「炎上汚染都市 冬木」の版間の差分
(→登場人物) |
(→用語) |
||
99行目: | 99行目: | ||
;大聖杯 | ;大聖杯 | ||
:この冬木という土地の本当の“心臓”。超抜級の魔術炉心。製作は錬金術の大家として記録の残る[[アインツベルン]]。 | :この冬木という土地の本当の“心臓”。超抜級の魔術炉心。製作は錬金術の大家として記録の残る[[アインツベルン]]。 | ||
− | : | + | :クー・フーリンが「特異点とやらがあるとしたらここ以外ない」という場所であり、所在する大空洞は強力な霊脈になっている。アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕が居座っていた。大聖杯に繋がる洞窟は半分天然、半分人工で、魔術師が長い年月をかけね拡げた魔術工房。内部は少し入り組んでいる。洞窟内には[[エミヤ]]が陣取っていた。 |
− | |||
:大空洞に残る大聖杯内部は空間が安定しておらず、それ一つで一種の特異点の様な状態であり、カルデアとの繋がりも安定しない。 | :大空洞に残る大聖杯内部は空間が安定しておらず、それ一つで一種の特異点の様な状態であり、カルデアとの繋がりも安定しない。 | ||
− | |||
:アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕の幕間の物語「オルタの系譜」ではこの大聖杯内部の空間にレイシフトし、大聖杯内部でありながら何処でもない断片、一時とはいえ特異点と化したモノを再現する場として主人公たちが通り過ぎた一つの結末を一時的に再現した。再現とはいえ戦う分には幻ではないため、オルタによって主人公の修練に利用されることとなる。この時はフランス特異点が再現されたが、冬木とフランスの人理定礎の値が一瞬だけマイナスに戻っていた。 | :アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕の幕間の物語「オルタの系譜」ではこの大聖杯内部の空間にレイシフトし、大聖杯内部でありながら何処でもない断片、一時とはいえ特異点と化したモノを再現する場として主人公たちが通り過ぎた一つの結末を一時的に再現した。再現とはいえ戦う分には幻ではないため、オルタによって主人公の修練に利用されることとなる。この時はフランス特異点が再現されたが、冬木とフランスの人理定礎の値が一瞬だけマイナスに戻っていた。 | ||
− | |||
:続く幕間の物語「似て非なるもの」では、大聖杯内部の空間にレイシフトし経由する形でアルテラの夢に侵入。この夢には地平線を埋め尽くす数の巨大なゴーレムの集団が溢れていたが主人公たちを敵視してはおらず、ただ土地を破壊する為だけに前進していた。個々の意思を持たないが、一つの意思で統率されており、マシュの所感だと「この星の文明を停止させろ」と命じられている様だったとされる。この空間はアルテラの夢であったため、夢の世界のアルテラ本人の消滅に伴い夢が覚め、世界が崩壊すると共に主人公たちは元の意識に帰った。この際主人公たちはワールドエンドの疑似体験をすることとなった。 | :続く幕間の物語「似て非なるもの」では、大聖杯内部の空間にレイシフトし経由する形でアルテラの夢に侵入。この夢には地平線を埋め尽くす数の巨大なゴーレムの集団が溢れていたが主人公たちを敵視してはおらず、ただ土地を破壊する為だけに前進していた。個々の意思を持たないが、一つの意思で統率されており、マシュの所感だと「この星の文明を停止させろ」と命じられている様だったとされる。この空間はアルテラの夢であったため、夢の世界のアルテラ本人の消滅に伴い夢が覚め、世界が崩壊すると共に主人公たちは元の意識に帰った。この際主人公たちはワールドエンドの疑似体験をすることとなった。 | ||
2019年7月30日 (火) 21:30時点における版
炎上汚染都市 冬木 | |
---|---|
副題 | 序章 |
人理定礎値 | C |
年代 | A.D.2004 |
シナリオ担当 | 奈須きのこ |
概要
特異点F。西暦2004年1月30日の日本の地方都市、冬木市。元々は大聖杯を巡っての聖杯戦争が繰り広げられていた。
聖杯による魔術的な災害が発生しており、比喩ではなく町の全てが燃え盛っている光景は並行世界の十年前の大火の比ではなく、未確認座標としか表記されないそれは元の場所の名前すら識別が困難なほどの有様。何処まで行っても焼け野原で住人の痕跡も存在しない。街は炎上し人間はいなくなっている。スケルトンなどの低級の怪物と聖杯戦争の参加者だった七騎のサーヴァントだけが存在している。
