アイリスフィール・フォン・アインツベルン

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アイリスフィール・フォン・アインツベルン

  • スペル:Irisviel Von Einzbern
  • 誕生日:2月1日
  • 身長:158cm/体重:52kg
  • スリーサイズ:B85/W56/H84
  • イメージカラー:銀
  • 特技:練成魔術
  • 好きなもの:夫と娘/苦手なもの:節約、交通安全
  • 天敵:言峰綺礼
  • CV:大原さやか

アインツベルン家により錬成されたホムンクルス。衛宮切嗣の妻。

略歴
アインツベルンの手により第四次聖杯降霊儀式の聖杯の「器」として錬成されたホムンクルス。「冬の聖女」ユスティーツァの後継機にあたり、また究極のホムンクルスの母胎となるべく設計されたプロトタイプでもある。
精霊に近い存在である上、誕生前から様々な調整を加えられており、魔術師としての能力は高い。
切嗣がアインツベルンに入るのとほぼ同時期に練成された。切嗣を夫として迎え、一児を儲ける。
聖杯戦争では切嗣の代理でセイバーとともに冬木市に入り、表向きのマスターとして囮役となる。
人物
温和でありながら気高い、貴族の姫君然とした性格。一方で、非常に好奇心旺盛で無邪気。稼動時間は9年足らずで、冬木に入ったばかりの頃の態度はまさに子供のそれである。これはアインツベルンの冬の城に育ち、外の世界を知らなかったことにも起因する。貴族の姫君として、騎士であるセイバーを振り回す。
切嗣を愛し、娘を慈しむ中で自身が人形であることを否定。そもそも外界を知らない彼女は切嗣の理想を完全に理解できていたわけではないが、「夫の理想のためにただ死ぬ女」よりも、「同じ理想に死ぬ女」の方が切嗣の負担にならない、という思いから、切嗣の理想に殉じた。
また、娘あるいは孫が再び器として聖杯戦争の犠牲になることを許せず、自分を最後にしようとも決意していた。妻と母親の慈愛で聖杯戦争に立ち向かった覚悟の女性である。
ギャグテイストの派生作品や『プリズマ☆イリヤ』では天然でマイペースな言動が多く、実の娘と義理の息子に揃って『KY』と呼ばれている。
一方で異様なほど器が大きく、タイガーころしあむアッパーでは覚えがない息子である士郎を切嗣の養子と知らないままに「私の子供も同然」と受け入れたり、見た目筋骨隆々で目が赤く光っているバーサーカーを「バサカちゃん」と呼んで仲良くなるなど、母性の強さが強調されている。
なお料理の腕前は壊滅的らしく、切嗣が料理のマズさでアイリが本物だと判断したこともあった。
能力
アインツベルンの秘奥たる錬金術を修めている。
戦闘では針金に魔力を通し、変幻自在の使い魔として行使。また、錬金術を使った治癒の魔術も使える。
ただし、この治癒の魔術は錬金術であるために「体組織の代用物を錬成する」ことで行っているため、言うなれば臓器移植の類である。よって被術者の肉体にかける負担が大きく、ホムンクルスなどが相手であれば問題は少ないが、生身の人間が相手の場合は即活動を再開させ得るような術ではない。
聖杯の器というが厳密には「器」を守るために施された本来の機能に必要ない「外装」がアイリスフィールになる。心臓と肉体そのものが聖杯であるイリヤと違い、アイリはあくまで無機物である小聖杯を内臓に融かしているに過ぎない。そのため、聖杯戦争が進み英霊の魂を吸収するごとにアイリスフィールは生体としての機能を喪失していく。聖杯戦争が進むごとに不調になる傾向は第五次の聖杯であるイリヤスフィールと似ているが、心臓と肉体そのものが聖杯であるイリヤと違いアイリはあくまで無機物である小聖杯を内臓に融かしているに過ぎず、英霊という強大な魂の負荷が掛かっている故の不調であるイリヤと違いアイリの不調は完成に近づく小聖杯が「外装」であるアイリという余計な物を圧迫するため。英霊5体を吸収し小聖杯として完成した時には外装であるアイリスフィールの肉体を魔力の余波で焼き払いその姿を顕す。
英霊を3~4体ほど吸収した後ならばアイリの生死に関わらず完成していくが、それ以前のカタチになっていない段階の場合アイリが死ぬと聖杯も機能しないままで終了してしまう、

