モードレッド

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2014年6月15日 (日) 21:37時点における202.177.100.28 (トーク)による版 (→‎Fate/Apocrypha)
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モードレッド

  • スペル:Mordred
  • CV:桑島法子(アニメ版「Fate/stay night」)

円卓の騎士の一人であり、アーサー王の息子。
ここでは『Fate/ Character material』で得られる情報をまとめる。

略歴
アーサー王の姉・モルガンが自身の妄執を成し遂げるために造り上げたホムンクルスであり、王と実の姉の不貞・近親相姦によって生まれた子。
当初は自身の出生について知らず、素顔を隠し続ける仮面の騎士として王に仕える。最終的に陰謀をもって王を追いつめ、遂には反乱の将として刃を向けた。
最期はカムランの丘にて相討ちになる形で、王の槍に倒れる。その素顔は王と瓜二つであった。
人物
ホムンクルスであるがゆえに、普通の人間より遥かに優秀。剣の腕も卓絶していたが、人間よりも成長速度が早く、短命というハンデも背負っていた。
当初のモードレッドは野心よりもアーサー王に対する憧れが強く、自らも立派な騎士たろうと努力する純真な人物だった。また、人間ではない自分を恥じてもいた。
しかし、いっこうに叛意を抱かないモードレッドにモルガンは業を煮やし、その出生の秘密を告げる。これによりモードレッドは自身が人間でない負い目を、人を超越したあの王の息子である証として誇るべき、と考えるようになる。
そして、嬉々として王に自身を後継者にするように進言するも、モードレッドに王の器はないと判断したアーサー王は王位は譲らず、息子としても認めないと拒絶してしまう。
自身が王の宿敵であるモルガンの子供であるが故に拒絶されたと思ったモードレッドは、今までの愛情の反動で王に憎悪を向けるようになる。
アーサー王に叛旗を翻したモードレッドだったが、その根底にあった思いは、王に認めてもらい、ただ息子と呼んで欲しかった、という想いだけであった。

セイバー(Fate/Apocrypha・赤)

