「ネタバレ/Fate/Grand Order」の版間の差分
ナビゲーションに移動
検索に移動
(→登場人物) |
(→登場人物) |
||
257行目: | 257行目: | ||
; 略歴 | ; 略歴 | ||
: インド異聞帯の神として登場。 | : インド異聞帯の神として登場。 | ||
− | : 古代インド叙事詩『マハーバーラタ』における最大の戦乱「クルクシェートラ戦争」を経て、その地獄のような世界に絶望した[[アルジュナ]] | + | : 古代インド叙事詩『マハーバーラタ』における最大の戦乱「クルクシェートラ戦争」を経て、その地獄のような世界に絶望した[[アルジュナ]]は、インドのあらゆる神性を自身に統合したことで唯一絶対の神となり、自身が理想とする「完全なる世界」を創造するため、悪しきものを廃絶せんと世界の滅亡と創世を繰り返していた。 |
+ | : 移動の際には白きヴィマーナに騎乗しており、アルターエゴの口添えを受けて[[スカンジナビア・ペペロンチーノ]]から[[アシュヴァッターマン]]を剥奪・クリシュナの呪いを付与して屈服させ制御下に置いたほか、[[哪吒 (バーサーカー)|哪吒]]、[[アスクレピオス]]、[[ウィリアム・テル]]といったサーヴァントに神性の一部を付与し、「<ruby><rb>神将</rb><rt>ローカパーラ</rt></ruby>」として動かしている。 | ||
: 主人公一行が異聞帯に到着して最初のカリ・ユガを迎えた際、ヴィマーナに乗って姿を現すも特に興味を示さず、因縁の宿敵であるはずの[[カルナ]]にすらも碌に視線を合わせる事はなく「不出来で無価値、不要な邪悪」と見なしたのみだった。ユガが廻り、次に主人公らの前に姿を見せた際も最初こそ興味を見せていたものの、やがて失望し立ち去っている。 | : 主人公一行が異聞帯に到着して最初のカリ・ユガを迎えた際、ヴィマーナに乗って姿を現すも特に興味を示さず、因縁の宿敵であるはずの[[カルナ]]にすらも碌に視線を合わせる事はなく「不出来で無価値、不要な邪悪」と見なしたのみだった。ユガが廻り、次に主人公らの前に姿を見せた際も最初こそ興味を見せていたものの、やがて失望し立ち去っている。 | ||
− | : | + | : しかしながらその後カルデア側の決死の作戦決行によって少しずつ完全性が揺らいでいったこと、そして最終盤に復活したカルナから自身の正体・自らに残る人間性について指摘され、己の完全性を疑ったことで、ついにその神性は零落。空想樹スパイラルからの莫大な魔力供給を受け、カルナに対する執心を剥き出しにしながら全力で戦いを挑むも一歩及ばなかった。 |
: 最期は己の不完全さとその身に宿していた矛盾を認め、一人ごちて微笑みながら静かに消滅した。 | : 最期は己の不完全さとその身に宿していた矛盾を認め、一人ごちて微笑みながら静かに消滅した。 | ||
; 人物 | ; 人物 | ||
: 褐色の肌と長い白髪が目を引く青年。[[アルジュナ]]の面影を残してはいるが角や尻尾といった異形の要素が身体に現れており、また自我が薄いためどこか虚ろ。 | : 褐色の肌と長い白髪が目を引く青年。[[アルジュナ]]の面影を残してはいるが角や尻尾といった異形の要素が身体に現れており、また自我が薄いためどこか虚ろ。 | ||
− | : | + | : 無機質で無感動、ひたすら機械的であり、本来のアルジュナという人物が備えていた人間性は高位の神性を得た代償として塗りつぶされ、ほぼ失われている。 |
− | : | + | : 神性とともに「終末をもたらす者」から譲り受けた権能によってあらゆる悪を抹殺する使命を背負っているが、そのあまりにも高潔な精神性が災いし、無垢な子供や聖人を除いたほとんどの対象に「対邪悪」スキルが適用されてしまっており、滅亡と創世の果てに行きつく先は「完全なる世界」どころか何も残らない「無の世界」である。 |
− | : | + | : インド異聞帯においては、彼が究極の視覚を以て「不要」と認識したものは終末の裁きから逃れられなかった時点で「消滅」が確定する。人々は例え怪我・病気といった小さな傷であっても「不出来」と見なされ、次のユガには不要な存在として輪廻転生の輪から外されてしまっており、アルジュナはあらゆる神性を統合した弊害により少しの不出来も容赦しない概念として暴走状態にあった。しかしながら滅業の刃では自身を裁くことはできず、その結果、図らずも彼の内側で僅かに残った「[[クリシュナ (黒)|エゴイズムを司る人格]]」がギリギリのところで完全な機構と成り果てる事を阻止していた。 |
