マックスウェル
キャスター (帝都聖杯奇譚)
- 真名:マックスウェル
- 身長:176cm / 体重:70kg
- 属性:中立・中庸
- 性別:男性?
- 略歴
- 『帝都聖杯奇譚』では数十体の英霊兵を倒された「総統」に呼び出される形で姿を現すが、アーチャーの一撃を喰らって即座に退場。
- ……したかに思えたが、ライダーとアーチャーが戦闘不能になった後を見計らって再登場し、自身の正体を明かす。
- そして自身の宝具と聖杯を融合させ、聖遺物「栄光の右手」を触媒に「総統」を材料に「人造の神(ネオ・フューラー)」を復活させた。
- セイバー、アーチャー、ランサーを相手取ってもなお優位に立つが、サーヴァントの魂と聖杯によって再臨した魔神セイバーによって為すすべもなく倒されていった。
- 人物
- サングラスをかけてスーツを纏った、金髪の男性。
- 自身を「悪魔」と名乗り、若干胡散臭いことを除けば、普通の気さくな人間にしか見えない。
- その一方で自身の障害となりうる存在が退場するまで死んだふりをしてやり過ごし、失敗することが確実な計画をあえて黙っているなど、悪魔らしい狡猾な面も持ち合わせている。
- 能力
- 非常に偏った能力であり、自分に「ある」と定められた能力以外は何一つ持たず、戦闘能力は皆無。敵マスターを人質にしている時ですら、動きを封じるために銃を向けていた。
- キャスタークラスとしてはステータスが低い事は珍しくはないが、まさかのステータス:なし。最低値のEランクですらない。
- その能力は魔力生成に特化しており、宝具の行使によって無限に魔力を生み出すことができる。
- 生み出された魔力はマスターに提供され、数十体の英霊兵の作成・維持に使用されていた。
- また、ある理由から『帝都聖杯奇譚』の時代ではサーヴァントであってもどうやっても殺すことができないという特性を持っている。
- 逆に現代で召喚された場合は、下手をすると「一般人の理系大学生にすら負けかねない」「そもそも無敵スキルが発動せず、物理の参考書で殴られて消滅する可能性すらある」ため、とんでもなく極端である。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
キャスター | 「総統」 | - | - | - | - | - | EX | なし | 悪魔の証明:EX |
宝具
- 熱力学第二法則の否定(マックスウェルの悪魔)
- ランク:EX
種別:概念宝具
レンジ:-
最大捕捉:-
- 強欲な人類が夢見た無限の心臓。すなわち「永久機関」を顕現させる。ただし、完全な永久機関というわけではなく、あくまでそれに似たもの。
- 無限に近いエネルギーを生成する能力を持ち、これには魔力も含まれるが、宝具の稼働にマックスウェルの悪魔を動かす魔力が必要であるなど、発動にはいくつもの条件が含まれる。
真名:マックスウェル
- マックスウェル。とある根源に挑んだ数学者。しかしこのサーヴァントはマックスウェルによる思考実験で生み出された架空の存在。
この概念上の存在に「無限のエネルギー」を求める人間の欲望が集まり、サーヴァントとしての霊基を得た。 - この悪魔は「熱力学第二法則を否定する悪魔」と定められているため、撃破する為には単純な攻撃力よりも、いかに否定する概念・理論をぶつけられるかが勝負になる。
そして、『帝都聖杯奇譚』の時代(1940年代)にはこの悪魔の概念を否定する理論がまだ確立されていない。これが、先述した「どうやっても殺せない」能力の正体である。
関連
- 熱力学第二法則
- エネルギーの移動の方向とエネルギーの質に関する法則。
- 一言で言ってしまうなら「あるものがいきなり高温の部分と低温の部分に分かれたりしない」という理論であり、永久機関を否定する法則。
- マックスウェルの悪魔
- 上記のような法則はあるものの、熱と運動を同一視する熱力学上で考えると、「運動量の高い分子(高温)を左から右には移動させないようにして、運動量の低い分子(低温)を右から左には移動させないようにする悪魔」を想定することは可能になってしまう。
これが、1860年代にジェームズ・クラーク・マックスウェルが提唱した「マックスウェルの悪魔」である。 - この「悪魔」を打倒する為に多くの学者が研究を重ね、最終的には、「運動量の高低を見分けるための情報もエネルギーであり、一度観測した情報を再利用する為に消去する過程でエネルギーが必要になるため、永久機関は作れない」という結論が1980年代に出され、実質的にとどめを刺された。
