ヴァン・ゴッホ
フォーリナー | |
---|---|
真名 | ヴァン・ゴッホ |
本名 |
ヴィンセント=ヴァン・ゴッホ クリュティエ=ヴァン・ゴッホ[注 1] |
性別 | 女性 |
身長 | 140cm |
体重 | 39kg |
好きな物 | 温かい色、アルルの黄色い家、コーヒーの香り、語り合える輩、刺激的で穏やかな創作の時を過ごすこと、食べること[注 2] |
苦手な物 |
(強いて言うなら)なんでも受け入れる自分 過ぎた批判[注 2] |
出典 | 史実 |
地域 | オランダ |
属性 | 混沌・悪 |
一人称 | ゴッホ/わたし |
二人称 | あなた |
三人称 | ○○さま/○○ちゃん[注 3] |
声優 | 高橋花林 |
デザイン | きばどりリュー |
設定作成 | amphibian |
レア度 | ☆5 |
初登場作品 | Fate/Grand Order |
概要
- 略歴
- 『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル』で登場。虚数空間で航海中のノーチラス号に救助される形で合流し、そのままクルーの一員として行動してゆく。
- 自身をヴァン・ゴッホと名乗るも、ヴァン・ゴッホはFGOの世界でも明確な男性として写真などの詳細な記録が残っており、女性であるはずがない人物であったため不審を抱かれる。性別が絡むエピソードについての質問にも要領を得ない回答を繰り返していたが違和感は次第に大きくなっていき、クライマックスでは自身の正体を自覚してしまい、逃走。
- クルーに迷惑をかけたくないあまり永遠に虚数空間に一人でいるつもりであったが、キャプテン・ネモからの呼びかけを受けて、自身の存在を「クリュティエ=ヴァン・ゴッホ」[注 4]として確立。邪神の軛を断ち切って再び合流した。
- クライマックスでは暴走した楊貴妃と彼女が連れてきたフォーリナー達を元に戻すべく主人公らと共闘し、事件終了後はそのまま別れた。……と思いきや「触手が絡まった」とのことでそのままカルデアについてきてしまった。
- 人物
- 陰気な印象を与える少女。
- クリュティエとゴッホの性別の異なる人物の人格が同居しているたために性格がとにかく不安定で、躁鬱のような言動も多く、「ゴッホ」と「クリュティエ」の自認のコンフリクトもしょっちゅう起きている。
- また、クリュティエの由来からか、意外と図太くて策略家の面も持ち合わせている。
- 自身の精神については「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」の記憶と、「クリュティエ」の肉体を仲立ちする「どちらでもない存在」と認識している模様。
- 能力
- 虚数空間に登場したためか、虚数空間の生命を取り込んで栄養に変えたり、物質化したりすることができる。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
フォーリナー | 主人公 (Grand Order) | E | B | C | A | D | A+ | 領域外の生命:A 狂気:C 道具作成:B- 神性:B+ 向日葵の呪い:A |
虚数美術:B+ 黄色い家:A+ 澪標の魂:EX |
宝具
- 星月夜(デ・ステーレンナフト)
- ランク:EX
種別:対人
レンジ:1~5
最大捕捉:25人 - サン・ポール療養院の窓からの光景を想い描いた、幻想的な絵。その人智を超えた世界観がカンバスからあふれ、固有結界を形成し、現実を侵食する。
- 晩年のゴッホは不可解な精神疾患の発作に苦しみつつ、信仰と善なるものを求めて絵筆を執り続けた。
- その狂気じみた執念が外なるものどもに利用され、他者の霊基や精神構造を改変・神化させる禁断の宝具となった。
- 「水の司祭」の妄執がもたらした、異界の祝福の象徴。
- 黄色い家(ヘット・ヒェーレ・ハイス)
- ランク:A+
種別:対軍
レンジ:1~5
最大捕捉:8人 - ゴッホの才を開花させる転機となり、ゴッホの夢の破綻の舞台ともなった、南仏アルルの居宅を絵で再現する。
- 敵に対しては南仏を苛む風・ミストラルの嵐を、味方に対しては手厚い加護を与えるが、一方で呪いも蔓延させてしまう。
- 「風の貴公子」の偏愛が込められし、異界の悪意の象徴。
真名:ヴァン・ゴッホ
邪神の手によって、オランダの画家「ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ」に、ギリシャ神話のニンフ「クリュティエ」が合成された存在。
霊基の80%はクリュティエのものであり、肉体と人格は女性であるクリュティエがベースとなっている。残りの霊基は邪神由来のブラックボックスが15%ほど、ヴァン・ゴッホとしての男性の記憶と画才が5%ほど占められている。ゴッホの完全な生涯の記憶が組み込まれている代わりに、クリュティエの記憶は皆無である。
ゴッホが5%だけというのは、クリュティエは曲がりなりにも神霊の一種なので、霊基の規模が常人より膨大であり、若死したゴッホの記憶容量が相対的に小さな割合になるため。
自身の降臨の手段としてヴァン・ゴッホの宝具を欲した邪神だが、そのまま召喚して使役しようとしても英霊ヴァン・ゴッホは抵抗して宝具を使う前に自殺してしまうため不可能。そこで邪神が採った手段が、「自殺しない」という逸話を持つクリュティエと合成する事で自殺を封じること。自殺を封じるだけではゴッホは抵抗を続けるが、死なないままで抗い続けてもやがては狂気に飲まれ、自身の在り方に反して邪神のために宝具を使う。つまり、最初から発狂させて壊してから使うためにこの形で召喚されたという事になる。
- ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ
- 19世紀のオランダ出身の印象派画家。
- 代表作には『ひまわり』、『星月夜』、『タンギー爺さんの肖像画』等がある。
