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− :パールヴァティーによって『依り代の少女』の体は善と悪に分かたれた。
− :その『悪』の体に男性神カーマ/マーラのほんの一端である分霊が惹かれて一体化し女性神として誕生した『今生のカーマ』。
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− :自己主張はしないものの相手の主張・権利を一切認めず、貞淑ではあるが淫蕩かつ貪欲かつ冷酷で、愛のためならどこまでも残忍になれる魔の女。+
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− :カーマ/マーラとなったこの女神は、『自分以外のすべてのものを嫌い』ながら、『自分以外のすべてのものを愛せる』という、まことに面倒くさい性格にある。
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− :幸福そうな人間を不幸にするのが大好き。 不幸な人間がさらに不幸になる様子を見るのも大好き。
− :他人の恋愛をこねくりまわしてメチャクチャにするのが大好き。 じわじわと痛めつけるような嗜虐方法が大好き。
− :というように理想的な悪のボスヒロインなのだが、その強大な権能のわりには面倒くさがり屋で悲観主義なので、どことなく鈍くさい。
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− :迫られると赤面して調子を崩すあざとい女神。 そんな面倒くさい『隠れ愛して欲しい属性』なので、'''気を許した相手にはとことん尽くし期待をかけ続ける重い女神。'''
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− :報われない愛に、都合良く愛の取り持ちに使われることに疲れている。 「はいはい、ぜんぶ私のせい、私のせい」 そんな役回りに疲れて、斜に構えているのがカーマの現状。+
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− :軽蔑、呆れ、そして退屈。それらがすべて入り交じった、明日には出荷されるブタを見るような目でマスターを眺めている。
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− :カーマは興味のないものはそもそも見ようともしない。
− :彼女がマスターを見つめているのは、感心やら期待やらの裏返しなのだ。
− :このマスターはどんなダメ人間なのか、どこまで滑稽で憐れな様を見せて自分を楽しませてくれるのか。
− :どこまで私 (自分) を嫌わずにいてくれるのか。そんな希望をカーマは無自覚に持っている。
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− :別名マーラと呼ばれ、同一存在の別側面であるとされる。カーマ/マーラとして一括りに語られることも。
− :マーラの語源は「殺すもの」とされており、「魔」「魔羅」「魔王」などと訳される。
− :仏教においては六欲天の第六天、他化自在天に住まう「第六天魔王波旬」である。
− :マーラは釈迦が菩提樹の下で悟りを開こうとした際、様々な邪魔を行なってそれを阻止しようとした。
− :美しい三人の娘を送り込む(自身が変じたとも)、火の円盤を投げつける、岩石や武器を降らせる、怪物達に襲わせる、豪雨や嵐……
− :しかし釈迦は投げられた円盤や武器を花に変じてしまい、悟りの阻止はできなかった。
− :シヴァの邪魔をするカーマ、釈迦の邪魔をするマーラとして示されるように、「修行者を邪魔するもの」としての位置づけである。
− :カーマ/マーラは愛という概念の良否を同時に表している神だとも言えるのかもしれない。
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− :万物を、すなわち宇宙を破壊する神であるシヴァの力を直接その身に受け、灰とされてしまった神性の末路とは───
