シャーロック・ホームズ

提供: TYPE-MOON Wiki
2018年7月20日 (金) 11:06時点におけるイルステリア (トーク | 投稿記録)による版 (→‎概要)
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ルーラー[注 1]
真名 シャーロック・ホームズ
性別 男性
身長 183cm
体重 65kg
出典 シャーロック・ホームズシリーズ
地域 イギリス、全世界
属性 中立・善
声優 水島大宙
デザイン 山中虎鉄
レア度 ☆5
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概要

魔術師」のサーヴァント。カルデアに到達した後にいつのまにか霊基が変化して「裁定者」へとクラスチェンジした。

略歴
第四特異点の西暦1888年ロンドンで召喚されていたものの、自由を奪われる前のバベッジに依頼されたことで先じて行動を開始したため四章に直接登場はしない。破壊され尽した時計塔にMに露見しないよう知恵者が訪れた際にのみ分かる形で資料を置いておき、自身は人理焼却にまつわる事態の解決のために各所の調査に赴く。
その後、第六特異点にて1273年のエルサレムでどうしても調査が及ばなかった事柄を調査するためと、Dr.ロマンの目の届かない場所で主人公らとの顔合わせをするためにアトラス院で彼らの到着を待っていた。
そこでカルデア一行に2004年に冬木で起きた聖杯戦争の勝利者やマシュと融合した英霊の真名、獅子王聖槍の正体とその目的を教え、ソロモンの人格や人理焼却を行った理由に対する考察を残し去って行った。
亜種特異点Ⅰでは西暦1999年の新宿に赴き、巌窟王 エドモン・ダンテスの姿に変装して行動、悪のモリアーティに扮したバアルに捕まった主人公を救出し、ジェームズ・モリアーティら主人公のサーヴァント達と合流。
その後は主人公と行動を共にしていたが、最終盤では本来の使命を思い出したモリアーティの奇襲を許してしまい、致命傷を受けてそのまま魔力源として吸収されてしまう。『新宿幻霊事件』解決後に何とか復活できた後は、活動限界を悟りカルデアに身を置くことを選んだ。
レムナントオーダー完遂後の二部序章においては、サーヴァント達が退去していく中で事実上の責任者であるダ・ヴィンチ以外で唯一残留。外部勢力がカルデアに介入してきた場合に対する万が一の保険として、カルデアの記録上から存在を消した上で密かに主人公達をサポートする役割を引き受ける。
人物
清潔感と物静かさを感じさせる白い肌と落ち着いたハンサムな顔立ちが特徴的な天才肌の青年。
インバネスを着込み、片手にパイプを持った長身痩躯の男。服の袖口などから先にルーペの付いた細い機械腕のようなものが何本も覗いている。
思案的かつ行動的、大胆かつ緻密。そして冷静沈着。探偵らしく論理的な思考を重視し、深い洞察を持って対象を観察しようとする。
その在り方は最早、人の域を超えて、“賢き者”“明かす者”の具現でさえある。ただひたすら探偵らしく論理的な思考を重視し、深い洞察を持って対象を観察しようとする。
ただ、天才特有の嫌味な性格から起因する困った部分もそれなりにはあり、仰々しく回りくどい喋り方や空気の読めない発言は日常茶飯事、確証が持てない事は身内にも黙っていたり途中まで言いかけて言葉を濁したり、逆に必要とあらば周囲に碌な説明もせずに独断行動や顰蹙や誤解を招きかねない言動を躊躇なく取ることさえよくある、とお世辞にも取っつきやすい人物とは言い難い。
特に、自分が「実際の危険が無い」と判断した場合は平気で他人に危険な行為や無茶振りを強要するという黒い面もあり、奇しくもこの点はライバルであるモリアーティと類似している。
カルデアに身を置いた後、暇な時には薬(おそらくはコカイン)を打ってるらしい。
能力
キャスター時点ではスキルなどの詳細は不明ながら、「明かす者」の代表を名乗るだけあり初対面の一同の真名までも看破し、僅かな手掛かりから様々な情報を導き出している。
如何なる謎や犯罪、陰謀もホームズの目から逃れる事は出来ない。恐るべき殺人者であろうと、いにしえの呪いであろうと、闇夜の怪物であろうと、超国家規模の秘密結社であろうと、彼はすべての真実を明かし、必要とならばそれを以ってうち倒す。そのこともあってか計画を打ち砕くのは得意であるが、計画の立案に関してはモリアーティに劣る。
手段は不明ながらも特異点内での自身の存在の証明が不十分で力の行使がほとんど出来ない状態のまま、様々な時代や場所を渡り歩きながら調査を行っていたらしく、アトラス院で主人公らに接触するまでに様々な情報を人知れず集めていた。判明しているのは、何度も独力でのレイシフトを繰り返したせいで霊基数値や戦闘能力の著しい低下が起こっていた事のみである。
亜種特異点Ⅰでは戦闘力がマスターよりちょっと強いだけのレベルまでランクダウンし、戦闘時でも特殊な外装を纏っている。得意とする変装で巌窟王に変化することでサーヴァントとしての戦闘もある程度こなしてはいたが、その際の戦闘能力も巌窟王本人のものと比べて随分と下がっていた模様。
ルーラーとしての戦闘においては背中のルーペの付いた細い機械腕で直接攻撃したり光線を放ち、光る杖で戦う。
B++ランクの「バリツ」スキルは東洋武術とボクシングを組み合わせた打撃術であり、カウンターや投げも得意技の内として含まれる。打・投・極の全方面対応型護身術という代物であり、生前の段階でキメラを投げ飛ばせるほどの腕前を持ち、条件が揃えば宝具の真名解放級の絶技としても用いられる。モリアーティ曰く「腰が入っていないようでキレがある」。
また、並行世界や剪定事象、神代の知識や聖槍の事を知っているような素振りを見せているが、当人は人々がソレを知る必要はなく、知ってはいけないと考えている。
小説以上に科学、魔術の素養があり、レオナルド・ダ・ヴィンチに霊基グラフデータを移すトランク型データバンクを作成を手伝った。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
ルーラー 主人公 (Grand Order) D C B+ B A++ B 陣地作成:EX 天賦の見識:A++
仮説推論:A+
バリツ:B++

