「ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン」の版間の差分
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+ | ==概要== | ||
− | + | 通称アハト翁。第三魔法の魔法使いの弟子によって作られた人工知能、ゴーレム・ユーブスタクハイト。<br>人間型端末筐体の姿は、滝の様な白髭の束と落ち窪んだ眼窩から放たれる強烈な眼光が特徴の老人。 | |
;略歴 | ;略歴 | ||
− | : | + | :第三魔法の再現を[[ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン|ユスティーツァ]]の鋳造という形で偶発的に成功してしまった第三魔法の魔法使いの弟子たちが、ユスティーツァを超える[[ホムンクルス]]を自らの技術体系で作り出すために作成した彼らの技術の結晶。[[アインツベルン]]城の中枢制御用人工知能「ゴーレム・ユーブスタクハイト」。 |
− | + | :アインツベルンから魔術師が去りホムンクルスだけが残った後も第三魔法の成就のために鋳造を続けていたが、500年後にアインツベルンはユスティーツァの再製造は不可能と判断した。その際に「一機しかない貴重なモデルを保存しておく」という方針から「一機の貴重品を使って奇跡を量産化する」という方針に切り替えることを他の全てのホムンクルスが選んだのに対し、唯一反対票を投じた知性がユーブスタクハイトだった。 | |
+ | :ユーブスタクハイトはアインツベルンの管理者として使用するために人間型端末筐体を製造しており、最終的には8代目のアハトまで稼働させた<ref group="出" name="AE">「#15 神話の対決」『Fate/stay night[UBW] Animation Elements』pp.19-20</ref>。アハトはユスティーツァの後に造られたもので、第二次[[聖杯戦争]]から現在まで全ての聖杯戦争に関わっている。「生きる石板みたいなもの」と言われており、第五次聖杯戦争の時点でも存命<ref group="出">「奈須きのこ&武内崇キャラクター別対談」『Fate/complete material Ⅱ Character material.』p.61</ref>。 | ||
+ | :アハトは第三次に[[アンリマユ]]を招いたが期待外れに終わり、第四次に[[衛宮切嗣]]と[[アルトリア・ペンドラゴン]]を招いたが裏切られるなど、必勝の策が裏目に出てしまう。第五次では究極のホムンクルスである[[イリヤスフィール・フォン・アインツベルン|イリヤスフィール]]を投入し、失敗を繰り返さないよう[[ヘラクレス]]を「狂戦士」として聖杯戦争に送り出したが敗北。最高傑作のイリヤスフィールですら聖杯を起動できなかったことで「自分たちの設計思想、技術体系では聖杯を起動できない」と確認したとして第三魔法の成就を諦めた。 | ||
+ | :『[[Fate/Apocrypha]]』の世界では神に近い存在である[[アンリマユ]]の制御に不安を覚え、本来、聖杯戦争の秩序を守る中立の存在である[[ルーラー]]を「参加者」として呼び寄せ、他のサーヴァントに対する強制効果を持った[[令呪]]を悪用する事を目論む。ここで[[天草四郎時貞|ルーラー]]を召喚した事で大聖杯は汚染を免れ、召喚された[[天草四郎時貞]]も最後まで生き残ったが、軍の力まで動員してきた[[ダーニック・プレストーン・ユグドミレニア|ダーニック]]に他の二家共々敗れ、大聖杯を奪われてしまった。 | ||
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:第三次聖杯戦争で反則を用いて招いた「復讐者」のサーヴァント。しかし能力は期待外れで、早期に敗退する。 | :第三次聖杯戦争で反則を用いて招いた「復讐者」のサーヴァント。しかし能力は期待外れで、早期に敗退する。 | ||
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− | + | *名前の由来はおそらくüberstockenheitとうい(やや崩れている)ドイツ語。その意味は「超停滞」。まさにホムンクルスのみの家になり果てたアインツベルンの状況を表す名前。 | |
− | + | *冬木の[[聖杯]]を呪いのアイテムにした当事者でありながら聖杯の汚染を把握していない。 | |
− | * | + | **イリヤは桜に拐かされる直前に彼らは失敗したと述懐し、真相を語る際にも桜から情報を引き出したと発言している。 |
− | ** | + | **『Fate/Zero』でも臓硯に聖杯戦争の異常に気付いてないことを嘲られている。 |
