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史実において帝政ローマを衰退させたとして語り継がれ、それは紛れもない事実だが、その芯にあったのは改革であった。私利私欲によって腐敗しきり、特権化していた元老院と真っ向から対立。元老院属州と皇帝属州を統合し、国庫を一本化する改革を進める。<br />敵は元老院だけではなく、実母アグリッピナもまた彼女を悩ませる。アグリッピナにとって彼女は「自分を『皇帝の母』にするだけの舞台装置」であり、次々と国政に私欲の口を出してくる始末。<br />遂に彼女は母の暗殺を決意。しかし暗殺はことごとく失敗し、とうとう公衆の面前で母を切り捨てるしか道はなくなった。<br />
 
史実において帝政ローマを衰退させたとして語り継がれ、それは紛れもない事実だが、その芯にあったのは改革であった。私利私欲によって腐敗しきり、特権化していた元老院と真っ向から対立。元老院属州と皇帝属州を統合し、国庫を一本化する改革を進める。<br />敵は元老院だけではなく、実母アグリッピナもまた彼女を悩ませる。アグリッピナにとって彼女は「自分を『皇帝の母』にするだけの舞台装置」であり、次々と国政に私欲の口を出してくる始末。<br />遂に彼女は母の暗殺を決意。しかし暗殺はことごとく失敗し、とうとう公衆の面前で母を切り捨てるしか道はなくなった。<br />
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「——この者は余に毒を盛った。母であれ、皇帝に反する者は死罪である」<br />
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「――この者は余に毒を盛った。母であれ、皇帝に反する者は死罪である」<br />
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母の死により、彼女は頭痛に悩まされるようになる。母から逆らえぬよう、幼い頃から毒と解毒剤を同時に盛られていた彼女は、母と共に、その解毒剤をも失ったのである。<br />母によって強制的に婚姻させられた妻、オクタヴィアの自殺。<br />自身の権力を強固にする為の義弟の殺害。そして師であり、心から頼りにしていた哲学者セネカの自刃。彼女はセネカを許すと言ったが、市民たちに絶大な人気を誇った皇帝は、同時に、親族たちにとっては死と恐怖をまき散らす悪魔でしかなく、セネカはそれを信じられなかったのだ。<br />西暦69年に起きた反乱で皇帝の座を追われ、その最後は自決であった。<br />だが、その様は潔いものではなかったらしく、「この世から何と素晴らしい芸術家が消えることか」と泣きこぼしては、幾度も喉を突こうとする短剣の手を止めたという。<br />皇帝の座を追われた時、彼女は楽観してもいた。市民たちが、最後の最後では退位を許すことはないだろう、と。<br />だが、何もなかった。彼らからは、何もなかったのだ。<br />彼女は偽りなく市民を愛した。だがその愛は我が儘——何もかも与える代わりに、何もかも奪わねば気が済まない、炎のようなものだった。全てを捧げ、費やし、燃え尽きる愛。繁栄しながらも永遠を望まない、激しい情熱のかたち。<br />それは、市民が望んでいた愛ではなかった。彼女と人々では愛のカタチが違ったのだ。<br />彼女も気づいてはいた。でも、どうしても、理解できなかった。彼女には、彼らの言う愛が、どうしても。<br />愛を共有できなかった。つまるところ、それはただひとりの孤独。<br />……愛し、愛される歓び。誰よりも人間を愛しておきながら、そんな簡単な歓びを、ついぞ、彼女は知る事はなかった。
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母の死により、彼女は頭痛に悩まされるようになる。母から逆らえぬよう、幼い頃から毒と解毒剤を同時に盛られていた彼女は、母と共に、その解毒剤をも失ったのである。<br />母によって強制的に婚姻させられた妻、オクタヴィアの自殺。<br />自身の権力を強固にする為の義弟の殺害。そして師であり、心から頼りにしていた哲学者セネカの自刃。彼女はセネカを許すと言ったが、市民たちに絶大な人気を誇った皇帝は、同時に、親族たちにとっては死と恐怖をまき散らす悪魔でしかなく、セネカはそれを信じられなかったのだ。<br />西暦69年に起きた反乱で皇帝の座を追われ、その最後は自決であった。<br />だが、その様は潔いものではなかったらしく、「この世から何と素晴らしい芸術家が消えることか」と泣きこぼしては、幾度も喉を突こうとする短剣の手を止めたという。<br />皇帝の座を追われた時、彼女は楽観してもいた。市民たちが、最後の最後では退位を許すことはないだろう、と。<br />だが、何もなかった。彼らからは、何もなかったのだ。<br />彼女は偽りなく市民を愛した。だがその愛は我が儘――何もかも与える代わりに、何もかも奪わねば気が済まない、炎のようなものだった。全てを捧げ、費やし、燃え尽きる愛。繁栄しながらも永遠を望まない、激しい情熱のかたち。<br />それは、市民が望んでいた愛ではなかった。彼女と人々では愛のカタチが違ったのだ。<br />彼女も気づいてはいた。でも、どうしても、理解できなかった。彼女には、彼らの言う愛が、どうしても。<br />愛を共有できなかった。つまるところ、それはただひとりの孤独。<br />……愛し、愛される歓び。誰よりも人間を愛しておきながら、そんな簡単な歓びを、ついぞ、彼女は知る事はなかった。
    
