李書文
アサシン (EXTRA)
- 真名:李書文
- 身長:166cm/体重:60kg
- 属性:中立・悪
- イメージカラー:橙
- 特技:とくになし
- 好きなもの:鍛錬、試合、家族/嫌いなもの:写真、タタリ
- 天敵:ヴラド三世
- CV:安井邦彦
「暗殺者」のクラスのサーヴァント。ムーンセルの聖杯戦争において、ユリウス・ベルキスク・ハーウェイによって召喚される。
中華の武術家然とした服装の男。なぜか常時姿が見えない。
- 略歴
- 二回戦終了直後に初登場。ユリウスの展開した封鎖空間で主人公を襲撃するも、決着のつく前に時間切れとなる。
その後、主人公の第五回戦の対戦相手となる。アリーナでの会合時、姿の見えない状態で主人公のサーヴァントを不意打ちし、消滅する寸前まで追いつめる。
主人公のサーヴァントが回復した後、再びアリーナにて激突するもやはり姿を捉えられることはなく、その圧倒的な実力で主人公を追い込む。そこで主人公はヒロインと協力し、彼の透明化を破るべく策を講じる。
五回戦終了後にも生き残り、第七回戦にて、アサシンの姿にバーサーカーの特性が加わったマルチクラス(二属性持ち)の姿で再び主人公の前に立ちはだかる。
- 人物
- 饒舌で猛々しい性格。武の真髄として暗殺拳を習得した武芸者。
同じ暗殺者ではあるが、ユリウスが暗殺を仕事として捉え、そこに何の感慨も抱いてはいないのに対し、彼は強敵との死闘、その後に相手を殺すことに悦楽を感じている。基本は義理を通す善性を持った人物だが、悪もまた良しと考えており、ユリウスの、手段を選ばず冷酷なまでにただ目的を遂行するだけの戦闘方針や、「放課後の殺人鬼」の実行犯としてその凶拳を振るうことにも、何ら不満はない。
自身を拳法家というより殺し屋の類いと自認しているが、それを卑下する事も、誇る事もない。生前は善く学び、善く戦い、善く殺めたので、無念や怨念はまったく持っていない。サーヴァントとして召喚されてからは、強者との戦いを楽しんでいる。
「一戦一殺」を心がけており、一回の戦闘では一人しか殺さないが一人は必ず殺すことを決めている。
- 能力
- 気を使い、周囲の気を感知し、自己の気配を消すスキル「圏境」により、姿を存在ごと消失している。これは魔術理論ではなく瞑想の極意・体術による透明化なので、魔術理論に生きるものには絶対に感知することができない。第五次聖杯戦争のアサシンの燕返し同様、人の域とは呼べない魔技である。
これによりアサシンはほぼ確実に先手を取れるアドバンテージを有し、常日頃暗殺者の脅威に晒されていたセイバー、歴戦の兵であるアーチャー、動物的な気配察知能力を持つキャスターでさえ彼の奇襲からは即死を免れるのが精一杯だった。
また最高ランクの「中国武術」によって、素手で三騎士クラスのサーヴァントと互角に戦える程の卓越した戦闘能力を持ち、その強さは主人公のサーヴァントに宝具の使用を決断させるほど。
宝具
- 无二打
- ランク:なし
種別:対人宝具
レンジ:1
最大補足:一人
由来:牽制やフェイントの為に放ったはずの一撃ですら敵の命を奪うに足りるものであったという逸話。 - 生前の異名である「二の打ち要らず=无二打」がカタチとなったもの。正確には、「李書文(神槍)に二の打ち要らず=神槍无二打」。厳密には英霊の象徴であるアイテムとしての宝具ではなく、武術の真髄。彼の修めた八極拳の絶招(奥技)。
達人としての優れた勁力から放たれる単純な破壊力だけでなく、自身の気で周囲の空間を満たすことで形成したテリトリーで相手の「気を呑む」ことで相手の感覚の一部を眩惑させ、緊張状態となった相手の神経に直接衝撃を打ち込むことで迷走神経反射(ショック死)を引き起こし心臓を停止させる。「気を呑む」という中華の武術の技法は、むしろ仙道に近い。
西洋魔術の知識に照らし合わせた場合、自身の魔力を相手に打ち込み、相手の魔術回路を乱してダメージを与える、という解釈になる。「毒手」とも言い表された。
ゲーム的には、防御を無視して相手の現在のHPに対し9割のダメージを与える。これはモラトリアム中に頚脈を乱され、威力が低下しているからである。つまり乱さなければ真の必殺となるが、そもそも乱さなければ圏境すら防げない。
- 猛虎硬爬山
- 種別:対門宝具
由来:李書文が最も得意だったとされる絶招。 - 八極拳の秘門、奥義の一つであり、李氏八極のオリジナルではないが生前の彼が生涯を通じて頼りとした必殺の套路。无二打はあくまで対人において相手の心臓を停止させるための一撃だが、こちらは物理ダメージに特化した攻撃である。