  • 真名:モードレッド
  • 身長:154cm/体重:42kg
  • スリーサイズ:B73/W53/H76
  • 属性:混沌・中庸

剣士」のクラスのサーヴァント聖杯大戦において、獅子劫界離によって召喚された。
重厚な全身鎧に身を包んだ白銀の騎士。

略歴
真名はモードレッド。円卓の騎士の一人でありながら、父であるアーサー王に反旗を翻した「叛逆の騎士」である。
ブカレストのスタヴロポレオス教会の墓地で「円卓」の木片を触媒に召喚された。霊体化を嫌っており、普段は獅子劫に購入してもらった腹部を晒したチューブトップに真っ赤なレザージャケットを羽織って過ごしている。
シギショアラで黒のアサシンアーチャーとの交戦後、黒と赤の決戦場に獅子劫と共に乱入。圧倒的な強さで黒のバーサーカーを倒し、ライダーをあと一歩のところまで追い込む。だが黒のセイバーと化したジークによって水を差され、彼との戦いも赤のバーサーカーの暴走によって棚上げとなってしまった。
度重なる連戦を行っても戦意は全く衰えておらず、獅子劫と共に移動を開始した空中庭園に突入する。そこで赤の陣営と正式に決別、ルーラーとユグドミレニア側のサーヴァント達と共闘し、黒のキャスターが造りだした「王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)」の頭部霊核を吹き飛ばして勝利に貢献する。
その後、ルーラーとユグドミレニアが組んだ同盟側と一定の距離感を開けながら共闘関係を結び、彼らと共に持ち去られた大聖杯を追う。
人物
鎧と兜で覆っているため普段はわからないが、本当は20歳にも満たぬ少女。しかし女と呼ばれることを極端に嫌っており、やや粗雑で男性的な口調で話し、一人称も「オレ」。
性格は自信過剰で好戦的。円卓と父である騎士王には誇りを超えてある種の怨念を抱いており、触媒となった円卓の木片すら粉々にしてしまうほど。
自分こそが王にふさわしいと信じており、聖杯に託す願いも「王になる」のではなく『選定の剣に挑戦する』こと。獅子劫にも「剣を抜けない可能性」を指摘されるが、彼女は「オレが引き抜けないはずがない!」と豪語している。
普段の態度はやや粗雑だが、民草を犠牲にするのを嫌い、魂喰いをせず、それを行うサーヴァントや悪を憎む高潔な騎士であり、英霊としての精神は間違いなく騎士王から受け継がれたものである。愛も憎悪も紙一重の感情であり、『選定の剣への挑戦』という願いも王への対抗心から来るだけのものではなく、その根底には『父に認めて欲しい』という切なる想いがある。
また、獅子劫から褒められれば、照れながらも素直に喜ぶ可愛らしい一面も。
粗野な振る舞いをしているが、獅子劫と同じく最終決戦の混乱に乗じてちゃっかり聖杯を掠め取るつもりでいることや、諸侯を言い包めて反乱を成功させてブリテンを崩壊させた過去から、中々の策略家であることが分かる。
能力
剣士としての能力は非常に高く、「剣士」としての技量と「狂戦士」の如き獰猛さが絶妙に鬩ぎ合っている。
儀礼や騎士道といった形式的な物をかなぐり捨てた、ひたすら実戦本位の効率的かつ最適化された生存と殺戮のための剣技を用い、本来剣士の命である剣を投擲したり、空中の敵を踏み台にして連撃を放ったりなど、父とは違い形に囚われない柔軟にしてアクロバティックな戦い方をする。ひたすらに騎士王アルトリアの背を見続け、盗み出した業であるため、如何なる状況下でもその剣技が陰ることはない。
彼女のスキル構成は、モルガンがアルトリアとブリテンを破滅させるためにアルトリアの遺伝子を元に造りだした人造人間であるため、アルトリアとほとんど同じである。
またアルトリアを確実に倒すためスキルは何れも戦闘用の特化がなされており、『魔力放出』によって踏み込めば弾丸の如き勢いで跳躍し、鍔迫り合えば筋力に魔力を上乗せして敵を打倒する。更に発生する赤雷によって電撃属性が付加され、斬撃と共に解放する事で一撃で周囲の敵を塵殺するほどの破壊力がある。
また剣撃だけでなく身体能力の更なる強化にも使われ、ゴーレムを一撃で粉砕するほどの強力な拳打を放ち、獅子劫を抱えた状態で空高くそびえ立つ空中庭園に跳躍するなど、応用性が格段に向上している。
『直感』も随所に効果を発揮し、黒のアサシンやライダーの使う宝具の危険性を本能的に予測し的確な対処をするなど、アルトリアのような「未来予知」の域には至っていないものの、野生の勘とでもいうべき確実性が大幅に増している。
重厚な鎧に身を包んでおり、令呪のバックアップを受けた黒のバーサーカーの攻撃を背中から直撃したにも関わらず大した負傷はないなど、防御力は非常に高い。高い治癒能力も健在で、三連戦を行って消耗しても、マスターからの戦闘中の治癒魔術で修復できる程度のダメージしか残らない。
また彼女の突風のような戦い方は従う兵達を熱狂させ、狂気に突き動かされるように戦場に駆り立て、他者を狂奔させる将器すなわち『カリスマ』と化す。
総じて、彼女が頻繁に口にする「自らの力が父を超える」という言葉は虚勢でも何でもない紛れもない事実に近く、相手の能力や状況次第で勝率が変動しない、『剣士』のクラスに相応しい、全ての能力が極めて高く安定感のあるサーヴァントとなっている。また『直感』によってシロウアサシンの危険性を感じ取り、いち早くマスターのことを庇うなど護衛役としても非常に優秀。
……なのだが、「騎乗」スキルはBランクであるにもかかわらず性格が災いしたのかかなり雑で、獅子劫からは「お前の運転に耐えられる車は戦車しかねぇよ。本当にBランクなんだろうな? 運転分かってんだろうな?」と評されるほど。