アイリ師匠

「おねがい!アインツベルン相談室」に登場。第4次聖杯戦争で脱落した迷えるサーヴァントの悩みを聞いて導いている。汚染された大聖杯の化身であり、うじうじ悩んでるサーヴァントの魂をさっさと聖杯にダイブさせるのが役割。格好は袴姿。
時代がかった校舎を事務所にして、時代がかった格好をしているのは、あの空間内では時間軸が第3次聖杯戦争直後のものになっている影響。
空間内に迷い込んでしまって記憶喪失になっているTちゃんを助けて、弟子ゼロ号(ゼっちゃん)として立派なサーヴァントのマスターに教育するため「教えて!聖杯さん」などと題して用語解説したりもした。

登場作品と役柄

Fate/Zero
セイバーのマスター代理、聖杯降霊の器の守人。
自身を聖杯戦争に関わる最後の器にするため、闘争の終焉を願って戦う。
フェイト/タイガーころしあむ アッパー
イリヤのため、明日の運動会のお弁当を作っていたはずのアイリスフィール。気づけばヘンな宝箱に入れられ、冬木市に放り出されていた。謎の携帯電話がかかってきたが、ぷちっと無視。さて、どうしよう?
限定版同梱ドラマCDでは腐女子として目覚めていたりする。
ルートによって境遇は違うらしく、自身のルートでは切嗣がマスターを狙撃したことを知っていたり、アンリマユと面識があるなど本編準拠だと思われる。イリヤルートでは聖杯戦争から逃走し、本家からは勘当されるものの親子三人平和に暮らしている世界のアイリが登場する。なお聖杯戦争から逃走することになった理由は、セイバーがあっさりやられてしまったかららしい。
Fateゼロカフェ~Fate/Zero Cafeに集う英霊達~
「ゼロカフェ」常連の奥様でセイバー店長がお気に入り。夫や娘と幸せに暮らしている。
Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ
Fate本編とは異なる並行世界の存在。あまり家にはいないママさん。夫の切嗣と一緒に世界中を飛び回っているが、唐突に帰ってきたりもする。
家族内のヒエラルキーでアイリは頂点に位置し、切嗣より上位にあるとされ、しかも間には越えられない神の壁が存在するとされる。

人間関係

冬木(本編)

衛宮切嗣
夫。その理想を理解出来ている訳ではないが、切嗣の負担を少しでも減らすため「理想に殉じる」女性を演じている。
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
娘。次の聖杯戦争のための犠牲になることが決定されており(次の器がイリヤ本人ではなくとも、孫にあたる娘を完成させるための母胎にされることは決まっていた)、母として娘を救うべく戦う。
久宇舞弥
切嗣を自分より以前から知っている人物として小さな嫉妬があった上、その感情の読めない態度を「理解しがたい人間」として捉えていた。
聖杯戦争中は切嗣を護る為に共闘、そのなかで生まれて初めて「友愛」という感情を抱いた。
セイバー
夫のサーヴァントであり、護衛。契約関係は結んでいないが、第四次聖杯戦争中に行動を共にしていた。
ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン
鋳造主。
ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルン
雛型。直接の面識はないが、魂のレベルで繋がっているらしい。
衛宮士郎
義理の息子。本編ではまったく面識がないが、タイころアッパーにて邂逅を果たす。切嗣との血縁関係の有無を知らなかったために当初は複雑な表情をしていたが、「切嗣の息子は私の息子も同然」と考えを改め、母親として彼に接する。母親というものを知らない士郎は戸惑っていたが、EDなどを見る限り、仲良くやっている模様。
バーサーカー
第5次聖杯戦争にて愛する娘を守ってくれたサーヴァント。こちらも本編では面識がないが、タイころアッパーで初邂逅。イリヤを大切に思ってくれている友達と判断し、「バサカちゃん」という愛称で呼ぶ。なお彼女はどう見てもバーサーカーに襲われている士郎がバーサーカーをいじめていたと判断して「弱いものいじめはダメ」と言い、士郎にドン引きされた。
弟子ゼロ号
「おねがい!アインツベルン相談室」にてアイリを師匠と呼んで慕う弟子。

冬木(プリヤ)

