シロウ・コトミネ

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シロウ・コトミネ

  • 誕生日:不明/血液型:型
  • 身長:169cm/体重:59kg

聖堂教会から派遣されてきた神父で、赤のアサシンのマスター。
聖杯大戦の監督役も兼任する。

略歴
聖杯大戦を監督するという名目で聖遺物の管理・回収を生業とする第八秘蹟会から派遣された神父。自身も赤の陣営のマスターの一人として参加しており、アサシンを召喚している。聖堂教会に所属する神父の養子ということになっているが、それ以外の詳細な出自・経歴は一切不明。
いかなる手段を用いたかは不明だが、獅子劫を除く「赤」の陣営のマスターを傀儡にしており、彼らのサーヴァントを事実上支配化に置いている。また、ルーラーを世界でただ一人の断固として排除すべき障害と見なしており、彼女を排除する為にあらゆる手段を講じている。
大聖杯の奪取後、自らの目的を果たすため空中庭園と共に何処かを目指して移動を開始する。
人物
修道服と赤い外套を身に纏う褐色の青年。
一見するとまだあどけなさの残る面貌の好青年だが、その笑みからは年齢に見合わない超然的で達観した雰囲気を醸し出している。また彼の佇まいには戦場に似つかわしくない謀略の臭いが染み付いており、獅子劫や赤の陣営のサーヴァント達を程度の差はあれ警戒させている。
セイバー以外の、事実上支配下に置いたサーヴァント達には彼らのマスターとの「仲介人」と名乗り、その真意を誰にも打ち明けない不気味な男。
聖杯大戦を利用して「万人が善性であり、万人が幸福である世界。あらゆる悪が駆逐された『この世全ての善』を手に入れる」という己の野望を成就させようとしている。その目的達成の為ならば多くの無辜の命を踏みにじっても、あらゆる必要な要素を躊躇なく奪い、敵対する者は逡巡なく駆逐するという鋼鉄の意思を持ち合わせている。
その正体は「天草四郎時貞」。第三次聖杯戦争にて召喚されたルーラーである。
アンリマユという神に近い存在を制御する自信の無かったアインツベルンは、他のサーヴァントに対する令呪の使用権を持つ「ルーラー」を悪用するため、「中立の審判」としてではなく「参加者」として彼を召喚した。だが不正に召喚された「ルーラー」であるため、その機能は十分ではなく、また彼は「ルーラー」が本来持っていてはならないはずの「聖杯への願い」を持っていた。
第三次聖杯戦争終盤、大聖杯に触れたことで受肉し、監督役であった言峰璃正を利用して偽の身分と大聖杯の行方を探るために聖堂教会での役職を手に入れ、半世紀以上も行動を起こす機会を伺っていた。
能力
謀略家としての手腕は随一。表では大戦の監督官としてバーサーカーの通過する進路上で起こりうる問題の対処に奔走し、その裏ではアサシンが使役する鳩を通じてルーマニア全域の動向を把握しつつ、戦況に応じて的確にサーヴァントを使いこなし、さらに次の段階へ進むための準備も怠らない。
アサシンへの魔力供給は問題なく行える事から、魔術師としても高い特性を持つ事が伺える。
戦闘において、黒鍵と日本刀を武器とする。
黒鍵は一度標的に弾かれても、再度標的に襲い掛かるよう術式が組み込まれており、刀身を伸ばし即席の壁を作り出すことが出来る。
日本刀はかつてとある剣豪が愛用していた品で、キャスターの「エンチャント」によってCランク相当の宝具と化しており、これによって並の技量しか持たずとも他のサーヴァントと互角に撃ち合うことを可能としている。

