項羽
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バーサーカー | |
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真名 | 項羽 |
読み | こうう |
性別 | 男性 |
身長 | 310cm |
体重 | 480kg |
出典 | 史実及び異聞帯 |
地域 | 中国 |
属性 | 秩序・中庸 |
声優 | 山寺宏一 |
デザイン | danciao |
レア度 | ☆5 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
「バーサーカー」のサーヴァント。「西楚の覇王」と呼ばれた中国の英傑。
- 略歴
- 『Fate/Grand Order』では第二章の中国異聞帯にて登場。
- 始皇帝の部下として登場し、芥ヒナコに合流して共に主人公らと戦うことに。
- 異聞帯では汎人類史と異なり始皇帝が滅びず、彼が埋もれる事も無かった為、「項羽」の名前や記憶については当然ながら持っておらず、ヒナコが自身に執着する事についても首を傾げている。
- 物語の後半にヒナコが始皇帝に自身の身体データを提供した褒美として払い下げられ、共に異聞帯の片隅でひっそりと生きていくことを提案されるが、平和を守るという使命、何よりヒナコから教えられた汎人類史の自分の話から再度戦う事を決意。
- 始皇帝がカルデアの戦いの果てに残るのは汎人類史だという結論に異を唱え、既にメンテナンスが追いつかずボロボロであるにも関わらず、始皇帝の命令すら拒否してカルデアと奮戦し、虞美人への無念を零しつつ機能停止した。
- 人物
- ケンタウロスのような下半身、何本も生えた腕、3mを越える巨体という人間とは思えない恐ろしげな風貌をしているが、その正体は始皇帝によって哪吒の残骸を元に製造されたロボット「会稽零式」。
- カルデアで召喚された本人も何故このような姿になったのかと不思議がる程だが、実際は「中国異聞帯で改造され続けた果ての異形の姿に、汎人類史での人型のまま機能を停止した彼の精神が搭載されたもの」という扱い。元が機械であるため、不思議がりはしてもすぐに納得した。
- 実際はロボットであるため、恐ろしい外見とは裏腹にバーサーカーとは思えない程理知的で話も通じる。
- 正体が正体であるためか全体的に喋り方が機械的で、特に戦闘では言動にまったく容赦がない。
- 能力
- その体躯を活かして嵐のように複数の剣を振り回して戦う他、全身からビームのような物を発射する等人間離れした戦い方を見せる。
- だがそれらは戦闘の為の後付けであり、力の本質は超高速演算による未来予知じみた行動の先読み。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
バーサーカー | 主人公 (Grand Order) | A | A | A | C | D | C | 凶化:A+ | 未来予知:A 戦術躯体:B 覇王の武:A |
宝具
- 力抜山兮氣蓋世(ばつざんがいせい)
- ランク:C
種別:対軍宝具
レンジ:1〜5
最大捕捉:50人 - 中国史屈指の勇名を誇る項羽の、故事成語ともなった武の具現。
- 人間型の躯体で召喚された場合には対人宝具として発動するが、異聞帯において付加された人馬型という異形の形態は、個人の武の威力を大量殺戮兵器にまで拡大してしまった。
- 『Fate/Grand Order』では「自身の宝具威力をアップ[注 1][注 2]&敵全体に強力な攻撃」という効果のQuick宝具。
真名:項羽
- 姓を項、名を籍、字を羽。
- 汎人類史においては秦王朝を滅ぼし劉邦と次なる天下を争った「西楚の覇王」。
- 残虐非道な虐殺の数々、無敵の武勲を誇りながらも首尾一貫しない政策で自陣営を自壊させていった様などは「匹夫の勇、婦人の仁」と揶揄される。
- 幼少期には学問も武芸もまるで習熟しようとせず、ただ兵法においてのみ概略を学んだだけで、あとは才気のみで頭角を現したとされている。
- 異聞帯における覇王の武力はもはや人の域にあるものではなく、その疾走は大軍を呑む嵐に等しい。
- まさに人知・道徳を超えた荒野の覇王。
- 果たして、その真実は───
関連
- 四面楚歌
- 垓下の戦いで漢軍が楚軍に仕掛けた策略で、故事成語にもなった。兵数は漢軍が上回っていたが、正攻法では項羽に勝てないと判断した張良が、四方から楚の歌を聞かせる事で楚軍の士気を挫こうと意図して実行。
効果はてき面で、長引く戦いで士気が低下していた楚軍は総崩れとなった。 - 天下三分の計
- 諸葛孔明が劉備に説いた計略だが、実はそれより400年以上前に項羽が考案したものだったりする。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Grand Order
- Lostbelt No.3『人智統合真国 シン』配信に伴い実装。
その他
- ちびちゅき!
