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2017年1月14日 (土) 20:21時点における版
魔術協会
国籍・ジャンルを問わず魔術師たちによって二世紀頃作られた自衛・管理団体。魔術を管理し、隠匿し、その発展を使命とする。(無論、名目上ではある)
外敵(教会、自分たち以外の魔術団体、禁忌に触れる人間を罰する怪異)に対抗するための武力と、魔術の更なる発展(衰退ともいう)のための研究機関を持ち、魔術犯罪の防止法律を敷く。
一般社会で魔術がらみの事件を起こしたものは処刑されるが、「正義」「道徳」ではなく、「神秘の漏洩」を防ぐことがその最大の目的。
アトラス院は特に徹底されているが、魔術師は己の研究を公表することはなく、魔術師同士の研究の交流などというものはない(交流などというもがあるとすれば、それは世俗的な権力闘争くらいである)。隣り合った研究室を持つ魔術師同士が、互いが何を研究しているのか知らないなんてことは当たり前。
魔術の研究は一人でするものであり、協会による束縛を嫌う魔術師も勿論いるが、大半の教本と、魔術の実践に適した歪みを抱えている霊地は、協会が押さえている。魔術を学ぶには最高の環境であり、自分の研究こそが最優先の魔術師にとって、それらの魅力は何物にも代え難い。名目上、支配者ではないことを標榜する協会は辞めることは自由だが、そんなことを考える魔術師はそうそういない(封印指定でも受ければしかたないが)。
聖堂教会とは表向きは不可侵であるが、裏では記録に残さないことを条件に現在も殺し合いが続いている。
また、中東圏の魔術基盤、及び大陸(中国)の思想魔術とは互いに相容れず、やはり不可侵を装っている。加え、西洋魔術を扱う魔術協会では呪術は学問ではないとされて蔑視されており、中東圏に大きく遅れをとっている。
時計塔
三大部門の一角。『2015年の時計塔』によれば「ロンドン郊外に位置する中世と近代の入り混じった街、四十を超える学生寮(カレッジ)と百を超える学術棟と、そこに住む人々を潤す商業で成り立つ」という巨大な学園都市。以前は「大英博物館の地下に築かれたダンジョン」という説明であったが、最新のものとは食い違いが見られる。
三大部門の中では最も新しく、設立は西暦元年。現在は魔術協会総本部とされる。しかし、時計塔が本部となって以後、他の二つとの交流は途絶えているらしい。
工房のほとんどは地下にあり、下へ行けばいくほど狂気度が増すダンジョンと化しているとか。博物館の最深部には封印指定をされた者を閉じ込める『橋の底』と呼ばれる特別区画があり、封印指定された魔術師たちが幽閉されている。
組織構成
魔術協会の各学部を統括する学部長を「君主(ロード)」と呼ぶ。
また「ロード」は、学部長とは別に、時計塔を束ねる貴族を指す呼称でもある。大貴族が三家(バルトメロイ、トランベリオ、バリュエレータ)、親族が二十家ほど存在する彼らは表の世界でも名門貴族として地位を得ている。貴族たちの歴史は最短でも五百年以上、最長に至っては二千年を超える。
時計塔には十二の学部が存在する。十二の君主(ロード)が管理する十二の深淵。時計塔内は必修である「全体基礎」──魔術全体の共通常識、類感魔術と感染魔術、地脈、マナ学など──を第一とした十二の学部に分けられ、以下「個体基礎」「降霊」「鉱石」「動物」「伝承」「植物」「天体」「創造」「呪詛」「考古学」「現代魔術論」の十二の研究方針。十二の学部それぞれが独自の権力、独自の自治区画を持ち、十二人の君主(ロード)に管理されている。
十三個目の項目として、政治家を志すためのがあるが、これは神秘と直接の関係を持たない科であり神秘を探求する学問ではなく、時計塔の魔術と権力をもっていかにして現実社会へ介入するか、あるいは時計塔内部の均衡を調整する、時計塔の安定と発展のためにのみ存在する本来は、異端の派閥であったため十二の学部にはカウントされない。