宝具

右腕・悪逆捕食(ライトハンド・イヴィルイーター)
天草四郎が起こした数多の奇跡を再現する右手。
本来、シロウが持っていなかった力だが、宝具が持つ「奇跡の再現」という形で彼の肉体に顕れている。
戦闘において自身の補助を行う対人宝具であり、シロウが保有する「未来視」などの特殊能力を強化・支援する。
左腕・天恵基盤(レフトハンド・キサナドゥマトリクス)
天草四郎が起こした数多の奇跡を再現する左手。
右腕同様、自身を対象とした対人宝具で、シロウの肉体に対する補強・強化を行う。
この宝具には対象者を「不老」にする効果があり、この効果によって彼は受肉しながらでも半世紀以上の時を耐えることが出来た。
右腕も合わせて、あらゆる場面に使える万能宝具だが、これらだけでは決め手に欠ける二流サーヴァントに過ぎない。だがどちらも詳しい事が未だ分かっておらず、シロウが手に入れようとしている「万人が善性であり、万人が幸福である世界」には、この二つの宝具こそが最大の鍵であるとされている。

登場作品と役柄

Fate/Apocrypha
「赤」陣営のマスター兼大戦の監督役として登場。

人間関係

アサシン
サーヴァント。
キャスター
彼からは「マスター」と呼ばれており、戦闘において常に行動を共にしている。
アーチャーライダー
彼らのマスターを傀儡にして、事実上の支配下に置いている。
ランサー
ルーラーへの刺客として、彼を差し向ける。
ルーラー
計画の最大の障壁として、排除を目論む。
獅子劫界離セイバー
共闘を提案するも、彼らに思惑をあっけなく見抜かれ、拒絶されてしまう。
ジーク
全く予想していなかったイレギュラー。彼が脅威とはならないと頭では理解しているのに、言いようのな苛立ちを感じ始めている。
ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア
かつての敵。最終的に引導を渡す。
ロットウェル・ペルジンスキー、ジーン・ラム、ペンテル兄弟、フィーンド・ヴォル・センベルン
「赤」陣営のマスター達。何らかの手段により傀儡として、彼らのサーヴァント達を支配下に置く。
言峰璃正
第三次聖杯戦争で出会った神父。シロウが生前に辿った経緯から尊敬されている。受肉後、聖杯の追跡を(表向き)諦めたシロウが現世で第二の生を送るための身分と役職、それに私財を与えていた。シロウは彼の養子になるにあたり、「大聖杯の追跡を諦めた訳ではない」事のみを隠したまま璃正に接していた。
義弟
義理の兄弟にあたる人物。大した交流がないらしく、璃正の死後は何かを求めて何処かに去って行ったという。

名台詞

Fate/Apocrypha

「アッシリアの女帝よ。
 一四騎のサーヴァントによって執り行われるこの聖杯大戦。
 私は勝利や敗北とは違う場所を目指します。 協力して頂けますか?」
召喚した際、アサシンへの返答。
従えるにはあまりに危険な毒婦に対し、彼はただその意思を告げる。
「行こう、アサシン。あの悲劇は繰り返さない。
 大聖杯は―――俺たちのものだ」
宝具の起動時の台詞。
少年の頃に抱いた思いを胸に秘め、決意を籠めた眼差しで高く透明な天を見上げる。
「もしも、私の計画が神に背くモノであれば。私はこの戦場で必ずや討ち果たされるでしょう。
 不幸にもサーヴァントと戦って死ぬか、あるいは油断してゴーレムやホムンクルスに殺される。
 ひょっとすると、味方の宝具に巻き込まれるかもしれない。
 もし、そうなら粛々と死を受け入れましょう。神は私を許さなかった。
 それはそれで、致し方のないことです。ですが、もし――
 もし、何もかも上手くいったのであれば。それは神が俺の行いを赦されるということだ。
 全ての人間を慈しみ……そして、癒すために、あの大聖杯を欲するという俺の願いが正しいということ。
 それさえ分かれば、もう迷うことは無い。決して裏切ってはならぬモノまで裏切った甲斐があったというものだ」
アサシンに語った、「自ら死地に赴く」事の理由。
静かだが、他者のは理解できない尋常ならぬ強迫観念に囚われており、迷わぬという意思を固めるための儀式でもあった。
「知れたこと。
 全人類の救済だよ、ジャンヌ・ダルク」
ルーラーと同じく「奇跡」と謳われた少年が告げた自身の願い。その願いは狂気に近い。
「―――かつて、憎んだことはある」
「神も、人も、全てを憎んだことはある。それは認めようライダー。
私はかつて、確かに人間が憎かった。自分を殺されたからでも、仲間を虐殺されたからでもない。
それを歴史の構造システムとして受け入れる人類そのものが憎かった。
強者と弱者があり、互いに喰らい合い、命を浪費することで成長し続けるという人類がただただ憎かった」
「だから、私は捨てたぞライダー。
彼らを憎悪するという心を、人類救済のために切り捨てた。
だから今は憎くなどない。この世界の誰であろうと、必ず救う。必ずだ」
ライダーから自分と自分に付き従った連中を殺した人間が憎くないのかと問われた際の返答。返答次第では即座に槍を使うつもりだったライダーに対し、向かい合い、目線は逸らさない。そこに狂気の片鱗はなく、強者の驕りもない。「奇跡」と謳われ挫折した少年の瞳は、ぞっとするほど、透明だった。言葉の後には、ただ沈黙が広がる。