- 悪魔の証明
- 法律用語で、簡単に言うと「いないことの証明はいることの証明よりずっと難しい」ということ。
- この場合、「マックスウェルの悪魔はいる」という証明には実例を示せばよいが、「マックスウェルの悪魔はいない」という証明には完全な理論が必要となる。
- おそらく、同名のスキルが「いないと証明されていないから消えない」という論理で不死能力の源になっていると思われる。
登場作品と役柄
- Fate/KOHA-ACE 帝都聖杯奇譚
- キャスターのサーヴァント。
- 連載前では「ぶっちゃけ、まだ考えていない」が、本編が連載された際に英霊は決まった。
人間関係
帝都聖杯奇譚
その他
- ジェームズ・クラーク・マックスウェル
- 19世紀に生きた数学者。
- かつて根源に挑んだ。
- ある意味では、自身の生みの親。
名台詞
- 「せめて名乗らせてもらえませんかね!?」
- 絶体絶命の総統に呼び出され、満を持しての初登場……したと思った次の瞬間、魔人アーチャーの手で即座に射殺。その間、僅か1コマ。名乗りどころか後姿だけの登場であった。
- 「まあ、こうみえても私、いちおう悪魔ですのでそれなりに」
「魔術とは失敬な、れっきとした科学ですよ科学」
「ま、サーヴァントの私が言うコトでもないですが」 - 魔人アーチャーに撃たれながら平然と復活したことと、英霊兵のことについて問われた際の返答。この地点ではキャスターの真名は明かされておらず、かなり得体のしれない印象を与えてくれる。
- (三下くさいなあ、わたしたち……)
- アサシンと共にランサーのマスターを人質にとって、心中の台詞。人質作戦自体もそうだが、この時のアサシンの言動は調子に乗った三下そのもの。
- 「まぁ、少し先か遠い未来には否定されているかもしれませんがね」
- いずれ自らを否定しうる理論が生まれる可能性があることについても何気ないことのように語る。
- 「さて、その私が唯一行使しうる能力、強欲なる人類が夢見た無限の心臓、すなわち――」
「熱力学第二法則の否定」
「『マックスウェルの悪魔』」 - 宝具解放。熱力学第二法則を否定し、無限の魔力を生成する。
- 「なるほど、さすが抑止の守護者…」
「なんと、みにくい人の祈り――」
「ですが、それを超えるのが我が存在の――」
「証明!!」
「アナタに敗れたというコトは、やはり私は否定される運命というコトですか」
「――であれば、同じ人の祈りから生まれ、争う私達とはなんなのでしょうね」
「いやはや… とかく人とは」
「度しがたい」 - 最終決戦時。普段の気さくな台詞ではなく、人の祈りから生まれた自らと抑止の守護者たる英霊やサーヴァントに関する真剣なもの。
メモ
- 病やら物語の系譜を組む、概念が実体化したサーヴァント。
- 悪魔とは呼称されているが、自然科学や論理学における「悪魔」は「特定のことができる存在」という意味の「デーモン」(コンピュータ関連でも同一の用語を使用する)であり、教会的な意味での「デビル」とも別である。
- とは言うものの、「人の都合で設定され、多くの人間がそれに挑み、打ち倒されるまでの過程と結果で人類に対して貢献する」という意味では、元来の意味での「反英雄」に非常に近い側面も持っている。
- 「人間の欲望によって歪められ、悪魔とされた存在」という意味ではメフィストフェレスに近いかもしれない。
- 連載前の「ぶっちゃけ、まだ考えていない」という扱いから一転して、帝都聖杯奇譚の本編では黒幕やラスボスと呼べる立ち位置での登場となった。
- 真名が明かされたのも魔人アーチャーが桜セイバーに倒された後と、かなり終盤。また、真名自体についても他のサーヴァントは日本か中国の史実の英霊である中、彼はスコットランドの学者が提唱した概念が元になっており、作中では異彩を放っている。
- メタ的な視点から考えると、本編連載前に「魔人アーチャーがラスボス」「桜セイバーが最終決戦で宝具『誠の旗』を使い新選組の仲間を呼び出す」というネタバレがされており、その展開をなぞるだけでは盛り上がりに欠けるという判断から、彼のようなどんでん返しが用意されたのかもしれない。