ボイジャー

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クラス不明/フォーリナー
真名 ボイジャー
外国語表記 Voyager
性別 男性
身長 127cm
148cm(第三再臨時)
体重 26kg
40kg(第三再臨時)
出典 Fate/Requiem、史実
地域 北米・アメリカ合衆国
属性 中立・善
声優 井口裕香
デザイン NOCO
レア度 ☆5
初登場作品 Fate/Requiem
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概要

クラス不明のサーヴァント

略歴
宇津見エリセクンドリーから襲撃を受け、戦闘中に神田川へと落水した時に幻覚を見るような形で出現。エリセの身体に令呪が現れなかったことから、契約主不明の野良サーヴァントとして扱われる。
真名を聞いても要領を得ず、クラスも不明。彼の来歴やマスターを調査すべく都市の管理AIカレン・フジムラを尋ねたが結果は芳しくなく、カレンの依頼もありそのままエリセの元で保護されることとなった。
サン=テグジュペリの著作『星の王子さま』のキーワードに反応したことと、イラストの王子様と似ていたことから、フランス語で王子を意味する「ル・プチ・プランス」をもじった「プラン」という仮初の名前を付けられた。
聖杯トーナメントの襲撃事件を経てエリセに令呪が出現し、正式なサーヴァントとなる。
人物
白色に近い淡い金髪と色素の薄い白い肌を持つ神秘的な少年。外見年齢は八、九歳。
首には金属や緻密な織物とも言い難い不思議な素材の布地のマフラーを巻き、着衣はギリシャの貫頭衣チュニックの雰囲気のあるシンプルなデザインの服を着ている。
訥々とした喋りで、基本的にひらがなのみで表記される。入浴やシャワーのことを知らなかったり、かと思えば『星の王子さま』のキーワードは知っていたりとその知識には偏りがある。
見た目通りの子供のように様々なことに興味を示したり、エリセの言葉に頓珍漢な反応を返したかと思えば、時折謎めいた鋭い言葉を発したりする。
能力
ンザンビのナイフに触れ、白熱させ砕くという芸当を行っているが、詳細は不明。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
宇津見エリセ
フォーリナー  主人公 (Grand Order) A+  B A 領域外の生命:C
単独航海:A
文明接触:D
星の航海者:A
スイングバイ:A
最果ての加護(宇宙):B

宝具

遥か青き星よ(ペイル・ブルー・ドット)
ランク:B
種別:対星宝具
レンジ:0~999
最大捕捉:―――人
1990年に探査機ボイジャー1号が地球から60億キロメートルの彼方から撮影して地球に送信した写真。
あまりの遠さに地球はほんの0.12ピクセルの青い点にしか映らなかったが、そのわずかな点の中に、彼を創造して送り出した全ての人々が生きている。
『Grand Order』では「自身の宝具威力をアップ(1ターン)<オーバーチャージで効果アップ>+敵全体に強力な〔天の力を持つ敵〕特攻攻撃[Lv]+味方全体のNPを増やす&味方全体の〔今を生きる人類〕(一部の疑似サーヴァント、デミ・サーヴァントなど)のNPを少し増やす」という効果を持つQuick属性の全体攻撃宝具。
第1~第2再臨と第3再臨以降とで宝具演出が変わる。
「今を生きる人類」とは、ボイジャーの活動と同年代に生きて地上に存在している人間のこと。サーヴァントの中で言えば実際に生きる人間であるマシュの他、そういう人間を依り代にした疑似サーヴァントが該当するが、「今を生きる」でも人類でない存在は対象外だったり、同じ人間を依り代にしているサーヴァント同士で対象だったりそうでなかったりする。

真名:ボイジャー

探査機ボイジャー。1977年にアメリカ合衆国フロリダ州から打ち上げられた、NASAの無人惑星探査機。
火星・金星・水星の探査機計画「マリナー計画」の後継にして、木星以遠の惑星が特定の位置関係になる百数十年に一度の好機を利用しスイングバイを多用して冥王星付近まで到達することを目的とした「ボイジャー計画」で作られた探査機。
木星、土星、天王星、海王星[1]と言った惑星に実際に接近して様々な新発見をし、その後は太陽系を飛び出して星間空間を飛び続けている。
しかし彼は「一人の英雄」と見なされるに足る偉業を成し遂げたとは言え、元来は生き物ですらない無機物である。それがマスターとの意思疎通を図り聖杯戦争を勝ち抜くために人の姿を求めたところ、人の姿を得るという奇跡と引き換えに、本来聖杯から与えられるはずの様々な知識が欠落した無垢な状態で現界した。
様々な言語を解するが、その会話はたどたどしく語彙も少ない。肉体は8歳前後の何の変哲もない少年で頑強とは言えない。このようなアンバランスな存在として、彼は人の姿で召喚に応じる事ができた。
なお彼の外見は、最初のマスターであり彼が自己を確立するのに大きな影響を及ぼした最初のマスターの主観が大きく関わっている。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Requiem
エリセの前に現れたサーヴァント。
Fate/Grand Order
『Fate/Requiem』コラボイベントの開催に伴い実装された。

