主人公]]の選択によって多少なりと、ムーンセルの在り方は変化した。その広大な光子ネットワークを第二のフロンティアとして地球人類に提供。今後のSE.RA.PHは「人間を識るため」のものではなく、「人間が進化するため」の土壌となっていく。そしてムーンセルはただ世界を提供するだけの、観測装置としての在り方は変えないまま、その歴史を記録していく<ref group="出" name="『Fate/EXTELLA material』115ページ"/>
 
=== SE.RA.PH ===
 
=== SE.RA.PH ===
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第三虚構世界。Serial Phantasm。<br>規模が巨大になったムーンセルが自身を運営するために作った“月を回す都市型エンジン”。<br>要はムーンセルが後から増築した追加エンジン、追加レイヤーである。細菌から人間に至るまで、何兆、何京もの生命の記憶が保存されている。
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第三虚構世界。Serial Phantasm。
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ムーンセル・オートマトンの表層世界。いわば電脳世界だが、スーパーコンピュータや有機ネットワークなどのものとはそれこそ桁が違う。<br>通常の電脳世界では英霊の再現をしようとすれば一体でも即座にリソースを使い果たしてシステムダウンするのだが、それが霊子虚構世界では100体以上が存在している。<br>そのうえ極めて精巧なNPCの作りこみや世界そのもののモデリングなども一般的な電脳世界の比ではない。<br>人間の視点ではムーンセルのネットワークは光としか認識できないが、魂を霊子化できる魔術師なら情報として知覚し、一ユニットとして参加することができる。故にこれにアクセスできるのは魔術師(ウィザード)だけ。<br>ムーンセル・オートマトンは自らに接触できる人々(=霊子ハッカー)に対してこれへのアクセスを許可した。これに入場する際にはあらゆる記憶が削除され、修正された記憶が返却される。
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規模が巨大になったムーンセルが自身を運営するために作った“月を回す都市型エンジン”。要はムーンセルが後から増築した追加エンジン、追加レイヤーである<ref group="出" name="『Fate/EXTRA material』196ページ">『Fate/EXTRA material』196ページ「SE.RA.PH」より。</ref><ref group="出" name="『Fate/EXTELLA material』196ページ">『Fate/EXTELLA material』110ページ「SE.RA.PH」より。</ref>。細菌から人間に至るまで、何兆、何京もの生命の記憶が保存されている。ムーンセル・オートマトンの表層世界。いわば電脳世界だが、スーパーコンピュータや有機ネットワークなどのものとはそれこそ桁が違う。通常の電脳世界では英霊の再現をしようとすれば一体でも即座にリソースを使い果たしてシステムダウンするのだが、それが霊子虚構世界では100体以上が存在している。そのうえ極めて精巧なNPCの作りこみや世界そのもののモデリングなども一般的な電脳世界の比ではない。人間の視点ではムーンセルのネットワークは光としか認識できないが、魂を霊子化できる魔術師なら情報として知覚し、一ユニットとして参加することができる。故にこれにアクセスできるのは魔術師(ウィザード)だけ。ムーンセル・オートマトンは自らに接触できる人々(=霊子ハッカー)に対してこれへのアクセスを許可した。これに入場する際にはあらゆる記憶が削除され、修正された記憶が返却される。
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入場時に記憶を消され月海原学園の一生徒として日常を送るが、その中で四日間のタイムリミットまでに自我を呼び起こし自分を取り戻した者だけがマスターとして聖杯戦争本戦に参加する。<br>この予選通過者には本来の記憶が返却されるが、予選を通過できなかった者は精神の死を迎える。<br>腕が確かな霊子ハッカーならば侵入はたやすいが、脱出できるのは聖杯戦争に勝ち抜いたただ一人だけで、聖杯戦争のルール上敗北すると霊子化した魂ごとデリートされる。<br>人間を知るために行われた『月の聖杯戦争』も、このSE.RA.PHを利用して行われた。<br>しかしムーンセルに人間の善悪の基準は分からず、“公正な判断基準”として、生存競争によるふるい落としを選択した。<br>128人のマスターをSE.RA.PHに招いて聖杯を商品として競い合わせる。生存の手段も人間としての品質も問わず、ただ生き残れば“優れた人間”として評価する。
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入場時に記憶を消され月海原学園の一生徒として日常を送るが、その中で四日間のタイムリミットまでに自我を呼び起こし自分を取り戻した者だけがマスターとして聖杯戦争本戦に参加する。この予選通過者には本来の記憶が返却されるが、予選を通過できなかった者は精神の死を迎える。腕が確かな霊子ハッカーならば侵入はたやすいが、脱出できるのは聖杯戦争に勝ち抜いたただ一人だけで、聖杯戦争のルール上敗北すると霊子化した魂ごとデリートされる。人間を知るために行われた『月の聖杯戦争』も、このSE.RA.PHを利用して行われた。しかしムーンセルに人間の善悪の基準は分からず、“公正な判断基準”として、生存競争によるふるい落としを選択した。128人のマスターをSE.RA.PHに招いて聖杯を商品として競い合わせる。生存の手段も人間としての品質も問わず、ただ生き残れば“優れた人間”として評価する。
