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3,361 バイト追加 、 2018年11月19日 (月) 21:13
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== メモ ==
 
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*シュメル王名表において「ドゥムジ」と名の付く王は二人いる。洪水前のバド・ティビラ王である「羊飼いドゥムジ」、そしてウルク第一王朝第五王である「漁夫ドゥムジ」である。職種や時代が異なること、また羊飼いドゥムジには限定符として神符(ディンギル)を冠されるとおり神々の一柱であることなどから、この二人は別人であるが、しばしば混同されることがある。FGOにおける混同もそのひとつであろう。<br>バド・ティビラの守護神はドゥムジ神とイナンナ(イシュタル)神の次男であるルラル神であるが、バド・ティビラの神殿エムシュ・カラマは古くはドゥムジ神を祀ったもので、のちにルラル神に与えられたとされる。
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*神としてのドゥムジは牧畜の神であり、姉のゲシュティンアンナは植生の女神であった。すなわち、本来はこの姉弟が交代で冥界に降ることにより農耕と牧畜の切り替えをおこなっていたと考えられる。古バビロニア期の頃にはゲシュティンアンナの都市での信仰が廃れ、ドゥムジ(タンムズ)に一本化されていき、ドゥムジ(タンムズ)が植生の神としての役割も担ってゆくようになる。
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*現存する史料でドゥムジが登場する主なものとしては、イナンナ女神に求婚した牧神ドゥムジと農耕神エンキムドゥの二神が争う「ドゥムジとエンキムドゥ」、ドゥムジ神とイナンナ女神の聖婚を赤裸々に歌った詩「イナンナとドゥムジの求婚(A balbale to Inana/Dumuzid-Inana)」、イナンナ(イシュタル)女神の冥界下りに関わる「イナンナ/イシュタルの冥界下り」「ドゥムジの夢(The Dream of Dumuzid)」、冥界下りの別パターンともいえる詩「イナンナとビルル(Inanna and Bilulu)」「ドゥムジとゲシュティンアンナ(Dumuzid and Geshtinanna)」などである。ギルガメシュ叙事詩でも、ギルガメシュがイシュタルを罵る際にドゥムジ神への仕打ちを引いている。
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*「ドゥムジとエンキムドゥ」は、イナンナ女神の兄ウトゥ神は牧神ドゥムジを夫として勧めるが、イナンナ女神は農耕神エンキムドゥに惹かれている。ドゥムジ神はイナンナ女神に積極的にアピールして気を引き、最終的にエンキムドゥ神が身を引いて結ばれるという展開である。そのおそらく初夜であろうものが「イナンナとドゥムジの求婚」であり、王の聖婚儀礼の際に使われた詩であろうとされている。
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*イナンナ/イシュタルの冥界下りには数パターンあり、時代や地域によっても展開に大きく差がある。FGOが主として引いているのはシュメル語版「イナンナの冥界下り」である。どのテクストでも共通するのは「ドゥムジ神の死」であり、夏至に執り行われたタンムズ(ドゥムジ)神の死を嘆くタンムズ祭は麦類の収穫月にあたる。メソポタミア地域における農耕期/農閑期の起源神話といえる。
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== 脚注 ==
 
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===注釈===
 
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