ランスロット
バーサーカー(第四次)
- 真名:ランスロット
- 身長:191cm/体重:81kg
- 属性:秩序・狂
- イメージカラー:濃紺
- 特技:武芸、乗馬
- 好きなもの:礼節、伝統/苦手なもの:本音トーク
- 天敵:イスカンダル
- CV:置鮎龍太郎
「狂戦士」のクラスのサーヴァント。第四次聖杯戦争において、間桐雁夜によって召喚される。
黒甲冑を身にまとった騎士。
- 略歴
- 正体はセイバーのかつての部下、円卓の騎士の一人、「湖の騎士」にして「裏切りの騎士」と呼ばれたランスロット。
アーサー王の妻ギネヴィアと恋に落ちた彼は、「完璧なる騎士」であるが故に愛する女を救うことも王を裏切ることもできず、ギネヴィアの不貞が暴露されたことで円卓の騎士の座を追われ、ブリテン崩壊の一端を担ったという汚名を受けた。
聖杯戦争において間桐雁夜によって召喚される。彼は雁夜が唱えた狂化に反応、騎士としての自分を捨て、アルトリアへの敬愛を失えば苦悩から解放されると思い、第四次聖杯戦争にバーサーカーとして参戦する。
第四次聖杯戦争では最終局面においてセイバーと戦うが、「無毀なる湖光」の封印が解かれたことで、マスターの雁夜の負担が激増。魔力が尽きてしまったため活動を停止、その隙を突かれた形でセイバーに敗北した。
- 人物
- 狂化によって怒りに身を任せた存在になっているが、戦闘中であっても、セイバーの姿を目に止めたらすぐに戦闘を中断して襲撃をかけるほど、かの王に対して執着を見せる。
アルトリアのことを本気で恨んでいたわけではなく、むしろ非があるのは自分と考えていた。円卓を対立させ、ギネヴィアも救えなかった自分は裁かれるべきと考えていたため、彼が狂気に身を委ね彼女と戦ったのも王の断罪を求めてのことだった。
だがランスロットを信頼していた彼女にはその真意は通じていなかったため、アルトリアは聖杯戦争中に彼から向けられた怨恨を、本音と誤解してしまうこととなった。
「お願い!アインツベルン相談室」や「とびたて!超時空トラぶる花札大作戦」では狂化の外れた本来の人格を見ることが可能。一見落ち着いた礼儀正しい言動ながら、アーサー王への歪んだ感情や雁夜に対する毒舌などなかなかの残念ぶりを見せつける。
- 能力
- 理性が失われているにもかかわらず、第四次の強豪達を驚嘆させるほどの武技の冴えと周到さを誇る。これは彼独自のスキル『無窮の武練』によるもので、いかなる状況・属性を持っていても、その戦闘技術が劣化することは無い。また魔除けの指輪に由来する対魔力を持つ。
一方で狂化スキルによる燃費の悪さは半端ではなく(能力強化もされてはいるのだが)、その魔力負担は作者からは「法外」と称されるほど。最終宝具を解禁した最終戦では本来ならマスター抜きでも数時間活動可能な予備魔力を10秒で使いきってしまった。
宝具
- 騎士は徒手にて死せず(ナイト・オブ・オーナー)
- ランク:A++
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:30人
由来:相手の策によって丸腰で戦う羽目になったとき、楡(にれ)の枝で相手を倒したエピソード
手にしたものを自身の宝具として扱う宝具能力。どんな武器、どのような兵器であろうとも(例えば鉄パイプでも、銃でも)手にした時点でDランク相当の擬似宝具となり、元からそれ以上のランクの宝具を手に取れば従来のランクのまま彼の支配下に置かれる。
ただし、この能力の適用範囲は、原則として彼が『武器』として認識できるものに限られる。(例として、戦闘機は宝具化できても空母は『武器を運ぶもの』という認識になるため宝具化できない。)
他の英霊の宝具を奪って使うことも可能だが、真名解放まで行えるのかは不明。仮にできたとしても、「狂戦士」のクラスでは言語能力を失っているため実行できない。
- 己が栄光の為でなく(フォー・サムワンズ・グロウリー)
- ランク:B
種別:対人宝具
レンジ:0
最大捕捉:1人
由来:友人の名誉のために変装で正体を隠したまま馬上試合で勝利したエピソード