宝具

初歩的なことだ、友よ(エレメンタリー・マイ・ディア)
ランク:B
種別:対人宝具、対界宝具
サーヴァントとして現界したシャーロック・ホームズが得た宝具。自らの起源である『解明』を宝具として昇華させたモノ。
立ち向かう謎が真に解明不可能な存在であったとしても、必ず、真実に辿り着くための手掛かりや道筋が「発生」する。
たとえば鍵の失われた宝箱があったとしても、鍵は「失われていない」ことになり、世界のどこかで必ず見つけ出せるようになる。尤も、さすがに手の中に突然発生したりはせず、どこかに在るそれを、ホームズないし協力者が発見せねばならない。
本来は常時発動型の宝具だが、『Grand Order』では真名開放を行う。
真名解放時には正体不明の「球体」が出現しまばゆい光を周囲一帯に放出。倒せないはずの相手でも、これによって倒すための道筋をホームズは見出す。ゲーム内では「敵全体の防御力を3ターン大ダウン、味方全体には防御無視状態と無敵貫通状態を付与しさらにクリティカル威力を大アップさせる」効果として現れる。

真名:シャーロック・ホームズ

シャーロック・ホームズ。世界最高にして唯一の顧問探偵。
世界的に有名な探偵小説「シャーロック・ホームズ」シリーズの主人公。探偵という概念の結晶”明かす者の代表”を自称する、あらゆる探偵の祖の一人。
サーヴァントとして召喚されたホームズは、彼のモデルとして伝えられるジョセフ・ベル博士やドイル自身、そして世界最古の探偵ヴィドックの似姿───等ではなく、一連の小説作品における主人公(としか思えない言動の人物)として現界する。
シャーロック・ホームズの物語はサー・ドイルが生み出した完全な創作なのか、あるいは実在したホームズの伝奇物語としてジョン・H・ワトソン医師が記したものなのか、それともその折衷かは不明。
仮に彼が物語から発生したとすれば、ドイルの小説のみならず、パスティーシュ(模倣作)まで英霊の原典に含んでいる可能性がある―――とカルデア職員の証言がある。

