「四奸六賊」の版間の差分
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:決戦時には別行動していた太公望が、霊脈を正常な流れに戻したことで自身へのサポートが全て消え失せた上に、酒の毒も「梁山泊メンバーとなったサーヴァントたちが、あまりに酒を飲みすぎたために毒が薄まってしまった」という斜め上すぎる理由で二日酔い程度に抑えられ<ref group="注">なお主人公や幼少系英霊たちは酒を飲まなかったため、毒を摂取しておらず'''万全の状態で戦える人物もちらほらいる'''というあんまりにもあんまりな結果に。</ref>、すべての目論見は潰えてしまった。 | :決戦時には別行動していた太公望が、霊脈を正常な流れに戻したことで自身へのサポートが全て消え失せた上に、酒の毒も「梁山泊メンバーとなったサーヴァントたちが、あまりに酒を飲みすぎたために毒が薄まってしまった」という斜め上すぎる理由で二日酔い程度に抑えられ<ref group="注">なお主人公や幼少系英霊たちは酒を飲まなかったため、毒を摂取しておらず'''万全の状態で戦える人物もちらほらいる'''というあんまりにもあんまりな結果に。</ref>、すべての目論見は潰えてしまった。 | ||
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:水滸伝における悪役で、最終的に梁山泊が滅ぶ結果となった高俅、蔡京、童貫、楊戩の「四奸」と、史実の宋の時代に悪政の限りを尽くした蔡京、童貫、王黼、梁師成、朱勔、李彦の「六賊」が群体として融合した存在。 | :水滸伝における悪役で、最終的に梁山泊が滅ぶ結果となった高俅、蔡京、童貫、楊戩の「四奸」と、史実の宋の時代に悪政の限りを尽くした蔡京、童貫、王黼、梁師成、朱勔、李彦の「六賊」が群体として融合した存在。 |
2024年7月15日 (月) 15:15時点における版
四奸六賊 | |
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読み | よんかんろくぞく |
一人称 | 我ら、我々 |
二人称 | 汝 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
『Fate/Grand Order』に登場するキャラクター。
- 略歴
- 期間限定イベント『108人のハロウィン・リベリオン! ~小竜娘水滸演義~』にて登場。
- 自身の霊基を強化して力を手に入れることを目論み、「生前対立していた梁山泊を従えた」という実績を立てることを画策。その為チェイテ城を利用して特異点を形成し、聖杯と霊脈を押さえた状態でエリザベート=バートリーと九紋龍史進を撃退するが、瀕死の彼らが力を合わせて九紋竜エリザになるアクシデントが発生。
- だが、彼女がチェイテ城跡地に梁山泊を作ろうとしている事を利用して、「梁山泊に百八星が揃った際に彼らが従属する」という聖杯による呪いの毒を含ませた酒の泉を設置。さらには呼延灼を利用して「官軍」を用意し、梁山泊の完成の後押しとする策も用意した。その後は機が熟すまでずっと隠れていたこともあり、首尾よく事態は進むものの、太公望が呼延灼に仕込まれた従属術式を解呪し、さらには梁山泊側で天草四郎時貞が梁山泊の地下に設置していた聖杯を奪取。
- 決戦時には別行動していた太公望が、霊脈を正常な流れに戻したことで自身へのサポートが全て消え失せた上に、酒の毒も「梁山泊メンバーとなったサーヴァントたちが、あまりに酒を飲みすぎたために毒が薄まってしまった」という斜め上すぎる理由で二日酔い程度に抑えられ[注 1]、すべての目論見は潰えてしまった。