自らのステータスと姿を隠蔽する能力。聖杯戦争に参加するマスターは本来、サーヴァントの姿を視認すればそのステータス数値を看破できるが、彼はこの能力によりそれを隠蔽することが可能。また、黒い靄状の魔力によって、姿の細部が分からなくなっている。
本来は姿を隠蔽するのみならず、変装も可能とする。また現在の彼では狂化の影響によって変装は不可能だが、令呪の力を借りることで、一時的にライダーの姿に変装することができた。
本来、彼の生前をよく知るセイバーは、鎧姿を見ただけで真名の看破が可能だが、この能力による黒い靄により姿が判然としなかったため、聖杯戦争終盤まで真名の看破はできなかった。
- 無毀なる湖光(アロンダイト)
- ランク:A++
種別:対人宝具
レンジ:1〜2
最大捕捉:1人
由来:ランスロットの愛刀アロンダイト
バーサーカー本来の宝具。
上記二つの宝具を封印することによって解放できる。絶対に刃が毀れることのない名剣。「約束された勝利の剣」と起源を同じくする神造兵装。もとは聖剣だったが、同胞だった騎士の親族を斬ったことで魔剣としての属性を得てしまった。
全てのパラメーターを1ランク上昇させ、また、全てのST判定で成功率を2倍にする。更に、竜退治の逸話を持つため、竜属性を持つ者に対しては追加ダメージを負わせる。
登場作品と役柄
- Fate/Zero
- 最終決戦直前まで正体不明の狂戦士として戦場を掻き乱す。間桐雁夜のサーヴァントではあるが、制御されていない。
- とびたて!超時空トラぶる花札大作戦
- 経緯は全く語られていないが最初から狂化が解けており、普通に会話もできる。雁夜の負担を軽減するために平時は鎧などで武装せず、黒のスーツ姿で出歩く。尚、バーサーカー陣営以外のシナリオでは狂化状態。
- お願い!アインツベルン相談室
- 花札同様、狂化の解けた状態で登場。黒スーツ姿の落ち着いた紳士風だが、中々の毒舌っぷり。そしてシャイなくせに行動が無駄に大胆。
- コハエース
- 鎧姿で登場。狂化が解けており普通に話す。基本、円卓の騎士を煽ったり、青セイバーに追い打ちをかけたりする。
人間関係
- 間桐雁夜
- マスター。彼の唱えた狂化呪文に反応したことで縁が生まれた。契約関係にあるが、雁夜はランスロットを御しきれていない。「お願い!アインツベルン相談室」では「ダメな人」と称してる。
- 間桐桜
- マスターの大切な存在。本編での絡みはないが、「とびたて!超時空トラぶる花札大作戦」では空回りしがちな雁夜を共に心配したり支えたりいじったりしている。彼女からは「ランスさん」と呼ばれている。
名台詞
- 「A――urrrrrrッ!!」
- 咆哮。通常は第五次のバーサーカーと同じ表現が使われるが、セイバーに襲いかかるときはこの叫び声に変わる。
- 「……Ar……thur……」
- Arthur(アーサー)。正体とともに、叫び声の意味が明らかになる。狂化し言語能力を失っても、なお忘れぬその名前。
- 「我は―――疎まれし者―――嘲られし者―――蔑まれし者―――」
「我が名は賛歌に値せず―――我が身は羨望に値せず―――我は英霊の輝きが生んだ影―――眩き伝説の陰に生じた闇―――」
「故に――我は憎悪する―――我は怨嗟する―――」
「あの貴影こそ我が恥辱―――その誉れが不朽であるが故、我もまた永久 に貶められる―――」
「貴様は、贄だ―――」
「さあ、もっと寄越せ―――貴様の生命 を、貴様の血肉を―――我が憎しみを駆動させるために―――ッ!!」 - 雁夜の悪夢にて。自身を裁かなかったアーサー王に憎悪に近い感情を持っていた事が伺える。
- 「私は……貴方の手で、裁かれたかった。王よ……他の誰でもない、あなた自身の怒りによって、我が身の罪を問われたかった……」
- 王と同じ理想を抱きながらも、その理想に殉ずるにはあまりにも弱すぎた男の本音。
- 「ただいま戻りました、夕飯の買い出しは滞り無く。」
- 「とびたて!超時空トラぶる花札大作戦」より。雁夜陣営ルートにおけるバーサーカーの第一声。狂化のきの字もない執事ぶりとロン毛にスーツの立ち絵は「このキャラ誰だっけ?」と皆に思わせた。