関連

「シャーロック・ホームズ」シリーズ
ホームズを主人公とする名作の呼び声高い探偵推理小説。
探偵ホームズが19世紀末から20世紀初頭の英国を舞台として幾多の事件を解決する物語。映像化されることも多く、翻案されたりする例も多い。
緋色の研究
上記のシリーズの記念すべき第一作である長編。
『Fate/Grand Order』では、バレンタインチョコのお返しに英語版の初版本をプレゼントしてくれる。
なお、初版本は現存しているものは11冊しかなく、コピーを使って補修を行ったバージョンでさえ10万ドルを越える値段がつく。保存状態も極めて良いため、相当な高額になるのは間違いないであろう。
また、作中で述べられた事実については概ね正しいが出版すべきでない内容については検閲されており[注 2]、「検閲前の文章」もこの世界のどこかに現存しているとか。
初歩的な事だ
ホームズにまつわる有名な言葉の一つだが、実際に彼のものとして初出したのはドイルの小説ではなくウィリアム・ジレット主演・脚本・演出の舞台劇である。ドイルはジレットの演じるホームズを「自分の小説以上だ」と賞賛したという。
ちなみに、ドイルの短編『背中の曲がった男』の中ではワトソンに対して「初歩さ(“Elementary.”)」とホームズが発言しており、ここからジレットは着想を得たとされる。
シゲルソン
ホームズの偽名の一つ。ノルウェー人の旅行者としての身分であり、ライヘンバッハの滝の事件の後に中東からインドにかけて行動していた際にはこの名前で旅行記を執筆している。
『Fate/Grand Order』でも、後述するエレナ・ブラヴァツキーと接触した際にこの名前を名乗っている他、三周年記念での登山装備のリュックサックにも名前が記されている。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order 英霊伝承 ~ヘンリー・ジキル/ハイド~
「H氏」という仮称で生前のホームズらしき人物が登場。
Fate/Grand Order
「FGO Fes. 2017 ~2nd Anniversary~特異点ピックアップ召喚」の開催に伴い期間限定でガチャに追加。イベントガチャ限定サーヴァントであり、恒常的な入手手段は現状ない。
第六特異点に顔見せとして登場。様々な重要情報をもたらすものの、今はまだ諸事情からカルデアに縁を結べないとして去っていった。
後に亜種特異点Ⅰにて主人公に協力し、そこで大きなダメージを負った為にカルデアに転がり込んで調査・工作の手伝い等をすることになった。