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ほぼ全員が似たような容姿なのはアクセスに使用したアバターが似たようなものだからで、遠坂凛や間桐慎二がそれらと一線を画す容姿をしているのはカスタムアバターを使用しているため。カスタムアバターを使用できるのは特に腕のよい魔術師に限られる。中にはいわゆる3D酔いをするマスターもいる。SE.RA.PHはムーンセル内に点在し、中には既に旧型として廃棄されたものの、未だに崩壊していない独自領域もあったが、新SE.RA.PHになったことで点在していた領域は融合、今は衝突を繰り返しながら、『開かれた、ひとつの大きな世界』になろうとしている。
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ほぼ全員が似たような容姿なのはアクセスに使用したアバターが似たようなものだからで、遠坂凛や間桐慎二がそれらと一線を画す容姿をしているのはカスタムアバターを使用しているため。カスタムアバターを使用できるのは特に腕のよい魔術師に限られる。中にはいわゆる3D酔いをするマスターもいる。SE.RA.PHはムーンセル内に点在し、中には既に旧型として廃棄されたものの、未だに崩壊していない独自領域もあったが<ref group="出" name="『Fate/EXTRA material』196ページ"/>、『EXTELLA』において新SE.RA.PHになったことで点在していた領域は融合、今は衝突を繰り返しながら『開かれた、ひとつの大きな世界』になろうとしている<ref group="出" name="『Fate/EXTELLA material』196ページ"/>。
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『Last Encore』ではSE.RA.PH崩壊から約1000年が経過した。西暦3020年において地上の人口は10万を切り、じき滅亡域に到達する。文明圏を維持することが人の証であると仮定すると、SE.RA.PHにいるマスターが最後の人類。つまりSE.RA.PHが崩壊すると人類は宇宙から消えることになる。<br>そのためなのか、人類に対する振る舞いも変質しており、従来は「アクセスしてきた存在を捕らえて逃がさない」だけのはずのものが、「少しでも適性のある人類は無差別に捕らえて逃がさない」という危険極まりないものになってしまっている。<ref>『Fate/Grand Order』においてBBが「地球人類の総数が3%を切ったらディストピア管理モードに移行する」と物騒な事を言っていたが、本当にそうなった可能性もある。</ref><br>SE.RA.PHは本来人間観察のために作られたものであるが、やはりムーンセルは機械に過ぎず、管理するのみで人の内面までは理解しなかった。故に人間を招き入れて行動を記録したが、その際に生じた人間の事象に対する反応・感情を理解せず切り捨ててしまった。これによりSE.RA.PH最下層のさらに下には廃棄された人間の感情、憎念が溜まるようになった。<br>地上世界において死後の世界は物理的に存在しないか、観察不可能な物ものであったがSE.RA.PHにおいては量子的に実現し、そして1000年という時間を経て死者の憎念が亡霊の如くして歩き回る事例さえも出てきた<ref>なおこの時ハクノはラニに亡霊が誰のことを指すのかを質問したが、彼女は何も答えようとしなかった。</ref>。
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『Last Encore』ではSE.RA.PH崩壊から約1000年が経過した。西暦3020年において地上の人口は10万を切り、じき滅亡域に到達する。文明圏を維持することが人の証であると仮定すると、SE.RA.PHにいるマスターが最後の人類。つまりSE.RA.PHが崩壊すると人類は宇宙から消えることになる。そのためなのか、人類に対する振る舞いも変質しており、従来は「アクセスしてきた存在を捕らえて逃がさない」だけのはずのものが、「少しでも適性のある人類は無差別に捕らえて逃がさない」という危険極まりないものになってしまっている<ref group = "注">『Fate/Grand Order』においてBBが「地球人類の総数が3%を切ったらディストピア管理モードに移行する」と物騒な事を言っていたが、本当にそうなった可能性もある。</ref>。SE.RA.PHは本来人間観察のために作られたものであるが、やはりムーンセルは機械に過ぎず、管理するのみで人の内面までは理解しなかった。故に人間を招き入れて行動を記録したが、その際に生じた人間の事象に対する反応・感情を理解せず切り捨ててしまった。これによりSE.RA.PH最下層のさらに下には廃棄された人間の感情、憎念が溜まるようになった。地上世界において死後の世界は物理的に存在しないか、観察不可能な物ものであったがSE.RA.PHにおいては量子的に実現し、そして1000年という時間を経て死者の憎念が亡霊の如くして歩き回る事例さえも出てきた<ref group = "注">なおこの時ハクノはラニに亡霊が誰のことを指すのかを質問したが、彼女は何も答えようとしなかった。</ref>。
    