流れるような連続攻撃で、初撃の動作が虎が山を掻きむしるように見えるためについた技であり、その一撃一撃が“李書文という武人を出力先にした大地からのエネルギー”である。人間はおろか壁や扉、はては堅固な道場の門すら容易く粉砕する。
真名:李書文
李書文。魔拳士とも言われた伝説的な八極拳士。河北省滄州市塩山県出身。1864〜1934年。
「二の打ち要らず、一つあれば事足りる」と謳われる中国拳法史史上、最強の拳法家の一人にして、李氏八極門の祖。
また、李書文は「神槍」とあだ名されるほど槍に長けた人物である。彼の使った六合大槍は八極門の基本的な武器であり、極論して良いならば、八極拳のほとんどはこの六合大槍の技法を学ぶための前段階に過ぎないとさえ言える。
彼の剛打は、牽制やフェイントの為に放ったはずの一撃すら敵の命を奪うに足るものであった。仕合において、どのような軽い手であれ、触れれば相手の命を奪ったことから、「二の打ち要らず」の称号を贈られる。
中国武術、中華の合理は、宇宙と一体になる事を目的とした武術である。それは周天行に通じ、仙道修行に近い。
周天行とは、「気(エネルギー)」を心身に巡らせ、それによって全身を活性化した上で「気」を共鳴・増幅して養っていく鍛錬法の一種。その到達点が全身のみならず周囲の空間を自分の「気」で満たすことである。
彼の持つ透明化のスキル「圏境」は気を用いて天地と合一し、その姿を自然に透けこませる事であり、宝具「无二打」は自身の気で満ちた空間を形成することで相手を「気を呑まれた」状態にすることで威力を増している。
単純に(純粋に、ではない)強さのみを求めた李書文だが、晩年は暴力ではなく、自身の生き方、信念の強さに武を見出した、と言われている。
彼は一見、義侠の徒と見えるが、それは彼の合理性を重んじる性格からである。
彼は正義も悪も大差はないと考えているが、相手が合理性を損なっている場合、それに露骨な嫌悪を向ける。この
この「結果として悪を斃す」という行為が義侠の徒のように見えるが、中華における義侠とは「情をもって剣を取る」なので、合理性から拳を振るった彼の考えは真逆に当たる。
それはつまり、善悪や殺人にこだわらないという道徳性こそ一般常識から逸脱していたが、人間性そのものは「良識人」であったということである。
最後には毒を盛られてその命を終えた。
あまりに多くの対手を殺めた事で多くの憎しみを買ったためだと言われている。
関連
- 神槍
- 李書文の別名。本来のクラスは「槍兵」に該当し、晩年の姿で現れる。しかし今作ではマスターとの相性により、若く猛々しい姿の「暗殺者」として召喚された。ただし、基本的な性格は老年期のものである。
登場作品と役柄
- Fate/EXTRA
- 第五回戦の対戦相手。
人間関係
- ユリウス・ベルキスク・ハーウェイ
- マスター。
- アーチャー (EXTRA・赤)
- 出身が中華であることから、彼の双剣の正体を干将莫耶と見抜く。
- キャスター (EXTRA・青)
- 彼女を中華で悪名高い妖狐と同一視したため怒りを買う。
- 琥珀
- 作者がかなりの『拳児』フリークである『コハエース』において、ほぼ作者の代理として熱いリスペクトを投げかけてくる。
名台詞
Fate/EXTRA
- 「脆弱にも程がある。魔術師とはいえ、ここまで非力では木偶にも劣ろう。
鵜をくびり殺すにも飽きた。多少の手ごたえが欲しいところだが……
小僧、お主はどうかな?」 - 初登場。この後、攻撃を凌いだ主人公達に、いずれやりあうことを楽しみにしておく、と告げて消える。主人公が女性の場合は「小僧」ではなく「小娘」。
- 「
呵々 、そう気構えるな! 今は仕事の外、私用で気ままにブラついているだけよ」
「うん? そう驚くことか? 当然だろう、儂はそこまで酔狂ではない。何の理もない殺しなどせんよ。
まあ、今回の我が主は違うがな! ふむ。確かにユリウスと戦う以上、おぬしの警戒はもっともか。
儂も、確かにあやつと同類だがなあ。いや、出会った人間すべてを殺しては、メシを食うにも困ろうさ!」
「おうよ。儂は一戦一殺を心がけておる。一度の戦いでは一人しか殺さぬし、一人は必ず死んでもらう。
しかし……やはり、そういう事か。おぬしのサーヴァントはまだ生きているな?