人間関係

Fate/Grand Order

マシュ・キリエライト
原作を読み込んでいたらしい彼女から感動と尊敬の目で見られおり、彼も「私のことをよく理解している良い読者」と好意的。
また、第六特異点では彼女と融合している英霊の真名を明かすか否かで躊躇する周囲を喝破し、彼女の心の在り方とその英霊の名を伝えた。
ロマニ・アーキマン
自身の調査を持ってしても来歴が完全に不明であった他アトラス院で得た情報もあって彼の存在に不信感を抱いていたため、彼に自身の情報を漏らさないように念を押した。
レオナルド・ダ・ヴィンチ
カルデアに来てからの仕事仲間。カルデアの二大頭脳として彼女の膨大な仕事や調査、未来に起こる問題への事前対策作業などを手伝うも、あまりにも「面白くない」仕事が多い上に馬車馬のようにこき使われたりする事については不満な模様。
ベディヴィエール
同郷の人間として親近感を覚えるも、ベディヴィエールが特殊な事情から彼のことを知らなかったために残念そうな表情を浮かべていた。
チャールズ・バベッジ
「人理焼却」という事件の捜査を彼に依頼した人物。自由が奪われる前の僅かな時間を賭け、捜査を依頼したのだという。
ゲーティア
「人理焼却による霊長の抹殺」という、前代未聞の殺人事件の犯人。主人公やマシュから得た情報により彼の特性については把握しており、彼が起こした事件そのものは自分が介入せずとも何とかなると確信していたものの、その最終目的までは想像もつかず、人理を焼き尽くした上で次に何に取り掛かっているのかが恐ろしいと語っていた。
カブラギ
亜種特異点Ⅰにて、贔屓にしていた何でも屋。
互いに隙があるなら出し抜こうとしながらも表向きの相性は良好で、彼の商売に対しても馬鹿にすることなく敬意を払っていた。
ケツァル・コアトル
彼女の幕間の物語にて、マシュに依頼されて三番勝負の三番手「マスク・ド・バリツ」として戦った相手。
それまでの戦いを分析して、疲弊しているところを有利に戦うが、リアリズムを越えたルチャの精神の前に敗れた。
ゴルドルフ・ムジーク
カルデアの新所長。彼を助けた事により、カルデアの経営顧問に任命される[注 3]
以降も適度に彼の意見を取り入れつつ全体の方針を適切に運用してゆく。
それなりに知識があり、判断力も人並みにあるので、ワトソン役として自分の意見を述べるのに利用している節もある。
アーロン・ゴールディ
イベント『虚月館殺人事件』において、事件に関与するべく秘密裏にレイシフトし「探偵シェリンガム」として彼に接触した。
ホーソーン
イベント『虚月館殺人事件』において、自分が死亡した事にするために依頼した現地協力者。
「医者の相棒」ということで昔を思い出したのか、主人公から見た外見がジェームズ・モリアーティだった事への当てこすりか、「善良な顔立ち」と非常に好意的。

生前

ジョン・H・ワトソン
名実ともに相棒である医師にして、彼の活躍を書籍という形で出版した人物。
マシュへの台詞にあるように出版活動をずけずけと批判していたり、言葉遊びでからかったりするものの、深い信頼を置く親友。
ジェームズ・モリアーティ
原作における最悪の敵であり、「犯罪界のナポレオン」とまで言わしめた相手。生前のホームズは彼が世界に与える影響を恐れ、ワトソンの著作にある彼の記述を可能な限り簡易にさせるほど警戒していた。
ライヘンバッハの滝で彼を追い詰めて共に身を投げるも、彼をクッションにすることで事なきを得た。
後述のジキルが悪にまつわる実験に傾倒し始めた一件などにも間接的に関わっている。
お互いにカルデアに召喚されて以降は、悪だくみ癖は抜けないものの同じマスターを持つ身とあってか、必要に応じて手を組むトムとジェリーのような間柄に落ち着いている。ただし、「自分はアラフィフなのになんであっちはイケメン青年なんだ」と召喚されている姿についてちょっと僻まれている。
コナン・ドイル
原作の作者であり「私の活躍の伝達者」と呼んでいるが、詳しい関係は不明。
エレナ曰く、シャーロックとは魔術に対するスタンスが異なっていたらしく、魔術師の一人であることが示唆されている[注 4]
アイリーン・アドラー
生前出し抜かれた女性。
小説では『ボヘミアの醜聞』に登場しており、基本的に女性に対する偏見が強い彼が一種の敬意を持って唯一「あの女性」と呼ぶ人物。
エレナ・ブラヴァツキー
ライヘンバッハの滝に落ちてから身を隠し、ヒマラヤあたりで活動していた頃に出会った女性。
互いに社会から身を隠していた者同士で意気投合し、最終的に最期を看取ることになった。
アルセーヌ・ルパン
モーリス・ルブラン原作の「ルパンシリーズ」に登場する怪盗。同シリーズでは「エルロック・ショルメ[注 5]」の名前でルパンと対決する。

Fate/Grand Order 英霊伝承

ヘンリー・ジキル&ハイド
「英霊伝承 ~ヘンリー・ジキル/ハイド~」では彼が解決した過去の事件の追跡調査などを行っていた。
切り裂きジャック
「英霊伝承 ~ヘンリー・ジキル/ハイド~」のラストで新聞に凶行の記事が掲載されていたが、「犯行を遂げた人間の存在する犯罪」が自分の領分であり、これは時計塔の仕事であるとして捜査する素振りは見せなかった。

