ニコラ・テスラ

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アーチャー

  • 真名:ニコラ・テスラ
  • 身長:190cm / 体重:80kg
  • 出典:史実
  • 地域:欧州
  • 属性:混沌・善
  • 性別:男性
  • CV:稲田徹 / イラスト:なまにくATK

Fate/Grand Order』に登場するアーチャーサーヴァント

略歴
十九世紀〜二十世紀にかけて活躍した比類なき天才発明家であり、かつて神の領分であった「雷霆」を人類文明に引き寄せた偉大な碩学の一人。
作家マーク・トウェインは彼を指して「雷電博士」と呼んだほど。
人物
自分を「天才」と公言して憚らない、非常に尊大な性格。
自身を雷電に準え、ゼウス・トール・ペルクナス等の雷神さえ凌駕すると言い放つほどの傲岸不遜さである。
その一方で良き師・紳士たろうとしており、未来へと目を向けるものを導こうと心がけている。
能力
腕に装着したコイルから電磁気を発生させ、周囲を攻撃する。
宝具と「星の開拓者」としての性質が相まって、天属性と地属性の相手(端的に言うなら、一部例外を除いた「歴史上の人物」以外の、神話・伝承に由来する存在)に対して特に高い攻撃力を持つ。
シナリオ上では自身の雷電によって魔霧を活性化させ、宝具級の一撃を持っても容易には突破できない上、常人なら即死、サーヴァントであっても魔力を奪われて行動不能になる領域を展開するという大技も見せた。
また、スキル「ガルバニズム」を高ランクで持ち、アーチャーとしてスキル「単独行動」を持つことから、かなり燃費が良いと思われる。

キャプテン☆ニコラ

『Fate/Grand Order』のイベント「セイバーウォーズ」のフリークエストに登場するニコラ・テスラ。
サーヴァントたちがサーヴァントらしく活躍する宇宙的な世界観、未来のサーヴァント界、ユニヴァース界からやってきたサーヴァント。
ユニヴァース界では暗黒触師サニティ・ジルがライバルとなっているらしい。
なお、イベントシナリオに現れた(サーヴァント界ではない方の)テスラとしては呼ばれるなら「ドクター・ライトニング」の方が良かった模様。

発明家な上、雷電に拘りがある彼としてはむべなるかな。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アーチャー 主人公 (Grand Order) D C C B D EX 対魔力:C
単独行動:B
ガルバニズム:A
天賦の叡智:A
星の開拓者:EX

宝具

人類神話・雷電降臨(システム・ケラウノス)
ランク:EX
種別:対城宝具
「電気を人類に対してもたらす」という生前の偉業と、数々の超自然的な伝説が昇華された宝具。
真名解放前の時点でも極めて強力な電磁気操作能力を持ち、解放時には限定的な時空断層を発生されるレベルまで出力が上昇する。
『Grand Order』では、強力な雷電で敵全体を薙ぎ払う。低確率でスタンを付与し、「天」か「地」の属性を持つ敵に対してはダメージが増加されるが、自身もダメージを負ってしまう。

真名:ニコラ・テスラ

登場作品と役柄

Fate/Grand Order
アーチャーのサーヴァントとして登場。レア度はSSR(☆5)。イラストレーターはなまにくATK。

人間関係

Fate/Grand Order

坂田金時
第四章にて敵対した相手。
自身と同じ「人の英霊」であり、「Mr.ゴールデン」と大絶賛した。
玉藻の前
第四章にて敵対した相手。
彼が不要と断じる「天の英霊」であることは見ぬいたものの、麗しきレディだということで礼を尽くした対応を取る。
彼女からはその魂を「素敵なイケ魂」と評されたが、狂化スキルに似た効果が付与されている状態であったためその心は「イケてない」とされた。
チャールズ・バベッジ
イベント「セイバーウォーズ」にて上記の金時と連れ立って登場。偉大な科学者同士として敬意を持って接しており「貴方ともあろう方」と呼ぶ場面がある。