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− :マーラは魔神の類でありシヴァ達が基本的に監視しており容易に表に出られない、影響を強めることが出来ない神性である。
− :しかしインド異聞帯のマハーバーラタの時代にて[[アルジュナ〔オルタ〕|アルジュナ]]が一帯の神々を全て吸収してしまう。その中にシヴァも含まれていた。
− :これにより表に出た神霊マーラのほんの一端の分霊が人間の形を借り疑似サーヴァントの女神として顕現する。
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− :カーマはビーストⅢ/Lとして完全に羽化するため、そしてカルデアに勝利し敗北したビーストⅢ/Rにマウントを取るためにカルデアを襲う。
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− :やがてその計画は失敗に終わり春日局、パールヴァティーによって空の彼方まで飛ばされる。
− :内面概念宇宙(インナースペース)の恒星に引かれ落ち炎に焼かれ灰になろうとしていたカーマを彼女によって焼かれたことで侵入したキアラが憐れみ、掬い上げ同じ獣性を持つ者の情けとして主人公とカーマとの間に縁を繋げカルデアにて召喚される事となる。
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編集の要約なし
| 初登場作品 = [[Fate/Grand Order]]
| 初登場作品 = [[Fate/Grand Order]]
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==概要==
==概要==
; 略歴
; 略歴
: 『[[Fate/Grand Order]]』のイベント『徳川廻天迷宮 大奥』で、大奥の迷宮を統べ、主人公を招き寄せる黒幕として登場。
:パールヴァティーによって『依り代の少女』の体は善と悪に分かたれた。その『悪』の体に男性神カーマ/マーラのほんの一端である分霊が惹かれて一体化し女性神として誕生した『今生のカーマ』は、『[[Fate/Grand Order]]』のイベント『徳川廻天迷宮 大奥』で、大奥の迷宮を統べ、主人公を招き寄せる黒幕として登場。
:カーマは[[ビーストⅢ/L]]として完全に羽化するため、そしてカルデアに勝利し敗北したビーストⅢ/Rにマウントを取るためにカルデアを襲う。
:やがてその計画は失敗に終わり春日局、パールヴァティーによって空の彼方まで飛ばされる。<br>内面概念宇宙(インナースペース)の恒星に引かれ落ち炎に焼かれ灰になろうとしていたカーマだったが、先に彼女によって焼かれたことで侵入したキアラが憐れんで掬い上げたことで、同じ獣性を持つ者の情けとして主人公とカーマとの間に縁を繋げられ、カルデアにて召喚される事となる。
;人物
;人物
:[[イシュタル]]などの神霊サーヴァントと同じく、依代の少女としてのキャラクター(性格・性質) は持っているがパーソナリティ(経歴) はない。
:[[イシュタル]]などの神霊サーヴァントと同じく、依代の少女としてのキャラクター(性格・性質) は持っているがパーソナリティ(経歴) はない。
:愛の神とも堕落の魔王とも取られるカーマ/マーラにあるのは “人間を堕落させる方向性”としての権能だけだった。
:愛の神とも堕落の魔王とも取られるカーマ/マーラにあるのは “人間を堕落させる方向性”としての権能だけだった。
:依り代の少女の一側面である鬱屈した自意識・性格・趣味嗜好を土台に、その方向性が結びついた形。
:依り代の少女の一側面である鬱屈した自意識・性格・趣味嗜好を土台に、その方向性が結びついた形。
:そのため、イシュタルなどに比べるとやや神霊としての在り方は薄く、自らの神としての存在意義に反する『働かない』というスタンスもある程度は許容されている。
:そのため、イシュタルなどに比べるとやや神霊としての在り方は薄く、自らの神としての存在意義に反する『働かない』というスタンスもある程度は許容されている。
