ハサン・サッバーハ〔静謐のハサン〕

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アサシン (フラグメンツ)

  • 真名:ハサン・サッバーハ(静謐のハサン)
  • 性別:女性
  • サーヴァント階位:第七位

Prototype』の世界で行われた、八年前の聖杯戦争に登場する、「暗殺者」のクラスのサーヴァント。髑髏の仮面を被った、黒衣の少女。

略歴
「午後十一時、夜遅くに仕事から帰ってくる成人男性に声を掛ける外国人の少女・メアリーさん。彼女と共にホテルに入っていった男性は翌朝、ベッドの上で死んでいる。怪我もしていないのに死んでいる。
メアリーさんの姿はどこにもなく、鏡には『死の世界にようこそWelcome to the world of death!』と紅い口紅で書かれたメッセージが」。
東京で噂される都市伝説『メアリーさん』の正体が、サーヴァント・アサシンである。真名は暗殺教団の教主「山の翁」ハサン・サッバーハの一人、通称「静謐のハサン」。召喚者の仁賀征爾を殺し、はぐれサーヴァントとなっていたところを、セイバーとの関係と聖杯戦争の行方が変化のない物になる可能性を問題視していた沙条愛歌に拾われた。自分に触れても死なないどころか苦痛すら感じない彼女の人間を超越した能力と美しさに心奪われ、恭順する。その後も愛歌に命じられるがまま行動し、キャスターの神殿の調査、バーサーカーのマスター暗殺など暗躍を開始する。
愛歌はアサシンに魔力を供給していないため、愛歌と出会ってからも魂喰いを続けている。これが都市伝説の真相。
人物
瑞々しくしなやかな容姿の女性。外見年齢は十代の後半ぐらい。褐色の肌を覆う黒衣は体にぴったりと張り付いており、均等の取れた肉体のラインをありありと見せている。それらは暗殺のために身に付けたものであり、本来は徹底した暗殺者。
その能力ゆえに誰とも触れ合うことができないため、生前から孤独感に苛まれており、「自分に触れても死なず、微笑みを浮かべてくれる誰か」と出会えることを願っていた。仁賀と口付けを交わして殺してしまったのも殺意があったわけではなく、「今度こそは死なない人に出会えたかもしれない」という思いによるもの。
マスターの死後も望みを捨てきれず、あてもなく彷徨っていたが、愛歌と運命的な出会いを果たしたことで、彼女を「輝きの少女」「我が主、我が全て、初めて得る事の出来たすがる相手」と呼び、忠誠どころか愛すら超える感情を持って従うようになった。
姿を現して行動する際には「ジール」という偽名を使用している。
能力
暗殺者としての「気配遮断」と変装術。そして、意図的なまでに女性らしさに満ち溢れた肢体は、全て標的を暗殺するための道具。何より最大の武器は、宝具と化しているその体そのものを用いた毒殺である。
短刀による戦闘も可能だが、一方で標準的なアサシンらしく、他の戦闘に長けたサーヴァントたちとの正面対決は厳しい模様。また、単独行動スキルを持っており、マスターの死後も魂喰いによって存在を維持していた。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アサシン なし D D A+ C A C 気配遮断:? 単独行動:?
投擲/短刀:?
変化:?
対毒:

宝具

妄想毒身(ザバーニーヤ)
猛毒の塊と言えるアサシンの肉体そのもの。爪、肌、体液、吐息さえも“死”で構成されており、全身が宝具と化している。
その毒性は強靭な幻想種ですら殺しうるほどで、特に粘膜の毒は強力。人間の魔術師であればどれほどの護符や魔術があろうと接吻だけで死亡し、英霊であっても二度も接吻を受ければ同じ末路になる。
直接の接触が無い場合でも汗を揮発させ吸収させることで、肉体・精神機能を緩慢に失わせ、最終的に死に至らしめる。
この能力は自分の意志では完全に制御することは出来ず、触れた者に無差別に作用してしまう。また、この効果は犠牲者の体にまで残留し、遺体に触れた者にも被害が及ぶという。
生前はこれほどまでに強力な毒ではなく、英霊となることで昇華されている。毒を揮発させ標的に吸わせるための毒の舞も、生前は至近距離で舞うことで標的の身体の幾らかを痺れさせると共に思考を性の方向へと傾けて自分を襲わせ、その後仕留めるための準備に過ぎなかった。
『フラグメンツ』において伊勢三の一族を襲撃した際は、愛歌によって細工が施されたことで、毒が魔術回路の存在を感知すると変化・変質し触れた魔術回路を絶対死の回路に組み替えることで、対毒の準備をしている魔術師であろうと死に至らしめる、より凶悪なモノと化した。
『Fake』で女アサシンの再現する『妄想毒身』を使ったハサンとして静謐という異名の長が語られるが、『万軍を相手にしても風に毒を乗せることでその全てを屠り去った』という『フラグメンツ』のアサシンの生前では不可能であろう恐るべき伝説が残っている。偉業が誇張されて伝わっているのか、『Fake』の過去の静謐はこちらより強力な毒の使い手だったのかは不明。

