ヘクトール
ランサー | |
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真名 | ヘクトール |
外国語表記 | Hektor |
性別 | 男性 |
身長 | 180cm |
体重 | 82kg |
出典 | トロイア戦争 |
地域 | ギリシャ |
属性 | 秩序・中庸 |
一人称 | 俺/オジサン[注 1] |
二人称 | アンタ/お前さん |
三人称 | 彼/彼女 |
声優 | 安井邦彦 |
デザイン | BLACK |
設定作成 | 東出祐一郎 |
レア度 | ☆3 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
- 略歴
- 『Fate/Grand Order』第三特異点『封鎖終局四海 オケアノス』では西暦1573年の大海原に召喚され、黒髭の客将として振舞っていた。
- だが実際はイアソンのサーヴァントであり、主人公らに敗れた黒髭を襲って聖杯を奪取、更にエウリュアレを拉致して(こちらはすぐに奪還されてしまうが)脱出し、アルゴノーツへ合流。仕える主がイアソンであることを愚痴りつつも、終始主人公らの敵として立ち塞がった。
- 終局特異点『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅢの座を統括する観測所フォルネウスと交戦する。
- 人物
- 無精髭の飄々とした男。
- その英雄然とした来歴に反して終始お気楽なノリとやる気のない言動が散見され真剣味がないと思われがちだが、実際はいつでも本気であり、それが窺えるような台詞は少なからず見られる。
- これは、政治家としての側面が本気であることを隠している事に加え、生前における絶望的な籠城戦を戦い抜き勝利するために鍛えた才覚であり、敵への挑発もまた天才的。エミヤの見立てでは「口ぶりで軽く見せているが、油断すれば鋭く重い槍の一撃を食らってしまう」とヘクトールを分析している。
- 名だたる英雄たちを前にして一歩も退かないわけではなく、二歩も三歩も退いて油断したところで殴りつけてはまた逃げ、遠くにいると思ったら泥をぶつける、と、籠城戦にかけては最強を誇った。
- また分析眼も鋭く、生前では絶命する寸前にアキレウスの肉体の秘密を見抜いて間接的に討ち取る切欠を作った。
- 一方、宝具である自分の愛槍の名前はろくに覚えておらず、本人としては武器は投げて殺せればなんでもいいと思っている節があり、かなりのリアリスト。
- 能力
- トロイア陣営最強の戦士であり、将軍であり、政治家でもある、あらゆる面に秀でた文武両道の秀才。相手を油断させる話術もあってか特に防衛戦に特化しており、ありとあらゆる手練手管を駆使した籠城戦においては最強を誇る。
- サーヴァントとしてのステータスもかなりの高水準でまとまっている。クラス特性の「対魔力」もBと高め。「軍略」C+とそれなりに高く、とりわけ守戦において高い戦術力ボーナスを獲得する。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
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ランサー | 主人公 (Grand Order) | B | B | A | B | B | B | 対魔力:B 騎乗:B |
軍略:C+ 友誼の証明:C 仕切り直し:B |
宝具
- 不毀の極剣(ドゥリンダナ・スパーダ)
- ランク:A
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:1人 - 由来:中世の叙事詩『狂えるオルランド』において彼が使っていたとされる剣、後にローランが振るう聖剣デュランダル。
- ローランの使う絶世の名剣「デュランダル」と同一のもので元々ヘクトールが所有していたが、宝具としてのモノは柄にあった聖遺物は存在しないため、大ダメージを与えるだけの単純な宝具に留まっている。