- 教師役。同じく教師役になりたがる虞美人を「まだ学ぶべき事がある」と諭すことになった。
人間関係
生前
- 項梁
- 史実において叔父とされる人物。
- 『Fate/Grand Order』においては親族関係ではなく、始皇帝が製造した会稽零式を偶然発掘し、「項羽」の名を与えて甥として振る舞わせていた存在。
- 劉邦
- 最大の宿敵であり、後の漢の高祖帝。天下を争うも最終的に敗北する。
- 『Fate/Grand Order』においては始皇帝没後に乱世となった中華を纏め上げる器を持つ者として見出した存在。
- 虞美人によれば遅咲きで力足らずであったため、彼に先んじて群雄を平定して成長の猶予を作り、それでも間に合わず、中華全土を治めるには足らぬと予知すると彼でも治められるサイズまで中華を「縮める」ために大虐殺を行ったという。
- 虞美人
- 最愛の妻。京劇の「覇王別姫」は、彼女との別れの場面を描いたものである。
- 自分と別れた後も永遠を生きる彼女の行く末が、機械として生きた彼にとっての唯一の心残りとなった。
- 本人が天然なのか自分の前での彼女しか知らない為か、「温和な淑女」と実態とはかけ離れた印象[注 3]を抱いている。
- 韓信
- 「漢三傑」の一人で国士無双と謳われた名将。当初は項羽に仕えていたが、冷遇した事で離反されてしまう。主として劉邦軍の別働隊として動き、項羽に対する包囲網を形成した。
後に北方の斉を従えた彼に天下三分の計を持ち掛けるが、劉邦への忠義を重んじた韓信に一蹴される。しかし、天下三分の計を断った事が韓信の破滅に繋がった。 - 張良
- 「漢三傑」の一人で劉邦の軍師。秦に対する反乱軍の時代から、劉邦軍の戦略面を支え続けた。秦に滅ぼされた韓の遺臣でもあり、始皇帝の暗殺を計画・実行する激しさも持つ。女性と見紛うほどの容貌の持ち主だったという。
- 蕭何
- 「漢三傑」の一人で漢軍の兵站・内政を担当。政治家の理想像ともされる。漢兵を餓えさせる事が一度も無かった程の采配を見せて劉邦の勝利に貢献した。
- 范増
- 軍師であり、項羽が亜父(父に次ぐ者)とまで呼んで重んじた者だったが、疑念を抱いた事で引退に追い込んでしまう。
- 英布
- 家臣で義帝暗殺などの汚れ仕事を行わせたが、冷遇したことで離反される。
- 始皇帝
- 史実では彼の全国行脚の行列を見て、天下を獲る事を決意したという。「彼奴に取って代わってくれるわ」という挑戦の叫びは、覇王・項羽のスタートラインでもある。
- 『Fate/Grand Order』においては彼を設計・製造した存在であり、本来仕えていた相手。中国異聞帯では彼の治世が続いているため、そのまま仕え続けている。
- 陳勝・呉広
- 秦の圧制に対し、中国史上初の農民一揆を起こした英傑達。彼等の反乱に呼応して項梁達は挙兵した。
名台詞
- 「汝とは果たしていかなる縁にて結びついたのだろうか?」
- 召喚時のセリフ(の一部)。
- カルデアに召喚される項羽は「汎人類史の項羽をベースに、異聞帯における項羽の戦闘能力が統合されたもの」であるため、異聞帯における主人公たちとの出会いの記憶を持たない。
- 今までの異聞帯サーヴァントには異聞帯における存在がそのままサーヴァントとして招聘されているものも複数いる(同異聞帯でも始皇帝がそうである)が、何故項羽だけこんな状態になっているのかというと、「英霊の座に記録された項羽」は虞美人が英霊となり座に入ったことで連鎖して項羽が座に認められたもの=汎人類史のものである一方、主人公が縁を結んだのは異聞帯の項羽であるという相違があるためだと思われる。
- 「ここまで戦闘に特化した躯体を与えられたのは想定外だ。」
- 「むしろ驚くべきはこの躯体だが……」
- それぞれ、第1霊基再臨時、マイルーム会話「絆Lv1」。
- 異形とも言える戦闘特化の体躯は項羽自身にとっては想定外のものだが、運用そのものには戸惑いはない。
- 汎人類史の項羽は戦闘に明け暮れた存在ではあったが普通の人型であったため、その認識が残っている。
- 「嗚呼……生涯ただ一つの無念が……今ここに報われた」
- マイルーム会話「虞美人」。
- 生前の項羽は、虞美人は自分が居なければ当てもなく迫害されるがままに彷徨うしかない存在である事を理解しており、自身が戦いで機能停止し虞美人だけを現世に残す事を唯一の心残りとしていた。
- サーヴァントとなりカルデアに召喚され、虞美人との再会を喜び、虞美人が彷徨う旅路を終えている事に心から安堵する。
- 「バーサーカーのクラスをあてがわれたのは不可解だ。 私はただ論理的、かつ効率的に事に当たるよう努めているだけなのだが……」
- マイルーム会話「絆Lv3」。
- 確かに論理的かつ効率的ではあるが、項羽はそれのみに特化され、目的に向かって頑なに邁進する。
- 英霊召喚システムにおいては、ただ一つの目的から外れることなく突き進む存在はまさにバーサーカーなのだが、項羽には自覚がないらしい。