:辛辣で退廃的な倦怠感に満ちた少女。
:辛辣で退廃的な倦怠感に満ちた少女。自己主張はしないものの相手の主張・権利を一切認めず、貞淑ではあるが淫蕩かつ貪欲かつ冷酷で、愛のためならどこまでも残忍になれる魔の女。
:基本的にはあらゆるもの(人間) を嫌い、見下し、嘲笑うが、それは同時に『あらゆるものを気に懸けている』という意味でもある。 カーマの強みは愛の神として、『どのようなものであれ愛せる』というもの。 <br>カーマ/マーラとなったこの女神は、『自分以外のすべてのものを嫌い』ながら、『自分以外のすべてのものを愛せる』という、まことに面倒くさい性格にある。
:基本的にはあらゆるもの(人間) を嫌い、見下し、嘲笑うが、それは同時に『あらゆるものを気に懸けている』という意味でもある。 カーマの強みは愛の神として、『どのようなものであれ愛せる』というもの。
:幸福そうな人間を不幸にするのが大好き。 不幸な人間がさらに不幸になる様子を見るのも大好き。 <br>他人の恋愛をこねくりまわしてメチャクチャにするのが大好き。 じわじわと痛めつけるような嗜虐方法が大好き。<br>というように理想的な悪のボスヒロインなのだが、その強大な権能のわりには面倒くさがり屋で悲観主義なので、どことなく鈍くさい。
:どんな説得にも熱弁にも「はいはい、そうですか。楽しそうで良かったですね。私は最悪ですけど」と流し、他人を認めようも受け入れもしない。基本的には説得は不可能なボスヒロイン。
:どんな説得にも熱弁にも「はいはい、そうですか。楽しそうで良かったですね。私は最悪ですけど」と流し、他人を認めようも受け入れもしない。基本的には説得は不可能なボスヒロイン。
:しかし、その実、心がとても弱く、悲観的・否定的なのはすべて'''「自分を愛して欲しい」'''という気持ちの裏返しである。
:しかし、その実、心がとても弱く、悲観的・否定的なのはすべて'''「自分を愛して欲しい」'''という気持ちの裏返しである。<br>迫られると赤面して調子を崩すあざとい女神。 そんな面倒くさい『隠れ愛して欲しい属性』なので、'''気を許した相手にはとことん尽くし期待をかけ続ける重い女神。'''
:[[イシュタル|金星の女神]]の話によると「宇宙は宇宙でもブラックホールなんじゃない?」とのこと。
:[[イシュタル|金星の女神]]の話によると「宇宙は宇宙でもブラックホールなんじゃない?」とのこと。
:聖杯にかける願いは特にないが、それを通じてパールヴァティーに嫌がらせできればいいな、とは思っている。
:聖杯にかける願いは特にないが、それを通じてパールヴァティーに嫌がらせできればいいな、とは思っている。 <br>報われない愛に、都合良く愛の取り持ちに使われることに疲れている。 「はいはい、ぜんぶ私のせい、私のせい」 そんな役回りに疲れて、斜に構えているのがカーマの現状。
:マスターなんて彼女にとってみれば玩具にすぎない。基本は冷めた目で、その無様な生活を観察している。<br>軽蔑、呆れ、そして退屈。それらがすべて入り交じった、明日には出荷されるブタを見るような目でマスターを眺めている。
:マスターなんて彼女にとってみれば玩具にすぎない。基本は冷めた目で、その無様な生活を観察している。
:だがそこで絶望してはいけない。
:だがそこで絶望してはいけない。 <br>カーマは興味のないものはそもそも見ようともしない。 彼女がマスターを見つめているのは、感心やら期待やらの裏返しなのだ。 <br>このマスターはどんなダメ人間なのか、どこまで滑稽で憐れな様を見せて自分を楽しませてくれるのか。<br>どこまで私 (自分) を嫌わずにいてくれるのか。そんな希望をカーマは無自覚に持っている。
:辛抱強くこの女神の悪趣味さと鈍くささに付き合っていれば、いずれ、悪の中に埋もれたわずかな善性── 『依り代の少女』の中で眠っている、'''恥ずかしがり屋だが一生懸命な少女の心'''に触れられるかもしれない。
