ロード・エルメロイⅡ世の冒険

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ロード・エルメロイⅡ世の冒険
著者 三田誠
イラスト 坂本みねぢ
魔術考証 三輪清宗
レーベル TYPE-MOON BOOKS
単行本 既刊6巻
発売元 TYPE-MOON
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概要

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿の続編。事件簿のストーリーから数年後(第五次聖杯戦争の3年と数カ月後)の話が描かれる。 舞台はロンドンから飛び出し世界へ。テーマも「魔術」から「神」へと、更にスケールアップした物語が描かれる。

Fate/stay nightの前日譚であり同時期・同世界観のストーリーであった『事件簿』の続編であるため、同一世界観において第五次聖杯戦争の『後』が本格的に描かれる、初の作品となる(Fate/hollow ataraxiaなどでも断片的に語られてはいたが)。 そのため、原作者の奈須きのこ全面監修により『解体戦争に繋がる独自ルート』が用意され、それを元に描かれている。

2020年12月に第1巻が発売。

登場人物

メインキャスト

ロード・エルメロイⅡ世
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』に続き主人公及び探偵役を務める。
既に典位や色位の魔術師を何人も輩出しており、無視できない勢力を形成しつつある。
また、敵対する魔術師への報復として、魔術を解体し特許申請して利益を得ている為、『略奪公』と呼ばれ忌み嫌われ恐れられている。 最近は自分以外の講師陣も育ち、エルメロイ教室の体制も安定してきたため、講師を辞めて己の魔術の道を行くのに専念したいと口にするが……。
グレイ
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』と変わらずロード・エルメロイⅡ世の内弟子を務めている。
第五次聖杯戦争にてアーサー王が召喚された影響により、肉体の加齢が止まっている。
『事件簿』の時と比べ、『槍』を使った際の反動に耐えられるようになっている。
エルゴ
『ロード・エルメロイⅡ世の冒険』で初登場する期間限定の弟子。
背中から出てくる6本の幻手を操る能力を持つ。
数百年前に3人の魔術師が3柱の神の因子を融合させて作り上げた「神喰らい」。エルメロイⅡ世と共に自分が喰らった神の正体の謎を追っている。
遠坂凛
ロード・エルメロイⅡ世の弟子の一人。その教師と同じく聖杯戦争の経験者。
ルヴィアとの喧嘩で時計塔の施設に多大なダメージを与え、同時にその被害額に匹敵する価値の論文や術式を発表している問題児にして優等生。
シンガポールでコンサルタントを名乗って現地の海賊を従え、鄭和艦隊の沈没船のサルベージ事業を試みていたところ、エルゴを発見し匿っていた。
ライネス・エルメロイ・アーチゾルテ
ロード・エルメロイⅡ世の義理の妹であり、アーチボルト家現当主。
御家再興のため、そして義兄の願いを叶えるため、彼の元に謎や事件を持ち込む。

神を喰らった男

ラティオ・クルドリス・ハイラム
エルゴの創造者の1人の末裔。
アトラス院の「六源」の一つ、クルドリス家の女性錬金術師。自分の骨を操る「エグゾフォルム」という術を使う。
アトラス院の魔術師らしく高速思考と分割思考による短時間の疑似未来視が可能。
つい最近までアトラス院に引きこもっていたが、エルゴが現れたのをきっかけに俗世に出てきた。
タンゲレ
骨の巨人。ラティオの分割思考2つ分を宛てがわれた使い魔。ラティオに比べるとフランクな口調と性格。
無支奇
エルゴの創造者の一人で、追放された山嶺法廷の仙人。「盤」を作った者の一人でもある。
美しいが禍々しい印象の強い、白い炎のような女性で、鷹に姿を変えられる。
年齢はラティオより2つか3つ桁が上と称し、項羽虞美人を目にしたことがあるようなことを言うなど、二千年以上の時を生きている様子。
エルゴに強い執着を持つ。
ラナ
マングローブ林に住んでいる子供。エルゴに懐いている。幼いながらも海賊としての心構えと腕前で活躍する。
クリス
時計塔シンガポール支部の支部長。ぴしりとプリティッシュスーツを着込んだ壮漢。
大陸の魔術組織、螺旋館・新加坡楼に所属する人物。恰幅の良い女性。

彷徨海の魔人

両儀幹也
蒼崎橙子の紹介でⅡ世らを出迎えた男性。空の境界に登場した黒桐幹也と同一人物。
両儀未那
両儀の当主と幹也の娘。父のことを旧姓であるコクトーと呼びたがっている。
白若瓏
エルゴに神を喰わせた彷徨海の魔術師を師に持つ男。
エルゴと似通った能力を持っている。
夜劫アキラ
白若瓏に拐われたと言われており、捜索されている少女。
魔術の家系である夜劫の生まれだが、一般人の妻に引き取られたため魔術については詳しくない。
夜劫朱音
日本の魔術組織夜劫家の当主。
夜劫雪信
夜劫の次期当主と目されている男性。アキラの父。
ジズ
エルゴに神を喰わせた魔術師のひとりであり、白若瓏の師。彷徨海の『保存の扉』に所属する、賭け事好きの美しい男。
シンガポールにて役者に扮し、孫行者哪吒の戦いを演じていた彼が渡したメモによりエルメロイⅡ世がこの事件に巻き込まれることとなる。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』以降、正式にロード・エルメロイⅡ世の生徒となった。凛と並ぶ問題児の片割れ。
地上で最も優美なハイエナと呼ばれるエーデルフェルトの独自の立ち位置と情報により協力することとなる。
夜劫メイ
雪信の娘でありアキラの姉。彼女が急死したことによりアキラが連れ戻されることとなる。
佐野
若瓏とアキラと共に行動していたホームレスの男性。
斑鳩
夜劫の若頭。アキラを奪還しようとし、交戦した若瓏に部下共々倒された。