- 不毀の極槍(ドゥリンダナ・ピルム)
- ランク:A
種別:対軍宝具
レンジ:1~50
最大捕捉:50人 - ヘクトールの投槍(ピルム)は世界のあらゆる物を貫くと讃えられ、『Grand Order』ではヘラクレスとアステリオスを貫通させ、致命傷を負わせる(なお、ヘラクレスは『十二の試練』があるので難なく復活したが)。
- これを防ぐにはアキレウスの「蒼天囲みし小世界」かアイアスの「ロー・アイアス」、あるいはそれらに匹敵する防御宝具を使うしかない。
- ヘクトールは時に剣の柄を伸ばして槍として投擲することを好み、真名開放の際は、投擲の構えに入ると同時に籠手を着けた右腕から噴射炎のようなものが発生し、そこから擲たれて着弾する。
- なお、ランサーに加えてセイバーの適正もあり、どちらに召喚されても常に剣と槍二つの宝具を所有しているが、同時に使用することはできない。
- 「ドゥリンダナ」は「デュランダル」のイタリア語読みで、上記の二つの宝具も真名は「ドゥリンダナ」であり、後半を省略しても起動でき、ゲーム内では投槍を使用している。
- 後に槍としての機能は失われ、代わりに柄に聖遺物を埋め込んだものが、ローランが使う宝具「不毀の極聖」である。
真名:ヘクトール
- ヘクトール。『兜輝くヘクトール』と讃えられたトロイアの王子であり、トロイア戦争においてトロイア防衛の総大将を務めた大英雄。軍略・武勇・政治の全てに秀でた将軍。
- トロイア戦争の発端はヘクトールの弟パリスがアカイアの后へレネーを奪ったことから始まった。
へレネーはメネラーオスが死後エリュシオンに行くために必要な巫女として愛の無い結婚をされ、虐待を受けてしまう。
パリスはこれを救うのは当然の理として、目の前で泣く彼女を見捨てることができず、連れ出したが、それが状況を悪化させる事となった。 - へレネーを返せば、領土の割譲や賠償金、そしてへレネーを奪ったパリスの首級で済んだかも知れない。
だがヘクトールは戦いに挑むことを決めたのだ。彼は大局よりも一人の女を選んだ弟をどうしても嫌いになれなかったのだ。
- 老いた父王に代わりトロイア陣営をまとめ上げ、卓越した籠城戦を展開して神の予測を裏切り、圧倒的な兵力差を誇るアカイア軍を一時は敗走寸前にまで追い込んだが、神に愛された英雄アキレウスの参戦によって徐々に形勢は傾いていく。
- アキレウスを挑発しつつ、逃走と戦いを繰り返すことで持ちこたえていたが、『宙駆ける星の穂先』によって半強制的に一騎打ちを迫られ、「アキレウスを倒せるかもしれない」という誘惑に負けて応じてしまう。
無論、不死性を捨てても白兵戦では超一級の強さを持つアキレウスが相手になった時点で命運尽きたと覚悟し、紙一重でヘクトールは討たれてしまった。
- 死ぬ寸前、ヘクトールはアキレウスの肉体の秘密を見抜き、自身の肉体にメッセージを刻んでパリスに伝え、太陽神の助けを借りてアキレウスの踵を射抜くことに成功。
しかし、ヘクトールの死後、トロイアは加速度的に崩壊する一方であり、遂には「トロイの木馬」によって陥落し、滅亡してしまった。 - 彼がいれば、「トロイの木馬」などに惑わされることもなく、アキレウスが参戦してなければ、もしかするとこの戦争はトロイア側の勝利に終わっていたのかもしれない。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Apocrypha
- 赤のライダーの回想にて登場。
- Fate/Grand Order
- 第三特異点『封鎖終局四海 オケアノス』の解禁に伴い実装。
人間関係
Fate/Grand Order
- イアソン
- 第三特異点におけるマスター。トップとしての評価は「ダメ」である模様。
- 後に終章で追い詰められた際に「英雄らしさ」を発揮した際には、自分の弟を思い起こした模様。
- エドワード・ティーチ
- 第三特異点において一時的に仕えた相手。
- 追いつめられるまで一切裏切る隙を見せなかったと高く評価し、トップとしてもイアソンよりも認めている。