宝具

燦然と輝く王剣(クラレント)
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:1人
由来:アーサー王の武器庫に保管されていた、王位継承権を示す剣。
「如何なる銀より眩い」と称えられる白銀の剣。モードレッドの主武装であり、通常はこの状態で戦闘を行う。
元は王ら戴冠式のためウォリングフォードの武器庫に保管されていた剣だが、それをモードレッドが叛乱を起こした際に奪い取り、カムランの戦いで使用した。アーサー王の『勝利すべき黄金の剣』と勝るとも劣らぬ値を持つ宝剣であるが、モードレッドが本来の担い手の了承なくこの剣を強奪したため、ランクが低下している。
我が麗しき父への叛逆(クラレント・ブラッドアーサー)
ランク:A+
種別:対軍宝具
レンジ:1~50
最大捕捉:800人
彼女が所有する剣から放たれる一撃。剣の切っ先から直線状の赤雷を放つ。
真名解放時にはクラレントを構えた彼女を中心にした一帯が血に染まり、白銀の剣も邪剣へと変貌する。
英霊の必殺の武器であると同時に、絶大な誇りそのものと言える宝具だが、彼女にとって父の名を冠したこの宝具は誇りを超え、ある種の怨念と化している。
またアーサー王を害したエピソードゆえに、モードレッドの手で発動時にあるこの剣は「聖剣」ではなく、「邪剣」と化している。
不貞隠しの兜(シークレット・オブ・ペディグリー)
ランク:C
種別:対人(自身)宝具
レンジ:0
最大捕捉:1人
普段はモードレッドの顔を隠している兜。
ステータスやクラス別スキルといった汎用的な情報は隠せないが、真名はもちろん宝具や固有スキルといった重要な情報を隠蔽する効果があり、たとえマスターであっても兜をかぶっている間は見ることができない。また、戦闘終了後も使用していた能力、手にした剣の意匠を敵が想起するのを阻害する効果もあり、聖杯戦争において非常に有用な宝具。
ただしこの宝具を使用していると、彼女の持つ最強の宝具を使用することが出来ない。
兜は鎧とセットの状態で『脱いだ』時、初めてステータス情報が開示される。つまり鎧を外して現世の衣装を着ていても、武器を手にしていなければ、兜が無くても隠蔽効果は継続する。「ルーラー」のクラス別スキル「真名看破」の効果でも見破ることは不可能。

登場作品と役柄

TVアニメFate/stay night
アニメのオリジナルシーンとして、カムランの丘でのアーサー王との最後の対決が描かれた(第21話)。
Fate/Zero
聖杯戦争終了後、カムランの丘に戻ったセイバーの傍らで亡骸となっていた。
TVアニメ第一期EDでは、セイバーの槍に貫かれた後姿が描かれている。
Fate/Apocrypha
「赤」のサーヴァントとして登場。
コハエース
アポクリファを代表して登場。頭に「モ」と付いている。「なんだ女か」。
ちびちゅき!
剣道部所属。他の円卓の騎士たちと共に、父上が来るかワクワクしながら待っている。

