トワイス・H・ピースマン

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トワイス・H・ピースマン
外国語表記 Twice H Pieceman
性別 男性
誕生日 4月30日
血液型 A型
身長 175cm
体重 58kg
好きな物 研究、成長
苦手な物 自滅、停滞
天敵 エルドラゴ、主人公
声優 東地宏樹
イメージカラー 灰色
初登場作品 Fate/EXTRA
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概要

白衣を着た謎の人物。ムーンセルの聖杯戦争において、セイヴァーのマスターであり、聖杯戦争の創作者。
熾天の玉座にて待つモノ。網霊(サイバーゴースト)。

略歴
1970年4月30日、東南アジアでアメリカ人兵士の父と現地人の母の間に生まれる。
父は前線で死に、母も終戦間際に亡くして戦災孤児となる。
5歳の時にウィザードの才能を見込まれ養子となり、ハーウェイのH[出 1]とピースマンの名を与えられる。当時幼く、戸籍も改竄されたことで孤児であったことを忘れる。
大学卒業後は財団のシンクタンクからの誘いを断り、下野する。周囲に反対される中、戦争があれば常に戦火の中に身を投じ、人命救助に尽力した。
サイバネティックス技術を中心に、脳外科、電子工学、ネットの発端にも携わり、アムネジアシンドロームという病気の治療法を発見した。
1999年に極東での災害救助にボランティアで参加し、そこで起きたバイオテロで死亡する。[出 2]
ムーンセルで彼を元にしたNPCが生まれ、イレギュラーで生前の記憶(正確に言えばデータのオリジナルの記憶)を取り戻してマスターとなる。
自意識に目覚めた彼は当時ムーンセルで行われていた生存トライアルにキャスター (EXTRA・青)を召喚し参戦する共にムーンセルに蓄積された人類史を参照し、彼独自の願いを持つようになる。幾度もの戦いの末に聖杯へと至り、生前の彼の願いを叶えようとするも彼はムーンセルにとって「不正なデータ」に過ぎず、ムーンセルに触れようとすれば「不正なデータ」であることが感知されたちまち解体されるため、ムーンセルの中枢に接続する事ができなかった。
熾天の門からの操作では彼の望みは叶えられないため、招いた魔術師の性能を競い合うトライアルでしかなかった生存競争に数々のルールを加え(ただし彼には表層のルール操作しか出来ず、ムーンセルに予め設定されていた『セラフから生きて脱出できるのは一人だけ』という部分は彼には変更不可)、最後まで生き残った一人だけを想像もできぬ領域にまで成長させる聖杯戦争へと作り変えた。
そうして長い間、熾天の門で自分と同じ「戦争によって急激に成長した者」を待ち続け、自分の望みを託そうと試みる。
Fate/EXTRA Last Encore‎‎では、自らの理想の体現者と決裂・勝利したことで「人類の救済は夢物語だった」と結論付け、ムーンセル中枢へとアクセスし不正なNPCとして消去される間際“人類の死を認めよ。この文明の終わりを看取れ”と入力。
その結果、SE.RA.PHの在り方、そしてムーンセルの運営方針が変化。人類は1000年抗いながらも少しずつ確実に滅亡へと進まされていくことになる。
そして熾天の檻には、セイヴァーが残した天輪聖王チャクラ・ヴァルティンとトワイスを名乗った電脳体の残骸―――意識が焼き切れた後、なお人類の在り方に固執し続けた、生きる死者デッドフェイスだけが残された。
人物
戦争を憎み、戦争から多くの功績を残してきた偉人。表向きの評価はそうだが、実際彼は戦争を見るたびに憎悪や焦りに襲われ心臓が活発的に躍動する「病気」に苛まれ、正義感でも義務感でもなくその痛みを和らげる為に戦地へ赴いていた。
自身の戦争に対する常軌を逸した殺意に疑問を抱きつづけるが、死の間際に自分が70年代に起きた民族紛争の戦争孤児であったことを思い出し、疑問への解答として戦争の中で必死に生きようともがく命の強靭さを垣間見たことで「戦争」とそれが生む成果を否定しきれなかったことに思い至る。
そしてNPCとして自我と記憶を取り戻した彼は、停滞した今の世界に絶望する。戦争は欠落をもたらすが、だからこそ欠落以上の成果をもたらすし、もたらさなければならない。然るに今の停滞した世界はどうか?それまでに積み重ねた欠落に見合うほどの成果を得られていないではないか。
そして欠落を埋めるほどの成果を得られないならば、さらなる欠落をもってさらなる成果を生み出さなければならない。そんな偏執的な思考の下、彼は全人類規模の戦争を起こすことで人類を成長させ、現在の世界の停滞を打破しようとしている。
能力
霊子ハッカーとしての適正はあったが、その実力は最弱といえるものだった。しかし死んでもまた再構成されるNPCという立場を利用し、幾度となく戦い、何十という戦いの末に聖杯にまでたどり着いた。
コードキャストはスキルを封印してくる「seal_skill()」と、HPを完全回復させる「recover_()」。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/EXTRA
聖杯戦争の創始者。
Fate/EXTRA CCC
失意に沈む主人公を密かに激励する。また空間の歪みによって、かつての時間軸の彼とキャスターが登場。
Fate/EXTRA Last Encore‎‎
序盤から幻とも現実ともつかない形で岸浪ハクノに接触する謎の人物。
契約しているサーヴァント同様、物語の鍵となる人物の1人と思われるが……