メモ

  • 胡散臭さでは、シリーズでもトップクラス。
  • 日本人の彼がなぜ褐色の肌に白髪という姿なのかは不明。しかしメタ的には間違いなくあっちのシロウへのミスリードを誘うためだろう。
  • 正体が判明して「シロウってそっちのシロウかよ」と驚愕した読者は少なくない。
    • Fate二次創作界隈では昔からあるIFネタで「もし衛宮士郎が冬木の大火災で衛宮切嗣ではなく言峰綺礼に拾われ養子になっていたら」という所謂「言峰士郎」ネタがそれなりの規模で存在した。並行世界という設定もありこの二次創作ネタの存在も読者から彼の正体を眩ます要因になったかもしれない。
  • 勝負に打って出てからは、聖堂教会から完全に離反しており、自分の野望を叶えるためだけに行動している。
    また魔術協会から派遣したマスター達を傀儡とし、彼らの触媒を奪うという行動は、協会からすればユグドミレニア以上に許されないものである。
    「ユグドミレニアの反乱を抑える力もない協会など最早、恐れる必要もない」と聖堂教会が考えていると見做されかねず、経歴不確かな者を大事な戦いの監督役として送り込んだ事と言い、ただでさえユグドミレニアの離反によって緊迫している状況下でこのような挑発的な行動や不祥事が発生したため、魔術協会と聖堂教会の戦争が始まっても何らおかしくない緊迫した状況となってしまった。
    だが聖杯大戦の行方が先行きの見えない混沌とした状況である上に、聖堂教会に「大きな貸し」を作れると判断したベルフェバンら時計塔上層部によって両者の全面戦争及び積極的介入は避けられることとなった。
    ただでさえ大混乱に陥っているらしい聖堂教会にとっては、踏んだり蹴ったりな話だが。
  • ルーラーとは同じ『キリスト教の信者』であり、『奇跡を起こしたと言われる神童』であり、『同志達のために戦った英雄』でもあった。世界三大聖旗の所有者同士でもある。
    • しかし死後に名誉回復されて聖人となったジャンヌ・ダルクとは異なり、彼は殉教者としてすら扱われていない(島原の乱には豊臣家残党の反乱という面もあったため)。
  • 傀儡とした赤のマスター達に対し、まるで下僕のように振舞っている。彼らの自由意志を完全に奪わずに、そのように振舞っているのは、赤のランサーの真偽感知を誤魔化すためであった。
  • 一応彼が傀儡としたマスター達にもデザインは用意されていたようで、TYPE-MOONエースでの対談で、「皆ばらばらの格好で、伝統派というよりも映画『エクスペンダブルズ』っぽさが漂っている」と評されている。
    • ほとんど登場しない赤のマスター達については、ただでさえ登場人物が通常の聖杯戦争より多いので、マスターの数を減らして彼に一本化したいという東出氏の都合もあるのかもしれない。
  • 冬木の聖杯は、その魔術基盤がアインツベルン由来のものであるため、基本的に「西洋圏由来の英霊」しか喚べないはずである。
    日本由来の英霊である彼が喚ばれるのは本来あり得ないことだが、アインツべルン自らルール違反を行ったことでこの問題は解決した。
    だがアインツベルンとしては聖人モドキの東洋の英霊を使う事など本意ではなかったらしく、本来のルーラーを切望していたという。この「本来のルーラー」という表現から分かるように、この世全ての悪に汚染されていない冬木の聖杯では特殊クラスでも東洋の英霊は召喚されない事がはっきりした。
    ……それにしても、自分たちで呼びつけおいて酷い話である。
    • とはいえ、サーヴァントの選択を誤って三度に渡り失敗したアインツベルンとしては珍しく(と言うか、判明している限り初めての)成功した選択。残念ながらナチス軍の介入によって聖杯戦争が崩壊してしまったものの、シロウが受肉に成功するなど、本来の聖杯戦争自体には勝利している。また、この選択のためApocrypha世界の聖杯は汚染されていないなど、良い事づくめである。
    • 恐らくオンラインゲームとして企画されていた頃の『Apocrypha』の群像劇小説としてのサルベージにおいて、ダビデゲオルギウス武蔵坊弁慶坂田金時の四名を登場させる事が出来なかった遠因。
      というのも「ユダヤ・キリスト教の関係者」で、「日本の英霊」というそれぞれの要素を彼は併せ持つ。
      逆に言うと彼は没にされた四名のエッセンスを組み合わせたのかもしれない。そこに「シロウ」のミスリードと、下記の『魔界転生』リスペクトでシロウ・コトミネは誕生したと見られるか。