人間関係

Fate/Apocrypha

獅子劫界離
マスター。彼の人柄・実力ともに信頼を寄せている。
ジーク
不意打ちを受け、一度絶命させるが、復活後逆襲を受ける。
彼がセイバーの力を引き出しつつあることに気づいており、父の名を冠する宝具で絶命させられなかった事もあって、自らの手で殺すことを決心した。だがジークの事情を知ってやりづらくなり、また情勢が予断を許さないこともあって、共闘する関係になる。
黒のライダー
彼の真名に気づいていないため「雌犬」と呼ぶ。
完全に圧倒し、後もう少しという所をジークに邪魔されたせいで、討ち損じてしまった。
性格的には割と合っているのか、初対面とは思えない程コミュニケーションはスムーズなのだが、ライダーの方は、彼女が消滅したセイバーを嘲笑った上にジークを一度殺しているので、敵意を抱いている。その後、結果的にセレニケから救ってくれた事ため、ジークと同じように和解し、共闘する。
ルーラー
本編に先駆けて、コハエースで対面する。絡み自体ないのだから恨みなど何も無い筈なのに、琥珀に頼んで青髭と悪魔合体させようとするなど、とんでもない目に遭わされる。
本編では黒のキャスターの宝具「王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)」に対抗するため参陣を要求され、交渉によってちゃっかりルーラーの保有する令呪一画をもぎとっている。
黒のアーチャー
アサシンを狙って刃を交えた相手。勝負は結局水入りになったため再戦を望んでいたが、空中庭園で彼とルーラーを助けてからは同盟関係を結ぶ事に。
アサシン
「嫌な女」。
母と同じ匂いを持ち、その笑みも退廃的な雰囲気も癪に触る相手。
マスターであるシロウも含めて「奸物」と呼び、敵対することを確信している。

生前

アーサー王
父。
モルガン
母。「母上」とは呼んでいるが、彼女に似た雰囲気を持つアサシンを嫌っており、複雑な感情を抱いていた模様。
ランスロット卿
父を侮辱したため嫌っている。
伝承の通り、王位簒奪の障害となる円卓を排除するため、彼とギネヴィアの不倫現場を暴いて流布した。
ガウェイン卿
「忌々しい優等生」と呼び、彼とも仲が悪かったらしい。
伝承の通り、最後にはモードレッドが彼を討ち取る。
ベディヴィエール
同じ円卓の騎士。『ちびちゅき!』では彼が一人だけ剣道着でいるオロオロしているのをツッコんでいる。

コハエース

青セイバー
大好きな父上。生前では考えられないような言動に「父上!?」と絶句したり、微笑ましい親子喧嘩を繰り広げたりする。
あと食べ物関係はそっくり。さすが親子。
赤セイバー
コハエースで共演。父の悪口を言っていいのは自分だけ、と仲が悪い。
遠野秋葉
同じくコハエースで共演。「家族に複雑な想いを抱いている」という共通点からか、頬を赤らめながら「やだこの子、いい子じゃない」、と妙に気に入られている。
桜セイバー
大好き。モードレッドにとって理想的母親像に合うのか「母上」とまで呼んで懐いている(ただ、その切欠は父のコンパチだと思ってたら完全別人だったと知って、「じゃあ父上じゃなくて母上か!?」と言った事である)。
戦いについての考え方もよく似ているので、ますます懐き、彼女が剣客なのにも興味津々。
るろうにですか!?」
通りすがりのジャンヌソムリエ
彼に出会った時、モードレッドは「父上に似てるならオレも似てるだろ?」に自信満々で尋ねる。
だがソムリエの評価は、「ハッ」という嘲笑と憐憫が混じった物だけであった。
「このフランス野郎がぁ!」
セイバーオルタ
コハエースに反逆し、黒くなった父上。流石に驚いたようだが、「黒い鎧姿の父上、かっこいいぜ……!」と目を輝かせながら受け入れている。