メモ
- 中国史において「最強の武将は誰か?」という問いに呂布や関羽と共に必ず名前が挙がる人物。なお、呂布とは「狂戦士」のクラスという共通点がある。
- 楚漢戦争の彭城の戦いは、寝込みを急襲したような形になったとはいえ、3万の軍勢で56万の漢軍を殲滅、そのうち20万を殺害…という冗談としか思えないような戦果を上げている。
- 彭城の戦いでは楚軍の本拠地を占領して油断した漢軍56万を楚軍3万で強襲し、城内の漢軍は10万人が討ち取られ、残りの10万人は敗走中に睢水の川に追い込まれ、溺死したと伝えられる。大量の漢軍兵士の死体で川が塞き止められたとも、真っ赤に染まったとも伝えられており、劉邦も戦死一歩手前にまで追い詰められた。後世の後漢末期の「合肥の戦い」や日本戦国時代の「桶狭間の戦い」と共に、寡兵で大軍を討ち破った代表的な戦いだと伝えられている。
- 異聞帯では理知的となっているが、史実の項羽は非常に短絡的な性格の持ち主で、それに伴う数々の失敗で劉邦に敗北する。
- 特に『史記』を編纂した司馬遷は項羽を「自らの失敗を認めないのは、荒唐無稽にすぎる」と手厳しい。ただし、司馬遷は漢王朝の歴史家なので、漢にとって最大の強敵だった項羽を悪し様に描いている可能性は否定出来ない。その一方で、史記において項羽を王者として扱っており[注 4]、また項羽の最後の場面を極めてかっこよく、感動的に書いているので作家の田中芳樹は「司馬遷は項羽のことが、実は好きで好きでたまらなかったのでは」と述べている。
- 項羽と劉邦の双方に仕え重用された陳平は、劉邦の人柄を「傲慢で無礼」としている一方で項羽の人柄を「恭敬で人を愛する」と評している。なので「理知的で礼儀正しい項羽」というのは、史実からそう外れたキャラ付けではない。
- ただし上記の評価はその後に「褒美を出し惜しむので人が従わない」と続き、劉邦のほうは「褒美をよく出すので利を好む連中が集ってくる」と続く。項羽がケチであることは、同時代の人物の多くが証言しており、秦末から楚漢戦争に突入していく切っ掛けの一つにもなった。一個人としてどちらの人格が優れていたかはともかく、君主として劉邦が項羽に勝っていたのは間違いないだろう。
- もっとも、皇帝に即位後の劉邦は元々の猜疑心の強さが顕著になり、韓信などの功臣を死に追いやっている。ただし、漢が設立直後で反乱に対して劉邦自身が親征して鎮圧するなど、情勢が全く安定していない時代であることは考慮する必要がある。
- ちなみに24歳で活動を開始し、30歳ぐらいでこの世を去っている。どちらかといえば子供っぽいのかもしれない。
- 外黄城を攻め落とした際には軍民問わずに15歳以上の男子を皆殺しにしようとしたが、仇叔(きゅうしゅく)という13歳の子供に虐殺をしないことの利を説かれ、中止した逸話も残されている。
- 苛烈なエピソードは多く、秦の首都「咸陽」に進軍した際にはその進路上の都市を落とすと、軍民問わずに皆殺しにしていたが、結果的にこの方法は進退窮まった敵軍の猛烈な抵抗に合い、劉邦に咸陽制圧の先を越されてしまった。他にも秦の降将章邯と共に項羽に従った秦兵が反乱を起こそうとした際には20万人に夜襲を掛けて、丸ごと生き埋めにしたりするなど容赦がなく、自軍の軍師で亜父(父に次ぐ者)と呼んで信頼した范増にすら「他人にひどいことをすることに忍びない(我慢がない)」を評されている。
- 『Fate/Grand Order』においても本人なりの考えがあっての行為なのだが未来予知ができない周囲にとっては上記のような暴虐そのものにしか映らなかったようで、虞美人が項羽の真意についての情報を英霊の座に持ち込むまでは上記のようなイメージが形を成したような「魔王のような項羽」しか召喚されなかったとのことである。
- 2部開始前からCM等の映像に出演していたサーヴァントの一人。その特異なシルエットから真名予想の難易度も高く、一部では「赤兎馬と人馬一体(物理)になった呂布」という予想が有力視されていた。
話題まとめ
脚注
注釈
- ↑ 1ターン
- ↑ オーバーチャージで効果UP
- ↑ しかしよく見られるツンケンした性格は、人類に迫害された過去に基づくものなため、本来の性格が項羽だけに見せる「温和な淑女」である可能性もある
- ↑ 家臣たちの記録である「列伝」や諸侯の記録である「世家」ではなく、中華の支配者の記録である「本紀」に項羽を位置づけている。秦末の動乱期に王を称した人物はほとんど列伝か世家で、項羽のみ別格の扱いとなっている。そもそも、項羽というのは性+字(あざな)で姓名ではない。中国では目上以外の人間が、当該人物を名で呼ぶのは無礼とされ、その代わりに字で呼んでいた。従って、本来なら項籍と書くべきところを、項羽と書くのは尊敬の現われであり、史書において実名を書かない待遇を受けているのは、皇帝を除いてはほんの僅かである。
出典