- 「申し訳ありません。自分なりにペース配分を考えているのですが、いかんせんカリヤの魔力提供はヘボすぎて論外です。」
- 「とびたて!超時空トラぶる花札大作戦」より。武装解除して魔力の吸収を節約してもなお出歩くだけで死にかけている雁夜に毒舌を浴びせる。
- 「い、いえ、他人のそら似でしょう。拙は生粋の冬木人。乱・素玄人と申す者。」
- 「とびたて!超時空トラぶる花札大作戦」より。素顔で町中を歩いていたことが災いして出くわしたセイバーに「面識は無いだろうか」と詰め寄られた時に飛び出した苦しすぎる言い逃れ。セイバーはもちろん誰か気付いた上で追求している。
- 「そうだとも!だが実際に手をあげるヤツがあるか!王はみんなのものだ!集団の中で孤立しているのを生暖かく見守るのが通なんだ!」
- 「とびたて!超時空トラぶる花札大作戦」より。セイバーを貶めることを悦とする英雄王への怒りなのだが、敵対する者は許さなくても一方で孤立するアーサー王には燃えていた模様。ギルガメッシュはこのセリフを聞いた時、初めて部下に恵まれなかったセイバーの境遇に同情した。
- 「私は王を尊敬していました。叶うのなら最後までお側に居たかった…。正直に言ってギネヴィア様より王の方が
――いや、なんでも。」 - 「お願い!アインツベルン相談室」で漏れた本音。ギネヴィアにはほとんど触れず、延々と王のことを語り続ける。実際アーサーと敵対したのは成り行きと不可抗力なところが大きいのだが、まぁそれ込みでもアレだけやらかしといて今更ギネヴィアへの恋愛感情より王への敬愛を通したかったとか虫が良すぎる話である。
メモ
- その自分本位で傍迷惑な行動ぶりから、「お願い!アインツベルン相談室」でアイリとゼっちゃんにダメ英霊と連呼される。ちなみに「起源が傍迷惑」と虚淵氏が冗談交じりで語ったほど。
- 奈須氏によると、円卓の騎士達の大部分はアルトリアが実は女性であることを知らず、ランスロットも例外ではなかったとのこと。彼はギネヴィアからその事実を関係を持った後に暴露され、今まで一人の少女に王の重荷を背負わせてきた罪悪感に苛まれる事になった。
「お願い!アインツベルン相談室」でも「誰かが、彼女を救わなければいけなかったのです。」とアルトリアの身の上を嘆きながらも、不倫をした自分にはその資格が無かったと語っている。……そこまで分かっていながら何故あんなダメ英霊に。- 僅かな苦悩・怨恨に抱いた故に狂気に身を委ねて召喚された事を考えると、あるいはバーサーカーである彼は「ランスロットのダメな部分」が狂化によって強調された姿であるのかもしれない。
- キャラクターデザイン(鎧)は、武内崇氏ではなくこやま氏。Fateシリーズでは主に武器類のデザインを担当している氏らしく、非常に複雑な形状をしている。
- アニメ版ではフルCGで描かれている。「己が栄光の為でなく」のエフェクトもあるため、1日に2カットしか(!)撮影できないらしい。虚淵氏によれば、本編でバーサーカーが動くと雁夜おじさんの寿命が削られ、アニメで彼が動くとアニメーター、撮影班の命が削られる、とか。
- セイバーは彼が「狂戦士」の適性を持ち合わせていたことにショックを受けていたが、ギネヴィアを巡る葛藤で狂気に陥ったことが多々あり、「狂戦士」のクラスとはそれなりに相性が良い。
- 「騎士は徒手にて死せず」はフェロットを倒した逸話の具現とされているが、拾った武器や他者の武器を使って危機を打開した逸話は他にも数多くある。
最も有名なのがギネヴィアとの密会の場にモードレッドら13人の騎士達が踏み込んできた際、素手だったにもかかわらず騎士達の武器を奪い、返り討ちにして逃走したという逸話。 - 「騎士は徒手にて死せず」は反則的な能力と思われがちだが、実際は手にした武器の性能に依存するため不安定であり、擬似宝具化した武器もDランク相当のため宝具同士の撃ち合いでは分が悪い。
