シャルルマーニュ
セイバー | |
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真名 | シャルルマーニュ |
性別 | 男性 |
身長 | 176cm |
体重 | 69kg |
出典 | シャルルマーニュ伝説 |
属性 | 秩序・善 |
声優 | 木村良平 |
初登場作品 | Fate/EXTELLA LINK |
概要
- 略歴
- 『Fate/EXTELLA』の続編である『Fate/EXTELLA LINK』の発表とともに公開された新規サーヴァント。
- カール大帝とは別々に召喚されるというイレギュラーで召喚され、カール大帝に見逃され、怖れを成して逃げ出した。
- だがその後、襲撃されたアルテラと主人公 (EXTRA)の前に現れ、協力を申し出る。
- 人物
- その英名とは裏腹に、「自身は王に向いていない」と嘯く呑気な若者で、口調も王とは思えない程フランクでぶっきらぼう。
- 行動と美的基準を「カッコイイかどうか」「ダサいかどうか」に置き、自身やマスターにとって不利であっても気にしないという若干問題のある性格をしている。
- かつての部下であるアストルフォからも「気持ちのいい馬鹿」と主君評とは思えないコメントを頂いている。その一方で「マジギレすると武則天並みに怖い」とも。
- 作中ではサーヴァントとして成立したばかりの存在であるため、他のあらゆるサーヴァントたちを「先輩」として敬意を払う。
- 能力
- 「白騎士」と表現されているように、セイバーらしくフランベルジュと呼称される剣で戦っている。五大元素を操る能力があり、剣に纏わせて攻撃の威力や範囲の向上に使っている。
- また、下記の宝具で展開された十二勇士の化身たる武器「輝剣」を操る「疑似勇士」というスキルや、「ジュワユーズ」で五大元素を操ったり、ジュワユーズをアストルフォの黄金の馬上槍に変化させるスキルを習得している。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
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セイバー | 主人公 (EXTRA) | A | C | B | A | A | A+ | 対魔力:A 騎乗:A |
聖騎士帝:EX 魔力放出(光):A 王道踏破:C |
宝具
- 王勇を示せ、遍く世を巡る十二の輝剣(ジュワユーズ・オルドル)
- 史書や年代記には登場せず、武勲詩などで語られる名剣。武勲詩「ローランの歌」にも登場し、そこでは天下無双の御佩刀(みはかせ)と讃えられ、日に三十回色が変わると書かれている。また、柄の中には聖遺物として聖槍ロンギヌスの穂先が納められているという。名前はフランス語で「陽気、楽しい」の意味。
- 真名解放の際には、聖剣・ジュワユーズが十二勇士の持つ武器それぞれに変化、連撃を放つ。その由来から、ジュワユーズの真価を発揮できるのはカール大帝ではなくシャルルマーニュの方。現実に生きたカール大帝にとって、ジュワユーズは後天的に幻想が付属された聖剣でしかない。
- ゲーム内での演出では、宣言と同時に十二勇士の化身たる剣の群れが顕現し、敵に一斉に襲いかかる。
- 我が儚き栄光よ(シャルル・パトリキウス)
- 彼が保有する空中要塞。
- 『Fate/EXTELLA LINK』では主人公達陣営のベースキャンプとなる。
- カール大帝の機動聖都とは同一のものだが、霊基の差によってシャルルマーニュの方が小さい。
真名:シャルルマーニュ
- シャルルマーニュ。高貴なるフランクの聖王。遍歴騎士。
- 「シャルル」は「カール」のフランス語読みであり、「マーニュ」は「大帝」を意味する。
- 「ローランの歌」「狂えるオルランドゥ」など、吟遊詩人たちが紡いだ伝説の中心人物の一人。