誇るがいい魔術師。おぬしのサーヴァントは中々の腕前だ。一瞬だが儂の拳をずらしおった。
今までの相手より何倍も愉しいぞ。ふむ、あれだな。殺すには惜しい相手、というヤツか。」 - 五回戦、アリーナでの不意打ちで主人公の味方サーヴァントが倒れた翌日、校内にて。強敵と当たったことに歓喜する武人らしい一面が垣間見えるが、本人はその後自身を殺人鬼と揶揄している。
- 「っ……!? おおう、この仕掛けは……! そうか、天地を返しおったな!?」
「大事だ! ははは、いいぞユリウス、あやつらの知己には天仙までいるらしい!
これは陰陽自在の八卦炉よ! いやぁ、儂の気功を儂に返すとは、まさに神技! 見よ、おかげで――
この通り、我が圏境が破れおった! ここまで神経剄を傷つけられては、三日四日では治るまい!」
「逃げ切れずと判断し、自ら出てきたか。その気迫に応じよう。儂は見ての通り、アサシンのサーヴァントよ。
そして、よくぞ儂の圏境を破ってくれた。これまでの相手は戦いにすらならなかったからな!
おうとも。命の重みに優劣はない、などとは言わん。
くびり殺すのならやはり小鼠より虎の首でなくてはな! 儂もまだまだ悪行からは抜け出せん」 - 五日目、アリーナにて。透明化が破られるが、むしろそれを待っていたような反応を見せる。
- 「くはははははははは!!!! 滾る滾る!! 血が!! 肉が!! やはり武とは生き死にあってのもの!
年老い、なにを悟った気になっていたのやら――所詮は俺も、血に飢えた窮奇 と同じか!
いいぞ、若返るようだ! お主らは強い! ここまでのどの敵よりもな!
さあ、力比べだ!! 極致のその先を――見せてみろ!!」 - 決戦にて。強敵との殺し合いを愉しむ魔拳士としての本性を見せた瞬間。
- 「我が八極に二の打ち要らず! フンッ! ハァッ!
七孔噴血……撒き死ねい!!」 - 宝具解放。「无二打」。剛打、毒手、二の打ち要らず。
メモ
- ファンからの愛称は「アサシン先生」。
- 『TYPE-MOONエースVOL.6付録DVD「フェイト/エクストラ」劇場』第二話『きかせて!! ブロッサム先生 メリクリ編』では、赤セイバーもこの通称で呼んでいる。
- プロデューサーの新納一哉氏の強い要望で選ばれたキャラクター。
- ぶっちゃけた話、今の日本で李書文or八極拳といったらほぼ確実にマンガ『拳児』が元ネタである。アサシン先生の後ろでまとめた髪型や「中国武術の目的は宇宙と一体になる事」という設定もこのマンガが原典と思われる。
- 当たり前だが、武術の腕前は型月作品に並み居る八極拳使いの中でも最強であり、『コハエース』や『ちびちゅき!』のような型月オールラウンド系作品ではしばしば都古から弟子入り志願を受けている。
- 当初の企画ではアサシンを老年期、バーサーカーを青年期の姿で出す予定だったが、諸々の事情でボツとなった。
- アーチャー (EXTRA・赤)はアサシンがスキル「圏境」によって透明化している状態で剣を交えた時、曰く「見えざる拳(インビジブル・エア)」と表現し、同じ読みの「風王結界」と比べてこちらが上と評した。
「武器が見えなくて厄介な剣」と「見えないから必殺の一撃」の二者で危険なのは後者であり、その評価も当然と言えるだろう。 - 「圏境」は透明化した上に気配すら皆無という反則的能力だが、ドラマCDによって明かされた内容によると、流石に攻撃体勢に移ると気を攻撃に回す分、幾分か効果が薄れるという。
初対面時にパートナーサーヴァントが不可視の攻撃に対応出来たのもコレが理由のようで全く対処出来ないという訳ではない模様。
とはいえ攻撃体勢に移らなければ、例え彼に触れたとしても認識出来ないという反則ぶりも判明した。- 透明化した際の戦闘力は凄まじく、凛をして「透明化を何とかしなければランサーでも苦戦するでしょう。」と語っている。主人公も五回戦までの相手の中では間違いなく最強と発言している。
- 対戦相手のマスターが判明している、必ずアリーナに行かなければならない、最終的には真っ向から対峙する、などもろもろの要素が重なった『EXTRA』の戦争だからこそ、なんとか対処出来たと言える。もしこれが地上の聖杯戦争であれば、どこから襲ってくるか分からない必殺の一撃はもはや反則。マスターのほとんどが魔術師なのに魔術的な看破が叶わず、サーヴァントの気配察知さえ難しいのだからどう対処すればいいのやら。