名台詞

Fate/Apocrypha

「二度と言うな」
「次に女と呼べば、オレは自分を制御できん」
獅子却が彼女の顔を初めて見たときに漏らした、「女、か……?」という呟きへの反応。
父以上に女性扱いされるのが嫌いで、苛烈な性質が伺える。
「……その、何だ。オレのマスターが、奸物に阿るような類の者ではないと分かって安心した。
 少しだぞ? 少しだけ、安心した」
獅子劫がシロウ達への協力を断った際の反応。僅かに躊躇うような口振りで、彼の英断を称え、安堵する。かつて母に裏切られ、父に拒絶された彼女は普段の強気な態度とは裏腹に心に深い傷を負っていて、自分を信じてくれた獅子劫には感謝しており、彼への信頼を強くする。
「……だからと言って、これは無い」
「ねぐらを地下墓地(カタコンベ)にするとか、本気で有り得ねェ……」
獅子劫が工房を地下墓地にした事にげんなり。マスターにとって相性がいい場所だと頭では理解していても、感情的には受け入れられないのは当然だろう。
「馬鹿だな、マスター。要は勝てばいいんだ、勝てば。
 剣の技など戦闘における一つの選択肢に過ぎん。
 勝つためなら、殴るし蹴るし噛みついてもやるさ」
獅子劫に「戦闘中、剣をブン投げたりしてたけど、アレは有りなのか?」と尋ねられて。
極めて実戦的な考え方であり、型に嵌った戦い方をする、父を含む円卓の騎士達とは似ても似つかない。
この考えには獅子劫も同感だが、余りに自分に精神性が似ていたため、思わず目を覆いたくなってしまった。
「どうだ! どうだ、アーサー王よ!
 貴方の国はこれで終わりだ!終わってしまったぞ!
 私が勝とうと貴方が勝とうと――最早、何もかも滅び去った!
 こうなる事は分かっていたはずだ!こうなる事を知っていたはずだ!
 私に王位を譲りさえすれば、こうならなかった事くらい……!
 憎いか!? そんなに私が憎いのか!? モルガンの子であるオレが憎かったのか!?
 答えろ……答えろ、アーサーッ!!」
生前における終焉の地「カムランの丘」で解き放たれた、アーサー王への激情。
愛も憎しみも全霊で込められた訴えをアーサーに叫び続けた。だがそれにアーサーは『無関心』という回答しかしなかった。
そして聖槍の一撃と共に決着はつき、最後の最後まで父の愛を求めた一人の少女の痛烈な願いは誰にも、どこにも刻まれることなく、消えていった。
聖杯大戦に召喚されるまでは……。
“ああ……ああ!
 了解したぞ、マスター。その願い聞き届けた!
 赤のセイバー、モードレッドの名において、必ずや黒のセイバーを打倒する!”
“お前を信じる”。獅子劫からの信頼に対する、全霊の返答。
「ヘッドショットだ、木偶の坊。 楽園エデンは他所で探してろ」
「王冠・叡智の光(ゴーレム・ケテルマルクト)」との戦いの決着。
同じ人造生命でありながら、意志を持たず「救世」という与えられた命令しか行わない『原初の人間』は彼女にとっては許されざる者。
僅かな憐憫を抱きつつも、かつて理想の王を殺めた剣で「造られた救世主」を断罪する。
「ああ、満足だ。マスター
 ――ろうぜ、聖杯」
獅子劫の過去、そして彼の真の願いを聞いて。
暗闇の中で拳を軽く突き合わせ、圧倒的に不利な状況でも、二人は聖杯を求めて最後まで共に戦うことを誓い合う。
「バカかお前。
人間は人間、状況次第で善にも悪にもなる畜生どもだ。
衣食が足りなきゃ礼儀も仁義も消えて失せる、所詮は少しばかり賢しいだけの獣に過ぎん。
オレは他の連中なんぞどうでもいい。
オレだけが卓越した存在であり続けるならば――な」
ジークから「人間が善か悪か」という質問に対しての過激で真っ直ぐな返答。善でもなく、悪でもない。ただ……どちらかに転ぶだけ。そして皆、愚かだ。だから他者はどうでもよく、ただただ自分という存在だけが重要である。善くも悪くも他者のために在ろうとした父のアーサーとは真逆の在り方。
「嫌いだね。
恨みは忘れない癖に、受けた恩は忘れる。
自分の損害になるなら、全てを犠牲にしてでも免れようとする。
面倒でなければ下らぬ善行を施す癖に、面倒であれば巨悪を見逃すことも厭わない。
我欲に駆られて行動し、失敗すれば自分以外の何かが悪いとホザきやがる。
守る価値など銅貨一枚もない。それが人間って連中だ。
どうだ、ガッカリしたか?」
ジークの「人間が嫌いなのか?」という質問に対する返答。黒のライダーからは「悲しい結論」と評されるが、彼女は露ほども揺るがない。
「――オレは、王になるべき存在だ。
王が人間を同類と見なしてどうする。
王が人間たちと共に泣き、笑えば救えるのか?
そうじゃねえだろ。
王とは、そういう存在であってはならないはずだ」
黒のライダーから彼女が叛乱に引き連れた人間たちを「全員蔑んでいるのか?」と問われた際の返答。その在り方こそ父とは真逆であるが、王としての考え方は通ずるものがある。王は孤高にあらず、と言った征服王とは対照的である。