生前

トーマス・アルバ・エジソン
元上司であり、発明家としてのライバル。
史実での人間関係は最悪の一言であるが、こちらでも似たようなものらしく、「悪鬼」とまで罵倒する。

その他

ベンジャミン・フランクリン
多くの発明を成した碩学にして政治家。避雷針の開発者。
誰に対しても傲岸不遜なニコラが「雷電の神」と呼んで尊敬する人物。
グラハム・ベル
電話の発明者。『Fate/Grand Order』のイベント『セイバーウォーズ』では彼に手伝ってもらい、10km先から主人公達の会話を傍受していたとか。
彼もエジソンと確執があり、その縁で協力しているのであろうか。

名台詞

「私はニコラ・テスラ、天才だ!」
召喚時。第一声からこの調子である。
「ゼウス、インドラ、トール、ペルクナス、サンダーバード。古くより、人は雷電を畏敬した」
マイルーム会話の一つ。数多の神話で語られる雷電神たちの名を口にする。
「我が雷電を阻むことは出来ない。あの男、悪鬼エジソンを除いては」
絆Lv5のマイルーム会話。
比類無き天才、雷電博士の歩みを止めるものは存在しない。ただ一人の男を除いて。
「神の雷霆は此処にある……さぁ、御覧に入れよう!『人類神話・雷電降臨システム・ケラウノス』!」
宝具発動。円環を成す雷電が巡り、新たなる人類の神話がゼウスの雷霆の如く時空間を引き裂く。
「曰く、これが魔霧の活性というものだ。サーヴァントの魔力さえ際限なく吸い込もう!
 無論、私は例外だ! 接近すれば、活性魔霧は君たちの魔力をも吸収する!
 霊核ごと取り込まれることも有り得るだろうが、さて、それでも近づくかね?
 私を倒そうとするなら、まずはこの活性魔霧を完全に排除するしかなかろうなァーーーー」
第四章にて、雷電で魔霧を活性化させ、サーヴァントさえまともに行動できない領域を作り出しておいての講釈。
「一度試してみたかった」らしいが、その理論は正しかったようでご満悦。そして能力の概要から対処方法まで懇切丁寧に教えてくれる。
自身の意志とは裏腹に人理を滅ぼすべく暴走するのを止めて欲しがっているのか、単なる自己顕示欲故か。何となく、両方のような気もするが。
「さあ来たれ! 私は是より天へと進まん! 運命の上空集積地帯へと至るがための足場を此処へ!
 呼び声に応じて此処に参じた大雷電階段!ペルクナス・ラダー 今許そう、私を何処へとでも運ぶがいい!
 ははははははははははははは! ははは!! もはや、私を止める者は何処にも現れはしないか!」
同上。倫敦に止めを刺すべく、バッキンガム宮殿上空へと自身を至らせる紫苑の大階段を築き上げ、喝采を浴びるかのように登りながら。
彼自身の能力を考えると、電磁力で飛んでいくことも余裕で可能と思われるため、最後のどこか期待するような言動も相まって追いかけてきてほしいようにしか見えない。
上記の言動のように、ド派手な演出は自己顕示欲の表れという見方も十分すぎるほどに成り立ってしまうのではあるが。
「ーーー成る程、雷神の子と言うだけはある!」
「活性魔霧の中でよくやる! 通常のサーヴァントであれば霊核を呑まれていよう!」
「流石は我が雷電の魔霧に招かれし人の英霊、人の希望を背負って立つか! だが、はは、ははは!」
「その霊核ーーー既に、些か亀裂が走っているようだな!」
「最早長くは保つまい! これよりは、我が雷電に灼かれて砕け散るのみ!」
第四章にて、サーヴァントですら触れることすら出来ない活性魔霧の中で戦う金時に対する賞賛の言葉。
「来たかーーーやはり君たちは新たな神話を築かんとするか!」
第四章での台詞。
「んん。実に美しい……。その笑顔、まるで太陽のような輝きで私の心を灼く!」
「フォクシィ・レディ! 貴女ならば我が神話に寄り添えるかも知れない!」
第四章で玉藻の前に対して言った台詞。自らの嫌う天の英霊であるにも関わらず求婚する。
「なによりアレは電気を必要としていない! そのようなテクノロジーなどあってはならない!
 そもそもノー・リスク、ノー・公害、ノー・テスラの夢のエネルギーだとぅ……?
 そこはニコラコイルと名付けたまえ! アルトリウムとか巫山戯ているのかぁああ!!!!」
『セイバーウォーズ』にてドゥ・スタリオンⅡ号やアルトリウムを評して。
本人はいたって真面目なのだが「激怒するのはそこなのか」「あやつも残念な天才」と呟いたネロの表情は沈鬱なものだった。
「キャプテンかぁ……」
『セイバーウォーズ』にて謎のヒロインXからサーヴァント界における自分に類する存在の呼称を聞き出しての一言。
常に尊大な彼らしくないぼやきである。キャプテンよりはドクターと呼ばれたいらしい。