- 強烈な色彩と荒々しいタッチが特徴的であり、奇矯な性格でも知られている。
- 史実では自殺したとされている[注 5]が、FGOにおいてはここに更なる解釈が加えられており、晩年に描いたとある絵画によって外なる神と繋がりを持ってしまい狂気に侵されそうになったが、それに抗い続けた結果、狂気に飲まれる前に自殺したという事になっている。
- この逸話から、英霊ヴァン・ゴッホは邪神に利用されそうになるとそれに自殺してでも抵抗するという性質を持つ。
- クリュティエ
- ギリシャ神話に登場する水霊(ニンフ)の一人。
- アポロンの恋人であったが新しい人間の恋人に嫉妬し、彼女の父親に讒言して殺させたとされている。
- アポロンからは捨てられてしまったがそれでも諦めきれずに空を行く彼を追いかけ続け、最期には花になってしまった[注 6]。
- この事から、「自殺しない」性質を持つ存在となっている。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/Grand Order
- 『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル』開催に伴い期間限定サーヴァントとして実装。
人間関係
Fate/Grand Order
- ネモ
- 『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル』で出会った船長。
- 航海を通して彼と絆を育み、クライマックスでは彼の呼びかけに応えて自己の存在を確立した。
- 楊貴妃
- 『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル』で出会った同クラ仲間。
- 互いに助け合い、終盤に裏切られた際にもどうにか正気に戻そうと奮闘していた。
- 葛飾北斎
- 『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル』で出会ったフォーリナー仲間。かつ、歴史に名を遺す画家仲間。
- 生前から大ファンだったためにテンション爆上げ状態。親子で一緒にいることについては自分も弟と一緒にいたかったとこぼしていた。
- もっとも北斎からは、本当に影響を受けたのは歌川広重からだろうと指摘されている(実際ゴッホは広重の浮世絵を数点模写している)。
- フランケンシュタイン〔セイバー〕
- 『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル』で出会った仲間。
- 同じ「つぎはぎの怪物」として自分に寄り添ってくれたことがとても嬉しかったようで、存在意義について参考にしている。
- その一方で、自分以上にマイペースなことについては半ば呆れている。
- 謎のヒロインXX
- 『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル』で出会ったフォーリナー仲間。
- 資本という名の邪神に取り憑かれた彼女にゴッホの生前の極貧トークをかましてドン引きされた。
- カルデアでも時々コーヒーを差し入れているが、彼女からは困惑されている。
- アビゲイル・ウィリアムズ
- 『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル』で出会ったフォーリナー仲間。
- その純真さを評価しつつも、その純真さを守るべきか、汚れた現実に抗う術を教えるべきか決めかねている。
- クリストファー・コロンブス、ガイウス・ユリウス・カエサル
- 自身の幕間の物語にて、カルデアのインタビューを装って秘密を聞き出して大金を得ようとしていた連中。
- さすがにプライバシーの侵害だと激怒して主人公と一緒にボコボコにした。
- マルタ
- バレンタインイベントでは、クリュティエにとっての故郷である地中海料理としてマリネの作り方を教わり、一緒にプレゼントする絵にも彼女の姿を入れていた。
- 花の邪神
- 生前「星月夜」を使って介入してきた邪神。
- おそらく、クトゥルフ神話における名前は「ヴルトゥーム」。
- もう一柱の邪神
- 生前「黄色い家」を使って介入してきた邪神。
- おそらく、クトゥルフ神話における名前は「ハスター」。
生前
- テオドルス・ファン・ゴッホ
- ゴッホの弟。画商であり、最大の理解者。
- 生活に困窮するゴッホを支え続けた。
- 彼女としてもゆっくりと語り合いたい相手。
- ポール・ゴーギャン
- ゴッホと同じ時代に活躍していた画家。
- 一時期はアルルで同居して共に創作活動をしていたが、性格の違いから共同生活は破綻してしまった。
- 師匠であり、宿敵であり、友人であると認識している非常に複雑な関係の相手。
- 「ゴーギャンちゃん」と呼んでいるが、割と誰に対してもそのような呼び方の上「彼」と言っているので、男性と思われる。
- アントン・ファン・ラッパルト
- テオドルスの仲介で知り合った画家仲間。
- 自身の作品「ジャガイモを食べる人々」を酷評されたことについて下記のようにトラウマになったようで「あれはない」と今でも怒りを露にしている。
- アントン・モーヴ
- 絵画の師匠。
- 些細な行き違いで袂を分かってしまったことについては、今でも後悔を抱えている。
- アポロン
- クリュティエが生涯をかけて執着したギリシャの太陽神。
- とはいえ今のゴッホからはクリュティエの記憶はなくなっているため執着はないが、彼を見ていると後悔が湧いてくるとか。
名台詞
Fate/Grand Order
戦闘
- 「ゴッホカッター!」
- 攻撃時の台詞の一つ。手に持ったヒマワリを回転ノコギリのようにして斬りつけるというツッコミどころ満載の攻撃。
- そしてプレイヤー達は「まさかそれで耳を切り落とすんじゃあるまいな」と戦慄したとか。
- 「ねえテオ聞いて! こんなにこんなにこんなにつまらないものに、神なるものはご執心ですって!