- 直接戦闘が不得手なアサシンクラスにおいて、三騎士相手に真っ向勝負でまだなお有利というその戦闘能力の高さは異常である。そのため歴代のアサシンでは「最強」だと評価するファンは多く、さらには全サーヴァントと競っても上位に入るのでは、と推測されることも。
- 彼の宝具である「无二打」は防御を無視して相手の現在のHPに対し9割のダメージを与えるという効果であり、相手に止めを刺すためにはその名に反し必ず二撃目が必要になる。そのため、「二の打ち必須」と揶揄されることもある。
- ただしこれは、上述の通り経脈を乱された影響で弱体化しているためであり、本来の「无二打」は紛れも無く一撃必殺の宝具である。
- また、「魔術回路を乱してダメージを与える」という記述から、衛宮切嗣の起源弾にならって「起源拳」または「起源パンチ」とプレイヤー間で呼ばれることが時たま見られる。
- 物語後半に、マスターが他参加者の令呪を移植して生き延びた結果、「狂戦士」のクラス特性が付加された『二属性持ち(マルチクラス)』の状態となった。
彼自身は生前の逸話から「狂戦士」との相性はそれほど悪くはないようなのだが、理性と技術を喪失しているためかかなり弱体化してしまっている。
行動が単純化したためか多くのコマンドが開示され、本来の宝具も喪失している。手段を選んでいられなかったとはいえ、非常にもったいないことをしたものである。- せめて「狂戦士」ではなく、他のクラスのものであったら大分マシだったのではないかと嘆かれることが多い。
そもそも腕ごと令呪を移植するという外法を行ったり、マスター及びサーヴァントが死に体だったことがこのような弱体化に繋がったとも考えられるが。 - なおアサシンのように「本来は一つだけのクラスを重ね持つ」ことは、聖杯戦争のシステム上あり得ないことであり、上記のような手段を取らなければ起こることはないものである。
ただし「それを可能にする能力」を持っているならば話は別であり、『Fate/Apocrypha』には二つのクラス特性を兼ね備える『二重召喚(ダブルサモン)』という特殊スキルを持ったサーヴァントであるセミラミスが登場している。
どことなく名称が似ていることから、このイレギュラーを参考に創作された可能性も……? - キャスター(EXTRA・青)からはこの状態で再登場した時、再生怪人と揶揄されている。
この発言の元ネタは、国民的特撮ドラマ『仮面ライダー』。世界征服を企む悪の秘密結社「ショッカー」が仮面ライダーに敗れた怪人を蘇生させたことが由来で、初めて再生怪人が登場したのは第十三話。その後も二十七話、六十八話、九十七話にも再生怪人が登場する。
「改造人間は死なん!貴様にやられた個所を直せばな!」とは再生怪人第一号の蜘蛛男のセリフで実に力強い。ただこの再生怪人、やはり一度仮面ライダーに倒されたせいか、全員が初登場した話より不気味さや恐ろしさ、威厳が失われている。
毎回、複数で登場するのも敗北して自信を失ったかのようにも見える。実際、以前より確実に弱くなっている。仮面ライダーと戦うことすら出来ず、いつの間にかいなくなっている事もしばしば。
なぜ彼女がこんな特撮に詳しい者にしか理解も解説も出来ない話に精通しているのかは不明だが、こんな残念な怪人たちの仲間にされてしまった彼の心中や如何に………。
むしろ狂っていたのは、これ以上の屈辱を感じずに済んだという点だけ見れば良かったのかもしれない。
- せめて「狂戦士」ではなく、他のクラスのものであったら大分マシだったのではないかと嘆かれることが多い。
- マスターのユリウスは威圧感のある印象に比べて身長が低いということがしばしばネタにされるが、ユリウスと並んで立つ場面の多いアサシンも、同程度の身長である。
- 現在までに発表されている中では、徒手空拳のみで戦った唯一のサーヴァント。
黒のアーチャーもパンクラチオン(拳打と組み技を複合した高度な格闘術)の達人ではあるが、当然ながらメインウェポンは弓である。
EXTRAで判明しているステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | 備考 |
ユリウス | B | C | A | E | E | なし | 今回はユリウスに合わせてアサシンになったが、彼の本領はランサーにある。殺し屋と武人という違いから話は噛み合わないがユリウスとは相性はいいとされている。 |
保有スキル:気配遮断:-、中国武術:A+++、圏境:A