- 史実においてはカール大帝と呼称され、九偉人に数えられる高名な英雄。
- カール大帝とは同一人物であり、別の側面に当たる。
- 王としての全盛期がカール大帝ならば、セイバークラスの全盛期として召喚されたのがシャルルマーニュである。
- だが、カール大帝の史実の中にシャルルマーニュ十二勇士の英雄譚は存在しない。
- その治世に聖剣や魔獣や魔女は存在せず、十二勇士はカール大帝の精鋭である。
- シャルルマーニュの正体は大帝の影であり、カール大帝が捨て去った夢想。
大帝 の名を引きずる幻想の騎士。 - 大帝が子供の頃に夢見た、どこまでも正々堂々、民の為に剣を振るう騎士。
- シャルルマーニュ十二勇士の英雄譚はカール大帝をモデルとして吟遊詩人たちが創作したものである。
- サーヴァントのシャルルマーニュは英雄譚であるシャルルマーニュ十二勇士の
聖騎士 としての側面、即ち本来は存在することのないイレギュラーである。
- カール大帝は史実においてあまりに偉大な存在であり、その史実が盾となり幻想を阻む。
- それ故、大帝の人生に幻想が入り込む余地はどこにもない。
- にも関わらず、英霊の座においてカール大帝とシャルルマーニュの二人は混同された。
- 伝説に描かれた
英雄 とそのモデルとなった人物が結合してしまった。
- かつて彼は身分と関係なく誰とでも酒を酌み交わし、異なる神を信じる者と友達になる。そんな風になりたかった。
- 否、なろうと思った。───それがカール大帝との分岐点だったのかもしれない。
- シャルルマーニュはそれを幻想に求め、カール大帝は現実で戦おうとした。だが想いだけは共通していた。
- 自分と同じで一人ぼっちだった女の子を、人斬り包丁を持たされて戦場に立つアルテラを、姉さんを助けたかった。
- 幻想の騎士として召喚されたシャルルマーニュは、カール大帝としての記憶は朧気な代わり、邪悪な怪物と戦い十二勇士と冒険をした記憶を持っている。
- だがそれは、剪定された事象に過ぎず、彼の記憶は全て詩人たちの作った妄言、妄想、物語である。
- 故に、シャルルマーニュという英霊に生前は存在しない。
- シャルルマーニュ本人は記憶にある歴史、土地、国、仲間、冒険が全て空想の物語であることを認識し理解している。
- それでも彼は、カッコ良くありたいと思い、そうあろうと行動する。
- マスターに恥じず、姉に顔向ける立派な騎士としての生き方を目指す。それだけが彼にとっての生きるという事だから。
- 大帝の影であるシャルルマーニュは、大帝が倒されれば死ぬ。本体が居なくなれば影は消えてしまう。
- 誰が大帝を討とうが、どこかに逃れたとしても、死は免れない。
- そしてシャルルマーニュの現界は、ただ一度の奇跡であり、イレギュラーな召喚。
- 次に召喚される時は、力づくで世界を統一するカール大帝でもなく、世界を救う為なら命を捨てるシャルルマーニュでもない。
- 現実と理想を両立させ、史実と夢想の混ざった「カール大帝」が召喚される。
- 故にシャルルマーニュが召喚されることはもうない。
- それを理解した上で、暴走するカール大帝を騎士として、同じ
シャルル として倒すために奔走する。
関連
- シャルルマーニュ十二勇士
- シャルルマーニュ伝説に登場するシャルルマーニュの仲間である12人の英雄。シャルルマーニュを盟主に仰ぎ、ローラン、オリヴィエ、アストルフォなど、いずれ劣らぬ武勇に優れた騎士であるが、後年に成立した武勲詩や叙事詩の影響からか、超人的な戦闘力を持つ伝説上の人物として中世のヨーロッパでは人気を博した。
- ……が、その実態は実力はともかく一癖も二癖もある人物であり、結構なポンコツであるエリザベート・バートリーが「十二勇士の資格がある」と評されるようなスカポンタンの集団である。
登場作品と役柄
Fateシリーズ
- Fate/EXTELLA LINK