人間関係

Fate/Requiem

宇津見エリセ
マスター。
朽目
秋葉原の街中で出会ったストリートミュージシャン。彼の音楽に興味津々で懐きまくっていた。
ンザンビ
マスターと敵対していたサーヴァント。
「へびじゃないならこわくない」と意味深な言葉を告げ、彼女のナイフを溶かした。

Fate/Grand Order

オリオン
「おらいおん」と英語読みで呼び掛けており、肩に乗せてほしいと頼んでいる。オリオン座関連の縁であろうか。
ケイローン
「せんとーる」と英語読みで呼び掛けており、打ち上げられたときに力を借りたような感覚を持っている[注 1]
イアソン
「じぇいそん」と英語読みで呼び掛けており、向こうからも「船なら良い船長を見つけろ」と言われる仲。
星座でかつてあった「アルゴー座」および、そこから分割された「らしんばん座」「りゅうこつ座」などからの縁であろうか。
トーマス・エジソン
敬意を払う相手。カルデアでは見かけたら必ず敬礼し、ゲーム内秋葉原でも最初に出会った時から主人公以外で駒を触る事を拒否しない等、非情に懐いている。
エジソン個人に対してなのか、歴代大統領を含めた「アメリカの体現」に対してなのかは明言されていないが、「あのひとの負けん気・冒険心・見栄から僕は生まれたようなもの」「そしてそれらを最後まで捨てなかった人だから僕は敬意を払う」と、彼の人格の全てに対して強くリスペクトしている。

名台詞

Fate/Requiem

「あい、あすく、ゆー」
「あー、ゆー、わーじー、おぶ、びーいんぐ、まい、ますたー?」
エリセと少年とのファーストコンタクト。とつとつとした英語で語られる、契約の言葉。
普通のアルファベット表記に直すなら"I ask you." "Are you worthy of being my master ?"だろうか。
若干の意訳になるが、つまり「問おう。貴方が私のマスターか」という意味である。
「せんそう?」「せんそうって、なに?」
「ころすんだね」
本来あり得ないはずの戦争を知らない英霊。
子供の様な英霊、無垢な英霊は存在しても聖杯戦争に参加する以上英霊ならば誰もが知るはずの戦争の概念すら知らない奇妙な少年。
その口から語られる純粋な事実の指摘はもっとも高潔な騎士と称されたギャラハッドすら口を閉じざるをえなかった。
「ぼくもね、そうおもってたんだ。ぼくも、ひとりなんだ」
「このさきもずっと。それはだれかのためなんだと、おもっていた」
「でもね、ちがったかもしれない」
誰かに愛されたい、必要とされたい為に死神と呼ばれ殺し続けるエリセに送った言葉。ボイジャーを名乗る不思議な少年が自らの人生を少しだけ語る。
「うん―――やっと、あえたね、エリセ」
「―――いいよ、エリセ。このせかいを、こわそう。聖杯戦争せんそうをおしまいにしよう」
「きみののぞみは、ぼくの、わすれもの。ふたりで、おしまいを、みとどけけよう―――」 
世界で最後に召喚されたサーヴァントの紡ぐ真の契約の言葉。死神と呼ばれたマスターの前に現れた少年は世界に何をもたらすのか。