− | : | + | : サーヴァント「アルジュナ・オルタ」として召喚されてからは、再臨が進むごとに狂化ランクの変動・肉体性能の退行・人間性の再獲得が起こる。姿も髪色の変化を始め、次第に本来のアルジュナにより近いものへと変化していくが、最終段階まで進めても角や尻尾は残っており、やはり完全には戻らない。 |
+ | : 辛うじて人間性を取り戻した彼はオリジナルよりもやや素朴な印象の青年となるが、これはアーチャー・アルジュナが「マスターに相応しい存在であろうと気を張っている」一方でアルジュナ・オルタにはそれが欠けているためである。すなわち、彼から垣間見えるものは、「気を張っていない状態の」アルジュナが本来持ち合わせている穏やかな性格・純朴性である。 | ||
+ | : アーチャーのアルジュナはアルジュナ・オルタに対して「英雄としての理想像」を見ているが、アルジュナ・オルタはアーチャーのアルジュナに対して「誇り高き英雄」としての憧憬を抱いており、言わば互いが互いに欠けているものを見出しているような関係にある。 | ||
+ | : 彼は異聞帯という特殊な環境下だからこそ発生し得た可能性、アルジュナのifの存在である。汎人類史においてはアルジュナがこのような選択・末路を辿ることは終ぞなく、故にアルジュナ・オルタも誕生することはない。 | ||
; 能力 | ; 能力 | ||
: インド神話における神性を悉くその身に取り込んだ「超統合神性」であるため、その完全性が証明されている限りはあらゆる攻撃が通用せず、傷をつけることすら不可能。 | : インド神話における神性を悉くその身に取り込んだ「超統合神性」であるため、その完全性が証明されている限りはあらゆる攻撃が通用せず、傷をつけることすら不可能。 | ||
: クリプターと契約しているサーヴァントを奪うなど彼にとっては造作もないことであり、自身に統合された神性が所有する権能の一部を他者に分け与えることも可能。劇中では実際にクベーラ、ヤマ、ヴァルナ、ヴァーユといった神々の権能が「神将」たちに付与されている。 | : クリプターと契約しているサーヴァントを奪うなど彼にとっては造作もないことであり、自身に統合された神性が所有する権能の一部を他者に分け与えることも可能。劇中では実際にクベーラ、ヤマ、ヴァルナ、ヴァーユといった神々の権能が「神将」たちに付与されている。 | ||
− | + | : ユガの終わりには「限りなく神に近い英雄」より譲り受けた権能・『帰滅を裁定せし廻剣』を振るうことで、自身が「不出来・不要」と見なしたものを存在ごと消滅させる。たとえ次のユガに残ることが出来たとしても、消されてしまった存在に関する記憶は人々から失われてしまう。 | |
== ステータス == | == ステータス == | ||
349行目: | 353行目: | ||
; [[アシュヴァッターマン]] | ; [[アシュヴァッターマン]] | ||
− | : | + | : 『マハーバーラタ』ではかつて兄弟弟子であり、後に敵対することとなった、因縁浅からぬ人物。 |
: インド異聞帯においてはペペロンチーノから契約を剥奪し、クリシュナの呪いを与えて屈服させ「神将」として使役していたが離反され、自身の完全性を崩す窮極の一計を講じられる。 | : インド異聞帯においてはペペロンチーノから契約を剥奪し、クリシュナの呪いを与えて屈服させ「神将」として使役していたが離反され、自身の完全性を崩す窮極の一計を講じられる。 | ||
: カルデアでは顔を合わせるなり訝しまれ「いつものアルジュナに戻りやがれ」と怒鳴られるが、戻れないことを知ると困惑気味に。 | : カルデアでは顔を合わせるなり訝しまれ「いつものアルジュナに戻りやがれ」と怒鳴られるが、戻れないことを知ると困惑気味に。 | ||
+ | |||
+ | ; [[ラーマ]] | ||
+ | : ヴィシュヌ神の化身。彼の妻[[シータ]]は女神ラクシュミーの化身であるという説も存在するため、アルジュナに取り込まれた女神を救出しようと躍起になっていた。 | ||
+ | : 彼のマイルーム会話ではオリジナルを相手に「異聞帯の汝には苦労させられたらしい」と談笑しており、こちらに対しては「何をどうすればあの域に到達するのか」「あれと戦うなど無茶もいいところ」と評している。 | ||
