玄木坂の赤ずきん
概要
『Fate/hollow ataraxia』冒頭で語られた、冬木市で噂されている怪談の一つ。
冬木市の玄木坂にある蝉菜マンションの一室に大学生「A」が在住していた。
「A」の隣家には夫婦と三歳くらいの赤いフードの娘が居住していたが、夫婦は喧嘩ばかりで騒音が時折漏れてくる上に娘にも虐待を加えているようだった。
「A」は時折エレベーターで娘と一緒に乗る事があり、背が低い上に怪我で腕が上がらない娘から「ボタンを押して」と頼まれて階数ボタンを押すこともある程度の間柄だった。
ある日の夜、一際大きな争う音が聞こえ、娘のものと思われる自室のドアをノックする音が聞こえたが、「A」は面倒ごとに巻き込まれたくなかったので寝たふりをして無視を決め込んだ。
翌日、隣室で夫婦が一家心中したが娘の死体が見つかっておらず、血痕がエレベーターで途切れている事を知る。
それ以降「A」は自分の部屋をノックする幻聴に悩まされるようになり、一月もしないうちに姿を消してしまった。
今でも赤いフードの娘「赤ずきん」はこの世をさ迷っており、「A」は彼女から逃げ続けている……という物語。
実は『Fate/stay night』から半年ほど前に発生した実在の事件を元ネタにした物語であり、一家心中も「赤ずきん」と「A」の失踪も実際に発生している。
調査した警察の調査によると部屋からは用途不明の器具が大量に見つかり、血痕を含めて使用された痕跡がある事から相当に酷い虐待が行われていた事が示唆されている。
真相
実は一連の事件及び「赤ずきん」は魔術絡みの存在であり、「赤ずきん」の正体とは自意識を持ったエルメロイの先代の至上礼装。
経緯が非常に複雑なため、段階を追って記載する。
誕生
もともとは神代に生まれた一つの幻想であり、当時のろくにんの勤勉な人間によって切り刻まれて六つのパーツに分けられた。
そして星の内海へ向かおうとした竜種であるアルビオンに「ろくにん」ごと巻き込まれ、未来に霊墓アルビオンと呼ばれる場所に埋もれることになる。
後に発掘隊によって発見され、当時のエルメロイの当主によって買い取られて礼装として改造され、無尽蔵の魔力を生み出す三位一体の至上礼装となった。
本来であれば六つのパーツを完全に一つにすることも可能であったが、より多くの魔力を生み出せる代わりに一つの存在として完結して意志を持ってしまうために礼装としては不適切で、何より不吉な予感がしたために完全な復元は行わなかった。
『Fate/Zero』の時にケイネス・エルメロイ・アーチボルトによって冬木に持ち込まれたが、冬木ハイアットホテルの爆破事件の際に紛失。
当時火事場泥棒に来ていた魔術師夫妻によって回収され、蝉菜マンションの工房を作って潜伏した。
彼らは発見したエルメロイの当主のように自重しなかったために七年の時間をかけて「完全な復元」を行い、最終的に金髪の子供のような存在「赤ずきん」となった。
関連人物
- 「A」
- 怪談のストーリーにおいて赤ずきんの隣の部屋に住んでいた大学生。
- 心中事件の発覚後一か月してこちらも行方不明となってしまった。
- 氷室鐘
- 美綴綾子や一家ともども舞台となった蝉菜マンションに在住している人物。彼女の部屋は現場のちょうど真下になる。
- 現実に起きてそれほど経っていない痛ましい事件を怪談のネタにされているのには若干思うところもあり、父親の氷室道雪がマンションのオーナーでもあり事故物件扱いで入居者が寄り付かず頭を痛めているため、解決方法を模索している。
- 柳洞一成
- 『氷室の天地 Fate/school life』において、柳洞寺が全壊したため事件後誰も入居しようとしなかった現場に家族ともども仮住居として入居した。
- 下見の際には若干怪現象が見られたものの、その後には特に問題なく生活できている模様。
- アヤカ・サジョウ
- 『Fate/strange Fake』における主人公の一人で、一人ではエレベーターに乗れない上に時折見える「赤ずきん」の幻覚に悩まされている。
- 当初読者からは「彼女が上記の「A」ではないか?」と予想されていたが、8巻ラストで「自分が赤ずきんである」という衝撃の発言が飛び出した。
メモ
- 『Fate/strange Fake』ではPVの言葉の一つに「玄木坂の工房の残滓」というものがあり、実は魔術関連の何かだったのではないか?と一部の読者からは推測されている。
脚注
注釈
出典