− | ** | + | *遠坂家が「周到に準備するのに関係ないところでうっかり足を掬われる」のに対して、アインツベルンは「周到な準備そのものが裏目に出る」。 |
− | * | + | **第三次:アヴェンジャーで他の参加者を皆殺しにしようとしたが、喚んだのは神霊どころか宝具も持たないサーヴァント。しかも「この世全ての悪」に聖杯が汚染される。『Fate/Apocrypha』ではルーラーを召喚して聖杯が汚染されなかったが、ダーニックに大聖杯を奪われる。 |
− | * | + | **第四次:外部から戦闘能力に秀でた魔術師をマスターとして招くも、マスターが望んでいたアサシンクラスではなく結果的に相性が最悪のセイバーを宛てがう。しかも、先の聖杯の汚染が原因で聖杯の器を壊される。 |
− | ** | + | **第五次:必勝を期して最強のサーヴァントを呼ぶも、前回の結果から裏切りを警戒し、理性を奪って「狂戦士」クラスで召喚する。そのため、本来の武技や戦略眼が全く発揮されずに宝具の力押ししかできなくなる。 |
− | * | + | *登場当初は上記の失敗などからユーブスタクハイトは愚かではないかと揶揄されることもあった。しかし、アニメ『『Fate/stay night[UBW] 』15話の台詞にて、ユーブスタクハイト自身も人間ではなく聖杯獲得のために作られた道具のような存在だと分かり、ある意味では彼も愚直に進むことしかできない存在だと明らかになった。 |
− | ** | + | **まあだからと言って彼の行いが愚かではないかと言うと、そんな事はないのだが。責任がユーブスタクハイト本人ではなく、彼をこのような形で作ったアインツベルンの祖先に移っただけである。 |
− | * | + | *特に第四次が如実だが、彼のミスは「性能」を重視して「実際の運用や戦術」を軽視する傾向に起因する。ようは「強いマスターに強いサーヴァントを使わせれば勝てるだろ」と言う脳筋戦法である。出自を考えれば、「現場を知らない頭でっかちの考えそうな戦法」とも言えるだろう。 |
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− | * | + | *TYPE-MOON関係者をして「どんだけ金持ちなんだ」と言わしめるほどに別格の資金力を誇るアインツベルンだが、その収入源は判然としなかった。後に『[[Fate/Grand Order]]』にて、[[ジークフリート]]がマイルーム会話でラインの黄金はアインツベルンが所有していると発言した。たしかに『[[トラぶる花札道中記]]』でブルマが使用する宝具名がラインの黄金である。 |
− | * | + | **後に[[シャーロック・ホームズ]]も、「アインツベルンの莫大な財源は、ラインの黄金によるもの」だと改めて明言している。 |
+ | **ラインの黄金には手にした者に災いをもたらす呪いがあるとされている。 | ||
− | == | + | ==脚注== |
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2024年10月20日 (日) 04:24時点における最新版
ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン | |
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外国語表記 | Jubstacheit von Einzbern[出 1] |
声優 | 藤本譲 |
初登場作品 | Fate/Zero |
概要[編集 | ソースを編集]
通称アハト翁。第三魔法の魔法使いの弟子によって作られた人工知能、ゴーレム・ユーブスタクハイト。
人間型端末筐体の姿は、滝の様な白髭の束と落ち窪んだ眼窩から放たれる強烈な眼光が特徴の老人。
- 略歴
- 第三魔法の再現をユスティーツァの鋳造という形で偶発的に成功してしまった第三魔法の魔法使いの弟子たちが、ユスティーツァを超えるホムンクルスを自らの技術体系で作り出すために作成した彼らの技術の結晶。アインツベルン城の中枢制御用人工知能「ゴーレム・ユーブスタクハイト」。
- アインツベルンから魔術師が去りホムンクルスだけが残った後も第三魔法の成就のために鋳造を続けていたが、500年後にアインツベルンはユスティーツァの再製造は不可能と判断した。その際に「一機しかない貴重なモデルを保存しておく」という方針から「一機の貴重品を使って奇跡を量産化する」という方針に切り替えることを他の全てのホムンクルスが選んだのに対し、唯一反対票を投じた知性がユーブスタクハイトだった。