ただし法政科の学部長であるバルトメロイはロードに数えられている。学部数が十三であるにも関わらずロードの人数が十二人であることには事情があり、現代魔術科にロードがついたのがごく最近のためのようだが詳細は不明。
たいていの魔術師は全体基礎を五年ほど学び、その後に各自の家が受け継いできた魔術特性に沿う学部へと進み、その補佐、発展のためのサブとして他の学部にも籍を置くのが常道である。ただし、同じ学部の中でも更に課程により細分化されるため、自分と全く同じ構成の課程を履修する魔術師と出会う確率は稀であるらしい。
学部に属するカレッジごとの結束は固く、余所者が自分たちのテリトリーに入ろうものなら個人間の諍いからカレッジ間の抗争へと発展することもしばしば。尤も学部ごとの特色というものもあり、選民思想の権化じみたバルトメロイが君臨するカレッジならば私設憲兵が外部からの侵入者を取り締まるほどに排他的であったり、考古学部のような権力闘争とは縁遠いカレッジでは純粋に学問のみを追求する落ち着いた雰囲気であったりと、程度の差はある。
十二番目の「現代魔術論」科は最も歴史が新しく、ここ百年ほどで興った魔術を研究し、広く浅く、より一般的な“使いやすい”魔術とすることを目的とした学部で、家門の後ろ盾やロードたちの承認も要らずに自由に魔術を語り合い、評価し合い、時にはインターネットなどIT機器を介して情報を交換する、現代に適応した新世代(ニューエイジ)の魔術師たちのフィールドである。
かつては歴史を持つ家柄と潤沢な財力がなければ魔術師の門をくぐることすら叶わなかったが、二十世紀の初頭にこの学部が創設されてからは野にくすぶっていた多くの新興魔術師が時計塔に流入することになり、衰退の途にあった魔術師社会にも往年の賑わいが戻って来た。とはいえ、古い血筋を誇りとする名門魔術師たちにとっては“遡ってもたかだか一世紀程度”の新世代は所詮下層の存在であり、当然そこには相当な軋轢が存在する。
なお、2014年時点での学部長は新世代最大の出世頭と言われるロード・エルメロイⅡ世である。
十三番目の法政科は十二科のいずれにも属さずその外側から魔術協会を監視する、神秘を追い求める魔術師たちと異なり神秘を管理統制する側の粗織。「魔術師を統べる魔術師」。多くのロードの家系は自らの子供を法政科に送り込み、法政科もその子供たちに惜しみなく帝王学を授ける。そのため、相手が法政科に所属する魔術師であるならたとえ十二家や三大貴族に連なる者でなくとも誰もが緊張を余儀なくされる。「神秘を隠匿すべし」という時計塔の第一原則を重視することから「第一原則執行局」の別名を持つ。
このように各学部には方針や主義の違いがあり、時計塔の派閥はおおまかに三つに分かれている。
一つ目は血統を重視する『貴族主義派』。筆頭は三大貴族のバルトメロイ(法政科)で、他にガイウスリンク、アニムスフィアなど。立場上はエルメロイ(現代魔術科)もここに含まれる。
二つ目は血統で劣っても才能ある若者を取り入れるべきという『民主主義派』。筆頭は三大貴族のトランベリオ。同じく三大貴族のバリュエレータ、他にエーデルフェルトなどもこの派閥。
最後の三つ目は、派閥争い自体に興味を持たず研究を優先する『中立派』。派閥としての纏まりは弱いが一応の筆頭はメルアステアで、他にブリシサン(伝承科)、ジグマリエ(呪詛科)など。
時計塔の組織内部は貴族主義派を始めとした権威主義の温床で完全に腐敗しており、フラガのような新興の名門が座る(幹部の)椅子は何世紀も前から存在すらしない。教育機関においてもそれは同様で、講師・生徒ともに血統の強さを重視する傾向が非常に強い。血統を重視しない派閥も存在するが、派閥間の激しい権力闘争を招くだけの結果となっており、組織の正常化にはほど遠いのが実情。
学部番号 | 学部名 | 別名 | 君主(ロード) | 派閥 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
一 | 全体基礎科 | ミスティール | |||
二 | 個体基礎科 | ソロネア | 中立派 | ||