クロエ・フォン・アインツベルン
『プリズマ☆イリヤ』における、もう一人の娘。

名台詞

Fate/Zero

「切嗣がアインツベルンの城に持ち込んできてくれた玩具の中でも、私はこれが一番のお気に入りなの。お城じゃ中庭をグルグル回るだけだったから、こんな広い所を走るのは初めてよ。もう最高!」
車を道路で走らせる事に嬉々とするアイリ。だが、赤信号は無視するわ、曲がりくねった山道を100km以上で走らせるわと散々な運転で、同乗していたセイバーは顔をひきつらせて恐怖していた。
「わたしが取りこぼした幸せがあるなら……残りは全部、イリヤにあげて。あなたの娘に――私たちの、大切なイリヤに」
「いつかイリヤを、この国に連れてきてあげて」
「あの子に、私が見られなかったものを全部……見せてあげて。サクラの花を、夏の雲を……」
切嗣との最後の会話の中で。

フェイト/タイガーころしあむ アッパー

「イリヤ、これはどういうこと?キリツグの息子のシロウくんは……ずいぶんモテモテというか」
「駄目じゃないシロウくん!女の子をたぶらかしてばかり!気持ちがフワフワワウワウしちゃ駄目!」
「シロウくん!いえ、シロウ!キリツグの息子ということは私の息子も同然!これは母親として、教育的指導が必要ね!」
知人の女性に声をかけられまくる士郎を見て、切嗣の隠し子(疑惑)という複雑な問題を脇に置き、ハーレム状態の士郎を教育するために母親として鉄拳を振るう。
士郎のモテ体質は切嗣譲りなのだが、アイリは知らない様子。
「って、あら? あっちもセイバー? あらあら、こっちもセイバー?……の、着ぐるみ?
 ……この企画を考えた人は、何を考えてるのかしら?」
セイバーとセイバーオルタとセイバーライオンの口論を見て。メタ発言とか言わない。
(いけない、あの男は危険だわ、キリツグが びぃえる時空 に引きずり込まれちゃう!)
(今度こそ、今度こそ私が助けるの!)
言峰と対峙する切嗣を憂えるモノローグ。心配するポイントが明らかにおかしい。
「うふふ。それじゃ行きましょうキリツグ。今度こそ本当の新婚旅行なんだから。」
アイリが虎聖杯にかけた願い・・・それはついに夫婦として叶わなかった「新婚旅行に行きたい」というささやかな幸せであった。
「何言ってるのイリヤ!?前回の戦いの結果、家族3人仲良く暮らすことになったじゃない!!」
イリヤルートで平行世界から来たアイリから明かされた驚愕の事実。
セイバーを初戦で失うという大ポカをやらかし早々に第四次聖杯戦争から脱落した切嗣一行は聖杯戦争のあり方そのものに疑問を抱き、ドイツに戻ってイリヤをアインツベルンから確保して逃走し、後は家族3人今でも平和に生活しているという。
万全を期して望んだ第四次聖杯戦争の無残な結果がよほど堪えたのかアハト翁もアイリ達を「勘当」しただけでほったらかしにしているらしい。セイバーの頑張りは一体…
「切嗣マーーーン!」
超必殺技「切嗣マン」の発動時の叫び声。この声と共に切嗣が現れて、相手を狙撃する。

Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ

「その前に、お仕置きをしないとね」
「そうそう、喧嘩は両成敗よね」
魔法少女化しているイリヤ、英霊化しているクロエを二人共針金で作ったゲンコツでノックアウト。ギャグ補正がかかっているとはいえ、『プリズマ☆イリヤ』のアイリはぶっ飛びすぎである。