- 最終的には「ここで止めを刺してもまた同じような悪だくみをする」という一同の判断により、主にカルデアのシミュレータ内で心から反省するまで単純労働に従事させられる結果となった。
- 人物
- 水滸伝における悪役で、最終的に梁山泊が滅ぶ結果となった高俅、蔡京、童貫、楊戩の「四奸」と、史実の宋の時代に悪政の限りを尽くした蔡京、童貫、王黼、梁師成、朱勔、李彦の「六賊」が群体として融合した存在。
- 曖昧に融解した黒い体に八つの顔が浮き出た異様な姿をしている。[注 2]
- 本来は「おじゃる」口調だが、梁山泊の前に現れた際は尊大な言動をとっていた。
- 自分を高貴な者であると嘯き、他人を利用して陰で甘い汁を吸うことに躊躇いを覚えない。その上悪徳官僚としての慎重さや、自分自身の能力の低さを理解した立ち回りに、いざとなったら命乞いもするプライドの無さも兼ね揃えた、まさに典型的な俗物というべき存在。
- 働いたり努力したりも一応はできるのだが、あくまでもそれは「自分が甘い汁を吸うため」のものであり、正道を志しての前向きなそれは一切ない。
- なお、敗北後も働く最中に愚痴を零したり、ジェームズ・モリアーティの「更生したらサーヴァントになれるかもしれない」という励ましに対して図々しくも即座に「ルーラーで!!」と返していたりと、反省とは程通いことが窺える。
- 能力
- そもそもが悪徳官僚であって武人ではないため、実質的な戦闘能力は非常に低い。物語の冒頭でエリザと史進を倒せたのも聖杯と霊脈の力があってこそである。
- その分陰謀や策略の能力は高く、物語中でも最終的にカルデアの想像以上の斜め上っぷりにひっくり返されてしまったものの、堅実かつ卑劣な作戦を立てていた。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Grand Order
- 期間限定イベント『108人のハロウィン・リベリオン! ~小竜娘水滸演義~』にて敵として登場。
- ゲーム内ではバーサーカークラス。
人間関係
Fate/Grand Order
- 呼延灼
- 期間限定イベント『108人のハロウィン・リベリオン!』における「官軍」のリーダー。
- 彼女に「誰かに任命されて梁山泊を滅ぼす」という暗示を与えた上で支配術式を組み込んでいた。
- 九紋竜エリザ
- 期間限定イベント『108人のハロウィン・リベリオン!』における「梁山泊」の中心人物。
- 上記のように自分たちが倒したエリザと史進が融合した存在であるが、以降も最終的な目的のために利用していた。
- 最終的には彼女の進言によって止めを刺されず、カルデアでの労働でカルマを清算することになった。[注 3]
- ジェームズ・モリアーティ
- 期間限定イベント『108人のハロウィン・リベリオン!』のエピローグでは、シミュレーション内の彼のバーで机を拭いていた。
生前
- 徽宗
- 北宗の第8代皇帝で、生前に仕えた君主。一流の芸術家だったが統治者としては全くの無能で、父親で第6代皇帝の神宗が進めた改革を全て台無しにしてしまう。最期は開封を陥落させた金に連行され、幽閉先で死亡した。
名台詞
Fate/Grand Order
メモ
- 上記の通り「四奸(もしくは四姦臣)」は水滸伝内で呼称される架空の枠組みで、「六賊」は北宋が女真族の金に滅ぼされる直前に即位した欽宗によって糾弾された際に呼ばれた枠組みであり、両者が融合した「四奸六賊」は架空と史実が重なっている。ただし、高俅、楊戩は史実であくまでも六賊に含まれる事が無かっただけで、実在の人物であるが、人物像には差がある。