三 | 降霊科 | ユリフィス | ユリフィス ロッコ・ベルフェバン(代理) |
『Fate/Zero』ではソフィアリ家がロード | |
四 | 鉱石科 | キシュア | ケイネス・エルメロイ・アーチボルト →メルアステア |
貴族主義派 →中立派 |
|
五 | 動物科 | キメラ | |||
六 | 伝承科 | ブリシサン | 中立派 | ||
七 | 植物科 | ユミナ | アーシェロット | ||
八 | 天体科 | アニムスフィア | マリスビリー・アニムスフィア | 貴族主義派 | 『Fate/Grand Order』ではオルガマリーが当主 |
九 | 創造科 | バリュエ | イノライ・バリュエレータ・アトロホルム | 民主主義派 | 三大貴族。 |
十 | 呪詛科 | ジグマリエ | 中立派 | ||
十一 | 考古学科 | アステリア | |||
十二 | 現代魔術科 | ノーリッジ | ロード・エルメロイⅡ世 | 貴族主義派 | ロードとしての序列は最下位の十二位。 ノーリッジ家は「出資者」とされている。 |
十三 | 法政科 | バルトメロイ・ローレライ | 貴族主義派 | 三大貴族。 |
※時期による変動あり
所属魔術師
時計塔における魔術師には階位があり、上から『冠位(グランド)』、『色位(ブランド)』、『典位(プライド)』、『祭位(フェス)』、『開位(コーズ)』、『長子(カウント)』、『末子(フレーム)』となっている。真の最高位は『冠位』だが、ほとんど幻の称号となっており、実質的な最高位は『色位』とされる。大半の君主(ロード)ですらそこ止まり。
最高位の術者(おそらく『色位』)には色の名を冠した称号が与えられており、最高位が三原色の『赤』、『青』、『黄』。そこから合成色の『橙』、『紫』、『緑』、『黒』と続き、後者ほどランクは下となる。
また、第四階位の『祭位』は特殊で、通常の魔術師の能力とは別に評価せざるを得ない特殊な技能・実績に対して与えられる名誉階級である。本来なら『色位』を超えるような魔術師から純粋な能力では『開位』以下の魔術師まで実力はピンキリ。伝承保菌者であるバゼットや講師として卓越しているエルメロイⅡ世もこの階位を与えられている。
院長・学部長
- 院長
- 時計塔設立時から現在までその座にあり続ける、少なくとも二千年を生きている謎の人物。
- バルトメロイ・ローレライ
- 十二人のロードの一人、ロード・バルトメロイ。法政科学部長。時計塔創設時より続く名門、バルトメロイの当主であり、時計塔の院長補佐にして現・魔導元帥。
- ケイネス・エルメロイ・アーチボルト
- 十二人のロードの一人、ロード・エルメロイ。エルメロイ学派の長にして鉱石科学部長。階位は『色位』。その多才ゆえに他学部である降霊科の講師も務めていた。第四次聖杯戦争で死亡。
- ロード・エルメロイⅡ世
- 十二人のロードの一人。現代魔術科学部長。階位は『祭位』。とある経緯により、アーチボルト家当主からエルメロイ学派を託された講師。
- 本人の実力こそ凡庸であるものの、輩出された弟子が全員十年以内に『典位』以上を取得しており、更にそのうち数名は最高位の『王冠』に至るのではないかと噂されているほど指導者として優秀である。
- 「プロフェッサー・カリスマ」「マスター・V」「絶対領域マジシャン先生」「グレートビッグベン☆ロンドンスター」「マギカ・ディスクロージャー」「女生徒が選ぶ時計塔で一番抱かれたい男」など数々の異名を持つ。
- イノライ・バリュエレータ・アトロホルム
- 十二人のロードの一人、ロード・バリュエレータ。創造科学部長。
- ユリフィス
- 『Fate/strange Fake』の時代(Fate本編の数年後)の降霊科学部長。
- ブラムを初めとした有力陣と世界各地の霊地巡りに出ており、ロッコにロード代理を任せている。
- ロッコ・ベルフェバン
- 降霊科の下位学部である召喚科学部長。降霊学部長が長期の特命により時計塔を離れている間ロードの座を代行している。既に在任50年を過ぎているとも噂される矮躯の老人。