名台詞

「初歩的なことだ、友よ―――『初歩的なことだ、友よエレメンタリー・マイ・ディア』」
宝具解放。名探偵はいかなる謎をも白日のもとに晒す。
「私はシャーロック・ホームズ。
 世界最高の探偵にして唯一の顧問探偵。」
「探偵という概念の結晶、”明かす者”の代表―――
 キミたちを真相に導く、まさに最後の鍵という訳だ!」
ランスロットの追撃をかわし、アトラス院まで辿り着いた主人公らを落とし穴の仕掛けで院の中へと導き顔合わせをして。
「ロンドンじゃなくてここで!?」となったマスターも多いが、理由は略歴のとおり。
「なに。初歩的な事だよ、諸君」
彼の台詞として恐らく1、2を争う有名な言い回しであり、彼の宝具もそれが由来となっている。
しかし、実はこの台詞は類似したものを原作中で一度言っただけで、後年の舞台などで決め台詞のように使われ始めてようやく定着したものだったりする。
「ふ。無垢なる少女に手放しで喜ばれるのなら、
 私もワトソンの小銭稼ぎも報われるというものだ。」
「ホームズは実在した」と大喜びするマシュを見て。親友に対してかなり辛辣な物言いだが、原作でもホームズはワトソンが自分を題材にした物語を出すことを快く思っておらず、よく批判している。そしてずけずけ批判し過ぎた結果「なら君が一度書いてみろ」と反撃を受けて書き上げた末に白旗を上げた事もあり、亜種特異点Ⅱの事後では自らそのことについて振り返っていた。
「ははは、残念!
 ミス・キリエライトほど私の事を知らないようだ!」
「シャーロック・ホームズに沈黙はなく、
 自制もなく、また他人の迷惑も顧みない!」
「私は私の推論を語るのみだ!」
主人公に「戦闘の様子を見た感想を述べてもいいか」と問い、断られた際に返した台詞。実際、事件解決のためなら容疑者を歯に衣着せぬ物言いで怒り狂わせ、ワトソンを巻き込んでの犯罪行為でも躊躇いなく行う人物のため、原作通りの人柄と言える。
…まぁ、自制しなかった結果、依頼人を失神させた時やワトソン諸共死にかけた時はさすがに謝罪していたが。
「いいや、私は打ち明ける!
 誰もがもう答えに気づいている以上はね!」
「その上で真実から目を背けるのは愚か者のする事。
 ではミス・キリエライトは愚か者なのか?」
「それは断じてノー! ノーだベディヴィエール卿!
 そもそも君は何を恐れているのか!」
「真名を知っても何の変化もなかったら?
 真名を知っても宝具が展開されなかったら?」
「それこそ不要な気遣いだと私は断言しよう!
 何故なら―――」
「マシュ・キリエライトの精神は既に完成している!
 彼女の恐れは宝具のあるなしで変わるものではない!」
「故に! 宝具が展開しなかったとしても、
 彼女は立ち上がる事を止めないだろう!」
「たったひとつ信じるものの為に、彼女は最後まで、
 勇気を振り絞って戦うのだから!」
マシュと融合している英霊の真名が分かり、教えようとしたところをベディヴィエールに止められたことで。
激したかのような調子でまくし立てているが、その実わずかな交流でマシュの心の在り方をきちんと見抜き、彼女を信頼してその力の根源を教えようとしている。
「ふむ。最後にお役に立てて何よりだ。
 私はここで、諸君らとはお別れだからね。」
「ふむ。カルデアに謎があるのは確かだが、私は私で他に追う者がいる。」
「その名は幻霊―――いや、今は語ることではないな。
 私はここで失礼するよ、○○。」
一通りの真実を伝え終え、アトラス院の入り口まで戻って。「カルデアが信用できないのか」と問うマシュ・キリエライトに対して。彼が追う「幻霊」には、人理焼却事件の解決後に主人公もまた対峙することとなるのであった。
「では、諸君、私はここで退散する!
 次に出会うとしたら、そうだね―――」
「荒野ではなく、賑わいのある都市がいい!
 ロンドンに並び立つような都市での活躍を期待しよう!」
そして散々主人公らを脅かしてから、笑顔でこの台詞である。そしてその言葉のとおり、再開は屈指の都市で果たされる。
「理由は不明だが……。一つ……可能性として重要なものがある。」
主人公「それは?」
「……。……。
 いや、それは確定してからでないと話せない。あ、今『出たよソレ』という顔をしたね!
 うん、ワトソン君もしょっちゅうその表情になった。という訳で、何故ここに居るかの説明はおしまいだ!」
新宿にて。相変わらず事件の核心は語らない食えない男、ホームズ。助手であるワトソンもさぞかし苦労した事であろう……。