登場作品と役柄

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
アサシンのサーヴァントとして登場。
ちびちゅき!
所属不明。「キス魔のメアリーさん」なる怪談?として噂されている。
触れても相手が死なないだけ本編よりも幸せになっているかもしれない。

人間関係

仁賀征爾
召喚者。本来のマスター。
召喚直後にアサシンの美しさに瞬く間に魅了されてしまい、彼女の誘いに応じるままに口付けを交わしたことで、その猛毒によって死亡した。
沙条愛歌
「頬を膨らませる様の愛らしさは女型の妖霊(ジン)ですら敵うまい」、「この、天の遣いさえかくやと思わせる響きを耳にできるだけで、我が身には過ぎたる誉れ」と絶賛する。
愛歌が自分をペットか道具扱いしている事には出会った当初から気づいているが、それすら問題ではなく、絶対的な忠誠を誓っている。
セイバー
愛歌から、彼との惚気話を度々聞かされる。
愛歌の興味関心は彼にしかない事は既に認識しており、「嫉妬はすまい」と自制しているが……
沙条綾香
愛歌(あるじ)の妹。何も知らない無垢な幼子を愛しめばこそ、毒の体で触れることを恐れ、差しのべられた手を拒んだ。
そこに、ささやかなる希望の萌芽があったことを知らずに。
來野巽
敵対するマスターの一人。擬態である少女の姿に戦闘を躊躇する彼へ猛毒の口付けを贈り、死に至らしめた。
死後も「変わった相手だった」と思いつつ、時折思い出している。
キャスター
嫌いな男。同じ主人に仕えるも、彼の悪意ある言葉に苛立つ。
ランサー
対立する敵。白兵戦の能力では大きく差を開けられている上、魔力放出(炎)が受動防御として働く為毒が通じないという、非常に相性が悪い相手。

名台詞

「――こうして、頭を撫でて貰えるだけで。
 ――滾る。全身が熱くなる。
 ――過日。池袋で出会った夜から、ずっと。
 ――自分は、この輝きにこそ恭順している」
魂喰いの成果を愛歌から褒められ、更に「偉くて、綺麗。それにとっても可愛い」と撫でられて。
口にはしないものの強烈な身体の昂ぶりを感じている。

メモ

  • アサシンの行動は愛歌の独断であり、セイバーと父は彼女達の関係について何も知らされていない。
    • セイバーは後にアサシンが愛歌に仕えていることを知る。少なくともライダーとの決戦の時には承知だった模様。
  • TYPE-MOON全作品に必ず一人二人いる、そっちの趣味がある人枠のキャラクター。というかガチな人。
    女性向けの傾向がある『Prototype』シリーズにはこの枠のキャラクターはいなかったが、彼女の登場できっちり法則を守る事に。
  • 幸運ランクは、歴代のハサンで最高のA。待ち望んでいた相手に出会えたのもこのためかもしれない。
  • アサシンはいくつかの候補の中から奈須氏が選んだというが、「静謐のハサン」以外には爆殺タイプのアサシンだった「輝く星のハサン」なる候補もいたとか。
    • 作者曰く「出オチで終わっちゃいますから本当、静謐のハサンになってよかったと思います(笑)」とのこと。
  • 性質・性格を考えると、とても暗殺教団の首領として組織を率いられるとは思えない。本人の自己認識でも、暗殺者としては十分に活躍できたが盟主としては到底責務を果たせず、唯一「あの御方」の手にかかって殺されたことのみが「ハサン・サッバーハ」として胸を張れることである、とネガティブである。
  • 『strange Fake』では「『静謐』の二つ名を持ち、『妄想毒身』のザバーニーヤを使うハサン」の存在が語られている。所謂『Prototype』時空の人物であるフラグメンツのハサンと完全に同一存在であるのかは不明。

話題まとめ

毒の娘
作中で引き合いに出されていた毒の娘(ビーシュ娘)とはインドに伝わる説話。幼少時から娘に少しずつ薄めたトリカブトの毒を摂取させ、徐々に濃度を上げていく。娘が美しく成長する頃にはもうその体は猛毒を帯びることになる。そしてその娘を暗殺したい王族のもとに嫁がせ、初夜を迎えた時が王の最期の時になる、という内容。
メアリーさん
所謂「エイズメアリー」の都市伝説がベースと思われる。旅行先で目が覚めるような美女と恋に落ち、一夜を共にしたら起床時に彼女はいない、しかし部屋の鏡には口紅で大きく「エイズの世界にようこそ!」と書かれているという性病感染オチである。
さん付けなのは別の都市伝説「メリーさん」風にもじったものか。そちらは謎の電話が自宅にかかってきたかと思えば、少女の声で「私メリーさん、今ゴミ捨て場にいるの。今から貴方のとこへ行くね」と言われ、次々かかってくる電話の度に彼女の告げる場所が自宅に近くなっていき、最後に「私メリーさん、今あなたの後ろにいるの」と言われ振り返ると謎の存在に殺されるなり行方不明になるというオチのもの。

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