- 十二人のロードのうちでは守旧派の代表格と見なされている。
- マリスビリー・アニムスフィア
- 十二のロードの一人。天体科学部長。
- ロード・メルアステア
- 十二のロードの一人。鉱石科学部長。ロード・エルメロイが死亡した直後のいざこざの間に鉱石科を乗っ取りロードとなった。
- ロード・アーシェロット
- 十二のロードの一人。植物科学部長。流行りものに目がないらしい。おそらく、メイ・リデル・アーシェロットの血縁者。
- ドクター・ハートレス
- 現代魔術科の先代学部長。ノーリッジの養子の一人。かつて妖精に心臓を盗まれた人間であるため、メイン十二科の学部長の中では唯一ロードではないにもかかわらずその神秘は時計塔の中でも恐れられていた。
講師等の運営陣
- ブラム・ヌァザレ・ソフィアリ
- 一級講師。『Fate/Zero』の時代の降霊科学部長の嫡男であり、次期学部長の座を約束されている貴公子。
- ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア
- 二級講師として元素変換を教えていたが、本領は政治的闘争の手腕にあり、講師としての評価は低い。本来の階位は『色位』だが、『Fate/Apocrypha』の世界では特殊な事情により『冠位』となっている。
- 後に、ユグドミレニア一族を挙げての大規模な離反を行う。
- フラウロス
- 時計塔十一科(考古学部)ロクスロート研究棟館長。冠位指定(グランドオーダー)を授けられた名門の嫡子。若いころは弱冠二十歳で『祭位』に到達した神童と呼ばれていた。
- 蒼崎姉妹とは古い友人であった。姉妹に「私は死んだ、私は殺されるだろうから後始末を頼む」という奇怪な遺書を送り、後日殺害される。
- フィーンド・ヴォル・センベルン
- 新鋭の一級講師。その身柄の確保がユグドミレニア残党にとって有利なカードとなる程度には期待されているらしい。
- 化野菱理
- 法政科に所属する魔術師。踝まで届く黒髪に友禅の振袖、魔眼殺しの眼鏡が特徴的な美女。
- オルガマリー・アニムスフィア
- 天体科のロードを務めるアニムスフィア家の女性。
- 『Fate/Grand Order』では3年前に死去した父の跡を継ぎ、アニムスフィア家の当主及び時計塔が出資をしている「人理保障機関カルデア」の所長を務めている。
秘儀裁示局・天文台カリオン
封印指定を発令する時計塔最古の教室。
20世紀末にこの教室にて時計塔へ全体凄まじい衝撃を引き起こす大事変が起きており、その際には本来なら一度下されれば絶対のはずの封印指定が何人か解かれたという。
封印指定執行者等
- ミリョネカリオン
- 封印指定総与。詳細不明。特性は「繁栄」。
- バゼット・フラガ・マクレミッツ
- 封印指定の執行者。当代では執行者最強の一角とされる。階位は『祭位』。
- フォルテ
- 協会屈指と言われる風使いにして、剣士。
- 封印指定の執行や、奪われた魔術書の奪還といった荒事を担当する。
エルメロイ教室
現代魔術科のロード・エルメロイⅡ世が受け持つ教室。
詳しい事は該当項目参照。
所属者
- 遠坂凛
- 『stay night』のED後所属。のちに「鉱石学科の災厄」の片割れとなる。
- ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
- 「鉱石学科の災厄」のもう一人。
- フラット・エスカルドス
- 『Fate/strange fake』時点での教室最古参の学生。偽りの聖杯戦争に参加する。
- グレイ
- 正確には魔術師ではないが、ロード・エルメロイⅡ世の内弟子という形で在籍している。
- スヴィン・グラシュエート
- 『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』時における教室最古参の学生。階位は『典位』。
- ヴェルナー・シザームンド
- 「蝶魔術の後継者」の異名と上級階位を持つ。おそらく、オルロック・シザームンドの血縁者。