- ユーブスタクハイトはアインツベルンの管理者として使用するために人間型端末筐体を製造しており、最終的には8代目のアハトまで稼働させた[出 2]。アハトはユスティーツァの後に造られたもので、第二次聖杯戦争から現在まで全ての聖杯戦争に関わっている。「生きる石板みたいなもの」と言われており、第五次聖杯戦争の時点でも存命[出 3]。
- アハトは第三次にアンリマユを招いたが期待外れに終わり、第四次に衛宮切嗣とアルトリア・ペンドラゴンを招いたが裏切られるなど、必勝の策が裏目に出てしまう。第五次では究極のホムンクルスであるイリヤスフィールを投入し、失敗を繰り返さないようヘラクレスを「狂戦士」として聖杯戦争に送り出したが敗北。最高傑作のイリヤスフィールですら聖杯を起動できなかったことで「自分たちの設計思想、技術体系では聖杯を起動できない」と確認したとして第三魔法の成就を諦めた。
- 『Fate/Apocrypha』の世界では神に近い存在であるアンリマユの制御に不安を覚え、本来、聖杯戦争の秩序を守る中立の存在であるルーラーを「参加者」として呼び寄せ、他のサーヴァントに対する強制効果を持った令呪を悪用する事を目論む。ここでルーラーを召喚した事で大聖杯は汚染を免れ、召喚された天草四郎時貞も最後まで生き残ったが、軍の力まで動員してきたダーニックに他の二家共々敗れ、大聖杯を奪われてしまった。
- それからは滅んだマキリ、聖杯を綺麗さっぱり忘れて別の方法を探すようになった遠坂と違い、未だに大聖杯の建造を目指している。幸か不幸かこの世界では衛宮切嗣とアイリスフィールが出会いイリヤスフィールが生まれることはないため、アインツベルンが絶望することはない[出 4]。しかし他二家と同じく大きく衰退し、あと何百年かけて全能力を費やしても新たな大聖杯が作れるかどうか怪しい所だという。
- 人物
- 本来はユーブスタクハイトに人格は存在しない。あくまで「城を動かすもの」「第三魔法を再現するもの」として、その都度必要な人間性が人型端末に植え付けられ、人間のふりをさせているにすぎない。その本質は「進歩できないかわりに、永久に稼働し続ける」オートマトンである[出 2]。
- 能力
- アインツベルンで作られるホムンクルスたちすべての父[出 2]。アイリスフィール、リーゼリット、セラといったホムンクルスは全て彼の手で造られ、イリヤスフィールも彼による調整を受けている。また、「聖杯の器」は彼の手によって造られていると思われる。
登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]
Fateシリーズ[編集 | ソースを編集]
- Fate/stay night
- イリヤに「お爺さま」として何度か言及される。
- Fate/hollow ataraxia
- イリヤ、セラ、リズとの会話で言及される。
- Fate/Zero
- 冒頭で少し登場。キャラクターとして初登場となる。切嗣に聖剣の鞘を与える。
- 『Fate/Zero Blu-ray Disc Box Ⅰ』の特典ドラマCDで漸く出番らしい出番が与えられた。
Fate関連作品[編集 | ソースを編集]
- カプセルさーばんと
- 直接は登場しないが、シロウを(孫的な意味で)実家に引き取ろうと手を尽くしているとか。他の時空に比べると平和な話である。
- Fate/ゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~
- 落書きコーナーの勤労感謝の日の回でイリヤに無邪気にあしらわれる。
- 『春のゼロカフェ』では間桐臓硯、言峰璃正、グレン・マッケンジーと4人で花見をする姿が描かれている。
その他[編集 | ソースを編集]
- ちびちゅき!
- 第2巻にて花見の席を囲むが、同席者が臓硯なせいか沈んだ表情である。
人間関係[編集 | ソースを編集]
- イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
- 第五次聖杯戦争の「聖杯の器」。実質造り出した究極のホムンクルス。ただ2ヶ月前の召喚は彼にも想定外だった[出 5]。
- 彼女に日本の偏見やサーヴァントの何たるかを教え込み、聖杯を持ち帰れと言い付けた。
- リーゼリット
- イリヤの機能の一部として造り出したホムンクルス。
- もともと自我を持たせるつもりはなかったが、アハト翁の卓越した腕とイリヤの影響で自我が芽生えた。
- セラ
- 造り出したホムンクルス。人間を遥かに上回る魔術回路と魔術知識を持たせた。
- アイリスフィール・フォン・アインツベルン
- 造り出したホムンクルス。近年でも屈指の仕上がりになったと自負している。
- 第四次聖杯戦争における「聖杯の器」。第三次で「聖杯の器」が戦争途中で破壊されてしまったため、自己管理機能を持つ器として彼女を造った。
- 衛宮切嗣
- 戦闘を得意としないアインツベルンが必勝のために招いた外部の魔術師。「魔術師殺し」の戦歴をアテにしていたが、自らが犯した過去の過ちが遠因となり裏切られる。