- 高俅は燕青の主である盧俊義を死に追いやった人物で、作中の彼からは「蹴鞠野郎」と忌み嫌われている。水滸伝の物語では最大の悪役として存在感を放つが、史実では軍事費着服に手を染めるなど奸臣だったのは事実だが、他の奸臣達と比べると『宋史・奸臣伝』にも独立した伝がなく、悪行と業績に関して大きく劣っている小悪党の印象が強い。また、旧法派の蘇軾(またの名を蘇東坡。「春眠暁を覚えず」の詩や東坡肉の考案者として有名)の元で書記を務めていた経験があり、後に新法派であった蔡京によって蘇軾の一族が追い落とされて困窮した際には恩義に報いるべく、生涯に渡って援助を行い続けた逸話も残るなど義理堅い一面も伝えられる。史実の高俅は良くも悪くも任侠寄りの人物であったとされており、史実と水滸伝では人物像にかなりの差がある。[注 4]
- 楊戩は宦官で、水滸伝の物語では出番は控えめだが、梁山泊の李逵(りき)とひと悶着があり、以降は梁山泊を敵視。最終的に梁山泊の毒殺を進言する人物となっている。史実では「索民田契の法」を施法し、強引に農民から土地を取り上げて重税を課す。また漁民にもあれこれと重税を課し、徴税も過酷を極めたため、楊戩と実行部門の「西城所」は民衆からは非常に恨まれたとされる。北宋の財政も一時的に回復したが、一度苛烈な徴税を行った土地は荒れ果ててしまったため、結局は北宋の首を絞める結果になっている。六賊が失脚する前である1121年に死去しており、死後は大尉の職を送られ、呉国公と諡をされている。史実では高俅同様に六賊には含まれていないが、創作よりも史実の方がかなり悪党であり、高俅とは真逆である。六賊に含まれなかったのも、他の六賊達が糾弾された際に死去済みだった事が大きいとされる。その一方で封神演義で太公望の片腕として活躍した人物と同名である。
- 六賊の各構成員はかなり個性的で、内実は下記の通り。徽宗が芸術家皇帝だったため、文化人や芸術に博識な人物が多い。
- 蔡京:16年間に渡り宰相を務めた。極めて優れた実務能力を持つが権力欲が強く、主義主張に節操がなかったと言われる。優れた文化人であり、絵画や詩文に優れた技量を持つ。特に書道に関しては達人の域で宋代を代表する四名の書道家「四絶」の一人に数えられる事もある[注 5]。しかし、宰相時代の後期には徽宗の詔に振り回され、政治的影響力を失ってしまう。ちなみに息子の蔡攸も奸臣で父とは対立したと言われる。
- 童貫:宦官将軍。20年に渡り北宋軍の軍権を掌握した。去勢され男性機能を失ったはずの宦官にも関わらず、多くの妻妾と養子を持ち筋骨隆々とした巨躯を誇りで顎鬚まで生えていたという怪人物(通常、去勢されると男性ホルモンの分泌が低下するため、髭が生えなくなり筋肉も衰える)。骨董の目利きに優れたため、徽宗に気に入られた。
- 李彦:楊戩の死後、西城所の機構を掌握して不法に膨大な土地を収め農民から収奪を繰り返した宦官。
- 朱勔:優れた庭師で徽宗が好んだ「花石綱」運搬のために民衆徴発や民家の破壊を行い民衆から恨みを買った。[注 6]
- 王黼:蔡京の子分で、彼の抜擢により急激に出世。引退後は蔡京から宰相を引き継き、徽宗に様々な珍しい品を献上して信頼を得た。本人は婦女暴行や汚職を繰り返したとされる。
- 梁師成:宦官でありながら科挙に合格するなど学識と芸術に優れ、影の宰相と言われた。
- 徽宗と六賊によって北宋の国内は大きく乱れ、国力は低下。そして外交でも不義理を重ねてしまい、北宋滅亡の原因を作る事になる。