その他

ちびちゅき!
特別編のメガネキャラ会議に登場。いくら保健室にはもうカレンがいるとはいえ、「こんなところでもないと出番が無い」など扱いはあまり良くない。

人間関係

Fate/EXTRA

セイヴァー
サーヴァント。
主人公 (EXTRA)
自らの理想の体現者として、当初から見守り続けていた。聖杯戦争を勝ち抜いた彼(彼女)にその理想を実行させようとするが拒絶される。
キャスター (EXTRA・青)
元サーヴァント。最弱のサーヴァントと称しながらも、彼女の健闘を讃える。
当時のキャスターは楚々とした女性として振る舞っていたが、トワイス本人は薄々本性に気付いていたらしい。
彼なりにキャスターに負い目を感じており、主人公と幸せにしている姿を見て喜んだ。だが彼女の本性には付いて行けなかった。
最終的に仲違いしたが、キャスターとの実践経験は百を超えると語っており、それなりに長期間の契約関係だった模様。

Fate/EXTRA Last Encore

レオナルド・ビスタリオ・ハーウェイ
第七階層に至った彼らと言葉を交わしていた。
人類の歴史の中での一つの到達点と言える彼の結論が「管理」だったことが人類を諦めた理由の一つであるため、あまりよく思っていない。

名台詞

Fate/EXTRA

泥濘ぬかるみの日常は燃え尽きた。
 魔術師による生存競争。
 運命の車輪は回る。
 最も弱きものよ、剣を鍛えよ。
 その命が育んだ、己の価値を示すために。」
第一章、『awakening/progrmized heaven』冒頭の語り。
「目的のない旅。海図を忘れた航海。
 君の漂流の果てにあるのは、迷った末の無残な餓死だ。……だが。
 生に執着し、魚を口にし、星の巡りを覚え、名も知らぬ陸地を目指すのならば、あるいは。
 誰しもは初めは未熟な航海者に過ぎない。
 骨子のない思想では、聖杯には届かない。」
第二章、『arousal/border alliance』冒頭の語り。
「生存の為の搾取。繁栄の為の決断。
 その行為は野蛮ではあるが――否定する事も、またできない。
 ……死の淵でこそ、得るものもあるだろう。」
第三章、『disillusion/coma baby』冒頭の語り。
「死を悼め。失ったものへの追悼は恥ずべきものではない。
 死は不可避であり、争いがそれを助長するのなら、
 死を悼み、戦いを憎み。
 死を認め、戦いを治めるがいい。」
幕間、冒頭の語り。
「力を持つが故に道を踏み外す。
 道を踏み外す為に逸脱した力を願う。
 この矛盾もまた、人間の証である。
 紛争のない世界、調和に満ちた世界でさえ、特例は表れる。
  なんのために。」
第四章、凛ルート『CREATURE/parapsychology home sick』とラニルート『immortal/blue blue howl moon』冒頭の語り。
「避けようのない死、逃げようのない終わり。
 結末を前にしたとき、本質は表れる。
 祈りも救いも不要。戦いは今日、ここで終わる。
 その狭間で――どうか、見せてほしい。
 かつてそうであったように、人間の全てが、
 絶望の中で光を見いだせるのかを。」
第五章、『un born/dead end』冒頭の語り。
「認めよう。殺し合う事は避けられない。
 肉親でさえ、隣人でさえ、競い合う相手なのだと。
 それが人間の本質だ。
 動物を絶命させ、資源を食い荒らし、消費するだけの命。
 しかし、ならば――
 彼らの争いには、何の意味があったのか」。
第六章、『grown-up/last flower』冒頭の語り。
「最も弱きものが、最も強きものに挑む。
 迷いと嘆き、決断と成長に満ちたその道程こそ、人間の証である。
 聖杯は強きものにのみ与えられる。
 最後の二人は、ともに性質の違う強者となった。であれば――
 もう一度君に贈ろう。光あれと。」
「――熾天の玉座にて君を待つ。」
第七章、『Genesis/new hope』冒頭の語り。
「そして閉幕の鐘が鳴る。
 その目覚めは、誰のものか。」
最終章、『birthday』
どの語りも、戦争を肯定するトワイスの想いが込められている。
「やあ。待っていたよ、○○。君が聖杯戦争の勝者だ。
 祝祭の一つでもあげたかったが、あいにく、ここにはそんな機能はなくてね。勝ち抜いた甲斐はないだろうが、私からの拍手だけで勘弁してくれ。