; [[哪吒 (バーサーカー)]] | ; [[哪吒 (バーサーカー)]] | ||
361行目: | 369行目: | ||
; [[ウィリアム・テル]] | ; [[ウィリアム・テル]] | ||
− | : | + | : インド異聞帯における「神将」の一人。風神ヴァーユの権能を付与し、彼の息子に関する記憶を「不要」と判断して消去していた。 |
: その一方で、なぜ「人」の英霊である彼が召喚されたかについては、「神」と共に在る存在として相応しいものであることをアルジュナが無意識ながらも感じていたためであり、彼が最期に報いた忠告の一矢は、最後の最後でアルジュナにも届くことになる。 | : その一方で、なぜ「人」の英霊である彼が召喚されたかについては、「神」と共に在る存在として相応しいものであることをアルジュナが無意識ながらも感じていたためであり、彼が最期に報いた忠告の一矢は、最後の最後でアルジュナにも届くことになる。 | ||
; [[アルジュナ]] | ; [[アルジュナ]] | ||
− | : | + | : 汎人類史における自分自身。「誇り高き英雄」としての憧憬を抱いている。 |
+ | : 「人として足掻き、苦しみながらも立ち上がる英雄」である彼を「真のアルジュナ」とまで呼び、主人公には彼を導いてくれるよう頼んでいる。 | ||
: 一方で彼からはその姿に「英雄としての理想像」を見出されている。 | : 一方で彼からはその姿に「英雄としての理想像」を見出されている。 | ||
375行目: | 384行目: | ||
; アグニ、インドラ、ソーマ、ブラフマー、シヴァ、ヴィシュヌ、ラクシュミー | ; アグニ、インドラ、ソーマ、ブラフマー、シヴァ、ヴィシュヌ、ラクシュミー | ||
: 自身が内側に取り込んだ神々。これ以外にも数多の神性を統合している。 | : 自身が内側に取り込んだ神々。これ以外にも数多の神性を統合している。 | ||
+ | : このうち雷霆神インドラは実父。またアルジュナは炎神アグニからガーンディーヴァを、破壊神シヴァからパーシュパタを授かっている。 | ||
; クリシュナ | ; クリシュナ | ||
− | : | + | : 維持神ヴィシュヌの第八化身にして、アルジュナの友人。神性を統合する過程でアルジュナが最初に取り込んだ神性が彼ではないかと推測されている。 |
+ | : 『マハーバーラタ』ではクリシュナがアシュヴァッターマンに呪いを掛ける場面があり、異聞帯でアシュヴァッターマンに付与されていた呪いもこれが由来。 | ||
; ビーマ | ; ビーマ | ||
389行目: | 400行目: | ||
===Fate/Grand Order=== | ===Fate/Grand Order=== | ||
====戦闘==== | ====戦闘==== | ||
− | ; 「ガーンディーヴァ、標的確認……発射」 | + | ; 「終わりを……始めよう……。」「消滅が訪れるだろう……。」<br/> 「終わりとなるだろう」「善を守り、邪を断つ。行くぞ!」 |
− | : エクストラアタック(第三再臨前) | + | : 戦闘開始時(第三再臨前/第三再臨後)。悪を裁き、善を守るための戦いが始まる。 |
+ | |||
+ | ; 「ガーンディーヴァ、標的確認……発射」<br/> 「炎の海、雷の矢!」 | ||
+ | : エクストラアタック(第三再臨前/第三再臨後)。背後で浮いている廻剣だが、なんと弓にも変形する。そこから放たれる矢は強力無比。 | ||
+ | |||
+ | ; 「世界の歯車は壊れた。今こそ粛清の時、今こそ壊劫の時。我が廻剣は悪を断つ───『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』!」<br/> 「創世滅亡輪廻。善性なるものには生を、悪性たるものには裁きを。廻剣駆動。滅べ! ───『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』!」 | ||
+ | : 宝具解放(第三再臨前)。裁定と粛清の時は訪れた。寂滅の剣は廻り、善は生かし悪を滅するための絶対たる滅びがもたらされる。 | ||