呪いが土地そのものに染み付いており、人間の住める場所ではなくなっているとされる。炎は十年や二十年では消えないと推測される[注 1]。大気中の
『Grand Order』本編開始から半年前に2016年一杯をもっての人類滅亡が観測され、カルデアは半年間その未来消失の原因を洗い出すために尽力、結果2015年までの歴史には存在しなかった“観測できない領域”としてこの特異点が発見された。オルガマリーはこれを人類史というドレスに染みついた、小さな汚れのようなものと例えている。
カルデアの資料では冬木市は平均的な地方都市で2004年にこの様な災害が起きた記録は当然存在しないが、同年に聖杯戦争が行われていたことが記録に残っている。冬木の街の魔術師が聖杯を完成させ、起動のために七人のマスターがそれぞれ七騎のサーヴァントを召喚し、サーヴァント同士を戦わせて競合。最終的にセイバーが勝利し、街は破壊されずに聖杯戦争は終結したと記録されている。
本来の聖杯戦争は召喚されたサーヴァント七騎による殺し合いだが、この聖杯戦争は何時の間にか別のものにすり替わっており“何かが狂った”状況でマスターを失ったサーヴァントが徘徊している。 主人公たちがこの特異点を訪れた時点では生き残っているのはキャスターとセイバーの二騎のみであり、どちらかが倒れれば異変前から継続していた聖杯戦争は終結するという状況だった。
『Grand Order』本来の歴史とどこからか放り込まれた別の世界のデータが入り交じった結果コリジョンが発生し、クー・フーリンがキャスターに据えられたり、アルトリアがオルタナティブになるなどの変化が生じている[出 1]。
第1部序章を飾った特異点ながらゲーティアからの言及や、終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』へのサーヴァントの召喚が行われなかった唯一の例外であり、第1部はおろか1.5部、そして第2部に至っても未だ修正されてはいない特異点として残り続けているとされる。
なお、第六特異点にてマシュ・キリエライトが、幕間の物語「アンリミテッド・レイズ/デッド」にてロマニ・アーキマンがこの特異点を指して『特異点X』と呼んだが、現時点で詳細は不明。
戦場となる市内各所は、大橋、教会、港など、以前からのFateユーザーには見慣れた場所が揃う。が、遠坂邸や間桐邸のあったエリアが巨大なクレーターと化して跡形もなく吹き飛んでいたり[注 2]、マップに明らかに「とある宝具」をぶっ放した跡が一直線に延びていたり[出 2]と、かなりボロボロ。
人物
- オルガマリー・アニムスフィア
- カルデアの所長。未確認座標X-Bの爆心地(遠坂邸、間桐邸のあったエリア)で主人公達と合流した。
- 基本的に敵性生物との戦いには参加せずに隠れているが、襲撃されても独力である程度生き延びられる程度の力は持っている。
- 本来はレイシフト適性は無いが、序章のカルデア爆破事件で肉体を失い残留思念となった事でレイシフトが可能になり特異点に転移してきていた。カルデアに帰った時点で消滅してしまうため、帰還は絶望的。
- 合流時はスケルトンに襲われており、マシュに助けられた。キャスターの荒療治で疑似展開したマシュの宝具に真名なしで使うのは不便という事で「ロード・カルデアス」という
呪文 を名付けた。セイバーを倒した後に現れたレフ・ライノールによって、依存していた彼が自身を殺したという事実に自身の肉体が死亡している事を教えられ絶望させられた挙句、「高密度霊子の集合体」「次元が異なる領域」であり物理的には太陽やブラックホールに等しいカルデアスに直接接触させられ、生きたまま無限の死を味わい分子レベルにまで分解されて消滅した。 - 彼女が最期に残した叫びは主人公とマシュに深く刻まれており、第二部序章で死を前にして似た様な本音を叫んだゴルドルフ・ムジークを見捨てられず救いに行くきっかけになっている。
- クー・フーリン〔キャスター〕
- 聖杯戦争に参加していたキャスターのサーヴァント。データのコリジョンによりキャスタークラスになったとされ、口ぶりからするに平行世界での冬木の聖杯戦争の記憶を保持していると思われる。
- 序章では真名は明かされないが、マシュはランサーが本職と聞き「
妖精情報誌 にも載っていそうな」トップサーヴァントの一人ではと推測していた。 - セイバー以外で唯一脱落していないため泥に汚染されておらず、セイバーを倒しての聖杯戦争の幕引きを狙い他六騎と敵対している。
- 「永遠に終わらないゲームは退屈。良きにつけ悪しきにつけ、駒を先に進める」と発言しており、未だ詳細不明なこの特異点の裏側をある程度知っていたと目される。
- 冬木大橋付近で呪腕のハサンと武蔵坊弁慶に追い詰められていた主人公達の前に現れ、主人公と仮契約をして打倒に助力。