- メインサーヴァントにしてストーリーにおけるキーパーソン。
人間関係
Fate/EXTELLA LINK
- 主人公 (EXTRA)
- 月で出会った人物。彼/彼女が、シャルルマーニュの決断の見届け人となってゆく。
- カール大帝
- 自分自身の別名であり、本来ならば霊基を共有する本体。
- 「幻想に生きた」シャルルマーニュに対し、「現実に生きた」カール大帝という形で分離してしまっている。
- アルテラ
- 血の繋がりはないが、自分と同じく孤独に生きる彼女を「姉」として認識している。
- カール大帝は生前、古代遺跡で彼女の姿を垣間見たことで、人々を救い平和な世界を作りたいと強く考えるようになったらしい。
- ネロ・クラウディウス
- 味方陣営のサーヴァント。シャルルは彼女の後世でローマを統べた者として、彼女を「先輩」と呼んでいる。
- 曰く、「先輩として尊敬はするが、特にファンというわけではない」模様。
- 玉藻の前
- 味方陣営のサーヴァント。彼女のことは「姉御」と呼んでいるが、タマモ的にはあまりお気に召してはいないご様子。
- シャルルマーニュが最終的に消滅する運命にあることを見抜いていたようで、さり気ない気遣いを見せる。
- 無銘
- 味方陣営のサーヴァント。彼のことは初見で「歴戦の戦士というあたりはわかるが他がさっぱりわからん」と評している。
- 第二ルートでは終盤、シャルルの霊基が傷ついていることを見抜き、最後の一瞬まで援護すると約束される。
- アルジュナ
- 味方陣営で別働隊を率いるサーヴァント。彼のことは「はるか東方の神話に登場し、無数の侵略者を打ち砕き、正義を成し、悪王を倒し、民に平穏をもたらした英雄」と評した。
- カルナとの決戦時には一度彼を庇ってチームワークを説いたあと、最終的にはカルナと相討ちになり消えゆく彼の最期を見届ける。
- また別のルートでは最終決戦時、アルテラの護衛を彼に託した。
- ガウェイン
- 味方陣営に合流したサーヴァント。
- 彼には自分のことは「偉大なるフランクの王」としてではなく、「同じマスターに仕える一人の騎士」として扱ってくれるよう頼む。
- ロビンフッド
- 味方陣営に合流したサーヴァント。彼のことは「村を守り、森を武器にし、悪逆なる領主に一杯くわせた、カッコ良い英雄」と評している。
- 彼は何人もの「ロビンフッド」の逸話が組み込まれた、英雄モドキのような存在であるため、ある意味ではシャルルに似た境遇を持つ。
- なお、卿づけで呼ばれるのはどうにも落ち着かないらしい。
- クー・フーリン
- 味方陣営に合流したサーヴァント。シャルルは大抵の英雄のファンなのだが、彼のファンでもあった。
- なお、卿づけで呼ばれるのはむず痒いので遠慮してほしいとのこと。
- エリザベート=バートリー
- 当初は“天声同化”によって敵対したものの、途中から仲間に加わったサーヴァント。
- あまりにもスカポンタンな有様から「十二勇士の素質がある」と見なしている。彼女からは「王子顔」と認識されている模様。
- アルキメデス
- 初見で「胡散臭いという言葉を額縁に入れたような男」と評している。
- 彼の手腕は認めるものの、淡々と真実だけを述べる態度については物申したいところがあった模様。
- カルナ
- “天声同化”によって敵対したサーヴァント。彼については「キラキラなのに漆黒で真っ白なのにダーク、ひたすらカッコ良い」と評価したため、ネロに語彙力の低さを指摘される。
- 第一ルートでの彼との決戦時には宝具を打ち合ったものの、わずかに及ばなかった。一方第三ルートでは最終的に同化が解けて味方となり、最後はアルテラの護衛を彼に託した。
- ジャンヌ・ダルク
- 霊基複製工場のコアにされていたサーヴァント。シャルル亡き後の世で窮地に瀕したフランスを救った聖女であるため、シャルルから礼を述べられている。