==エリア==
 
==エリア==
 
===EXTRA===
 
===EXTRA===
 
;アリーナ
 
;アリーナ
:SE.RA.PHが用意したダンジョン。<br>「情報の海」ということから、現実の海をモチーフに作られていて、それぞれ二階層で構成されている。一の月想海第一層から七の月想海第二層まで、深海から海面に向けて構成されており、七の月想海第二層は海上に出ている。<br>なお日没はシステムに制御されているので、通常、探索中に陽が沈むことはない。<br>入り口は誰でも共通で、一階の奥の扉だが、転送されるアリーナは対戦者同士のみが共通のものでそれ以外は個別。<br>不適格なマスターを排除するためムーンセルが産み出したエネミーが徘徊しており、これを倒すことで経験値や霊子虚構世界で流通している通貨が入手できる。<br>アリーナそのものへのハッキングは規制されているが、アリーナにトラップを仕掛ける程度ならば規制されない。<br>データバグは一旦アリーナに転送され、消去待ち状態になり、アリーナ内に残された物は二日ほどで消去される。
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:SE.RA.PHが用意したダンジョン。「情報の海」ということから、現実の海をモチーフに作られていて、それぞれ二階層で構成されている。一の月想海第一層から七の月想海第二層まで、深海から海面に向けて構成されており、七の月想海第二層は海上に出ている。なお日没はシステムに制御されているので、通常、探索中に陽が沈むことはない。
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:入り口は誰でも共通で、一階の奥の扉だが、転送されるアリーナは対戦者同士のみが共通のものでそれ以外は個別。不適格なマスターを排除するためムーンセルが産み出したエネミーが徘徊しており、これを倒すことで経験値や霊子虚構世界で流通している通貨が入手できる。アリーナそのものへのハッキングは規制されているが、アリーナにトラップを仕掛ける程度ならば規制されない。データバグは一旦アリーナに転送され、消去待ち状態になり、アリーナ内に残された物は二日ほどで消去される。
    