- 北方の遼(契丹人の王朝)が勃興した金(女真族の王朝)によって滅亡寸前に陥ると北宋は金と同盟を結び、遼を挟み撃ちにする事で、燕雲十六州(約百八十年前の五代十国時代の後晋によって遼に割譲された領域で現在の北京周辺地域)の奪還を目論んだ。しかし、北宋の苛政に耐えられなくなった江南地方のマニ教徒による「方臘の乱」が発生し、遼に対する攻撃が遅れてしまう。更に燕京攻略戦でも童貫は滅亡寸前の遼に大敗、結局は金に燕京を落としてもらう事になり、領域の一部は北宋に引き渡される。しかし、北宋首脳部は燕雲十六州の完全奪還を目論み、遼の残党と手を結んだが、金にはすぐに察知されてしまい、金軍は北宋に侵攻を開始。軍事責任者の童貫が敵前逃亡を行うなど北宋は完全敗退し、徽宗は自ら退位し、欽宗に帝位を譲り、莫大な財貨を金に引き渡すことを約束して停戦が成立。そして、欽宗によって蔡京、童貫、李彦、朱勔、王黼、梁師成は「六賊」として糾弾され、死罪に処された。ただ蔡京は流刑先へ向かう途中に病死し、人々を悔しがらせたと言われている。
- しかし、徽宗の退位と六賊の排除を経ても北宋が立て直されることはなかった。欽宗を始めとする北宋首脳陣の金に対する現状認識は甘く、結局は金に差し出す財貨を惜しみ遼の残党と再び接触した事を金に嗅ぎ付けられてしまい、再度行われた軍事侵攻で北宋首都「開封」は陥落。皇帝欽宗や先帝徽宗を始め、4歳から28歳までの皇女達や宮女数千人、財宝などあらゆる物が金によって略奪される「靖康の変」によって北宋は滅亡。城外で難を逃れた趙構によって南宋が建国された事で、宋王朝は命脈を辛うじて保つことに成功する。なお、略奪された皇女や宮女達の末路は悲惨なもので、金の将兵達に散々陵辱された挙げ句に「洗衣院」と呼ばれる公設の娼館で娼婦となる事を強要されたと言われている。
- 六賊が北宋滅亡の下地を作ったのは事実だったが、滅亡の決定打はその六賊を排除した欽宗の手によって行われるという皮肉な結果になった。ちなみに蔡京のみは燕雲十六州の奪還作戦に反対していたとされ、唯一先行きを見据えていた節がある。
- なお、「六賊」として一括りにされているが、彼ら全員が結託していた訳ではなく、六賊同士で権力闘争が行われている。
- 四奸は水滸伝の物語で皇帝徽宗に取り入っている4名の奸臣達の総称として登場。最終的には宋江と盧俊義に毒を盛り殺害し宋江の死を知った呉用と花栄も自害したため、梁山泊が滅亡。皇帝徽宗は四奸が梁山泊を死に追いやった事を知り激怒するが、結局は四奸の言い逃れを信じてしまい、叱責に留めてしまう。四奸は全員が五体満足のまま物語が終了し、悪党が勝利するという結末となる。そのためか、二次創作である『水滸後伝』では四奸の生き残りであった高俅、蔡京、童貫、蔡攸(蔡京の息子)は流罪となり、流罪の際に梁山泊残党によって殺害される結末が用意されている(楊戩は死去済み)。
- 一応期間限定イベント『108人のハロウィン・リベリオン!』の黒幕であり最終決戦の相手なのだが、「100万あったHPが梁山泊の一斉攻撃で6万弱になる」「ブレイク後のチャージ攻撃がとんでもなく弱い」とかなり残念。
脚注
注釈
- ↑ なお主人公や幼少系英霊たちは酒を飲まなかったため、毒を摂取しておらず万全の状態で戦える人物もちらほらいるというあんまりにもあんまりな結果に。
- ↑ 上記のようにメンバーが二人重複しているため八人分なのであろうか。
- ↑ 『Fate/EXTRA CCC』でのエリザベートが「それが悪い事であると誰からも教えられなかった」ために道を決定的に踏み外したのを踏まえると、そのエリザの進言で悪党に善悪を教えつつカルマの精算をさせる結果になったのは非常に印象的である。
- ↑ つまり、体制側についた梁山泊の好漢系の人物だとも言える。梁山泊の人々は主人公側だから肯定的に見られているだけであって、決して善人ではない。簡単に言ってしまえば「やくざ」であり、二次創作には梁山泊が官軍に討滅されるといった作品もある。
- ↑ 悪行のため、同族の蔡襄が四絶に数える事もある
- ↑ 水滸伝の好漢の一人、楊志が落草する要因になった。
出典