話題まとめ

キリシタン弾圧
いわゆる、バテレン追放令などのキリシタン弾圧を初めて行ったのが豊臣秀吉であり、その政策は徳川家康に引き継がれることになる。秀吉や家康がキリシタン弾圧を推し進めたのは、織田信長の元で一向一揆の脅威に晒された事がその根底にある。『宗教』のもと団結した民衆の恐ろしさ、西欧諸国による海外の植民地政策(商人(交流)→宣教師(調査)→軍隊(侵略))を知っていた2人は、政権を握ると信長が段階的に行ってきた政教分離政策を更に加速させていく事となる。
しかし、イエズス会によって日本にもたらされたキリスト教はこの政策に中々従おうとせず(当時の欧州ではバチカンの法王の権威は、各国の国王より上位だった)、しかもキリスト教に帰依した大名達も秀吉に反発する有様であった。
秀吉は、この原因はキリスト教にあると判断し、バテレン追放令に代表されるキリシタン弾圧を開始する。一方、日本にいた宣教師達はこの事件に驚愕し、当時、欧州最強国であったイスパニアの国王フェリペ2世に無敵艦隊の出動を手紙で要請した程である。
もっとも、その内容といえば「5万の兵力もあれば九州ぐらいは簡単に制圧できる」というご都合主義満載の代物(秀吉がバテレン追放令を出した当時、肝心の無敵艦隊はフランシス・ドレイクにフルボッコにされた後だった上に、九州には朝鮮出兵の為に30万を超える兵力が集結しており、5万程度の兵力では瞬殺されるのがオチである)であり、宣教師達がいかに国王というものを軽視していたかが伺える。
弾圧の内容は過酷を極めたものだったが、この政策が結果として日本の植民地化を防ぐ事となる。
  • 近年の史料では、フェリペ2世は本気で無敵艦隊の派遣を検討していたらしい事が判明している。もっとも実現していた場合、5万人の輸送コストだけで国家財政が破綻しただろう(現在でも5万人の人間を船舶のみで輸送するには、莫大な費用が掛かる)。
島原の乱
三代将軍・徳川家光の治世の時に発生した、大阪の陣以降では初の大規模騒乱。一般には天草・島原藩によるキリシタン弾圧に反発した人々の騒乱という認識が広まっているが、実際は過重な年貢の取りたてが根本原因であり、キリシタンの反攻は2の次だった。
当時、島原藩を統治していた松倉勝家の治世は残虐を極め、多くの農民が暴政に苦しんでいた。
『黒田長興一世之記』という記録によれば、1637年10月、年貢が支払えない庄屋の身重の妻が役人に捕らわれ、裸で水牢に入れられた。庄屋では年貢の支払いに知恵を絞るも払えるものはもう何もなく、6日後、妻は出産した子供と共に命を落とした。
こういった暴虐に耐えかねた人々は同年10月25日に代官を殺害して蜂起、これが島原の乱の始まりである。
一揆軍は当初こそ優勢であったものの、九州諸藩の討伐軍が島原に進軍してくるに従って追い詰められていき、島原半島南部にあった原城に立て篭もる。その数は3万7千人にも及び、更に各地から奪った鉄砲などで武装するなど原城の防備を固めた。