- 第二ルートでは彼女の救出に成功。最初はシャルルと大帝の霊基が同一であるため非常に警戒していたが、のちに神の啓示を受けてシャルルを激励している。
- メドゥーサ
- “天声同化”によって敵対したサーヴァント。彼女の行っていた殺戮に対し、激しい怒りを見せる。
- ただしその後で啖呵を切った時にはちょっとかっこつけました。
- ダレイオス三世
- “天声同化”によって敵対したサーヴァント。彼のことは史書で読んだと話しており、「あんなカッコいいペルシャ王が全然いい感じでなくなっているのは見ていられない」と戦いを挑む。
- ジル・ド・レェ
- 敵対したサーヴァント。神や人民の悉くを冒涜しようとする彼とは反りが合わず、相容れないようだ。
- フランシス・ドレイク
- カール大帝に雇われて敵対したサーヴァント。初見でつけた渾名は「デカパイ海賊」。
……事実とはいえあんまりである。 - 彼女の貫いた生き様を「カッコいい」と評し、「彼女から奪い取った勝利を喜ばないことは彼女に対して失礼」と敬意を表する。
- 李書文
- カール大帝ととある約定を交わして敵対したサーヴァント。彼のことは「絹の国(セリカン)の大英雄、その武は天下に並ぶものなし」と評した。
- アルトリア・ペンドラゴン
- 別働隊を追跡した際に遭遇したサーヴァント。初見時には「俺の想像していたよりもトゥルッフ・トゥルウィス的な……」と困惑している。
- 彼女の実力を味わった後はおかわり勘弁だと悲鳴をあげた。どうやら膝にきたらしい。なお、当の彼女からは「私の前に立つにふさわしい騎士」と悪くない評価をされている。
- イスカンダル
- 戦力増強作戦の途中で遭遇したサーヴァント。
- その姿を「威風堂々たる姿、威圧感」と称え、彼の生き方については「カッコ良い、良すぎる」と評した。
生前
- ローラン
- 甥であり、自身の配下の十二勇士の一人。
- アストルフォ
- 自身の配下の十二勇士の一人。
- どちらかというと友人関係のようなノリでアホな会話をしているが、女装については苦言を呈している。
- テュルパン大司教
- 自身の配下の十二勇士の一人。
- 人格者であるがあまりに無茶苦茶な戦いっぷりから、「自分より強いんじゃないか」と常々思っていたとか。
- オリヴィエ
- 自身の配下の十二勇士の一人。
- 比較的常識人であり、面倒なノリの時には彼に投げてしまっていたとか。
名台詞
Fate/EXTELLA LINK
- 「セイバー、シャルルマーニュだ。ま、ひとまず落ち着いて俺の話を聞いてくれねえか?」
- 公式サイトの自己紹介。騎士然とした姿とは裏腹に非常に馴れ馴れしい。
- 「一夜一時の幻と言えども、此処に我は楔を穿つ!
伝説よ蘇れ、我が剣に彼らの力を! 『王勇を示せ、遍く世を巡る十二の輝剣』!」
「永続不変の輝き。千変無限の彩り。我が王勇を示すため、この刃に我らの伝説を刻み給え! 『王勇を示せ、遍く世を巡る十二の輝剣』!」 - 宝具発動。力を宿した十二の剣とセイバー自身の光の剣が敵を蹂躙する。
- 「うん。どうやら、喚び出したのはアンタで正しいらしい。俺はまあ、アレだ。野良サーヴァントみたいなもん……かな。
なあに、細かいコトは気にするな!アイスの当たり棒を引き当てたみたいなモンだと思って、気軽に命令してくれ!」
「よーし、そんじゃまあ。カッコ良く!ビシッと!初陣決めてみせるぜ!」 - プロローグにて。突如襲われた主人公の下へ颯爽と駆け付けたのは、春風のように軽やかで、隼のように涼やかな少年。
- それが、彼らの新たな冒険談のはじまりだった。
- 「いや!しかしあえて!我が真名を解放する!我が真名はシャルルマーニュ!どうかその胸に刻んで貰いたい、SE.RA.PHのマスターよ!」
「あ、重要なのはシャルルと呼んで欲しいってとこだ。シャルルでもシャルでも構わないが、もう一つのメジャーな呼び方はアウトな!