劇中での活躍は相性のいいギルガメッシュが相手だったことや、強力な近代兵器を宝具化できる機会に恵まれたこと、そして彼自身の技量があればこそである。 - 「騎士は徒手にて死せず」「己が栄光の為でなく」はどちらも、自身の鎧や武器が使えない状況で勝利した逸話が宝具に昇華されたもの。彼の象徴である「無毀なる湖光」と併用できないのは、この由来のためである。
- 『アーサー王伝説』はケルト神話やキリスト教などの逸話をモチーフとして組み込んでいると言われ、ランスロットとギネヴィアのエピソードはケルト神話の『ディルムッドとグラニア』がモデルと言う説もある。
第四次にて、相性の悪い相手としてランサー (第四次)と相見えることになったのは因縁を感じさせる。- ただしランサーの方は完全に許されてはいなかったものの主君に再び仕えることができたのに対し、彼は主君には最初から容認されていたものの再び仕えることは最後までかなわなかった。
- TYPE-MOON BOOKS版巻頭のステータスでは、真名・パラメータ・宝具などが「己が栄光の為でなく」で隠蔽されている。
各マスターごとのステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | 備考 |
間桐雁夜 | A | A | A+ | C | B | A | 狂化により魔力・幸運以外がランクアップ |
保有スキル:狂化(C)、対魔力(E)(狂化によりランクダウン)、精霊の加護(A)、無窮の武練(A+)
話題まとめ
- ランスロットの強さ
- 妖精(湖の乙女)に育てられ、その加護を受けた「湖の騎士」ランスロット。伝承の上では円卓の騎士最強と謳われており、単純に戦士としての技量であれば、アーサー王、ガウェイン卿を上回るとされている。
火を吐く大蛇(おそらく竜種)を退治した、キャメロットの試合では負け知らずだったなど、その武勲は枚挙に暇がない。「無窮の武練」「騎士は徒手にて死せず」の強力さに目が行きがちだが、その大本になったのは彼自身の無双の手練である。
このため、「狂化させずに本領たる「剣士」であったら、もっと強かったのでは?」と言われることも多い。
しかし、魔術師として未熟な雁夜をマスターとして召喚された場合、クラスに関わらず能力を十全に発揮する事は出来ないとされている。
そもそも本編でギルガメッシュ相手に善戦出来たのは、「狂化」による能力増幅で補った結果である。
「無窮の武練」によって狂化中も技量を失わないと言う関係からバーサーカークラスとの相性もそれなりに良く、「第四次聖杯戦争で雁夜がマスター」と言う条件ならばバーサーカーが最適と言えるだろう。それ以外のクラスであれば生き延びるだけなら可能と作者に言及されてはいるが、勝負になれば敗退した可能性が高い。
何より、サーヴァント戦ではマスターの魔術的なサポートの必要性以外に、一流のマスターが相手となれば、敵サーヴァントとの長時間の戦闘が不可避な場合も考慮せねばならない。
魔術師として未熟以前でサポートなど不可能な上、肉体を蟲に喰わせて魔力を生み出す所為で持久力が極端に欠けるという致命的欠点を持つ雁夜がマスターでは、どの道最後までは勝ち残れない。
雁夜以外のマスターである場合、持久力のハンデも薄れるため、更に強力になる可能性はある。
しかし一般論として、弱い英霊ですら狂戦士として使役するのは厳しく、ランスロット程のAランク以上の英霊を狂化させるという選択は狂気の沙汰以外の何でも無い。
意思疎通が難しい等の運用面の問題や、サーヴァントと連携しながらの戦術性の幅が格段に広がるので、他クラスの方が扱い易く総合的には強いと言える。
- Fateシリーズの続編に他の円卓の騎士が登場する度に、ファンから「彼も優秀なマスターに召喚されていたら」と惜しむ声が上がる英霊。伝承において円卓の騎士最強と謳われる彼の真の実力を見てみたいと思うファンは多い。
- なお、狂戦士・マスター雁夜と言う本編の能力で考えると、奪える武器がなく対軍宝具を持つライダーと、「騎士は徒手にて死せず」を無効化されてしまうランサーが天敵とされる。ただでさえ能力的・持久力なハンデを負っているのに天敵が2人もいると言うのはとても辛い。
- 「無毀なる湖光(アロンダイト)」の由来