; 「星の灯火は消え、諸人は運命を裁かれる。我は神の力を継ぎ、その役割を果たす。世界は廻り、悪は滅する!『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』! ───還るべき場所に、還るがいい……。」<br/> 「滅亡と創生は是、表裏一体。万物は流転し、死は生へと裏返る。されど人の世に邪悪なるもの、不要なり。『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』! ───人よ、生きるべし……。」 | ; 「星の灯火は消え、諸人は運命を裁かれる。我は神の力を継ぎ、その役割を果たす。世界は廻り、悪は滅する!『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』! ───還るべき場所に、還るがいい……。」<br/> 「滅亡と創生は是、表裏一体。万物は流転し、死は生へと裏返る。されど人の世に邪悪なるもの、不要なり。『<ruby><rb>帰滅を裁定せし廻剣</rb><rt>マハー・プララヤ</rt></ruby>』! ───人よ、生きるべし……。」 | ||
397行目: | 414行目: | ||
====マイルーム==== | ====マイルーム==== | ||
; 「サーヴァント。バーサーカー、アルジュナ……。 我が身は悪を滅ぼすためにあり、悪は全て裁かれるものなり……。」 | ; 「サーヴァント。バーサーカー、アルジュナ……。 我が身は悪を滅ぼすためにあり、悪は全て裁かれるものなり……。」 | ||
− | : | + | : 召喚時の台詞。一切の邪悪を赦さぬ「滅ぼしの神」が降臨する。 |
; 「肉体性能の退行を確認……しかし、これは……?」 | ; 「肉体性能の退行を確認……しかし、これは……?」 | ||
417行目: | 434行目: | ||
: マイルーム会話「絆Lv5(第三再臨前/第三再臨後)」。マスターたる少年/少女の善性に触れ、逆境と苦悩のなかでそれでも足掻き進み続ける姿に価値を見出す。 | : マイルーム会話「絆Lv5(第三再臨前/第三再臨後)」。マスターたる少年/少女の善性に触れ、逆境と苦悩のなかでそれでも足掻き進み続ける姿に価値を見出す。 | ||
: 同時にそれこそが自身を人間たらしめる光であると、アルジュナ・オルタは再認識するのである。 | : 同時にそれこそが自身を人間たらしめる光であると、アルジュナ・オルタは再認識するのである。 | ||
+ | |||
+ | ; 「意思なき兵器のように……行使してはならない……。」<br/> 「我らはサーヴァント。当然あなたに付き従うもの。しかしこの矢尻は常に、あなたにも向けられている。……お気をつけて。」 | ||
+ | : マスターとサーヴァント。マスターが善である限り、彼は忠実に仕えてくれる。 | ||
+ | : 主が悪に堕ちることがあるのならば、その時は恐らく───彼の確固たる意思を以て、等しく裁きが下されるだろう。 | ||
+ | |||
+ | ; 「神、人、主、従者……全ては定められている……。」<br/> 「全ては定め───人は神になってはいけない。神は人に堕ちてもいけない。それでもその必要があるとするなら、そこには必ず『戦い』がある。」 | ||
+ | : 人には人の、神には神の、それぞれ定められた役割がある。その役割を越える必要があった、果ての姿こそが彼である。 | ||
; 「カルナか……。運命とは奇妙なものです。とはいえ、神の子たる私には関係がない。<br/> ───いや。……やはり少しばかり、心の中に掻き立てられるものがありますね。」 | ; 「カルナか……。運命とは奇妙なものです。とはいえ、神の子たる私には関係がない。<br/> ───いや。……やはり少しばかり、心の中に掻き立てられるものがありますね。」 | ||
424行目: | 448行目: | ||
: マイルーム会話「[[アルジュナ]]」。自身の闇と向き合い、苦しみながらも必死に前へ進もうとするもう一人の自分。 | : マイルーム会話「[[アルジュナ]]」。自身の闇と向き合い、苦しみながらも必死に前へ進もうとするもう一人の自分。 | ||
: その姿こそが「誇り高き英雄」であるのだと、アルジュナ・オルタは確かな憧憬と尊敬の念を抱く。 | : その姿こそが「誇り高き英雄」であるのだと、アルジュナ・オルタは確かな憧憬と尊敬の念を抱く。 | ||
+ | |||
