玲瓏館美沙夜
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玲瓏館美沙夜
- 読み:れいろうかん みさや
- マスター階梯:第二位・智天使
- 魔術系統:ルーン魔術、降霊術、黒魔術全般
- 魔術回路・質:A / 量:B / 編成:異常(鏡像概念への偏りあり)
- CV:斎藤千和
『Fate/Prototype』に登場する、ランサーのマスター。女王様然とした、黒髪の美少女。
- 略歴
- 聖杯成就に執着する父によって、八年前に「マスターとなって聖杯を手に入れないと死ぬ」呪いをかけられている。
- だがその真実は悲惨で、本当に彼女に呪いをかけたのはセイバーのマスターであった愛歌であり、美沙夜の父は娘を見捨てずに聖杯戦争中、懸命に解呪方法を探るのに奔走したが、愛歌によって殺害されていた。
- 綾香とは因縁の仲で、サーヴァントを交えて何度も戦うことになるが、その度に綾香の消極的な姿勢と心構えを罵倒する。だが、ただ批判するだけでなく、的確なアドバイスも同時に与え、綾香の成長を促すことになる。
- 中盤以降から呪いの進行により限界を迎え死亡、「堕天」状態で徘徊する屍人になってしまう。
- 人物
- 一人称は「私(わたくし)」。綾香にとっては同じ学校で学ぶ先輩にあたる。令呪の位置はうなじ。
- 彼女が生まれた玲瓏館家は、魔術師の世界では僻地である極東生まれでありながら魔術協会では複数系統の魔術に精通する名門として、表の世界では永田町の政治家や有力者たちが揃ってご機嫌伺いをするほどの名家として知られている。そんな環境で育ったため見た目、教養、当主としての器と全てが完璧だが、非常にプライドが高く、正確は高慢かつ残忍でドSを絵に書いたような女性。どれだけ能力が低くても、僅かと言えども自分に歯向かう力や意思を持っている相手には容赦しない。
- だがその反面、魔術師にありがちな一般人の命や安全を顧みない考え方には無縁で、日常生活を送る街の住人や学生たちを「力ある者の責務」として支配・君臨し、自らの庇護の下、叶えられる限りの幸福と安寧を与えなければならない、というノーブル・オブリゲーションに基づく視点で彼女なりに暖かく見守っている。
- 学校では年齢相応の少女としてにこやかに振る舞い、会話するクラスメイトもいるが、美沙夜が自らに敷いた厳格な法と家柄から正しい意味の「友達」は一人もいない。
- 死に至る呪いを背負っても毅然とした姿勢を崩さず、タイムリミットが近づいても「自分の命と自分の信条は別のもの。秤にかける事さえおぞましい」と宣言するなど、その生き方はどこまでも気高い。
- 能力
- 幼い頃から研鑽を怠ったことは一度もなく、本人の類まれなる資質もあり、魔術師としては既に超一流の域にあり、玲瓏館家が伝えていたルーン魔術、降霊術、黒魔術を全て会得している。
- 邸宅でペット兼使い魔として大型犬サイズの猟犬を多数飼育しており、使役する。この猟犬たちはかなり高度な調教がされており、ランサーも「飼い主ではないが、従うべき相手」と理解している。
登場作品と役柄
- Fate/Prototype
- ランサーのマスター。
- Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
- 第二部『Best Friend』の主人公。
- 美沙夜サイドから見たPrototype本編と幼い頃の彼女の話が語られる。
人間関係
Prototype
- ランサー
- サーヴァント。聖杯に必死に縋るサーヴァントの方が見っともなくて好みだったので、ただ強い相手と戦うことだけを望んでいる彼を「趣味に合わない」「番犬以下」と事あるごとに散々いたぶる。
- それでも二人の信頼は確かであり、万が一の際の後始末を頼んでいる。
- 沙条綾香
- 何時までたっても聖杯戦争に参加したマスターとしての振る舞いを身に着けない綾香にいら立ちを募らせ罵倒する。だがそれは後々に綾香にとって大きな助けとなる。
- 父たちは共に根源を目指す盟友であり、旧知の間だったが綾香のことは彼女がマスターになるまで知らなかった。
- 因みに、美沙夜のマスター階梯である智天使と、綾香のマスター階梯である座天使は同役職とされている。
- セイバー
- 戦う覚悟も決めず、能力不足から真価を発揮させられないマスターを切り捨て、自分のサーヴァントにならないか声をかけるが、「優秀なマスターにはもう懲りた」と拒否される。
- 更にプライドを傷つける地雷ワードを口にしたため、強烈なお仕置きを実行する。
- 父
- 心から敬愛する人物。幼い頃の彼女は「お父さま」と呼ぶ。
- 彼女にとって絶対的な存在であり、「極東随一の魔術師」として信じて疑わず、祖父以外に頭を垂れる事などあって欲しくない、と思うまでに慕っている。
- 父も美沙夜のことを愛しており、呪いによって寿命僅かとなった娘を見捨てずに懸命に救う手立てを模索したが志半ばで愛歌に惨殺されてしまった。
- 祖父
- 父同様に敬愛する人物。