;決戦場
 
;決戦場
:七つの海を模した、対戦相手との決着の場。二つの陣営が向き合って戦闘を行い、勝者は生きて次の戦いに移動し、敗者は<ruby>攻性防壁</rb><rt>ファイヤーウォール</RT></RUBY>によって生還の道を閉ざされ、空間ごと消滅させられる。世界を区切る攻性防壁は突破不可能の壁であり、これを無効化できるのは神霊クラスのサーヴァントのみとされる。
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:七つの海を模した、対戦相手との決着の場。二つの陣営が向き合って戦闘を行い、勝者は生きて次の戦いに移動し、敗者は<ruby>攻性防壁</rb><rt>ファイヤーウォール</RT></RUBY>によって生還の道を閉ざされ、空間ごと消滅させられる。世界を区切る攻性防壁は突破不可能の壁であり、これを無効化できるのは神霊クラスのサーヴァントのみとされる。原則として、この決戦場以外でのマスター同士の戦闘は禁止されているが、破ってもペナルティを与えられるだけで聖杯戦争への参加権を失う訳ではない。やろうと思えば校舎内でもアリーナでも相手マスターを攻撃することは出来る。
:原則として、この決戦場以外でのマスター同士の戦闘は禁止されているが、破ってもペナルティを与えられるだけで聖杯戦争への参加権を失う訳ではない。やろうと思えば校舎内でもアリーナでも相手マスターを攻撃することは出来る。
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:しかし、決戦場では以下の絶対的な法則が存在し、「サーヴァントはサーヴァントにしか攻撃できない」「マスターはサーヴァントとマスターに攻撃できる」である。
:しかし、決戦場では以下の絶対的な法則が存在し、
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:ゲーム本編では主人公の性格や資質の問題から、これらの選択をする権利すら与えられていない。だがマスターは本来、コードキャストなどで相手に直接攻撃を行って決着をつける事も許されている。ただし、マスターが死亡して敗北が確定してもそのサーヴァントがすぐに消える訳ではない。月の聖杯戦争の勝敗基準は「どちらのサーヴァントが敵サーヴァントを倒したか」で決定するため、サーヴァントはマスターを失っても戦闘は可能であり、この状態で相手サーヴァントを倒すと勝者無しの“共倒れ”となる。
:1.サーヴァントはサーヴァントにしか攻撃できない。
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:……尚、[[アルクェイド・ブリュンスタッド|地球からやってきた金髪の美女]]があっさり<ruby>攻性防壁</rb><rt>ファイヤーウォール</RT></RUBY>を無効化していたが、アレはもともとムーンセルとはまったく関係のない生命体であるため。
:2.マスターはサーヴァントとマスターに攻撃できる。
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:ゲーム本編では主人公の性格や資質の問題から、これらの選択をする権利すら与えられていない。だがマスターは本来、コードキャストなどで相手に直接攻撃を行って決着をつける事も許されている。
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:ただし、マスターが死亡して敗北が確定してもそのサーヴァントがすぐに消える訳ではない。月の聖杯戦争の勝敗基準は「どちらのサーヴァントが敵サーヴァントを倒したか」で決定するため、サーヴァントはマスターを失っても戦闘は可能であり、この状態で相手サーヴァントを倒すと勝者無しの“共倒れ”となる。
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:……尚、なんか[[アルクェイド・ブリュンスタッド|地球からやってきた金髪の美女]]があっさり<ruby>攻性防壁</rb><rt>ファイヤーウォール</RT></RUBY>を無効化していたが、アレはもともとムーンセルとはまったく関係のない生命体なのでノーカン。
      
;アンジェリカケージ
 
;アンジェリカケージ
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;降下エレベーター
 
;降下エレベーター
 
:[[聖杯戦争]]において、六日間の猶予期間を終え、七日目を迎えたマスターたちを決戦場に送る装置。その在り方は教会のの懺悔室に似る。
 
:[[聖杯戦争]]において、六日間の猶予期間を終え、七日目を迎えたマスターたちを決戦場に送る装置。その在り方は教会のの懺悔室に似る。
:ファイヤーウォールで区切られた密室の中、マスターたちは最後の会話を交わす。
+
:ファイヤーウォールで区切られた密室の中、マスターたちは最後の会話を交わす。お互いの過去、未来、思想、因縁、それらを再確認する最後の時間。
:お互いの過去、未来、思想、因縁、それらを再確認する最後の時間。
+
:手を取り合う事のできない敵と味方。けれど、わかり合えたかもしれない関係。数分後に戦いを開始する両者の心の揺らぎを、ムーンセルは観測する。
:手を取り合う事のできない敵と味方。けれど、わかり合えたかもしれない関係。
  −
:数分後に戦いを開始する両者の心の揺らぎを、ムーンセルは観測する。
      
===EXTRA CCC===
 
===EXTRA CCC===
 
;旧校舎
 
;旧校舎
:『[[Fate/EXTRA CCC]]』における主人公達のホーム。悪性情報の漂う月の裏側における唯一の安全地帯。
+
:『[[Fate/EXTRA CCC]]』における主人公達のホーム。悪性情報の漂う月の裏側における唯一の安全地帯。月の裏側における唯一の安全地帯として復旧・利用されている。遥か以前の[[聖杯戦争]]で使われていたが、老朽化したために廃棄されていたフリースペース。
:月の裏側における唯一の安全地帯として復旧・利用されている。
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:旧校舎は悪性情報の海のただ中に浮かぶ潜水艦のようなもの。廃棄されたとはいえ[[聖杯戦争]]の会場だったので、数十人のサーヴァントを維持するだけの霊子リソースが残されていた。[[間桐桜 (EXTRA)|保健室の桜]]はこのパワーソースを校舎を守るバリアとして使用することで校舎内の実数空間のルールを保っている。
:遥か以前の[[聖杯戦争]]で使われていたが、老朽化したために廃棄されていたフリースペース。
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:旧校舎は悪性情報の海のただ中に浮かぶ潜水艦のようなもの。廃棄されたとはいえ[[聖杯戦争]]の会場だったので、数十人のサーヴァントを維持するだけの霊子リソースが残されていた。
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:[[間桐桜 (EXTRA)|保健室の桜]]はこのパワーソースを校舎を守るバリアとして使用することで校舎内の実数空間のルールを保っている。
   