- レオニダス一世
- 防衛戦についてたまに語り合う仲だが、向こうは脳筋すぎてあまり参考にならない。
- ビリー・ザ・キッドの幕間の物語では共闘し、共に前線守備を担当した。
- ペンテシレイア
- 彼女の幕間の物語で共演。同じトロイア戦争で戦ったが、ヘクトールの死後に参戦した為直接の面識は無い。
- 自分が死んで意気消沈していたトロイアを活気づけてくれたことには感謝しているが、アキレウス絡みで暴れる彼女の被害を受けまくっていることには辟易している。
生前
- アキレウス
- 生前における最強の宿敵。互いに二度と戦いたくないと思っている。出張ってきたらすぐ逃げるつもり。
- その割には『Fate/Grand Order』では召喚された彼にわざわざ石をぶつけに来たりと完全に無関心という訳でもないようである。
- パリス
- 弟であるトロイアの王子。彼がスパルタの王女ヘレネーを誘拐し、故郷トロイアに連れ帰ったことがかの大戦争の引き金となった。
- 有名な「パリスの審判」で美の女神アフロディーテの肩を持ったことにより、世界一の美女ヘレネーを手に入れるよう女神に唆されたというのが世に知られた伝説ではあるが、『Fate/Grand Order』作中においては夫であるメネラーオスと愛のない結婚をさせられ虐待まで受けていたヘレネーに同情し、義憤のため連れ出したという解釈がなされている。
- 上記のイアソンとは容貌も性格もまったく異なるが、極限まで追い詰められると英雄性を発揮するところはそっくりだとか。
- 余談だが、パリスという名は赤ん坊の頃に国を滅ぼすという予言のため一度捨てられ、それを拾い育てた羊飼いの養父につけられた名であり、トロイア王子としての本名は女神ヘラの異名でもある「アレクサンドロス」である。
- アイアス
- アカイア勢ではアキレウスに次ぐ英雄。一騎打ちにおいて投槍を彼の盾によって防がれている。結局一騎打ちはゼウスの仲介によって中断され、ヘクトールは友好のために互いの持ち物を交換することを持ちかけた。ヘクトールのスキル・友誼の証明はこの逸話が由来と思われる。
名台詞
- 「いよ! オジサンはランサー、真名をヘクトール。聞いたことある? ない? ま、よろしくな」
- 召喚時の台詞。気楽なノリの挨拶。
- 「標的確認、方位角固定……! 『
不毀の極槍 』! 吹き飛びなぁ!!」 - 宝具使用時の台詞。演出も相まってどことなく近代兵器めいており、ファンからは「ミサイル」などと揶揄されたりもする。
- 「アキレウスゥ?いやぁ~、二度と戦いたくないなぁアイツとは…。ま、向こうもそう思ってるだろうけどさ」
- マイルームでの台詞。生前の最大のライバル、アキレウスについて。
- 前半の口調は本当に嫌そうな調子だが、最後にはいかにもヘクトールらしい、不敵な口調で語る。
- 「マスターはオジサンにとってのトロイアだ。全力で愛し、守ってみせるぜ」
- 絆レベル最大時のマイルーム台詞。主人公もローマになったりトロイアになったり忙しい。
- だが、最期の最期まで祖国の為に死力を尽くして戦った彼から、彼の愛した祖国と同一だと言われることは彼からの最大の賛辞であると言えるだろう。
- 「俺にとってのトロイアは、俺が死ぬまでですよ。」
- 「俺が死んだ後、トロイアが滅んだのは残念ですがね。
- 国ってのは遅かれ早かれ変わるもの、滅びるもの。」
- 「その時までは精一杯愛してやりますが、
- 死んだ後にどう変遷するかまでは面倒見てやれねえ。」
- 「そういうのは、その時代に生きている人間が
- 守るべき、戦うべきもんです。」
- 「一抹の寂しさはありますが、
- いつまでも未練にしがみつく方がタチが悪い。」
- バレンタインイベントにて、トロイアが滅びるきっかけとなったトロイの木馬について聞かれて。
- 祖国の滅亡について思うところがないわけではなさそうだが、なんだかんだで割り切っているらしい。
- 「よりによってこんなあほな作戦に何で引っかかるんだよ
- パリスおめーも死ぬ気で止めろや!!」