メモ

  • これまでも弓を持っていなかったり、弓よりも接近戦が主体となるアーチャーは多かったが、「矢も実体のある物も何も飛ばさないアーチャー」というのは前代未聞である。
    • 一応、プロフィールでは「雷神の降臨を思わせる宝具の存在が彼をアーチャーたらしめている」とフォローされているが、「インドラの矢」というつもりなのであろうか。むしろやっていることは魔術じみた科学であり、キャスターのほうがしっくり来るような。
      • ただ芸術家系サーヴァント達がどういう理屈であれ魔術を行使している事、同じ科学者系サーヴァントであるバベッジも固有結界という形で魔術を扱っている事を考えると、如何に魔術じみていようが魔術を使っている訳ではないテスラはキャスターには当てはまらないという事なのかも知れない。
  • 神々の領域とされてきた雷電を地上に降ろした英霊ゆえに、雷電神の名を口にすることが多い。以下は作中で話された神々の簡単な説明。
    ゼウス:ギリシャ神話の主神。雷霆(ケラウノス)は彼の持つ武器の名前である。
    インドラ:ヒンドゥー教の軍神にして、デーヴァ神族に属する雷を操る雷霆神。アルジュナの父でもある。
    トール:北欧神話の軍神。彼の持つ巨槌ミョルニルはあらゆるものを文字通り打ち砕く。
    ペルクナス:リトアニア神話の雷神。最高神ディエヴァスに次ぐ主要な神。
    サンダーバード:北米のインディアン部族の間に伝わる神鳥。雷の精霊とされる。
  • 歴代サーヴァントで3つ目となる「対城宝具」の担い手。呂布奉先の「軍神五兵」の種別は正確には「対人・対軍・対城宝具」のため、純粋な対城宝具としてはアルトリア・ペンドラゴンの「約束された勝利の剣」以来2つ目となる。
    • さらに言えば、「EXランク」の対城宝具はテスラが初である。他サーヴァントと比較せずとも、20世紀という近代を生きた人物が得た宝具として見ても規格外のランクを持つ。ただし人類文明に電気という「光」を授けた彼の偉業や、雷電という神秘を昇華した宝具ということを考えれば、EXランクという破格の評価もあながち不思議でもないだろう。
    • そのランクと種別に違わず、極めて高い出力を誇る宝具。最大出力時には限定的な時空断層の発生という、ギルガメッシュの「天地乖離す開闢の星」と同規模の現象を起こしうる。奇しくも両者は同じ弓兵クラスのEXランク宝具持ちという共通点がある。
  • 1856年生~1943年没と満86歳まで生きており、李書文を抜いて最も近代まで活躍した英霊である。
    • このため、本人と断定できる写真が残された唯一の英霊。長身でハンサムと言える外見だが、流石に型月の彼ほどガタイがよくはない。
    • 実在のニコラ・テスラも190cmを超えるほど長身だったようで、身長に関しては忠実に設定されている。
  • 聖杯にかける願いは、「生前に提唱していた『世界システム』の完成」。一言でいうと、「電磁波で無線送電するシステム」である。もしも実現されるなら、「家庭からコンセントがなくなり電子機器に直接送電できるようになる」「宇宙空間で大量発電して地表にエネルギーを送る」など、それこそ神の雷霆を地上に降ろした時以来のブレイクスルーになることであろう。
    • なお、この「完成」の方法についてだが、理論に存在する欠陥を聖杯で埋めるつもりなのか、聖杯で受肉して自力で研究を完成させるつもりなのかは不明である。
  • 竹箒日記ではダ・ヴィンチちゃんから「巨乳好き」だと言われており、「SABER WARS」では謎のヒロインXに対して体系的には魅力的ではないレディと評している。