別にアッチがカッコ悪いって訳じゃないが、ちょっと今の俺には重荷に過ぎるんだ。」 - 春風の剣士はあっさりと真名を明かす。ところでシャルルマーニュと言えばもう一つメジャーな呼称があるが、それは──。
- 「や、俺は別にネロ先輩のファンじゃないんだけど。ああ、もちろん先輩として尊敬はしてるぜ!」
- 1日目、帝都にて。シャルルにとってネロはローマを統べた「先輩」にあたる。
- 「いいや、意味はあるね!力持つ存在には責務が伴う。俺にはそもそも無抵抗など許されない。そして何より──。
抵抗する俺は!カッコ良い!理由はそれで十分!何故って、俺は単純な構造だからな!」 - 同上。“天声同化”されたカルナとの戦い。シャルルが抗う理由は至極単純だが、あくまでカッコ良さにこだわる理由とは……
- そして、この後に進むルートによっては「俺以外の誰かに倒される」という彼の直感が的中することになる。
- 「タマモの姉御……。だよな、助言サンキュー!姉御サンキュー!」
- 第一・第二ルート2日目、千年京にて。玉藻の前に対してはなぜか「姉御」呼びである。
- 「理解してるさ。後方には無辜の市民、逃げ場のない黄金の都ローマ。こちらはそれを守る騎士団だ。
戦争に大義名分なんてまずないけどな。非武装の市民を守るってのは、そのごくわずかな例外だ。
俺たちは勝たなくちゃならない。これほどカッコ良い騎士の戦場があるかい?」 - 第一・第二ルート2日目、ローマにて。「状況を把握してほしい」と言う無銘に対する返答は、カッコ良さにはこだわりつつも的確に状況を見据えていた。
- 「いいな、マスター。あんたの所に集まってくる英霊は、カッコ良いヤツばかりじゃねえか!
きっと、あんたがカッコ良いからだと俺は思うな。新人サーヴァントとしちゃ、最高に恵まれた環境だ!」 - 第一・第二ルート3日目、千年京にて。まるで子供のように無垢で純粋な賞賛。同時に主人公には『新人サーヴァント』という自称について疑問を抱かれるが……?
- 「知ってるとも!オレのダチではもっとも面白い野郎だ!
空を飛べば雷よりも早いが、走ると子猫より遅い!友のためなら月へも飛び立ち、理性を蒸発させて帰ってくる!
およそ天下に英雄豪傑数あれど、騎士アストルフォより面白いやつはまあいない!カッコ良いバカだ!」 - 第一・第二ルート3日目。ロビンフッドに「アストルフォを知っているか?」と尋ねられて。一癖も二癖もある十二勇士のひとり、アストルフォのことは「カッコ良いバカ」と評している。恐らく褒め言葉。
- 「まあ、それはそれとして、後でたっぷりお説教な!