ほんとにほんとに本当につまらない連中! だから作り変える……全部作り変える! この、星月夜に!」 - 第二再臨以降の宝具発動。狂ったように捲し立てる口調が聞く者を戦慄させる。
- ここで言及されている「テオ」はゴッホの弟であり最大の理解者でもあるテオドルスの事であろうか。
- 意味も、「ゴッホの描いたつまらない絵に執着している邪神に失望している」「クリュティエとしてつまらない人間なんかに執着しているアポロンに怒りを抱いている」とダブルミーニングになっている。
マイルーム
- 「嫌いなこと……過ぎた批判はちょっと。もちろん、的を射たものなら大歓迎ですけど。
……本気で描いたのに。……あんなにメタメタに言わなくても……!
……あーーーーーっ!!! ジャガイモをくらえー!」 - 「嫌いなこと」。批判された過去を思い出してしまったのか途中で激昂してしまった。
- おそらく、言及されているのは若い頃の作品「ジャガイモを食べる人々」。労働者階級を描いた意欲作であったが、作品全体の陰鬱さとテーマの地味さから酷評されたと言われている。
イベント
- 「こうして働いておりますと、グーピル商会を思い出します。
インテリなゴッホ……やればできるゴッホ……態度がクソ罪で解雇されるゴッホ……!
エヘヘ……死にたい。助けてテオ……!」 - 『虚数大海戦イマジナリ・スクランブル』でのショップ台詞の一つ。
- 勤め人としての過去を楽しげに回想してたと思いきや、トラウマを思い出してしまったのか急激にテンションが下がってしまった。
- なお、グーピル商会というのはゴッホが若い頃に勤めていた画商。それなりの期間所属していたがキリスト教にのめり込む中で商売に疑問を持ち、ついには無断欠勤がたたって解雇されたとされている。
メモ
- ゴッホに融合している邪神の一体「ヴルトゥーム」は、実は元ネタのクトゥルフ神話界隈ではマイナー中のマイナーな存在[注 7]で、小説内でも火星に移り住み、地球への侵攻を目論んでいることは他の旧支配者と変わらないが、全土を支配したいという訳ではなく、存在そのものがもはや伝説と化している。と書かれている。
- ゴッホのエピソードで特に有名なのが、ゴーギャンと口論の末に自らの左耳を切り落とした事件だろう。当然だがゴーギャンは仰天し、ゴッホを精神病院に入院させると共に彼との共同生活を終わらせた。
- ゴッホがこのような凶行に走った原因としては、アブサンの幻覚作用が指摘されている。
- アブサンはニガヨモギやアニス、ウィキョウなどのハーブを使用した蒸留酒で、エメラルドグリーンのカラーリングと高いアルコール度数(45度~90度近く)が特徴となっている。ワインよりも安価に製造出来た事から18世紀~19世紀のフランスで大流行し、当時の風物詩として様々な芸術作品に登場した。
- しかし、主成分のニガヨモギには大量に接種すると強い幻覚作用をもたらす上に常習性を持つ成分が含まれており、多く人々がゴッホのように身の破滅を招いた。
- アブサンの中毒で破滅した有名人には、画家のロートレックやモディリアーニ、詩人のヴェルレーヌといったフランスを代表する芸術家達も含まれている。
- やがて、アブサンの危険性が知れ渡るとアメリカ・スイス・ドイツなどでアブサンの製造・流通・販売が禁止されるようになり、アメリカでは1997年まで国内への持ち込みが禁止された程である。一方で日本やスペインのように規制が無かった国も多かった。
- その後、1981年にWHOの提言で幻覚作用をもたらす成分の許容範囲が定められた事で製造が復活した。
脚注
注釈
出典