幕府はまず九州諸藩の討伐軍のみで対処しよとするも、総大将に任じられた板倉重昌に討伐軍を統率するだけの力量が無く、攻撃は全て失敗。遂には重昌が戦死する事態となってしまう(実際は後述の援軍派遣決定を受けた焦りから自ら突撃するも戦死)。驚愕した幕府は「知恵伊豆」と呼ばれた老中・松平信綱を総大将として派遣。援軍を得た討伐軍は12万を数えたという。
信綱は無理な攻城は行わず、情報収集や矢文で投降を呼びかけるなどの心理戦を展開。更に一揆軍の食料が残り少ないと見て取ると、兵糧攻めにして一揆軍の弱体化を計った。篭城戦が始まった3ヵ月後の1638年2月27日、遂に総攻撃を開始、兵糧攻めで武器・食料を失っていた一揆軍は総崩れとなり、乱は鎮圧された。
なお、立て篭もった3万7千人全員が討ち取られたとされているが、最近の史料では1万人ほどが投降・脱出するなどして命を失わなかったと言われている。
乱の鎮圧後、松倉勝家は暴政によって騒乱を招いた責任を問われて改易された上に江戸に罪人として送られ、1638年8月、斬首刑となった。大名が切腹ではなく斬首となったのは後にも先にもこの時だけであり、さすがの幕府も勝家の暴政を重罪と見なした事が伺える。
魔界転生
ご存知、山田風太郎の伝奇アクション小説であり、Fateシリーズの原点ともなった作品である。発表当初は「おぼろ忍法帖」というタイトルだったが、1981年の映画化の際に現在のタイトルに変更された。「氷室の天地」で語られているように原作では森宗意軒が黒幕となっているが、81年の映画化以降に製作された作品群では、天草四郎が魔界衆の頭目となっている。
映画で天草四郎が頭目となった理由は単純で、原作のままでは2時間という尺に収まらないので森(と由比正雪)の役割を四郎に集約させたのである。また、原作にはない細川ガラシャを魔界衆に加えたのは「お色気が足りない」との監督の深作欣ニの意向で、山田も「ガラシャは思いつかなかった」と深作のアイデアに驚いたという。
81年の映画では天草四郎を沢田研二、対する柳生十兵衛は千葉真一が演じ、観客動員数200万人を超える大ヒット作となった。なお、封切り日は当初は6月13日にする予定だったが1週早めて6月6日6時に封切りし、「666のオーメン」と称されて公開された。
クライマックスの江戸城大炎上の中での殺陣はCGや特撮ではなく本物の炎の海の中で演じるという危険極まりないもので、出演者は文字通り命がけで撮影に望んだ。
この映画での天草四郎の人物像は非常に強烈なもので、特にラストシーンで十兵衛に斬り飛ばされた生首を小脇に抱えて哄笑するシーンは、沢田研二のイケメン顔と相まって大変印象深いシーンとなっている。
  • ちなみに、映画版で森宋意軒がラスボスにならなかった最大の理由は、原作では暴走した宮本武蔵に斬り殺されるというあっけない最期を遂げた事が原因であろう。
  • また、本作には上述した柳生十兵衛、宮本武蔵のように、多くの剣豪が登場する。それを鑑みるに、キャスターに強化された「とある剣豪が使っていた日本刀」は、この「魔界転生」に登場した剣豪の刀ではないかと推測される。

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