「私と彼は、そういう人種なんだ。」
全ての人間の行動を計算、把握し、論理を構築する事を怠らないモリアーティの性質を自身と同類と語る。生前唯一対等に渡り合った最大の敵同士ではあるがお互い同じ視野で物事を考えており、計算上安全であるならば多少危険に見える様な行為を平然と実行する。違いは善であるか、悪であるかの部分だった。
「ははは、テンパってるな。」
新宿のセレブ……もとい食糧のため人肉を求める殺人鬼に主人公が絡まれた際のあまりにざっくばらんとした感想。変態じみた相手なのもあってか妙に楽しそうである。
「キミと私が二人で呑んだ場合、恐らく最終的にどちらかがライヘンバッハるぞ。」
作戦成功後、皆で飲み明かそうとなるが女子二人に断られた後にモリアーティに語った一言。元ネタは言うまでもなく生前のモリアーティの死因となった事件である。戦いの末滝つぼに落ちて死ぬ事を表す単語「ライヘンバッハる」が生まれた瞬間だった。
「待たせてしまったかな?でもそれは流してほしい。なにしろ、名探偵とは得てしてそういうものだからね。」
第二部序章にて、主人公達の窮地を救った後の台詞。ニクらしい登場も名探偵たる所以。
「正拳逆突き……ヤコブ絶命拳の構えだ。」
ケツァル・コアトルの幕間「炎のルチャドーラ デスマッチ三番勝負」にて。何故か解説役として登場し、マルタの奥の手を淡々と説明する。主人公から「なに言ってるの」と言われる様な世紀末的ネーミングだが、本人は至って真面目である。
「お待たせしたね。最後の相手はこの私、マスク・ド・バリツだ。」
同上。三番勝負の最後の相手として立ちはだかったのは覆面レスラー、マスク・ド・バリツ。打・投・極、全面に対応した武術を駆使する強敵である。一体何者なんだ…
(なんだこの技は……!?私は何をされている!?
 回転……回転しているのか?ホントに?だが、なぜここまでの回転を?
 六回転もすれば三半規管は乱れ、受け身は困難になる。なのにまだ回るというのか……?
 これは……宇宙?宇宙が見える……今朝はまだ服薬していない筈だがいやそうではなく
 これは———考察せずとも分かる!率直に言って、私はとてもひどい事になる!)
ケツァル・コアトルの決め技、竜巻式脇固めラ・ミスティカを食らっている最中。妙な仮面をつけた男が宙吊りになり回転しながら宇宙を漂っている光景はあまりにキマっているシュール。大丈夫か名探偵。
「バリツ!!(紳士かっこういいキック!)」
ネロ祭2017にて。カルデアの空間を吹っ飛ばしかねない悪事を働いていたモリアーティに見舞ったジェントルな制裁。名探偵は時に物理的にも犯人を叩きのめす。
ちなみに彼がネロ祭に出場していた際のリングネームは「アーツとは推理」である。
「……さて。最後に、私から一つ質問していいだろうか?
 なぜ先程、ダ・ヴィンチは帰り道として下り階段ではなく窓を示したのか?
 まさかとは思うが―――」
イベント『節分酒宴絵巻 鬼楽百重塔』にて。先ほど巴御前がダ・ヴィンチより託されていた『超高速地上期間キット』なるものを設置した事に名探偵は嫌な予感を感じた。
勿論素晴らしくチープ簡素で庶民的な作りに見える、つーかただのロープであるが、ただのバンジーというわけではなく、自動高度調節機能がついている。
無駄に何回も跳ねるのと建物に当たってしまう危険を察知してか、のんびりと階段で帰還逃走しようとするも、巴御前に捕まって失敗。ロープに繋がれて放り投げられてしまったライヘンバッハのルーラーホームズであった。
「真実に到達できたのならおめでとう。しかし不正解でも気を落とすことはない。
 正しい答えを出せなければ無価値というなら、価値のある人間はこの世で私だけになってしまうからね。」
イベント『虚月館殺人事件』にて。虚月館の事件を体験したプレイヤーに対して贈った言葉冗談そういうところだホームズ!
「ただ……錯誤、錯覚に根差した思考から誤った答えに到達してしまったとしても、
 真面目に悩み、考えた時間は誰にも否定できない。むしろ、それは貴方だけの“他にはない”体験だ。
 この数日の体験が少しでも楽しかったのであれば、成果はなくても意味はあるさ。
 人間は誰でも間違える。私でさえも。だからこそ試行錯誤しこうさくごの末に、究極の答えを目指す。」
イベント『虚月館殺人事件』にて。虚月館の事件を体験したプレイヤーに贈った台詞。
結果が如何なるものだったとしても、そこに至る過程は決して意味のないものではないというホームズからのメッセージ。