その他

「というかオレの麗しき父上が水着グラビアを飾ってるとか、この国はどうなってるんだぜ!?」
コハエースで対面した父上が「赤ざまぁ」と笑ったり、姫騎士衣裳で出てきたりと生前では考えられないような言動をするようになり、そればかりか女性として素肌を晒していた事への反応。
秋葉曰く、「大体きのこのせい……いや武内のせい」
「おっ、お前。こないだ父上大活躍の『Zero』で見たぞ。父上ボコるとはやるじゃねぇか。
 ……だがオレ以外が父上ボコるのは許さねぇ!!」
ランスロットと再会した際の第一声。自業自得だが、どこか不条理な暴力が筆頭騎士を襲う。
ランスロットはボコられた後、「だからちゃんと教育しろっていったんですよ!?」とアルトリアを非難するが、アルトリアも「とりあえずマーリンのせいってことで……」と見苦しい責任逃れをする。このヘタレ具合には太陽の騎士も「我が王ながら、これはないわー」と失望を隠せなかった。
円卓の騎士はいつも通りである。
モードレッド「オレのお肉だぞ父上!!」
アルトリア「私が育ててたんですよ!!」
忘年会で父上とお肉を奪い合う。本編では考えられない一場面である。
生前もこんなやり取りをしていたら、カムランの落日も訪れなかったであろう事を考えると、少し切なくなる。