その他の作品

「やっと一人目の脱ら……いえ、お客様がきたわね。」
「お願い!アインツベルン相談室」より。今後は、脱落したマスターやサーヴァントがやって来るようだ。

メモ

  • 当初、『stay night』で語られていたところでは第四次の時は本国の城でイリヤと共に切嗣の帰りを待っていた設定だった。しかし『hollow ataraxia』にて実は切嗣と共に冬木へ来ていた事が明かされる。『hollow』製作時には『Zero』一巻は書き終わっていた事を考えると、後の整合性を取るため当初の設定から変更を受けたと思われる。
  • 練成当初は感情に乏しく正に人形のような人格だったが、切嗣から情操教育を受け始めたことで情緒面が急成長。特に「愛情」の概念を理解してからは、当の切嗣がたじたじになる程の豊かな情感を身に着けた。
    • このあたりは『Fate/Zero Blu-ray Disc Box I』特典の原作者書き下ろしドラマCDに詳しい。アニメ二期のEDも、このドラマCDに準拠して作画されたものである。
  • 第四次では非業の死を遂げているが、ifの世界である「タイころアッパー」や「プリズマ☆イリヤ」では別の姿が見られる。基本的に天然でマイペース。本人にそのつもりはなさそうだが、結果として周囲を好き放題巻き込むキャラ。
    • 性格にもかなりのアレンジが加えられているように見えるが、元々、ホムンクルスとして生まれ持ってる知識に比べて生きてきた年数が少なく、経験も偏ってるので、風雅と稚気の二面性のあるキャラだとされている。Zeroの立ち振る舞いが知識として持っている風雅さ寄りで、外伝作品は生きてきた年相応の素の性格なのだろう。
  • 意外にもスピード狂で、切嗣から与えられたベンツを猛スピードで突っ走らせるのがほぼ唯一の趣味となっている。
    • なお、練習したのはアインツベルンの城の庭であり、そこは狭くて不満だった。日本に来て広いところを走らせることが出来て喜んでいるが、道路交通法はほぼ理解していない。
  • 針金細工には魔力を込めて物理的な破壊力を持たせる事も可能で、「プリズマ☆イリヤ」では拳型に作ってイリヤとクロエに鉄拳制裁をお見舞いしている。
  • キャスター(第五次)は「人妻で姫君」というキャラクター性が被るためか、相性が悪いらしい。「タイころアッパー」では壮絶な舌戦を繰り広げた。
  • 「タイころアッパー」で夫の養子と対面した時は、イリヤの説明の仕方がマズかったせいで当初は微妙な雰囲気になったが、「切嗣の子供なら私の子供」ということで一発シバいて納得した。
  • 料理の腕前は相当にひどいらしい。スピンアウト系の作品では、彼女の手料理に苦労を強いられる切嗣の姿が描かれることもある。

話題まとめ

アイリの愛車
アイリが運転していた車は、メルセデスベンツ・300SLのガルウィングドア型で、1955年にダイムラーベンツ社がレース用に開発したものの市販モデル。最高時速は260kmにも達し、市販カーとしては当時世界最速の自動車であった。
洗練されたデザインや世界初の自動車用燃料噴射式エンジン等のシステムにより、現在では高額のプレミアが付いている(日本円でおよそ4000万円)。欠点としてはエンジンの構造上、頻繁にオイルを交換する必要があるなど、整備・維持に手間とコストが掛かってしまう。
また、エンジンの熱が室内に溜まり易い上にエアコンが無く、しかもガルウィングドア型は窓が開かない為、夏の運転は過酷を極めた。更に死亡事故が後を絶たなかった為、「ウィドーメイカー(未亡人製造マシン)」という不名誉なあだ名でよばれるようになった。
汚染聖杯とアイリスフィール
彼女の死後、聖杯の中で切嗣が出会ったのは、「この世全ての悪」が、「アイリスフィール」という殻を被ったモノ。生き返ったわけでも死んでいなかったわけでもないが、言動や発想は彼女のものを受け継いでいる。言うなれば汚染聖杯によって練成された「反転・黒化したアイリスフィール」である。
本来聖杯は「過程を飛ばして結果だけを実現する」機能を持っていたが、「この世全ての悪」に汚染された結果、それは失われてしまう。そのため聖杯に願いを掛ける人物が「願望を成就させる方法論(ビジョン)」を提示する必要が生じた。だが、そのビジョンを持ち得なかった故に奇跡に縋った切嗣が、これに返答できるはずもなかった。
そのため彼女が知識として持っていた切嗣の「多数のために少数を犠牲にする」方法論と「妻と娘をこの世の何よりも愛している」という事実が採用され、「全人類を呪う(殺害する)」という汚染聖杯の偏向思想によって拡大解釈された結果、あのような下手にリアリティを持った悪夢が上映されることとなった。
ちなみに余談だが「おねがい!アインツベルン相談室」におけるアイリ師匠もこの汚染された聖杯がアイリの殻を被ったモノであるらしい。相談室でよく切嗣へのおノロケ発言をするアイリ師匠が実際に切嗣に出会った時の反応が本編と考えると少し切ないものがある。

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