メモ

  • 第四特異点「ロンディニウムの騎士」が舞台、年代ともにピッタリであったため、登場を期待していたマスターも多かった。それ故に第六特異点での登場で度肝を抜かれたマスターは少なくない。
  • 初登場後、本格的にストーリーに絡む六章第14節のサブタイトルは「秘匿の研究」。これはホームズの第一作目である「緋色の研究」のオマージュと思われる。TYPE-MOON ACE掲載の「鳥羽色の研究」も恐らく同様。
  • TYPE-MOON ACEでは、キャスター以外にもセイバーとアーチャーにも適正があるのではとの考察が掲載されている。
    • 射撃を得意としていたことからアーチャーが適任だが、多芸な上に武術の心得もあり、その天才性と圧倒的な知名度から最優のセイバーも有り得るのとこと。
    • また、親友のワトソンですら騙せる高度な変装術や、謎の日本武術「バリツ」を習得していること、スパイ活動をしたこともあるという点からアサシンクラス、コカイン中毒者であったことからバーサーカークラスの適正を予測するプレイヤーもいる。
    • 実装された際のクラスはキャスターではなくルーラーとなったが、これは正式にカルデアのサーヴァントとなった際に霊基が変化したことに加え、聖杯を基軸とした英霊召喚ではなくカルデア召喚式を介した事による影響もある。
      • 『名探偵として難事件を解決したホームズも、ある意味において調停者や裁定者の一人に当たる』とマシュは評しているが、当のホームズは「あくまでも探偵は真実を明らかにするものであり見つけるもの」だとし、自分がこのクラスになった事に関しては複雑な反応を示している。あるいは『真実を調停し、人類史を維持するため』にこそ万物を裁定する役割として自分にルーラーの霊基を与えられたのではないかと推測している。
      • 尤も、原作では敢えて犯人を逮捕せずに見逃したことも多々ある(というか、自分を裁判所扱いしたこともある)ので、その意味では間違いなく調停者、裁定者と言える。
    • なお、奈須氏は竹箒日記でホームズの実装を匂わせるコメントをしていたことがわかる[出 1]
  • ファントム・オブ・ジ・オペラモンテ・クリスト伯のような『小説のモチーフとなった人物が実在していた』パターンだと思われる英霊。少なくとも英国最高の探偵「H氏」とその活躍を作品化していた「W博士」が実在していたのは確かである。
    • ただしホームズの実在を喜ぶマシュに対する「私の正体、本質は貴方が思うものとは些か異なる」という言葉などの疑問点もある。
    • なお、ホームズの観察眼はコナン・ドイルの恩師であるジョセフ・ベルが患者に行っていたものをなぞったものと言われており、現実にホームズのモチーフになったとされる人物は実在する。
  • 生前は魔術協会と親交を持っていた。ただしこれはモリアーティが見せた唯一の人間性、魔術を信用していないという点を突くためであり、彼本人もまた魔術を嫌っている。
  • 原作をよく知らない人からは落ち着いた紳士的な人物のイメージを持たれがちだが、実際にはかなりの皮肉屋で偏屈な問題人物。エキセントリックな行動も少なくなく、何を思ったか自宅(借家)の壁に銃を連発して当時のヴィクトリア女王の頭文字を弾痕で描くという奇行を行ったり、退屈紛れにコカインを打ったりとかなり奔放な行動もやらかしている。特に当時のイギリスでも流行っていたコカインの服用については医者であるワトソンから「やめてほしい」と出会ってからずっと言われていた(おかげかシリーズの終盤頃は控えるようになったが)。
    • コカインとは明言されてないが、カルデアに身を置いてからも薬物を打ったりしてる模様。「宇宙が見える。おかしい、今朝はまだ服薬してない筈なのに」等と言っているので、それなりの量を継続的に使用していると思われる。大丈夫なのだろうか……。
  • 彼の趣味としてバイオリンの演奏があるが、彼が所持しているバイオリンは質屋で55シリングで購入したストラディバリウス。『Fate/Grand Order』での絆礼装「自慢の一挺」にも描かれている。
  • また、マシュを信頼し高い評価をしているホームズだが、原作では女性に対しては紳士的であるものの「女性というのはどんなに立派であっても100%は信頼できないもの」と言い切るほどの女性嫌いである。
  • ゲーム上にサーヴァントとして実装されたキャラでは、先行して概念礼装に姿を見せていた希有なキャラ。しかも2周年記念において各章で活躍した47騎の英霊正装という括りに突如飛び込んできた一人だったので、ファンの間では予想外で驚きの声が上がったが、何の事はない、正式なサーヴァント実装が翌日にあっただけだった。
  • 『FGO』での防御無視効果については、今まで登場してきたものは全て宝具の攻撃に直接付随する特性であり、状態変化として付与するのはこのサーヴァントの宝具が初めて。
  • 宝具使用の際の両手の指先だけを合わせるポーズはホームズが考え事をする際にするお馴染みのもの。先述の「初歩的なことだよ」とは異なり、こちらは原典にもきちんと描写されているポーズである。ホームズが連載されたストランド・マガジンの挿絵でもこのポーズが描かれたことがある。
    • 「ホームズと言えばこのポーズ」と言っても過言ではないポーズでホームズの実写版ドラマなどでは勿論のこと、様々な派生作品やホームズオマージュ、フォロワー作品で使われている。