+ | ; 「祝福あれ……あなたは、善き者である……。」<br/> 「お誕生日おめでとうございます。前途に栄光と善良、そして……歓びがあるように。」 | ||
+ | : マイルーム会話「誕生日(第三再臨前/第三再臨後)」。善なる者には心からの祝福と暖かな祈りを込めて。 | ||
====本編==== | ====本編==== | ||
494行目: | 521行目: | ||
; 「……敗因を理解した。私の滅業の刃は私の中には届かない。<br/> どれだけユガが転輪しようとも、私の中からおまえに抱く執心という邪悪は消え去らない。<br/> その執心こそが、必要以上に私を真に完璧な神へと至らせようとした。<br/> 民を正しき世界へ導く、邪悪より生まれし最後の神の中に───<br/> さらに、消し去れぬ邪悪が、在った。<br/> それらはおそらく、私にとっては。世界よりも先に壊すべきモノだったのだが……<br/> 壊せなかったが故に、こうなった。愚かに、過ぎる……。」<br/> 「は……そうか。矛盾だ。<br/> 私は自らの不完全性に気付かず、完全と信じた。そしてその完全を信じた事すらも不完全の種子だった。<br/> ああ、そもそもが矛盾していた私は、最初から。<br/> 貴様が望む男にすら、なれてはいなかったのか───」 | ; 「……敗因を理解した。私の滅業の刃は私の中には届かない。<br/> どれだけユガが転輪しようとも、私の中からおまえに抱く執心という邪悪は消え去らない。<br/> その執心こそが、必要以上に私を真に完璧な神へと至らせようとした。<br/> 民を正しき世界へ導く、邪悪より生まれし最後の神の中に───<br/> さらに、消し去れぬ邪悪が、在った。<br/> それらはおそらく、私にとっては。世界よりも先に壊すべきモノだったのだが……<br/> 壊せなかったが故に、こうなった。愚かに、過ぎる……。」<br/> 「は……そうか。矛盾だ。<br/> 私は自らの不完全性に気付かず、完全と信じた。そしてその完全を信じた事すらも不完全の種子だった。<br/> ああ、そもそもが矛盾していた私は、最初から。<br/> 貴様が望む男にすら、なれてはいなかったのか───」 | ||
: 消滅の間際、宿敵たる英雄に諭されて己が抱えていた矛盾を理解する。 | : 消滅の間際、宿敵たる英雄に諭されて己が抱えていた矛盾を理解する。 | ||
− | : | + | : 最も消すべきでありながら決して消すことのできなかった「執心」は彼を必要以上の高みへと至らせ、そしてその「人間味」を以て孤独なる神の座から失墜させた。 |
: かつて世界に絶望して神となり、しかしその最後で人へと立ち返った英雄「アルジュナ」は、過ちと矛盾、後悔、どうしようもない「何か」を抱えつつも、どこか憑き物が落ちたかのように微笑みながら消えていった。 | : かつて世界に絶望して神となり、しかしその最後で人へと立ち返った英雄「アルジュナ」は、過ちと矛盾、後悔、どうしようもない「何か」を抱えつつも、どこか憑き物が落ちたかのように微笑みながら消えていった。 | ||
535行目: | 562行目: | ||
[[Category:コハエース]] | [[Category:コハエース]] | ||
[[Category:オルタナティブ]] | [[Category:オルタナティブ]] | ||
+ | |||
+ | |||
+ | ; アルジュナ | ||
+ | |||
+ | ==バリエーション== | ||
+ | === アルジュナ・オルタ === | ||
+ | : 『Fate/Grand Order』第2部4章『創世滅亡輪廻 ユガ・クシェートラ』にて登場した異聞帯のアルジュナ。神と成り天へと果てた、アルジュナのif。 | ||
+ | : 詳細は「[[アルジュナ〔オルタ〕]]」を参照。 | ||
2019年7月14日 (日) 19:01時点における版
『Fate/Grand Order』のネタバレ事項をまとめるページです。まだプレイをしていない方、自力で攻略したい方、まだ読んでいない方、そしてネタバレを好ましくない方はこのままお引き返しください。
なお、このページ以下に記載されている情報は未確認であり、正確性について一切の保証はいたしません。あらかじめご承知置きください。
ネタバレの定義に関してはメインページをご確認ください。他の作品のネタバレは親ページへ。