- 沙条愛歌
- 8年前から面識があり、愛歌曰く「向こうはどう思ってるか分からないけど、友達の様なものね」。
- 美沙夜にとっては父を殺し、自分を生きた骸に変える呪いを埋め込んだ怨敵に他ならない。
蒼銀のフラグメンツ
- キャスター (フラグメンツ)
- 父が召喚したサーヴァント。最初は不気味な影の姿で現れたキャスターを警戒するが、幼い自分の質問に真摯な態度で答えてくれたため、信頼をおくようになる。また彼からは信頼の証として自分の真名とアゾット剣を贈られている。
- ライダー (フラグメンツ)
- 幼いながらに誇りと尊厳を保ち、使い魔越しに苛烈な視線を受け止め、怯えながらも目を背けなかった美沙夜の女王の気風を感じ取り、称賛される。
名台詞
- 「得物を仕留めずに戻ってくるなんて。
猛犬の二つ名は憧憬からじゃなく、嘲りから来るものだったのかしらね?」
「あぁいやだ、いつから私のサーヴァントは番犬以下になったのかしら。
猛犬の名も地に落ちたものね」 - 綾香を仕留めそこない、セイバーに撃退されてノコノコ帰ってきたランサーに対して。これが彼女の初登場シーンだが、のっけからキツイ。
- 余談だがキャラクターの印象に大きく影響する初登場シーンということもあり、『カーニバル・ファンタズム』の特典アニメでは彼女の「残忍だが華やか」というイメージを順守するため、この場面の絵コンテには奈須氏から「下品に(下衆く)ならない様にお願いします」と注意書きがされている。
- 「女に殺された英雄が欲しかったの。
だって、女の怖さを知っているでしょう?」 - ランサーに語った、「自分のサーヴァントとして選んだ理由」。
- 冷酷に、しかし楽しげに微笑んで。
- 「私、
他人 の痛みを聞くのが大好きなの。
それが見目麗しい美青年なら尚更よ。私のものにならないなら殺してあげる。
手足を潰して…その後に、私の手で頭を潰してあげるわね」 - 誘いを断った上に、「大体君は一位じゃないだろう?」と地雷を踏んでしまったセイバーに対して。
- セイバーの左手に突き刺さったゲイ・ボルクを押し込み傷を抉りながら楽しげに歌う。美沙夜さん絶好調である。
- 「私が貴女を笑う理由を勘違いしているのではなくて?
魔術師としての才能、技量はただの数値です。上か下かを量る事はあれ、笑うなど下種のする事。
私が笑うのは貴女の心。
いつまでも夢の中にいる人を、対等のマスターだと思えるはずがないでしょう?」 - サーヴァントを召喚しておきながら過去のトラウマによって戦うことから逃げ続け、被害者にも加害者にもなり切れず、どっちつかずな生き方をしていた綾香。そんな本人も目をそらし続けていた弱さを「不快」だと言い切り、突きつける。
- 彼女のこの言葉が、後にサンクレイドとの戦いで綾香が決意を固める切っ掛けとなる。
メモ
- TYPE-MOON作品に美沙夜という名前の人物はもう一人居る(空の境界の黄路美沙夜)
- 性格等共通点は多いが、作品の成立時期的にfateの美沙夜の方が原型。更に言えばTYPE-MOONの作品におけるお嬢様系ヒロイン全員の原型と思われる。
- 遠坂凛のデザインの元となったキャラクターで、周囲の環境も含めて大きな影響を与えている。
お嬢様キャラはルヴィア、ドS属性はカレン、主人公に現実と抱えている致命的な問題を突きつけて成長を促す役回りはアーチャーが受け継いでいる。- 凛との決定的な違いは、敵と見做せば容赦なく冷徹になれる事。またお嬢様キャラでも「オホホホ」系ではないのがルヴィアとの最大の違い。「駄犬」とランサーを罵る関係はカレンにそのままインプット。
- 奈須氏お気に入りのキャラクターで、
「色々な表情が出来るキャラなので、設定を描いてる時は非常に楽しかったです。制服姿が、なんか別の作品のキャラのようだ…」
「絵にしてもらって、かつ声が入った時の彼女とランサーの関係が好きです。いい女です」と評している。
多くのヒロインの元になったキャラクターなだけに、このまま埋もれさせるのは余りに惜しかったのだが、この度『蒼銀のフラグメンツ』で主人公として大抜擢。幼い頃の彼女も可愛いと評判である。 - 美沙夜を演じた斎藤千和女史はTYPE-MOON作品では、キャス狐とクロエ・フォン・アインツベルン役を演じている。
奇しくも、全員Fate系のキャラクターである。 - 八年前の聖杯戦争で、戦場となる可能性が高く危険な玲瓏館邸に残ったのは、後学のために自ら望んだもの。
父も彼女に家の外に出歩かないようきちんと言いつけ、キャスターの神殿の守りにも絶対的な自信があったため、それを許可してしまった。これが彼女の明暗を分ける事になり、最終的に生きたまま死人になるという惨たらしい結末を招く。
聖杯戦争で親族を身近に置くのは余りに危険すぎる判断だが、冬木の場合と異なり、『Prototype』の世界ではこの八年前の聖杯戦争が初回である「第一次聖杯戦争」と呼べるもので、基本やセオリーなど一切確立されていない。そのため、美沙夜と彼女の父の判断を一概に軽率と呼ぶことはできない。