:余談だが、[[Fate/EXTRA CCC|CCC]]開発当時、ゲームの舞台は“ノイズに侵されたEXTRA校舎”だったが、それでは新しさがない、という事でノスタルジックな旧校舎に変更された。
 
:余談だが、[[Fate/EXTRA CCC|CCC]]開発当時、ゲームの舞台は“ノイズに侵されたEXTRA校舎”だったが、それでは新しさがない、という事でノスタルジックな旧校舎に変更された。
    
;サクラ迷宮
 
;サクラ迷宮
 
:『[[Fate/EXTRA CCC]]』の舞台。月の裏側に出現した謎の構造体。
 
:『[[Fate/EXTRA CCC]]』の舞台。月の裏側に出現した謎の構造体。
:表の聖杯戦争のアリーナを模して造られたもので、定型を保つことが困難な虚数空間の中でも実数を保ち続けられる領域で、サクラ迷宮という名称は巨大な桜の樹に寄り添うように下へ下へと続いている事に由来する。
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:表の聖杯戦争のアリーナを模して造られたもので、定型を保つことが困難な虚数空間の中でも実数を保ち続けられる領域で、サクラ迷宮という名称は巨大な桜の樹に寄り添うように下へ下へと続いている事に由来する。桜の樹とヨーロッパ風の建物が立ち並ぶ場所や廃墟のような場所、マスターをとらえて魔術回路を剥ぎ取る拷問部屋のような場所などさまざまなフロアがある。生徒会では「サクラ迷宮という名称はあんまりなので」と代案もあげられたが、どれもが酷いものだった。
:桜の樹とヨーロッパ風の建物が立ち並ぶ場所や廃墟のような場所、マスターをとらえて魔術回路を剥ぎ取る拷問部屋のような場所などさまざまなフロアがある。
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:初期名称はサクラダンジョン。ダンジョンに突入する、攻略する、という響きが直接的でいやらしかったが、新ビジュアルの完成と共に没になった。[[Fate/EXTRA CCC|CCC]]からちょっと淫靡さが減ったとのこと。
:生徒会では「サクラ迷宮という名称はあんまりなので」と代案もあげられたが、どれもが酷いものだった。
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:初期名称はサクラダンジョン。ダンジョンに突入する、攻略する、という響きが直接的でいやらしかったが、新ビジュアルの完成と共に没になった。
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:[[Fate/EXTRA CCC|CCC]]からちょっと淫靡さが減ったとのこと。
      
===EXTELLA===
 
===EXTELLA===
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:「王の指輪」とも言われる、月の聖杯戦争の勝者に与えられる勝利者の証。
 
:「王の指輪」とも言われる、月の聖杯戦争の勝者に与えられる勝利者の証。
 
:「レガリアの王権は絶対」と言われる通り、マスターを持たない他のサーヴァントを従える力を持つ他、ムーンセルのシステム更新に必要だが、不慮の事故で分割され、ネロと玉藻の前が所有した状態になっている。
 
:「レガリアの王権は絶対」と言われる通り、マスターを持たない他のサーヴァントを従える力を持つ他、ムーンセルのシステム更新に必要だが、不慮の事故で分割され、ネロと玉藻の前が所有した状態になっている。
:それ自体が圧倒的な魔力を秘めており、『さんぽけ ~三国志大戦ぽけっと~』とのコラボイベントでは主要キャラクター達が三国志の世界へ飛ばされた結果レガリアも「玉璽」となって流れ着き、現地の董卓が使用した結果凄まじい力を手に入れた<ref>具体的に言うと、サーヴァント級数人がかりで「少々有利」レベルで、アルテラが『涙の星、軍神の剣』を全力で叩き込んでようやく玉璽が剥がれて本体は無傷だった程。</ref>。
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:それ自体が圧倒的な魔力を秘めており、『さんぽけ ~三国志大戦ぽけっと~』とのコラボイベントでは主要キャラクター達が三国志の世界へ飛ばされた結果レガリアも「玉璽」となって流れ着き、現地の董卓が使用した結果凄まじい力を手に入れた<ref group = "注">具体的に言うと、サーヴァント級数人がかりで「少々有利」レベルで、アルテラが『涙の星、軍神の剣』を全力で叩き込んでようやく玉璽が剥がれて本体は無傷だった程。</ref>。
    
==人物==
 
==人物==
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== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
<references/>
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===注釈===
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<references group = "注"/>
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===出典===
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<references group = "出"/>
    
== リンク ==
 
== リンク ==
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