メモ

  • 小説版で新規に登場したサーヴァントの一人。
  • 彼女のデザイン・設定は当然、武内氏。
    ジャンヌに並ぶお気に入りキャラで、「モードレッドはいいねえ。型月が生み出した文化の極みだね」とコメントしたとか。
  • ファンからの愛称は「モーちゃん」や「モード」。コハエースでは「モーさん」と呼ばれる
  • 普段強気な彼女でも、獅子劫がねぐらを地下墓地に選んだのにはさすがに抗議している。
    彼が伊達や酔狂で骨の山があるような場所を選んだのではなく、霊脈の相性や防御性を考慮した戦略的な意味があるのは彼女も理解していた。だがそれと心情的な問題は別であり、「何事も諦めが肝心」という魔術師との付き合いを通して与えられた格言に従い、渋々妥協している。
    • 伝承においても、マーリンの進言によって、幼い頃海に流されるなど魔術師のせいで酷い目にあっている。また彼女の母もマーリンの弟子であり、彼に並ぶ魔術師であったことも考えると、彼女の苦労が偲ばれる。
  • アルトリアをあくまでも父と呼ぶ。自分で気づいたのか、モルガンに教えられたのかは不明だが、ギネヴィアとアルトリアが女性同士で結婚して「夫婦ごっこ」をしていた事は看破しており、実はアルトリアが女性である事を知っていたと思われる。それでも「父上」と呼ぶのは、間柄として他に呼びようがないからだと推測されるが、コハエースでは「リリィ」の姿で現れたアルトリアにショックを受けてたりする。
    • ただ「リリィ」の「性別」には言及していなかったので、こちらでも女性である事は知っていたとも解釈できる。女装と受け取られた可能性もあるが。
  • 『Character material』での設定では男性だが、あくまで試作の設定に過ぎず、完成品である小説版では女性になっている。
    元は自分を王に認めさせることしか頭に無い、東出氏曰く「ヤンデレ系」の不気味なキャラクターであった。小説版では反抗期まっさかりで、「父ちゃんなんて大嫌い!」というノリの親しみやすいキャラクターに改善されている。それを象徴しているのが2013年のエイプリルフール企画「路地裏さつき」でのセイバーの回想で、かなりのお転婆娘だったのが伺える(ただし、エイプリルフール企画での話題なので鵜呑みには出来ない)。
    「Apocrypha」でも性別以外の設定をほぼ踏襲しており、ユグドミレニアの戦闘用ホムンクルスに襲撃を受けた際、僅かながら躊躇が見られた。
    • もっとも、そんな尾崎豊マインドで国を滅ぼされたセイバーは堪ったものではなく、上述のエイプリルフール企画でも怒り狂っていた。ただ、コハエースでは「私だって顔合わせづらいんですよ」とそれなりに気まずい模様。
      そしてギャグ抜きの実際の設定はと言えば、「Character material」では「貴公を憎いと思った事は一度も無い。」と反乱時のモードレッドに対して語っており、「Apocrypha」での回想でもモードレッドに対しては憎しみを抱いていなかった。その事がモードレッドをより激怒させる事になったのだが……。
    • コハエースでは大好きな父上と微笑ましい親子喧嘩を繰り広げている。まさかコハエースが誰かを幸せにするとは……。
  • 伝承ではアーサー王がランスロットと戦うためにブリテンを留守にする間、統治の代行を任ぜられた。結果として彼女が反旗を翻した時、殆どの豪族がアーサー王を見限り味方に付いたため、為政者の資質や人望はそれなりにあったのではないかと推察される。
    一方で、騎士としての実力はよく分かっていない。ガウェインを討ち取り、アーサー王に致命傷を与えたとされるが、両者ともランスロットとの戦いで疲弊していた上に、乱戦の最中のため不明瞭な点が多い。
    また指揮官としても微妙で、ギネヴィアに執拗に自分との婚姻を迫るも彼女は当然拒絶して城に立て篭もってしまい、対策を考案している最中にアーサー王に背後から攻められるなど危機意識に欠ける部分がある。
    • Fateでは概ねの流れは同じが、名高い騎士だったということになっていて、彼女はそうあろうと努力し、周囲の認識も実際にそうであったらしい。アルトリアは円卓の騎士達が去っていく中で、変わらず自分に忠誠を誓う彼女を不気味に感じながらも、他に適役がいないために摂政に任ずるしかなく、彼女の謀略に嵌る結果となった。
      人望や器については、兵の戦意を高揚させ「彼女がどこまで行けるのか見てみたい」と熱狂という名の信仰を得る将器は間違いなく天才的だが、彼女自身は「兵など勝利の後に勝手に増えるもの」「自分のために豪族たちを唆しただけ」という認識で、むしろアルトリアを見捨てて自分に擦り寄ってくる恩知らずな者達に怒りすら感じていた。ただ、豪族達からは「あなたは人の心が判る」と評されており、周囲からは感情の赴くままに行動する彼女がアルトリアより人間らしく写ったのは実に皮肉としか言いようが無い。