 でもこれだけは言える。私は誰よりも君を認め、君を讃え、君を誇りに思っている。君こそが幾たびも繰り返された聖杯戦争の中で、もっとも素晴らしいマスターなのだと。」
聖杯戦争に勝利した主人公を出迎えた第一声。どこまでも穏やかだが、同時に空虚を感じさせる。
「生死のかかった戦いでこそ、人は精神を成長させうる。人類にとって私は悪である。だが生命とは転輪するもの。
 全を活かす為に、個に救いをもたらす為に、私はこの力を授かった。見るがいい、凡百のサーヴァントよ。ムーンセルがその蔵書から私に与えた救いの姿を……!
 来たれ、救世の英霊!この世でただひとり、生の苦しみより解脱した解答者よ!」
自分の思想を拒否した主人公に対し、戦いによって聖杯戦争を締めくくることを宣言。そして、主人公の前に救世主のサーヴァントが出現する。
「その情熱をここで断ち切る。
 人の業を持ったまま、人の業を愛した暴君よ。君の剣は、ここで折れる」
セイバー決戦時台詞。
「その正義をここで断じる。
 犠牲より生まれた無銘の英霊よ、君の炎はここで何も鍛えることなく、消え去るだろう」
アーチャー決戦時台詞。
「来なさい、最弱のサーヴァントよ。
 彼(彼女)同様、君の健闘もまた、私には誇らしい」
かつてパートナーだったキャスターとの決戦時。「最弱」と貶しながらも、彼なりにキャスターには思い入れがあった模様。
「天輪は時を告げる。あらゆる衆生、あらゆる苦悩は我に還れ。
 大いなる悟りのもと、人類はここにひとつとなる」
宝具解放。一に還る転生。
「戦火の音がする。……懐かしいが、やはり辛いな。何度経験しようと、戦いに敗れるのは。
 だが無念はない。命が転輪するように、戦いもまた転輪する。終わりはない。それを、君が証明した。
 聖杯に接続したまえ。そこで君は、多くを識るだろう。無作為に命を使い、何の目的もないまま繁栄し、路傍の花のように散る我々の未来を――
 その是非を。君の目で、判断してほしい。……私たちは本当に、正しかったのかと、いう事を。」
敗北後、世界の行く末を主人公の判断に託しトワイスは消滅する。

Fate/EXTRA CCC

「諦める? 何を言うんだ。人間は始めから諦めている。
 全能ではないのだから。我々は諦めながらでしか生きられない生物だ。
 そんな事を、まさか、今さら君が?」
「それは諦めではない。結論だ」
「ここに一枚の絵があるとする。私は欠片だ。
 パズルの欠片。絵に開いた穴。いまだ埋められない空白。
 余白わたしがあるうちは、絵は完成しない。
 だから私は欠片であり続けた。完成してしまった絵は、それで終わりだからね。
 無論、人生は完成する事が目的だ。どのような生命も、どのような文明も、いつかは終わる。
 我々はその終わりを目指している。今も、昔も」
「だが、いま君が描くその絵は―――
 完成おわりに足る、美しい紋様アートグラフと言えるのかね?」
欠けた夢を通じて主人公に語りかける。「そこで終わってしまっていいのか」と。
「ああ―――」
「――その言葉こそ、君のすべてだ」
主人公の答えを聞いて。どこか満足気に。
「君には重荷を背負わせ続けた。幸せであるのなら私も嬉しいよ。……うん。嬉しいのだけど―――
 アレはちょっとないな。うん、ない。
 キャスター。君、ああいうのが本性なのかい?」
ムーンセルの悪戯か、過去と未来のキャスターとそのマスターたちが邂逅する。彼なりにキャスターのことを思ってはいるようで、未来のキャスターが幸せそうなのは嬉しいようだ。しかし、さすがにあのはっちゃけっぷりにはついていけない模様。
「確かな事は、君と私は敵同士という事だ。どうやら―――私たちは、決して相容れない者らしい。」
キャスターが二人いるという状況に混乱しつつも、敵と見れば容赦はしない。しかしまだお互いを知らないとはいえ、後に自分の思想を託そうとする者に対して「相容れない」と言い切ってしまっている。確かにその通りになるのだが……
「気にしなくていい。君の性能はその程度だ。性能以上の結果を、私は求めない。
 だからこの敗北は必然だ。」
また敗北してしまったことをトワイスに謝罪するキャスターへの台詞。
相手を責めないトワイスの善性であると同時に、相手を見限ってしまうトワイスの悪性。
とある未来ではコレが人類へと向けられてしまうことになる。