脚注

注釈

  1. カルデアに到達する前はキャスターのクラス。
  2. 実際のところ、『緋色の研究』の内容については暗殺教団そのものなモルモン教の描写を始め、荒唐無稽な箇所が散見される。現実には著者のドイルの偏見に由来する代物であろうが、これらがホームズの検閲の結果と考えると、真実がどうだったのかは興味深い。
  3. なお、この人事についてはマシュからは「新所長には破滅願望でもあるのか」と酷評されている。実際、シャーロック・ホームズシリーズでもたびたび触れられているが、ホームズの知識・才能は非常に偏っており、心理学や数学には長けているものの、地質学は土の性質のみに通暁していて、天文学に至っては地動説すら知らないレベルである。ホームズも経営は初めてとのことなので、そちら方面の能力は絶望視されているが、ゴルドルフを言葉巧みにコントロールする話術やスタッフをまとめ方針を決定する判断力など、経営力と呼べるかは不明だが新カルデアの大黒柱としては十分な能力を有している模様。
  4. 史実でもコナン・ドイルは神秘主義に傾倒しており、SPRに所属する傍ら、非常に胡散臭い「妖精の写真」を事実として強く支持したりもしていた。
  5. エルロック・ショルメ(Herlock Sholmès)の綴りはシャーロック・ホームズ(Sherlock Holmes)のアナグラムだが、原作では基本的に両者は別人となっている。ただし、日本語版のルパンシリーズでは同一人物となっている事が多い。

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