卑しくも聖騎士ともあろうものが、何ですかそのスカートは。父ちゃん情けなくて涙が出らぁ!」 - 同上。“天声同化”が解けたアストルフォに対し、味方に襲い掛かったことを説教するのかと思いきや……。
- ノリが男子高校生並みのそれである。十二勇士のあまりのキャラの濃さには玉藻の前も唖然。
- 「──ま、要するにオルタと同じだ。別の側面ってやつさ。
──八世紀から九世紀にかけて、西ヨーロッパ社会を統一し、ついにはローマ皇帝を名乗った男、カール大帝。
それが俺であり、アイツだ。俺はセイバークラスとしての全盛期の頃で召喚され、アイツは王としての全盛期で召喚された。
だから、主義も違うし考え方も違う。俺は少なくとも、アイツを倒す気でいるよ。」 - 第一ルート5日目。アルジュナから「大帝というサーヴァントは何者なのか?」と尋ねられての返答。「大帝」とはカール大帝……つまり、シャルル自身である。
- それでも別側面として召喚されたからこそ、彼は大帝を拒絶し、打倒するために戦うのだった。
- 「永続不変の輝き、千変無限の彩りを!万物不撓の騎士達よ、我が王勇を指し示せ!『王勇を示せ、遍く世を巡る十二の輝剣』!!」
「足りなかったか……!ちくしょおおおおおおッ!!」 - 第一ルート6日目、カルナとの最終決戦。宝具の発動が間に合いそうにないアルジュナを庇うように飛び出し、宝具を発動する。
- 全力でぶつかるも、強力無比な攻撃を相殺するにはあと一歩及ばなかった。
- 「城は……ひとりで建てるもんじゃない。あんたの戦いもひとりで成し遂げるもんじゃねえ。
向こうはまあ、大帝がバックについている。なら、こちらはチームワークで勝負だ。」 - 同上。先行させたはずのシャルルが戻ってきたことに驚愕するアルジュナに対して。彼の力強い言葉にアルジュナも何かを感じ得たらしく、最後はシャルルの背中を押して散ってゆく。
- シャルルと主人公は共に、これまで一緒に戦ってきた仲間の最期を見届けた。
- 「ばーか。無理無茶無謀は、シャルルの宮廷と十二勇士の専売特許だ。そうだろう?」
- 第一ルート7日目。いよいよ突入を目前にして、彼を心配するアストルフォに対して。
- 「俺の役割は、アンタを止めるただ一点のみ。間違った夢、間違った幻想をだ。──砕きに来たぞ、大帝。夢の最果てで眠れ。」
「だけど、そいつはアンタがひとりで作った城だ。マスターが皆と一緒に作った国に、かなうわけねえだろ。
行こうぜマスター。指示をくれ。俺は大帝なんて存在じゃない。俺はあんたの騎士──シャルルだからな。」 - 同上。ついに対峙したカール大帝との決戦。彼の目的はただ一つ──もう一人の自分を止めることのみ。
- ここに至るまでに得た仲間たちに支えられ、彼は今、大帝の夢を砕かんとする。
- 「匂うな……。極めて純度の高いアストルフォの匂いだ……。いい十二勇士になれる人材だ。」
- 第二ルート5日目、あくまでもフリーダムなエリザベートを見ながらの一言。アストルフォと書いてスカポンタンと読む。
- 直後、マスターからは「君のところの勇士基準、おかしくありませんか?」と突っ込まれた。
- 「みんなが笑顔になれる国を作りたい。その気持ちは変わっちゃいない。だが今の貴様の行動は、妄想に他ならない。
……おまえは、壊れているんだよ。どうしようもなくな。」 - 第二ルート6日目、「アルテラの見せてくれた夢を妄想と言うのか?」と問うカール大帝に対しての返答。
- 夢や理想は肯定しつつも、現実に生きた大帝とは決して相容れない。
- 「ま、要するに俺はカール大帝を倒すために召喚された限定サーヴァントって訳だ。
その目的があったからこそ、俺は未熟でも強い能力を持つことができた。