=== 関連 ===
 
=== 関連 ===
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== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
;「如何も何も、これ以上に的確な<RUBY><RB>冠</RB><RT>な</RT></RUBY>はない。余が望まずとも、余は余なのだ。一個人としての名乗りなど余には許されぬ。<br /> そなたも両親に名付けられた<RUBY><RB>命</RB><RT>な</RT></RUBY>があろう。それを偽ることは、そなただけでなく、そなたの両親の願いまで汚すことになる。<br /> 余が<RUBY><RB>個人</RB><RT>おのれ</RT></RUBY>を語れたのは、幼少期までの話だ。<br /> ……ふん。仮に、一個人を名乗れる時があるとしても、それは余の半生の敗北を意味する。<br /> 余が捧げた全てを捨てさせるほどのモノ。そんなものと出会えたなら—— その時こそ、この身は人に戻るのだ」
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;「如何も何も、これ以上に的確な<RUBY><RB>冠</RB><RT>な</RT></RUBY>はない。余が望まずとも、余は余なのだ。一個人としての名乗りなど余には許されぬ。<br /> そなたも両親に名付けられた<RUBY><RB>命</RB><RT>な</RT></RUBY>があろう。それを偽ることは、そなただけでなく、そなたの両親の願いまで汚すことになる。<br /> 余が<RUBY><RB>個人</RB><RT>おのれ</RT></RUBY>を語れたのは、幼少期までの話だ。<br /> ……ふん。仮に、一個人を名乗れる時があるとしても、それは余の半生の敗北を意味する。<br /> 余が捧げた全てを捨てさせるほどのモノ。そんなものと出会えたなら――<br /> その時こそ、この身は人に戻るのだ」
:一人称が「余」なのはいかがなものか? という問いに対しての回答。赤い暴君が自身を「余」ではなく「私」と呼ぶ時がきたら、それは——
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:一人称が「余」なのはいかがなものか? という問いに対しての回答。赤い暴君が自身を「余」ではなく「私」と呼ぶ時がきたら、それは――
    
;「余は、優しい者は好きだ。その涙は美しくはないが、胸を打つ。<br /> ……そうだな。うまく言えないのだが、今回の戦いで余はそなたが少し好きになった感じだ」<br />「それでよい。よいか、より強い願いが生き残るのではない。より美しい願いが生き残るのだ。<br /> そなたの願いが小さく、今は見えずとも、最後まで残った願いは、何よりも美しく咲くものだ。<br /> 故に、今はただ勝ち続けるがよい。答えはおのずと付いてこよう」
 
;「余は、優しい者は好きだ。その涙は美しくはないが、胸を打つ。<br /> ……そうだな。うまく言えないのだが、今回の戦いで余はそなたが少し好きになった感じだ」<br />「それでよい。よいか、より強い願いが生き残るのではない。より美しい願いが生き残るのだ。<br /> そなたの願いが小さく、今は見えずとも、最後まで残った願いは、何よりも美しく咲くものだ。<br /> 故に、今はただ勝ち続けるがよい。答えはおのずと付いてこよう」
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:アイテム使用回数が一定に達すると、SKILL「喝采は剣戟の如く」が「喝采は万雷の如く」に変化する。
 