:辛抱強くこの女神の悪趣味さと鈍くささに付き合っていれば、いずれ、悪の中に埋もれたわずかな善性── 『依り代の少女』の中で眠っている、'''恥ずかしがり屋だが一生懸命な少女の心'''に触れられるかもしれない。
== 真名:カーマ ==
== 真名:カーマ ==
:カーマ。カーマデーヴァとも呼ばれる、インド神話における愛の神。
:カーマ。カーマデーヴァとも呼ばれる、インド神話における愛の神。
:ひたすら修行に集中していたシヴァ神に対して、その妻である女神の想いを気付かせるために矢を射(させられ)た逸話が有名。
:ひたすら修行に集中していたシヴァ神に対して、その妻である女神の想いを気付かせるために矢を射(させられ)た逸話が有名。
:これに困った神々はカーマを派遣し、シヴァに情欲の矢を撃つことで夫婦の愛を取り戻させようとした。
:これに困った神々はカーマを派遣し、シヴァに情欲の矢を撃つことで夫婦の愛を取り戻させようとした。
:だがカーマの行為にシヴァは激怒し、第三の目を開いてカーマを焼き殺してしまったという。
:だがカーマの行為にシヴァは激怒し、第三の目を開いてカーマを焼き殺してしまったという。
:シヴァは『宇宙の破壊』を司るものだとされる。
:シヴァは『宇宙の破壊』を司るものだとされる。
:その第三の目、『宇宙を焼く存在』としての力を直接に受けて灰=無=身体無き者となってしまったカーマは、逆説的に 宇宙たる資格を得た。
:その第三の目、『宇宙を焼く存在』としての力を直接に受けて灰=無=身体無き者となってしまったカーマは、逆説的に宇宙たる資格を得た。
:『そうである力』によって、自分自身のかたちが同種の無と化してしまったことによる、無辺際の領域との概念的同化。すなわち『身体無き者』としてのカーマは宇宙という概念と繋がり、『シヴァの宇宙』そのものとなった。
:『そうである力』によって、自分自身のかたちが同種の無と化してしまったことによる、無辺際の領域との概念的同化。すなわち『身体無き者』としてのカーマは宇宙という概念と繋がり、『シヴァの宇宙』そのものとなった。
:別側面としてのカーマは宇宙の肉体を得たが、それは同一存在の魔王であるマーラが無辺際の領域 (宇宙) の力を手に入れたことに等しい。
:別側面としてのカーマは宇宙の肉体を得たが、それは同一存在の魔王であるマーラが無辺際の領域 (宇宙) の力を手に入れたことに等しい。
:よって人を滅ぼす獣の幼体となる資格を獲得する。七つの人類悪の一つ、『愛欲』の獣、ビーストⅢ/R(殺生院キアラ)は既に顕現した。
:よって人を滅ぼす獣の幼体となる資格を獲得する。七つの人類悪の一つ、『愛欲』の獣、ビーストⅢ/R(殺生院キアラ)は既に顕現した。
:それに連鎖するように。『自分にすべての愛を向けさせる』その獣とは方向性が真逆な、しかし同じ愛欲の、『自分がすべてに愛を与える───即ち、すべての (本来、愛しい人に向けられる)愛を奪う』獣の幼体として、彼女はここに顕現した。
:それに連鎖するように。『自分にすべての愛を向けさせる』その獣とは方向性が真逆な、しかし同じ愛欲の、『自分がすべてに愛を与える───即ち、すべての (本来、愛しい人に向けられる)愛を奪う』獣の幼体として、彼女はここに顕現した。
===関連===
===関連===
;
;マーラ
:同一存在の別側面であるとされる。カーマ/マーラとして一括りに語られることも。
:マーラの語源は「殺すもの」とされており、「魔」「魔羅」「魔王」などと訳される。<br>仏教においては六欲天の第六天、他化自在天に住まう「[[織田信長|第六天魔王波旬]]」である。
:マーラは釈迦が菩提樹の下で悟りを開こうとした際、様々な邪魔を行なってそれを阻止しようとした。
:美しい三人の娘を送り込む(自身が変じたとも)、火の円盤を投げつける、岩石や武器を降らせる、怪物達に襲わせる、豪雨や嵐……
:しかし釈迦は投げられた円盤や武器を花に変じてしまい、悟りの阻止はできなかった。
:シヴァの邪魔をするカーマ、釈迦の邪魔をするマーラとして示されるように、「修行者を邪魔するもの」としての位置づけである。
:カーマ/マーラは愛という概念の良否を同時に表している神だとも言えるのかもしれない。
== 登場作品と役柄 ==
== 登場作品と役柄 ==