  • 12世紀頃に書かれた「ブリタニア列王伝」では、ギネヴィアを娶って王位を簒奪したと記されている。また、アーサー王との最後の決戦の地はカムランの丘ではなくコーンウォールのカンブラム川と記されるなど、後年の伝承とは大きく異なる内容となっている。
  • 獅子劫に「お前の運転に耐えられるのは戦車だけ」と評されているが、戦車は耐久性や信頼性の面では優れていても、通常の乗用車より繊細な操縦が要求される車種も多い。獅子劫がそれを知らないはずもないだろうから、あくまで彼女の操縦の荒っぽさへの皮肉だろう。
  • 彼女の騎士としての在り方は、「敵には冷酷に振舞うが、無用な犠牲を出すのを嫌う」「規範や形式に捕らわれない」「気に入らないことがあっても、余程のことがない限り、契約者の意向には忠実に従う」、と円卓の騎士達より、むしろの方に近い。
  • 普段は粗雑な話し方だが、父に対しては常に丁寧な話し方をしていたらしく、全くの礼儀知らずという訳ではない。
  • 『Fate/Zero』の原作最終巻が発売されるまで真名が明かされていなかったバーサーカー (第四次)の予想候補として、ファンの間でランスロットと並んでよく名前が挙がっていた。「セイバー(アーサー王)に恨みのある騎士」といえば、どうしてもこの二択になるためである。
    • そのランスロットとモードレッドは、「ステータスを隠蔽する宝具」「その宝具を無効にする事で解放出来る最終宝具」を共に所有している点で類似している。
    • 「己が栄光のためでなく」に比べ、「不貞隠しの兜」はステータスやクラス別スキルを隠す事が出来ず、変装もできない。その一方、能力の想起を阻害するため、発動している限り推理さえ行えない。真名の隠蔽に特化した宝具と言えるだろう。
  • Fate/EXTRAでも話のネタに名前だけが出る。セイバー (EXTRA・白)の真名候補として「間違った選択肢」に名前があがるのだが、「その名前だったら、もっと大変なことになっていたかもしれない」と言われた。
  • 平行世界のアーサーによれば、彼のいた世界のモードレッドは男性だったらしい。だがそちらのモードレッドは平行世界のアーサー似で、初期企画案のモードレッドとも彼女とも似ていないらしい。
  • 親子だけあって容姿はアルトリアにそっくりだが、頭頂部のアホ毛だけが存在しない。一方で体格(身長、体重、スリーサイズ)は全く同じである。
  • コハエースのコメント枠「Tono地下王国」での彼女の表記、「なんだ女か」の元ネタは、国民的アニメ『機動戦士ガンダム』の直接の続編、『機動戦士Ζガンダム』に登場する。
    ティターンズ(悪役の勢力)士官、ジェリド・メサが主人公カミーユ・ビダンと揉め事を起こした際、カミーユに『女の名前なのに・・・なんだ男か』と発言してしまい、自分の女性的な名前にコンプレックスを持っていた彼に殴打されてしまった事に由来し、モードレッドが「女」呼ばわりされるのを極度に嫌っているのと引っかけたネタである。
    因みにカミーユはかなり沸点が低く、複雑な家庭事情を抱えており、戦闘において獅子奮迅の活躍を見せるなど彼女との相似点は結構多い。更に最終決戦で敵将を討ち取り最高の戦績を上げるが、敵将を討った瞬間、既に破滅していたという嫌な共通点がある……。
    • …んだが、実は続編のラストで回復して彼女とイチャついていたり、新訳された劇場版では破滅する事無く敵将を打ち取って(ついでにその後でやっぱり彼女とイチャついて)いたりと救済が施されていたりする。
  • オリジナルを超えた攻撃力を持つ彼女を作り出したモルガンがどれだけ図抜けた魔術師なのかが良く分かるが、見方を変えればモルガンが彼女の事を「娘」ではなく徹底的に「兵器」としか見ていなかった事も意味する。これが彼女が母に複雑な感情を抱いていた原因と思われる。
    • アルトリアの魔力放出の供給源だった竜の因子が彼女に存在するかは不明。モードレッドの対魔力がBで、セイバー化したジークの振るった「竜殺しの聖剣」でダメージを受けても特に反応がなかったため、現時点で確定事項ではないが、竜の因子が無い可能性が高い。
    • イリヤや黒の陣営のホムンクルスという事例の通り、極めて質の高いホムンクルスの場合は、宝具すら無尽蔵に使用出来る人間の魔術師とは比較にもならない魔力量を誇る。モードレッドが高名な魔女であるモルガンに造られたホムンクルスである以上、生前に魔力放出を好き放題使えていたらしい点に関しては、特に不思議は無い。

各マスターごとのステータス

マスター  筋力  耐久  敏捷  魔力  幸運  宝具  備考
獅子劫  B+ A B B D A

保有スキル:対魔力B、騎乗B、直感:B、魔力放出:A、戦闘続行:B、カリスマ:C-

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