- アロンダイトは本来、14世紀にアーサー王伝説とは無関係の別の物語に登場した剣である。
その物語にはランスロットは登場せず、別の登場人物が持つ剣である。箔付けのために「元々はランスロットが持っていた剣」との故事が記されただけであるとされており、実際に彼の剣の名がアロンダイトであったのかどうかは信憑性に欠ける。
少なくとも、『アーサー王伝説』の中ではアロンダイトの名は記されていない。しかしその後、この「元々はランスロットが持っていた剣」という話が一人歩きをし、剣自体の伝承とは別に彼自身が多くの武勲を持つことや、彼を育てたと言われる「湖の乙女」はアーサー王にエクスカリバーを授けた精霊でもあることから、その愛剣のアロンダイトもエクスカリバーに匹敵する兄弟剣ではないか、と今日では一般にも言われるようになった。
伝承の上では決して刃毀れしないと言われているが、それが何故かは不明である。
Fateでもこの説に則ったと思われ、「約束された勝利の剣」と対を成す、同格の宝具に設定されている。小説Fate/Zero第4巻(ソフトウェア流通版)巻頭に収録されている設定によれば――
「かつて最強と謳われた騎士が愛用した名剣。エクスカリバーと起源を同じくする神造兵装であり、その強靭さにおいてはエクスカリバーにも匹敵する。当代最高の騎士だけが帯びることを許された誉れの剣だが、同胞だった騎士の親族を斬ったことで、聖剣としての格を喪失し、魔剣としての属性を得てしまった」
――とある。
「無毀なる湖光」の種別は常時発動型の対人宝具であり、対城宝具である「約束された勝利の剣」やその姉妹剣に当たる「転輪する勝利の剣」とは異なっているが、理由については不明である。
- 現在判明している円卓の剣は、上記の二振りに加えて、起源は異なるがモードレッドの「我が麗しき父への叛逆」までもが、いわゆる「エネルギーを放出する」真名解放型宝具。それに対してこの「無毀なる湖光」のみが常時発動型。
またZero劇中での戦果が戦意喪失したセイバーのみと言う事もあり、ファンからは地味な不遇宝具扱いされる事も多い。性能は騎士らしい白兵戦向きで癖も無く、超強力なのだが。
- 聖剣と魔剣
- 「勝利すべき黄金の剣」がそうであったように、聖剣は不当な使い方をすると失われてしまうらしい。
「約束された勝利の剣」は、劇中でセイバーの黒化に伴って「黒い聖剣」としても力を振るう。これは、湖の乙女にもヴィヴィアンとモリガンの善悪の二面性があるように、「約束された勝利の剣」にも元来二面性があるため、と言われる。
起源を同じくする「無毀なる湖光」も、最初からそういった二面性があったのかもしれない。
- 王妃ギネヴィア
- アーサー王の妻であり、ランスロットとの不倫によって二人を引き裂いたとされる女性。
Fateにおける彼女は、「実は女性だった」王に嫁がざるを得なかった悲劇の女性である。政略結婚とはいえ、彼女は王を敬愛し、尊敬し、その理想に殉じるつもりがあった。
当時の王女の在り方として、彼女は自分が女性であるという意識や、そもそも男女の性差の認識も薄く、王と王妃は理想によってのみ結びついているものだと信じ込んでいた。
結局のところ彼女は、「理想に殉じることのできる女性」ではなく、ごく普通の女性だった。理想ではない、人と人、男と女の結びつきが他にあると知ってしまった彼女は、以後、王妃でありながら愛に身を焦がす女として、自身とランスロットを窮地に追い込んでいくことになる。
しかし、アルトリアの方は、自身が女であるという負い目もあり、二人の関係を容認していた。「男ですらない王に嫁がされた妃」を必死に支えようとした彼には感謝すらしていた。
アルトリアが彼女と彼に敵対しなければならなかったのは、二人の不倫が衆目に晒されてしまったがためである。個人として二人の関係を背信とは考えておらずとも、「アーサー王」は二人を咎めぬわけにはいかなかった。
用語辞典に曰く、「魂の在り方として眼鏡ッ娘。外すと美人のステレオタイプ」「命を賭けた乱世のツンデレ。信念のツンと魂のデレの波状攻撃で、自身とランスロットを窮地に追い込んでいく」