- アヴェンジャー
- 第三次聖杯戦争で反則を用いて招いた「復讐者」のサーヴァント。しかし能力は期待外れで、早期に敗退する。
- ルーラー
- 『Fate/Apocrypha』世界の第三次聖杯戦争で反則を用いて招いた「裁定者」のサーヴァント。
メモ[編集 | ソースを編集]
- 名前の由来はおそらくüberstockenheitとうい(やや崩れている)ドイツ語。その意味は「超停滞」。まさにホムンクルスのみの家になり果てたアインツベルンの状況を表す名前。
- 冬木の聖杯を呪いのアイテムにした当事者でありながら聖杯の汚染を把握していない。
- イリヤは桜に拐かされる直前に彼らは失敗したと述懐し、真相を語る際にも桜から情報を引き出したと発言している。
- 『Fate/Zero』でも臓硯に聖杯戦争の異常に気付いてないことを嘲られている。
- 遠坂家が「周到に準備するのに関係ないところでうっかり足を掬われる」のに対して、アインツベルンは「周到な準備そのものが裏目に出る」。
- 第三次:アヴェンジャーで他の参加者を皆殺しにしようとしたが、喚んだのは神霊どころか宝具も持たないサーヴァント。しかも「この世全ての悪」に聖杯が汚染される。『Fate/Apocrypha』ではルーラーを召喚して聖杯が汚染されなかったが、ダーニックに大聖杯を奪われる。
- 第四次:外部から戦闘能力に秀でた魔術師をマスターとして招くも、マスターが望んでいたアサシンクラスではなく結果的に相性が最悪のセイバーを宛てがう。しかも、先の聖杯の汚染が原因で聖杯の器を壊される。
- 第五次:必勝を期して最強のサーヴァントを呼ぶも、前回の結果から裏切りを警戒し、理性を奪って「狂戦士」クラスで召喚する。そのため、本来の武技や戦略眼が全く発揮されずに宝具の力押ししかできなくなる。
- 登場当初は上記の失敗などからユーブスタクハイトは愚かではないかと揶揄されることもあった。しかし、アニメ『『Fate/stay night[UBW] 』15話の台詞にて、ユーブスタクハイト自身も人間ではなく聖杯獲得のために作られた道具のような存在だと分かり、ある意味では彼も愚直に進むことしかできない存在だと明らかになった。
- まあだからと言って彼の行いが愚かではないかと言うと、そんな事はないのだが。責任がユーブスタクハイト本人ではなく、彼をこのような形で作ったアインツベルンの祖先に移っただけである。
- 特に第四次が如実だが、彼のミスは「性能」を重視して「実際の運用や戦術」を軽視する傾向に起因する。ようは「強いマスターに強いサーヴァントを使わせれば勝てるだろ」と言う脳筋戦法である。出自を考えれば、「現場を知らない頭でっかちの考えそうな戦法」とも言えるだろう。
- アハトが女性のホムンクルスしか作らない理由はグッスマさんやアルターさん[注 1]が知っているだろうとのこと[出 6]。
- ユーブスタクハイトの日本への偏見は、「外国人の日本への認識なんてそんなもの」というきのこ流の「奥義・きのこ偏見返し」の表れだとか[出 7]。
- TYPE-MOON関係者をして「どんだけ金持ちなんだ」と言わしめるほどに別格の資金力を誇るアインツベルンだが、その収入源は判然としなかった。後に『Fate/Grand Order』にて、ジークフリートがマイルーム会話でラインの黄金はアインツベルンが所有していると発言した。たしかに『トラぶる花札道中記』でブルマが使用する宝具名がラインの黄金である。
- 後にシャーロック・ホームズも、「アインツベルンの莫大な財源は、ラインの黄金によるもの」だと改めて明言している。
- ラインの黄金には手にした者に災いをもたらす呪いがあるとされている。
脚注[編集 | ソースを編集]
注釈[編集 | ソースを編集]
- ↑ フィギュア製作会社のグッドスマイルカンパニーとアルターのこと。
出典[編集 | ソースを編集]
- ↑ 『Fate/Zero アニメビジュアルガイドⅡ』p.21
- ↑ 2.0 2.1 2.2 「#15 神話の対決」『Fate/stay night[UBW] Animation Elements』pp.19-20
- ↑ 「奈須きのこ&武内崇キャラクター別対談」『Fate/complete material Ⅱ Character material.』p.61
- ↑ 「Fate/Apocrypha用語辞典-御三家」『Fate/Apocrypha material』p.166
- ↑ 「奈須きのこ一問一答-聖杯戦争関係」『Fate/complete material Ⅲ World material.』p.131
- ↑ 「Q&A」『TYPE-MOON Fes. オフィシャル パンフレット』
- ↑ 「奈須きのこ一問一答-キャラクター関係の質問」『Fate/complete material Ⅲ』p.135