- 「おまえら(影のサーヴァント達)よりマシ」「見所のあるガキは嫌いじゃない」「ひとりで健気に戦ったお嬢ちゃんに免じて」という名目だったが、本音は独力では目的達成が厳しいと感じてのことだった。
- その後はマシュの特訓の為に主人公を殺す気で摸擬戦を仕掛けて宝具を放ち、それを防がせる形で『仮想宝具 疑似展開/人理の礎』を展開させる荒療治を行なった。セイバーを倒した事で聖杯戦争が終わり、強制帰還により消滅。
- アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕
- 聖杯戦争に参加していたセイバーのサーヴァント。データのコリジョンによりオルタ化した[出 1]。
- この時代を維持しようとしていたが、事態の元凶と言うわけではない模様。「何を語っても見られている」ため、主人公たちが接触するまで一言も喋らなかったという。
- 「狂った聖杯戦争」の中で真っ先に行動を再開し、キャスター以外の5騎を撃破し泥に汚染されたシャドウサーヴァントとして使役していた。大聖杯で主人公らに『約束された勝利の剣』を放つがマシュの『仮想宝具 疑似展開/人理の礎』で防がれる。聖杯を守り通す気だったが「己が執着に傾いた」結果知らず力が抜けていたらしく、主人公たちとの戦いの最後の最後で手を止め敗北。「どう運命が変わろう私ひとりではおなじ末路を迎える」と語り、聖杯を巡る戦い「グランドオーダー」に言及、特異点化の原因と思しい聖杯らしき水晶体を残して消滅した。
- メドゥーサ
- 聖杯戦争に参加していたライダーのサーヴァント。セイバーに倒され泥に汚染された。
- 教会跡で主人公たちと遭遇し戦闘する。他のシャドウサーヴァント達と異なり言葉はおろか叫びなども全く発さなかった。
- ハサン・サッバーハ〔呪腕のハサン〕
- 聖杯戦争に参加していたアサシンのサーヴァント。セイバーに倒され泥に汚染された。
- メドゥーサを倒した主人公たちを追跡し、冬木大橋周辺で追い付き戦闘に。戦闘中に武蔵坊弁慶と合流し主人公達を追い詰めるが、クー・フーリンが参戦した事で形成が覆り敗北。
- 武蔵坊弁慶
- 聖杯戦争に参加していたランサーのサーヴァント。セイバーに倒され泥に汚染された。ほぼ終始笑い声をあげるのみ。
- ハサンが足止めしている隙に主人公達に追い付き2体1で追い詰めるが、主人公側にクー・フーリンが助力した事で形成が覆り敗北した。
- エミヤ
- 聖杯戦争に参加していたアーチャーのサーヴァント。セイバーに倒され泥に汚染された。
- データのコリジョンによりきのこ曰く「気持ち悪くなった」。彼が自発的にセイバーを守りカルデアからの調査員を殺そうとするなどの動きをとったのは、シャドウ化や情が理由ではなくセイバーの目的が何か知っていたから[出 1]。
- 大聖杯へ繋がる洞窟でカルデア側と戦闘し敗北、消滅した。消滅の間際マシュの盾にマーリンが関わっていることに言及している。
- ヘラクレス
- 聖杯戦争に参加していたバーサーカーのサーヴァント。セイバーに倒され泥に汚染された。
- セイバーでも手を焼く怪物だが一か所にとどまって動かず近寄らなければ襲ってこないとされ、それを聞いて放置することにされたのかストーリーには絡まない。
- 本編とは関係の無いフリークエストにて戦闘が可能だが、とどまっていた場所というのはアインツベルンの城があった場所であった。
- エミヤの幕間の物語「無限の剣製」では大空洞の奥に黒化した状態で登場。その実力は本物に迫るほど。エミヤは以前にこの特異点に来た時に気配を感じとっており、主人公のマスターとしての力量を試す為の試練として倒された。
- レフ・ライノール
- 人理継続保障機関フィニス・カルデアの顧問を務める魔術師。
- 序章にて発生したカルデア爆破事件の下手人であり、人類を処理するために遣わされた2015年担当者。正式な名前はレフ・ライノール・フラウロス。
- オルガマリーを確実に爆殺できるよう足元に仕掛けておいたこと、Dr.ロマンも抹殺予定だったが彼が偶然で生き残っていたことを知って人間と言う種そのものを罵倒する言葉を吐くなど、序章で見せた人柄とはまるで異なる狂気を見せた。
- 爆破事件の際は48人目のマスター適性者である主人公を全く見込みがない子供として善意で見逃したと語ったが、それが後々の仇となるとは全く考えていなかった。
- セイバーを倒し水晶体を回収しようとする主人公たちの前に現れて回収を妨害。序章の事件の裏側を語った後、カルデアスに時空をつなげて直接放り込むという形でこんどこそオルガマリーを抹殺。その後、崩壊する特異点から離脱した。
用語
- 冬木市
- 日本の地方都市。