- ローランド・ペルジンスキー、オルグ・ラム、ラディア・ペンテル、ナジカ・ペンテル、フェズグラム・ヴォル・センベルン
- 若手ながら全員が上級階位持ちの魔術師。『Apocrypha』に登場する赤のマスターたちの親族。
- カウレス・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
- ユグドミレニアの反乱の戦後処理の一環として、実質上の人質のような形で時計塔に入学。その後教室に所属する。
ユグドミレニアが存在しないFate正史においても魔術師の道を捨て出奔した姉に代わって入学、エルメロイⅡ世の指導を受けることとなる。 - 沙条綾香
- 『氷室の天地 Fate/school life』『Fate/strange fake』の世界では一時的に在籍していた。
- イヴェット・L・レーマン
- メルアステア派から教室へと送り込まれたスパイ。
元学生
- 蒼崎橙子
- 渡英した後、時計塔に所属。幻の『冠位』取得者。封印指定を受け逃亡。
- コルネリウス・アルバ
- 蒼崎橙子と同期にて学ぶ。
- 荒耶宗蓮
- 蒼崎橙子と同期にて学ぶ。
- フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア
- 降霊術と人体工学に天才的な才能を持つ少女。
- とりたてて協会に不満などなかったのだが、ダーニックに引っ張り込まれる形で離反することになってしまった。
その他
- キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ
- 魔法使い。元・魔導元帥。いまでもたまにふらっと顔を出す。
- 蒼崎青子
- 魔法使い。基本的に学院に縛られる存在ではないが、協会側から見れば目を離すことが許されない厄介者。
- 時々、協会の依頼で仕事を請けたりもする。姉に協会の自分名義の口座から金をおろされたりしている。
- ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ
- 先代当主ケイネスの横死により没落しかかっていたアーチボルトの家督を継ぎ、立て直した少女。
- 再興に大きく寄与したウェイバー・ベルベットに「ロード・エルメロイ」の名を与えて学派を任せると同時に、自らの下に縛り付けている。
- 「悪霊」ガザミィ
- 封印中の、とある魔術師の異名。協会における厄ネタの一つ。
- ゲリュオン・アッシュボーン
- 「魔術刻印の修復」という特殊な技術を持つ魔術師。故人。
- オルロック・シザームンド
- 「
蝶魔術 」と呼ばれる魔術体系の重鎮。 - ハイネ・イスタリ
- 錬金術の名家イスタリ家の嫡子。一度は魔術の道を棄て、聖堂教会に所属していたが実家の事情により引き戻された過去を持つ。
- ランガル
- 人形師。人前には常に人形を遠隔操作して出ている。外部調査なども行っている模様。
- ファルデウス・ディオランド
- 上記のランガルの弟子。後に離反し、スノーフィールドにおける「偽りの聖杯戦争」の黒幕として暗躍する。
- アトラム・ガリアスタ
- 生贄を用いてマナを精製する魔術を得意とする中東系の美男子。家名に箔を付ける為に第五次聖杯戦争に参戦する。
- バイロン・バリュエレータ・イゼルマ
- バリュエレータの係累、イゼルマ家の当主。所属は創造科。
- ミック・グラジリエ
- 呪詛科に所属する魔術師。
- マイオ・ブリシサン・クライネルス
- 伝承科に所属する薬師の青年。
- イスロー・セブナン
- 黄金姫と白銀姫のドレスを仕立てた魔術師。
アトラス院
三大部門の一角。別名「巨人の穴倉」。
彷徨海
三大部門の一角。北欧を根城とする原協会で、その名の通り海上を彷徨い移動する山脈の形をしているという。別名「移動石柩」。
主に肉体改造を主軸としている。
『2015年の時計塔』によれば、「神代の魔術こそ至高、西暦以後の魔術なぞ児戯に等しい」と見下しているため、時計塔とは冷戦状態にあるとのこと。