話題まとめ

直流・交流論争
上記のように彼とエジソンの関係性は最悪であるが、その端的な例が「電気は直流・交流のどちらが良いか」という論争である。
テスラは交流を支持し、エジソンは直流を支持していたが、交流のほうが電圧を変更しやすいために長距離送電に適しており、交流から直流への変更も容易であるという利点もあった。
エジソンとしては直流のほうが白熱電球(エジソンの発明品で特許料の源泉)に向いていたために交流の存在を認可するわけにはいかず、悪質な嫌がらせを続けたとされる。
一例として、電気椅子の動力に交流の使用を提案し、それを論拠に「交流は危険である」というネガティブキャンペーンを行った(勿論、直流交流どちらでも人間は感電するのだが、当時は専門の人以外分からなかったのだろう)。この際、ウェスチングハウスの名を「交流電気で処刑する」という動詞として普及させようとしていたが、流石に定着しなかった。同じようなことをしたのならば、「悪鬼」と呼びたくもなるであろう。
1893年、ナイアガラ瀑布の発電設備にニコラの二相交流システムの採用が決定。これを切っ掛けにアメリカ合衆国、延いては世界の送電システムは交流が主流になった。
偉大なる偏屈科学者
交流を発明した偉大なる科学者ニコラ・テスラ。
8ヶ国語に精通し、詩学・音楽・哲学にも深い造詣を持つ稀代の天才は、同時に大変な偏屈家でもあった。
幼少期から幻覚や球体恐怖症(球型でスベスベしたものに対する強烈な嫌悪感)などの強迫観念に悩まされ、成人後には異常な潔癖症、人間嫌いなど偏屈ぶりを強めていく。
また周囲に対する奇怪な言動も多く、それゆえ理解者に恵まれずに孤立しがちでもあった。彼は「殺人光線」「地球を真っ二つにする装置」などのオカルト的、マッドサイエンティストな研究も行っており、それが結果として彼の風評を歪ませ、正当な評価を難しくさせているのも事実である。
長身かつ端正な顔立ちで色恋話もあったが、その気難しさゆえか上手くいかず、生涯独身を貫いた。
1943年、ニューヨークのホテルの一室で孤独な死を迎えた。テスラの残した数トンにも及ぶ設計図・試作品はFBIと軍が没収したとされる。
とある愛の話
晩年には人付き合いもさらに減り、公園で鳩たちと交流することがテスラにとって惟一の楽しみであったという。彼は何年間も鳩たちに餌をやり、時には傷ついた鳩を連れ帰って世話をすることもあった。
その中でも一羽、純白の美しい雌の鳩を深く愛していたという話を、彼自身が言い残している。
「その鳩は他とは違う、特別な鳩だよ。私は彼女がどこにいても見つけられたし、彼女も私をすぐに見つけて飛んできてくれる。
 私はその鳩を愛していた。男性が女性を愛するようだ。私は彼女を愛していたし、彼女も私を愛してくれたんだ」
テスラが没する一年前に、その鳩は亡くなった。死の直前にその鳩は彼のところを訪れ、お別れを伝えに来たという。その鳩の目は、彼が今まで経験したことが無いほどの強い「光」を放っていたと、テスラは語っている。

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