- カルデアの資料では冬木市は平均的な地方都市で、2004年に街が炎に覆われる災害が起きた記録は存在しない。ラプラスの観測では2004年にこの冬木市で特殊な聖杯戦争が行われている。
- 聖杯戦争
- 冬木の街の魔術師が聖杯を完成させ、起動のために七人のマスターがそれぞれ七騎のサーヴァントを召喚し、サーヴァント同士を戦わせて競い合っていた。記録ではセイバーが勝利し、本来の歴史では街は破壊されずに聖杯戦争は終結した。
- 大聖杯
- この冬木という土地の本当の“心臓”。超抜級の魔術炉心。製作は錬金術の大家として記録の残るアインツベルン。
- クー・フーリンが「特異点とやらがあるとしたらここ以外ない」という場所であり、所在する大空洞は強力な霊脈になっている。アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕が居座っていた。大聖杯に繋がる洞窟は半分天然、半分人工で、魔術師が長い年月をかけね拡げた魔術工房。内部は少し入り組んでいる。洞窟内にはエミヤが陣取っていた。
- 大空洞に残る大聖杯内部は空間が安定しておらず、それ一つで一種の特異点の様な状態であり、カルデアとの繋がりも安定しない。
- アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕の幕間の物語「オルタの系譜」ではこの大聖杯内部の空間にレイシフトし、大聖杯内部でありながら何処でもない断片、一時とはいえ特異点と化したモノを再現する場として主人公たちが通り過ぎた一つの結末を一時的に再現した。再現とはいえ戦う分には幻ではないため、オルタによって主人公の修練に利用されることとなる。この時はフランス特異点が再現されたが、冬木とフランスの人理定礎の値が一瞬だけマイナスに戻っていた。
- 続く幕間の物語「似て非なるもの」では、大聖杯内部の空間にレイシフトし経由する形でアルテラの夢に侵入。この夢には地平線を埋め尽くす数の巨大なゴーレムの集団が溢れていたが主人公たちを敵視してはおらず、ただ土地を破壊する為だけに前進していた。個々の意思を持たないが、一つの意思で統率されており、マシュの所感だと「この星の文明を停止させろ」と命じられている様だったとされる。この空間はアルテラの夢であったため、夢の世界のアルテラ本人の消滅に伴い夢が覚め、世界が崩壊すると共に主人公たちは元の意識に帰った。この際主人公たちはワールドエンドの疑似体験をすることとなった。
- ネロ・クラウディウス〔ブライド〕の幕間の物語「決意の花束」では大空洞の中心の霊脈を鍛冶場に「遥かな過去に地上に落ちた霊石」を火にくべ、生気を宿すことで「燃え盛る聖なる泉フェーヴェンス・アーデオ」という剣を作成した。
- アインツベルン
- 大聖杯を製作した錬金術の大家。魔術協会に属さない、
人造人間 だけで構成された一族。
メモ
- 最初の特異点を『stay night』の舞台となった冬木市に設定したうえで完全に廃墟になっているのは、『stay night』からのユーザーに対する「貴方たちが愛してくれたFateであるが、今までのFateではない」という決意表明も兼ねているため。
- この時点ですでに第1部の結末はあらかじめ決まっており、この特異点はそこから逆算で少しずつ真相の痕跡を散りばめた形となっている。
- 第1部に含まれながらも、終了後も多くの謎を残している特異点。最も大きなものとしては以下の三点が挙げられる。
- 過去と未来を見通す千里眼を持つ人理焼却の黒幕は聖杯を渡して人理を歪ませたサーヴァント達の名を挙げる中、なぜかアルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕の存在はなかった。このことから、ゲーティアはこの特異点の成立に全く関わりのない存在だったと推測される。
- この特異点の成立に大きく関わっていると目される大聖杯の汚染源曰く、この特異点は未だに修正が完了していないとされる。
- 時折『特異点X』と呼称される場合がある。初出は第1部第6章だが、第2部公開後もテキストが修正されていないことを考えると「あの場面においてはそれが正しい」と判断することができる。
- 『特異点F』のアイコンが熊本県近辺に相当する位置に設定されていること、『Fate/Grand Order -turas realta-』にて『特異点F』の位置が大分県にあるような描写をされていることなどから、冬木市の場所は九州北部(特に大分県周辺)ではないかとする説が出されている。
- この特異点のステージBGMは『stay night』の初期タイトル及び劇中曲「Into The Night」のアレンジとなっている。