……いや、でも。最終的にはやっぱりマスターのお陰だよ。この七日間を駆け抜けることができたのは、アンタがいてくれたからだ。
未熟で、初陣だった俺にとって、アンタは灯台のようだった。嵐の海の只中にあってもなお、微動だにしない、力強い光──
俺のジュワユーズにすら勝る、生命体としての輝きだ。
でもカール大帝を倒した俺に、もう道標は必要ない。それは他のサーヴァントが受け取るべきものだ。」
「……うん、そうか。俺のような奴でも、アンタに少しは思い出を刻めたのか。
ああ、まったく──。最高に楽しくて、最高にカッコ良い七日間だった!」 - 第二ルート、エンディング。カール大帝を倒した以上、彼はこの世界から去らなくてはならない。そしてもう二度と“彼”には出会えない。
- それでも、「涙に濡れたお別れ」ではなく「笑顔でカッコ良いお別れ」を選んだ春風の剣士は、吹き抜ける風のように消えていった。
- 「…………ああ。これはどっちが本物なのか、なんて単純な話じゃない。
はるか昔、西ヨーロッパを統一し、ローマ帝国崩壊以来の混乱に終止符を打った男、カール大帝──それが、俺のはずだ。
けどな。どうも、その記憶はおぼろげなんだ。俺の中にはもうひとつの記憶がある。
邪悪な怪物と戦い、十二勇士と大冒険をした記憶。それが、俺を形作った。伝説の中に住んでいる、シャルルマーニュ。
俺にあるのはそれだけで、それ以外何もない。今の俺は……そうだな。子供の頃の夢なんだ。どこまでも正々堂々、民のために剣を振るう。
……そう。俺は本当は、そう生きられなかった。侵略者、好色漢、野心家、皇帝僭称者。フランク族の頭目の、野蛮人の親玉さ。
でもな。本当に憧れてた。騎士として生きたかった。神のため、平和のため、人々のために。」
「俺は影で、あちらのカール大帝が本体だ。奴は、リアリズムの権化だ。本当の意味で、ヒトを救いたいと願っている。
それでもだ。それでもだ、マスター。
今の俺を騎士として戦わせてくれ。アルテラが捕まっているなら、なおさらだ。昔の俺は、あの子に借りがある。」 - 第三ルート2日目、帝都にて。アルキメデスが帝都を訪れたことにより事態は急展開する。
- シャルルの正体は「大帝の影」。大帝が現実に生きた英雄であるならば、彼こそは幻想にのみ生きることを許された騎士だったのだ。
- アルテラを救うため、「騎士」として「大帝」を倒すため、ローマと千年京をアルジュナに預けて主人公たちは機動聖都を目指す。
- 「……。なあ、マスター。俺がこうして召喚されたのはイレギュラーだ。大帝もな。
次に召喚された俺は……。もっと、ちゃんとした英雄さ。
そいつは、力づくで世界を統一するバカでも、世界を救うためなら命なんかいらないアホでもない。
現実と理想を調和させた、カッコいい男だ……と思う。でもな……今ここにいる俺は、俺なんだ。
だから、俺は俺の命を、俺の存在を大帝にぶつけたい。消えてしまう夢なら、納得のいく終わりが欲しい。
──一回こっきりの人生だ。カッコつけさせてくれよ、マスター。」 - 第三ルート4日目。大帝を倒せば己は死ぬ。そして「シャルルマーニュ」が召喚されることは二度とない──ならばせめて自分の存在をぶつけて散りたい。
- 彼がカッコ良さにこだわる理由と、そのささやかな願いを聞いた主人公はもう、何も言えなかった。
- 「来いよ、姉さん!オレは真っ向から、あんたたちを受け止める!」
- 第三ルート5日目、千年京にて。血のつながりはなくとも彼らにとってアルテラは「姉」だった。孤独であることの痛みを知るアルテラは、どうしても大帝を見捨てることができないのだと告げる。
- 大帝を守ろうと立ちはだかる彼女の覚悟を受け止めるため、シャルルは真っ向から勝負を挑むのだった。
- 「ああ。姉さんのこと、この世界のこと……。俺は、ようやく俺を理解できた……!