:アイテム使用回数が一定に達すると、SKILL「喝采は剣戟の如く」が「喝采は万雷の如く」に変化する。
   −
;「……うむ、そうなのだ。なにしろ力も容姿も人並みで、きらめくような才もない。<br /> だが——うむ、そうだ。ここまでの健闘は、賞賛に値する。<br /> 凡夫から立ち上がるもの。力なき者が力ある者に迫ること。その命は、我が焔に相応しい。<br /> 我が<RUBY><RB>奏者</RB><RT>マスター</RT></RUBY>は、貴様のマスターと比べるべくもない。貴様の主人はとうに死人。<br /> だが、我が主は未熟ながらも、もがき、懸命にあがいている。その姿は存分に愛らしい!<br /> 貴様は余の奏者をひな鳥と語ったが、ひな鳥ならば我が手で育ち、いずれ大鳥となって飛び立つは道理。<br /> だが貴様の主人はどうだ? 死した<RUBY><RB>黒烏</RB><RT>からす</RT></RUBY>よ。その翼は、まだ羽ばたく力を残しているか?」
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;「……うむ、そうなのだ。なにしろ力も容姿も人並みで、きらめくような才もない。<br /> だが――うむ、そうだ。ここまでの健闘は、賞賛に値する。<br /> 凡夫から立ち上がるもの。力なき者が力ある者に迫ること。その命は、我が焔に相応しい。<br /> 我が<RUBY><RB>奏者</RB><RT>マスター</RT></RUBY>は、貴様のマスターと比べるべくもない。貴様の主人はとうに死人。<br /> だが、我が主は未熟ながらも、もがき、懸命にあがいている。その姿は存分に愛らしい!<br /> 貴様は余の奏者をひな鳥と語ったが、ひな鳥ならば我が手で育ち、いずれ大鳥となって飛び立つは道理。<br /> だが貴様の主人はどうだ? 死した<RUBY><RB>黒烏</RB><RT>からす</RT></RUBY>よ。その翼は、まだ羽ばたく力を残しているか?」
 
:第二回戦にて、アーチャーに「どこまでマスター大好きなんだアンタ!?」と問われ、「余にもまだわかっておらぬ!」と返した後。
 
:第二回戦にて、アーチャーに「どこまでマスター大好きなんだアンタ!?」と問われ、「余にもまだわかっておらぬ!」と返した後。
   125行目: 125行目:  
:大好きな演劇についてを嬉々として語るセイバー。しかし最後は寂しげに、自嘲と共に。
 
:大好きな演劇についてを嬉々として語るセイバー。しかし最後は寂しげに、自嘲と共に。
   −
;「それに、前から言いたかったのだが——<br /> 暗殺暗殺と言うが、それは余の専売特許だ! 陰謀うずまく我が人生、甘く見るな!」
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;「それに、前から言いたかったのだが――<br /> 暗殺暗殺と言うが、それは余の専売特許だ! 陰謀うずまく我が人生、甘く見るな!」
 
:第五回戦、VSアサシン。毒と謀略に彩られた生涯を送った暴君の主張。
 
:第五回戦、VSアサシン。毒と謀略に彩られた生涯を送った暴君の主張。
   140行目: 140行目:  
:コンプティーク付録ドラマCD「月面横断ウルトラクイズ」より。詳細は伏せるが、皇帝特権を利用して凛とラニを本気で震え上がらせる演技を見せ、その後に丹下桜さんの誠にウザ可愛い声でこう言った。あまりの事態に凛は「ムカつく!」と絶叫している。
 
:コンプティーク付録ドラマCD「月面横断ウルトラクイズ」より。詳細は伏せるが、皇帝特権を利用して凛とラニを本気で震え上がらせる演技を見せ、その後に丹下桜さんの誠にウザ可愛い声でこう言った。あまりの事態に凛は「ムカつく!」と絶叫している。
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;「然り!我が剣は原初の<RUBY><RB>情熱</RB><RT>ほのお</RT></RUBY>にして、剣戟の音は<RUBY><RB>宙</RB><RT>ソラ</RT></RUBY>巡る星の如く。<br />聞き惚れよ。しかして称え、更に喜べ。<br />余は至高にして至上の名器———剣の英霊、そなたのサーヴァントだ!」
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;「然り!我が剣は原初の<RUBY><RB>情熱</RB><RT>ほのお</RT></RUBY>にして、剣戟の音は<RUBY><RB>宙</RB><RT>ソラ</RT></RUBY>巡る星の如く。<br />聞き惚れよ。しかして称え、更に喜べ。<br />余は至高にして至上の名器―――剣の英霊、そなたのサーヴァントだ!」
 