Fate/EXTRA Last Encore

「神は、ムーンセルは、理想の環境を創った。だがそれは、機械の考えた天国だった。見たまえ、これが天国として作られた電子の地獄だ。未熟な子供が道を選ぶ為の施設。繰り返す一日、繰り返す日常、繰り返すカルマ、繰り返す忘却……」
「地上の人々は、少しでもマスターとしての適性があれば、この月に囚われてしまう。そして苦しむ、君と同じ様に」
1話、辺獄にて。マスター適性を持つ者を取り込むムーンセル。それはシステムの変質を意味している。
「この最下層には三つのレイヤーが重なっている。一つは本来の廃墟。一つは共通幻想である学園のテクスチャ。そして一つは、君たち自身が持ち込んだ『原風景』だ。
 故に、誰もが此処で、何かを見出す。此処から視えるのは原風景、君のトラウマだ」
辺獄からハクノが覗いたトラウマの記憶、燃え盛る炎と崩壊した都市。その風景はトワイスも無関係ではないが…
「知りたければ問いただすといい、あの場所に全ての答えがある。
 月の中心、七つの海の底に君臨する熾天の檻、アンジェリカ・ケージ に。
 ―――時間だ。君もまた、間に合わなかった」
ハクノに対し問い掛ける、間に合わなかったとは何を示すのだろうか…
「できない子供に、できるようになれと叱るのは傲慢だろう。
 だから、もう良いと。成長する必要はない。人間は、ここまでだ。」
聖杯戦争優勝者に勝ち続け、最終的に自らの理想の優勝者にすらも勝利してしまったトワイスの願いは腐れ落ちた。
こうして救世を望んでいたはずの男の手によって、人類は着実に破滅へと進んでいくこととなる。
「死者に生者は掴めない―――か。」
天輪聖王が停止された後に、最後の足掻きとして同じ死相であることを利用してハクノを自らの中に取り込もうとするも干渉が一切届かないハクノの姿を見て。
同じ死から生まれながらも「生者」という決して届かぬ存在へと登りつめていたことを理解し、静かに敗北を認める。

メモ

  • 『Fate/EXTRA CCC』で戦えるトワイスのキャスターは非常に強かったので、「何で対魔力も無関係な呪術を使えるこのサーヴァントでそんなに負けまくるんだ」「そりゃお釈迦様に逃避する訳だ」なのと揶揄されることも。彼の超回復コードキャストも厄介ではあったのだが。
    しかし、ここでの戦いは後の彼が作った聖杯戦争のルールに則ってのもので、その強さがこの彼が戦っていたであろうトライアルでどれだけ通用していたかは分からない。
  • ブロッサム先生曰く、トワイスが熾天の座に着いてからは100回以上の聖杯戦争が行われている。そのため聖杯戦争勝者の願いによって人類が繁栄するか自滅するかの選択を100回以上回避していたことになる。
  • 仮にトワイスが聖杯戦争の最終的な勝利者になったとしても、人類は激減こそすれ滅亡はしないだろう。と言われている。正しく行動すれば誰もが生き残れる全人類規模の戦争と言っても「正しく行動できる者」は、やはり一握りのようだ。
  • 若い頃の彼の姿は奈須曰く「黒桐幹也クン系」。因みにワダは指摘される直前まで気付かなかったらしい。[出 3]

話題まとめ

平和男
ラスボスではあるが出番が極端に少なく、影も薄いことからか、一部ファンの間でついたあだ名がピースマンを和訳した『平和男』。
ちなみに、彼の名前のつづりは「Piece」であり、「Peace」ではない。なお、名前の部分は「Twice」であり、和訳すると『二度目の欠片男』である。……キャスター(EXTRA・青)曰く、「正直な話、そんなところで伏線張られてもナー」。[出 4]

脚注

注釈


出典

  1. 「帰ってきたブロッサム先生」第4回『Sound Drama Fate/EXTRA』第4章
  2. 「Fate/EXTRA用語辞典-トワイス・H・ピースマン【人物】」『Fate/EXTRA material』p.901
  3. 『Fate/EXTRA material』p.97
  4. 付録DVD「TYPE-MOON MOVIEエース2nd」『TYPE-MOONエース』VOL.6

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