行こう、マスター。これが本当の本当に、最後の戦いだ──!」 - 第三ルート7日目。カルナの問い掛けに対する力強い返答。これより、シャルルと主人公は文字通り、最後の戦いへと身を投じることになる。
- 「俺の辿った人生は、幻想と現実が入り混じった夢物語。そう、だから──。だからせめて、カッコ良く生きたいんだよ。
アンタだってそうだろ、大帝。──みんなが笑える国が欲しかったんだろ?殺し合わずに暮らせる国が。
他の神を信じる連中とも、いつかは上手くやれると思ってただろ?ああ、そう思ってた。
どうあれ平和を求める行動が同じであれば、皆いつかは分かり合えると。」
「……イヤだね。平和は正しい。万人の幸福は正しい。
矛盾だらけのこの世界を、悪戦苦闘してどうにかしようとするアンタは──多分、正しいんだろうさ。
夢物語に生きている俺なんかよりはずっとな。でもな。やっぱり最初の一歩目から間違えている。
現実の苦闘を無かったことにするな。それは……やっぱりカッコ悪い。」
「この世界の運命をひとりでもう背負わなくていい。普遍の価値なんてなくなっていい。
幻想の聖騎士も、虚構の救世主も必要ない。終わらせようぜ、カール大帝──!」 - 同上。シャルルマーニュとカール大帝。万人を救い、世界の平和を願う──幻想にそれを求め続けた騎士と、現実でそれを叶えるために戦い続けた大帝。両者の手段は違えども、そこにある想いは同じだった。
- ただ生きたい。自分として生きたい。カール大帝の“天声同化”の奥底にあったのは、そんなささやかな願いだった。
- だからこそすべてを終わらせる。己の信念を貫き、自分の命も顧みず、たった一人の騎士として最後まで駆け抜けるために。
- 「こうして召喚されてようやく、実感したよ。幾つも幾つも間違いを犯してきたけれど……
俺はまだ、カッコ良くありたいと思うし、そうあろうと動くことはできる。
……マスターに恥じない生き方がしたい。会うことができた姉さんに、顔向けできる立派な騎士でありたい。
俺は、救われなくていいんだ。──それだけなんだ。俺にとっては、それが生きるってことなんだ!」
「な……マスター。俺たち、カッコ良かったよな?」 - 同上。決着はつき、二人の「騎士」は消える。それでも彼らはひたすらに自分として生き、長くも短い七日間を駆け抜けた。その在り方はどうしようもなく儚く、そしてきっと、紛れもなく「カッコ良い」ものだったのだ。
- しかし、彼らが召喚されることはもう二度とない。良い夢から醒めるように、二人の物語はここで終わる。
メモ
- 本名は「シャルル」までで、後半の「マーニュ」は「大王」の意味。別の言い方では「カール大帝」となる。
- 外見とは裏腹のフランクな性格や、ローランやアストルフォといった一癖も二癖もある部下を抱えていたこともあり、彼も色々と性格がアレなのではないかと発表当初から噂されていた。
- というか、最初の原典の「ローランの歌」から結構な変わり者であり、後にイタリアで成立したシャルルマーニュ伝説では輪をかけて変人である。Fate世界での扱いも結構なもので、アストルフォが場合によってはツッコミに回るレベルである。
- 手にしているギザギザの剣はフランベルジュという様式で、フランス語で「炎」を意味するフランブワンに因んで名付けられた。美術的価値が高いだけでなく、セレーション(鋸状)加工された刃が傷口を引き裂いて止血しにくくする為に殺傷力も高い剣となっている。
- 尚、ルーヴル美術館に収蔵(!)されているジュワユーズはフランベルジュではなく、見ようによっては若干波打っているか…という程度のほぼストレートの剣。但しオリジナルはフランス革命時に紛失もしくは破損し、現存するのはナポレオン・ボナパルトの戴冠式で使用されたレプリカという説もある。…もっとも、どこぞのアホの子ならば強引に触媒として機能させそうではあるのだが。
- フランベルジュ様式の剣は「狂えるオルランド」において、部下のリナルドが愛用している事で知られる。
脚注
注釈
出典