- それはそれとして、どう考えても怪しすぎる罠にあっさり引っかかった仲間達に対する魂のツッコミ。
- 敵の策略はともかく、味方の大ポカについてはさすがに完全には割り切れていないらしい。
- 「所詮は仕えるマスターも選べなかった、戦争屋の人殺しさ。
- んじゃあまあ根気比べだ。オジサンも防衛戦にはちょっとばかり自信があってね。」
- 「なんで――総戦力でかかってきな、ガキ。
- 年期の違いを教えてやるよ」
- 第三章の最終決戦。
- カルデア所属の主人公たちに敵対する立場であることを匂わせる台詞のあと、ヘラヘラ笑いながら前半を語り……
- 其処から一転、鋭く真剣な表情と化して後半の台詞を吐く。その気迫は、流石に一国の総大将であり、かつ最強の戦士に恥じないもの。
- ちなみに、此処での戦闘は文字通りの激戦となる。
- NPCの選択肢は5体と多いが、うち4体はランサーに相性不利なアーチャーであるため、
- 必然的に最後の一人のみが候補となる。
- 更にスタンとNP減少を複合でかけてくる「友誼の証明」というスキルを連発してくるため、行動と宝具の発動を妨害され、
- NPゲージが溜まった段階で全体宝具「不毀の極槍」を飛ばしてくるため碌にダメージを与えられないまま壊滅することも。
- その
ウザ強さによって多くのユーザーに印象を与えた。
メモ
- 御存知「アイアスの盾」の逸話に深く関わっている人物であり、アイアスとの一騎討ちにおいてヘクトールの投槍がアイアスの盾の7枚目の皮まで達したが完全に貫くことはできなかった、という逸話が「熾天覆う七つの円環」の性質のそもそもの由来と言える。
- 原典においてこの投槍とドゥリンダナ(デュランダル)は無関係だが、Fate的には同一扱いとしているものと思われる。
- ヘクトールはこの投槍の他にも剣を一振り携えており、その剣は他所の土地に流れた後に様々な聖遺物が収納されて、至高の聖遺物の一振りたるデュランダルとなった、という逸話がある。型月においては、この投槍と剣の役割と存在そのものを集約させた模様。
- ヘクトールはアキレウスの親友パトロクロスを討ったことでアキレウスに恨まれ、死後遺体を戦車で引きずり回されるという辱めを受けた。この不寛容な振る舞いがアポロンの不興を買い、アキレウスは後に謀殺されてしまう。アキレウスに敗北はしたがその死に間接的に関わる形となった。
- デュランダルはギルガメッシュの原典宝具として『stay night』に登場している。こちらは槍ではなく剣であり、おおまかな形状はドゥリンダナの穂先に似ているもののデザインは異なる。
- 一城塞都市に過ぎないトロイアがアカイア(ギリシャ)の有力諸国家連合軍との戦争に突入するという、あからさまに勝ち目の少ない状況で神話に語られるほど戦況が膠着したのは、やはり老齢の父王に代わって指揮を執ったヘクトールの働きによる部分が多いと思われる。
- なお、現代的な感覚からするとそもそもの原因であるヘレネーを返却し、犯人としてパリスの首を差し出せばどうにか政治的に丸く収められそうな印象も受けるのだが、この戦争の真の発端は大神ゼウスが「そろそろ人間増えすぎだから減らしたいし、どうせならパーッと戦争させて楽しみたい」と思い立ち、諍いの女神エリスに命じて紛争の火種を撒かせたことにあるので実はどうにもならない。オリュンポスの神々はギリシャ陣営側とトロイア側に分かれてスポーツ競技のサポーターのごとく勇士たちの戦いを応援し、時には露骨な干渉もしつつ戦争ドラマを堪能した。
- なお、ヘレネー返却がなされなかった理由への合理的な説も存在する。「パリス一行がスパルタからの帰路で寄港したエジプトにおいて、誘拐が発覚したためヘレネーはエジプトに留まらされた。トロイ側は当然スパルタ王メネラオスにこれを伝えたが、彼は終戦後までそれを信じなかった」というもの。
- 本人は「聞いたこと無い?」などと韜晦しているが、ある程度以上の文明圏に属していれば、ほとんどすべての人が一度は彼の姿を見ている。トランプの、ダイヤのジャックが彼である。
脚注
注釈
- ↑ ややふざけているときに
出典