錬金術師の遺産

シオン・エルトナム・ソカリス
アトラス院の「六源」の一つ、エルトナム家の錬金術師。8歳の時点でアトラス院の教官の地位に就き、10歳にも満たない幼さでエルトナムに伝わる「エーテライト」を巧みに使いこなす天才少女。
アトラス院唯一の掟である「研究成果の外部流出の禁止」を破った裏切者を調査するうち、エルゴたち一行と接触する。
エルメロイⅡ世については、冷徹で他人の弱点に付け入ることに長ける策謀家だと勘違いしていた。(もっとも、エルメロイⅡ世の動向を外部から観察した場合、そう思うのは当然のことである)
ラティオ・クルドリス・ハイラム
一度はエルメロイⅡ世らと敵対した仲だが、エルゴに秘められた謎を解き明かすため此度は協力者として共に事件に挑む。
タンゲレ
ラティオの使い魔である骨の巨人。この一連の事件に連なる、とある秘密を持つ。
カルマグリフ・メルアステア・ドリューク
考古学科メルアステアの学部長。ロード・メルアステア。中立派のトップだが魔術師らしい威厳はなく、控えめで頼りなさげな印象すら与える学者肌の男性。時計塔一のゆるふわ君主などと呼ばれる。
アレクサンドリアにてアトラス院と合同で行われている『発掘調査』に携わっている。
外見の印象とは裏腹に、かつて最弱の十一科と呼ばれた考古学科は、彼が君主になってから大きく勢力を伸ばしている。秘蔵した礼装の質と量も群を抜く。エルメロイ家が失墜し鉱石科を失った際、考古学科と同時に鉱石科の君主にもなった。時計塔の上流階級としては珍しくエルメロイⅡ世を侮る様子を見せず、称賛する。
属性は地と空。折りたたみ式の弓の礼装、双銀瞬弧(シュート・ザ・ムーン)から、着弾地点の装甲を変化させる魔術の弓を放つ攻撃を得意とし、本調子でない状態でも凛とルヴィアを同時に相手取って戦うだけの実力を持つ。
クォート・イシュタリオ・アズバン
アトラス院の「六源」の一つ、イシュタリオ家の錬金術師。派手な五色の髪色をした寡黙な青年。
皮膚を変化させるイシュタリオの家伝特質「モレクルフェイス」を用い、溶解の能力に長ける。瞳の水晶体を変質させて視力を調整したり、また手のひらの皮膚を使って絵や地図を描くことも可能。
ジョゼッペ・イシュタリオ・サグダイム
アトラス院の「六源」の一つ、イシュタリオ家の錬金術師。ふくよかで丸々としたちょび髭の青年。相棒のクォートとは正反対に陽気で口も達者。
クォート同様にモレクルフェイスの使い手で、手指から高熱を放つことが可能。手から出した分泌物を燃やし、その炎を生き物のように自在に操る。アトラス院の高速思考と併用することで、相手の先を塞ぐように焔を放つことも可能。見た目とは裏腹に戦闘に慣れた動きを見せる。
ティカ・メルアステア・トルマク
カルマグリフの助手を務める女性魔術師。二十代後半。ロード相手にもずけずけモノを言う性格。
ログ・クルドリス・ハイラム
ラティオの父親で、同じくクルドリス家の錬金術師。五十代かそこらの大柄でがっしりとした壮漢。
アトラス院の上級教官。当主は彼の父(ラティオの祖父)だが、外の世界に出ることはないので、ログが名代として活動している。ラティオ同様、骨使いであり、頑丈なシェルターを作ったり、手のひらから強力な骨の槍を射出する攻撃ができる。
サイファ・クルドリス・ハイラム
ラティオの弟で、ジョゼッペたちと同世代。本来はクルドリス家の後継者で、シオンに並んだかもしれないという優等生だったが、本編の3年前、アレクサンドリア大図書館を調査中に不審死を遂げている。
もともとエルゴのことを調べていたのは彼で、ラティオは新たな後継者になると共にその研究を引き継いだという経緯。
プトレマイオス一世
征服王イスカンダルの部下にして後継者ディアドコイの一人。プトレマイオス朝の初代ファラオ。
絡繰り仕掛けの鳥の姿で一行の前に現れる。本人の思考形態と記憶の一部を引き継ぎ、アレクサンドリア大図書館の管理・制御を行っているが、重要な記憶が封じられている。
ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
ライネスに途中まで同道してアレクサンドリアまでやってきた時計塔の魔術師。凛とエルゴ、シオンのチームに合流する。

書誌情報

TYPE-MOONBOOKS

脚注

注釈


出典


リンク