メモ

  • 作中でも指摘された通り童話『星の王子さま』との関連性が指摘されているが現状では詳細不明。なぜ似ているのかも含めて今後の情報が期待される。
    • 『Fate/Grand Order』では、霊基再臨すると衣装が「王子さま」によく似たものに変化する。
  • 現実の人工物が英霊化した初の事例(※下記「話題まとめ」欄も参照のこと)。
    • 人が造った英霊という意味ではナーサリー・ライムフランケンシュタインも該当するが、前者は絵本の総称となった概念であり、後者は架空の物語から生まれた存在であるので、実在した特定の人工物という意味では彼が初。
  • 下記のような作中の描写から、真名判明以前から実在の宇宙探査機「ボイジャー1号」との関係性が指摘されていた。
    • 作中でボイジャーが犬の鳴き真似をしたり、歌に興味を持ったのは後述のボイジャーのゴールデンレコードに由来すると思われる。
    • ボイジャー1号が機能停止するとされている2025年は、アポロ計画で「アポロ11号が月に到着した時から56年後」の『Fate/Requiem』の年代と重なっている。ちなみに2号の停止時期は2030年ごろになる。この機能停止を死亡時刻とみなすのならば、2020年現在でも存命かつ実在する英霊の一人ともみなすことが出来る。
      • なお、レクイエムの世界では宇宙開発どころか飛行機が飛ぶことすら廃れてしまっているらしい。
    • ボイジャーの巻いている不思議なマフラーの模様は、人工衛星の太陽電池パネルの展開方法を研究する過程で生み出されて各種宇宙実験でも使われている、日本で開発された通称「ミウラ折り」ではないかと考察されている。

話題まとめ

ボイジャー計画について
「ボイジャー」という名前は、ボイジャー計画、そしてその一環として打ち上げられた2機の無人惑星探査機、ボイジャー1号・2号から。
ボイジャー計画は太陽系の外惑星・太陽系外の探査計画として1977年に開始され、21世紀初頭の現在でもなお進行中。
ボイジャー探査機の主な功績としては、各惑星における衛星の発見、木星・天王星・海王星の環の確認が挙げられる。また、かつての人類にとっての未知の領域に存在し続け、今もなお観測を続けていること自体が功績であるとも言えるかもしれない。
1号の打ち上げは1977年だが、原子力電池の出力低下のため2025年には完全に機能停止すると見られている。また、1号は2018年末の時点で最も地球から遠くにある人工物である。
ボイジャーのゴールデンレコード
ボイジャー探査機は『ゴールデンレコード』を積んでいることでも非常に有名である。その知名度の高さの所以は、人類がパイオニア探査機の金属板に続き正式に発した地球外生命体へのメッセージを記した媒体であることだと言えよう。
このレコードには地球の位置や自然などの地球そのものへの情報、そこに生息するあらゆる生命達が居るという情報、そして人類の情報があり、人類の生態や文明や科学そしてこのレコードを何故どのようにして送ったのかの記録が写真や図となって記されている。
また視覚的なメッセージだけでなく音声としてのメッセージも記されており、各種気候音や動物の声、そして6000万年前のシュメールにおいて話されたアッカド語を始めとし、現代の国の言語をまとめた55の言語における挨拶、そして各国家の歌や音楽が記されている。
作中ではエリセが川に水没した時に様々な楽器で奏でられた音楽や、数多くの知らない言語による挨拶のような言葉を聞いたという描写があるが、それらはこのゴールデンレコードの内容だとファンからは推測されている。
1号機か2号機か
サーヴァントとなったボイジャーが、具体的にボイジャー1号か2号のどちらなのかは不明(先述の『Requiem』の年代からすると1号とも考えられる)。
宝具である「ペイル・ブルー・ドット」の写真を撮ったのは1号機である。また、『Requiem』の時代にちょうど地球との通信可能限界を超えるだろうと想定されているのも1号の方である。「セントール」の名を持つ打ち上げロケットは両号が使っているが、1号機の方にだけ「もう片方のロケットが途中で止まってしまい十分な速度を得られない可能性が発生したが、セントールの噴射で十分な加速をつける事ができたために当初の予定通りに打ち上げが完了した」というエピソードが存在する。しかし、第三再臨以降の宝具演出で見られる太陽系惑星の中には天王星・海王星と思われる惑星が映っており、この2つの惑星を訪れたのは2号機の方だけである。
このようにボイジャーはどちらの探査機の要素も含んでおり、また一般人の知名度レベルでは「ボイジャー探査機という存在」およびその偉業は知っていても、1号機と2号機の具体的な違いは知らない、というケースも少なくないと思われる。
以上のことから、ボイジャーの正体は「1号機と2号機を合わせた『ボイジャーと言う概念』そのもの」ではないか、という見方が強い。

脚注

注釈

  1. 打ち上げ時に使用したロケットが「セントール型」であるからと思われる。

出典


リンク

  1. 天王星と海王星は2号機のみ