あまり表には出てこないのか、『MELTY BLOOD 路地裏ナイトメア』では神秘関連の三大組織として「魔術協会」「アトラス院」「聖堂教会」がスタンスの違いから睨み合っているとされており、彷徨海の名前はまったく出てこない。
所属者
- 宝石殺し
- 詳細不明。特性は「停止」
- フォワブロ・ロワイン
- かつては「彷徨悔の鬼子」と称された魔術師。現在は出奔。
その他
詳細不明。確たる説明がないが、下部組織・支部のようなものと思われるもの
- プラハの協会(錬金術が盛んらしい)
- シュポンハイム修道院(コルネリウス・アルバが次期院長になるとされた)
- トゥーレ協会(ルーン文字のオリジナルを魔術基盤の衰退すら気に留めずに死蔵し続けている)
封印指定
一代限りで、学術的に到達不可能な領域に至った魔術師に送る称号であり通達。
一生涯の幽閉を意味し、ホルマリン漬けの標本にされるようなものなので、これを受けた魔術師は大半が協会から離反する。
野に下った魔術師は大きく分けて「隠者」と「賢者」の二種に分けられる。
魔術を隠匿し、血族のみに伝え学ばせる「隠者」。
領地に引き篭もり、全力を以って魔術を極めようとする「賢者」。
隠者には余程の才能でなければ追っ手はかからず、賢者にしても神秘の隠匿が成されている内は成果が出るまで放置される。
Fate/EXTRAにおける魔術協会
『EXTRA』の世界では神秘の崩壊によってかつての繁栄は見る影もなく、西欧財閥に「危険思想を持った反社会的集団」として処分されてしまった。「貴族」と呼ばれた者たちも悉く滅んでいるが、レジスタンスに参加する者、逆に西欧財閥に取り入る者に分かれ魔術師そのものはまだ存在している。
Fate/Grand Orderにおける魔術協会
人理保障機関カルデアが天文科のロードであるアニムスフィア家が仕切っているが、魔術協会そのものは特に前面には出てこない。
第四章の舞台は1888年のロンドンなので、その関係上、当時の「時計塔」が登場するが、マキリ・ゾォルケン、パラケルスス、バベッジらの襲撃を受けて壊滅している。
ただし、そもそも時計塔の人材はロンドンに集中していないことに加え、ロンドンにいた上位陣も襲撃から早々に逃亡しているため、人類史に影響を与えるほどの被害を受けているわけではないという。
また、地下には様々な厄ネタが封印されているのは上記の設定の通りだが、その中でも一際危険なモノとして登場した悪魔(「第六架空元素」と言いかけていたのでほぼ確定と言ってもよいと思われる)はファヴニールに匹敵するほどの脅威とされており、危険性が伺える。
第五章ではアメリカ以外の主要国家が全て滅んでいるため魔術協会自体が存在しないという。
メモ
- 時計塔の日本支部は、秋葉原にあるらしい。
- 土地(霊地)を持っている魔術師であれば、封印指定などとは関わりなく最初から、協会には所属しないという道を選ぶ場合もある(『Fate』に登場するアインツベルンの一門や、『魔法使いの夜』に登場する久遠寺有珠、当時の蒼崎青子など)。
ただし、協会の目的は「神秘の漏洩の防止」であるので、協会に所属していなくても魔術師として最低限のルールは存在する。例え外部の魔術師でも、神秘を漏洩するようなことがあれば、協会は刺客を送り込む。 - 亜種聖杯戦争が存在する『Fate/Apocrypha』世界では他の世界とは違い、本来降霊科の下位組織であるはずの召喚科がサーヴァントに関連する召喚技術等を全て集約した学科として極めて重要視されている。
- 2010年のエイプリルフール企画Tmitterでは、封印指定執行者であるバゼットに指示を与えるらしき立場にある「ミリョーネカリオン」という存在について言及されている。また封印指定総与「ミリョネカリオン」と封印指定を発令するという天文台「カリオン」は名前が重複しているが、どちらも関係は定かで無い。
- 降霊科における「ユリフィス」のような学部ごとの別名の由来は奈須氏いわく「学部を作った初代の名前ぐらいのニュアンス」。