:待ち望んだ主人公との虚数空間での再会。万感の想いを込めて彼女は謳い上げる。
 
:待ち望んだ主人公との虚数空間での再会。万感の想いを込めて彼女は謳い上げる。
   146行目: 146行目:  
:凛が月の女王を名乗った際の反応。彼女にとって、女の身で王となる必須条件には「胸の大きさ」が含まれているらしい。<br />ちなみにEXTRA世界の凛は、冬木の凛ほど可哀想な体つきをしていない。
 
:凛が月の女王を名乗った際の反応。彼女にとって、女の身で王となる必須条件には「胸の大きさ」が含まれているらしい。<br />ちなみにEXTRA世界の凛は、冬木の凛ほど可哀想な体つきをしていない。
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;「な——なんというコンビネーション!奏者よ、こやつらの相性は最高だぞ!?誰かがツッこまねば、永遠にボケ続ける!」
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;「な――なんというコンビネーション!奏者よ、こやつらの相性は最高だぞ!?誰かがツッこまねば、永遠にボケ続ける!」
 
:凛と[[ランサー (CCC・赤)|ランサー]]の痛快なやりとりを見てショックを受ける。ただ一つ言わせてもらえば、ツッコミがいないとややこしいのは彼女もである。
 
:凛と[[ランサー (CCC・赤)|ランサー]]の痛快なやりとりを見てショックを受ける。ただ一つ言わせてもらえば、ツッコミがいないとややこしいのは彼女もである。
   158行目: 158行目:  
:所謂赤いエロ水着を見つけ、自分が着るのかと恐れるセイバー。「透けているのではない、見せているのだ!」と豪語するファッションを着こなす我らが皇帝であっても、流石に大事な部分のみを隠す水着には羞恥心を覚える様子。<br />なお、「もにょる」という言葉は同人用語のようだが、意味が多すぎて判別が付かない。おそらく「デザインはいいけれど、着るにはちょっと…」という意味合いだと思われる。
 
:所謂赤いエロ水着を見つけ、自分が着るのかと恐れるセイバー。「透けているのではない、見せているのだ!」と豪語するファッションを着こなす我らが皇帝であっても、流石に大事な部分のみを隠す水着には羞恥心を覚える様子。<br />なお、「もにょる」という言葉は同人用語のようだが、意味が多すぎて判別が付かない。おそらく「デザインはいいけれど、着るにはちょっと…」という意味合いだと思われる。
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;「うむ! よく分からぬが、さきほど光を追い抜いた!<br /> 紛れも無く愛の力だな!<br /> そして知るがよい。<br /> 主の危機とあらば、時間を遡ってもはせ参じる———<br /> それが舞台の華役にして、恋する乙女の心意気だ!」
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;「うむ! よく分からぬが、さきほど光を追い抜いた!<br /> 紛れも無く愛の力だな!<br /> そして知るがよい。<br /> 主の危機とあらば、時間を遡ってもはせ参じる―――<br /> それが舞台の華役にして、恋する乙女の心意気だ!」
 
:CCCルート最終決戦直前、神話礼装を身に纏い主人公の危機に帰還。
 
:CCCルート最終決戦直前、神話礼装を身に纏い主人公の危機に帰還。
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;「'''しばし私情を語ろう<br /> ……告白するぞっ——余は奏者が、<br /> 大好きだっ!!'''」
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;「'''しばし私情を語ろう<br /> ……告白するぞっ――余は奏者が、<br /> 大好きだっ!!'''」
 
:うん、知ってる。CCCでの追加スキル<RUBY><RB>星馳せる終幕の薔薇</RB><RT>ファクス・カエレスティス</RT></RUBY>,より。もはや大胆を通り越してやりたい放題である。
 
:うん、知ってる。CCCでの追加スキル<RUBY><RB>星馳せる終幕の薔薇</RB><RT>ファクス・カエレスティス</RT></RUBY>,より。もはや大胆を通り越してやりたい放題である。
  
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