「ヘンリー・ジキル&ハイド」の版間の差分

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2023年12月29日 (金) 08:39時点における最新版

バーサーカー
真名 ヘンリー・ジキル/ハイド
性別 男性
サーヴァント階位 第二位
声優 宮野真守
初登場作品 Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
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概要[編集 | ソースを編集]

狂戦士」のサーヴァント

略歴
Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』では、1991年の聖杯戦争にてごく普通の高校生の少年、來野巽によって偶然召喚された。マスターの意向から、聖杯戦争開始から玲瓏館陣営を最優先で狙っており、キャスター召喚前に屋敷に侵入しようとしていた。玲瓏館邸が神殿と化して正面から侵入する事ができなくなっても毎夜周辺を徘徊し、キャスターが侵入者を誘い込むために意図的に弛めた結界の綻びから侵入を試みる。そこで幼さゆえの功名心から独断で結界の弛みを直そうと出向いた美沙夜に襲いかかるが、居合わせたセイバーに阻まれ撤退した。
退けられた翌晩に再度の突撃を掛けるも、そこで待ち受けていたセイバー、乱入してきたアーチャーランサーライダーの攻撃を受け、更に愛歌の密命で動いていたアサシンによってマスターをも暗殺されてしまう。霊核を破壊され魔力供給も途絶、満身創痍の状態となりながらもマスターの願いを叶えるため、そして誇りも武勇もない狂獣である自分に「英雄」として接してくれたセイバーに応えるため、最後の一撃を繰り出そうとするが、ライダーの太陽の船から放たれる光の奔流に呑まれて消滅、サーヴァントで最初の脱落者となった。
彼のマスターは神秘の存在も魔術の知識も一切持ちえない一般人で、聖杯戦争の存在を知ったことで「東京に君臨し何かしらの邪悪な儀式を行っている魔術師を倒さなければならない」という使命感と正義感に駆られて行動していた。執拗に玲瓏館陣営への襲撃を行っていたのも、マスターが玲瓏館家こそ諸悪の根源であると信じていたためであった。
人物
整った顔立ちと翠色の瞳を持つ落ち着いた風貌の青年。外見は小説におけるジキル博士よりは若く、高校生の巽よりはいくらか上といった程度。「バーサーカー」という呼称が似合わない穏やかな雰囲気を漂わせるが、宝具の霊薬によって文字通りの狂戦士へと変貌する。
「ハイド」に変わると、狼を思わせる外見、背中を丸めた前傾姿勢、殺意に染まった赫い瞳など、魔獣にも見える異形となり、圧倒的な破壊衝動と殺戮衝動に従って動く。だが完全な獣でもないらしく、セイバーの見立てでは「自ら意図して正気を失っている」との事。また理性を失ってはいるが、マスターやセイバーの気持ちに応えようとするだけの意志は残っている。
生前の自分が悪心に流され、悲劇を引き起こしたことを悔いており、今度こそは「正義の味方」でありたい、という願いを胸に召喚された。しかし、悪の想念の一端として召喚されている自分では正義のために戦うことなど出来ないのだという諦念のようなものも抱いている。
能力
ジキルの状態ではサーヴァントとしての気配を他者に感知されないが、一般人と大差ない程度の身体能力しか持たず、スキルも発動していない。
宝具である霊薬を使用することで反英雄ハイドへと切り替わり、バーサーカーとしての戦闘力を発揮できるようになる。ハイドの状態では狼に似た強靭な顎と鋭い牙、黒い鉤爪を武器とする。何れもただ振るわれるだけで、近代銃火器の一斉射撃でも為しえない程の破壊力を有する。
咆哮には凄まじい音響に加えて、殺意・悪意など他者への負の感情が凝縮されているため精神干渉効果があり、至近距離でこれを叩きつけられると、英霊でない限り精神も肉体も麻痺してしまう。
また自らの正体を隠蔽し、敵対者に対して自分の姿を正確に認識させない、何らかの特殊能力を持つ。美沙夜の見解ではキャスターが使う認識阻害の魔術などと似ているが、違和感や疑念を感じさせない性質を有するため、それらとは異なるらしい。
サーヴァントとしての気配を遮断できるためか、暗殺者としての適性も有している。

別クラス / バリエーション[編集 | ソースを編集]

アサシン (Grand Order)[編集 | ソースを編集]

Fate/Grand Order』で登場した「暗殺者」のサーヴァント

詳細は「ヘンリー・ジキル&ハイド〔アサシン〕」を参照。

ステータス[編集 | ソースを編集]

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
バーサーカー 來野巽 B+ B+ C D D C 狂化:? 変化:?
自己改造:?
怪力:?
無力の殻:?

宝具[編集 | ソースを編集]

密やかなる罪の遊戯(デンジャラス・ゲーム)
ランク:C+
種別:対人宝具
レンジ:-
最大捕捉:1人
ジキルからハイドへ、ハイドからジキルへと変身する霊薬。
ハイド時は三騎士クラスをも圧倒する近接戦闘能力を得る。その性質はアサシン時であってもバーサーカーに近い。
幾つかのスキルを付与し、バーサーカー時は、特に高い耐久力をもたらす高ランクの「狂化」と、自分の肉体を状況に応じて最適な形態に変化させる「自己改造」によって、獣化とも言える変貌を遂げて、驚異的な生命力を発揮することが可能となる。この宝具を使用しないとサーヴァントとしては無力に近い。服用には何らかの副作用(リスク)が存在する模様。アサシン時では「自己改造」のレベルが低くなっており、せいぜい髪型が変化し、手足が僅かに長くなった程度となっている。
薬学及び錬金術、そして経年劣化のような幾つかの偶然の結果として精製されたものであり、現代の科学技術や魔術で再現することは不可能。
名前の由来は、ミュージカル版『ジキル博士とハイド氏』で演奏される曲名の一つ。

真名:ヘンリー・ジキル&ハイド[編集 | ソースを編集]

怪奇小説『ジキル博士とハイド氏』の主人公である狂心を宿した紳士、或いは良心に縛られた悪鬼。正確にはその小説のモデルとなった人間。
彼はある裕福な資産家の子供として生まれ、賢明で善良な人々の元で誠実な人物として育ち、医学、民法学、法学、薬学などの博士号を取得した上に王立協会会員となり、新聞で取り上げられるほどの慈善家としても著名であり、将来を保証されていた。
だが、彼は「大きな欠点」と称している『耐え難きまでに迸る享楽性』を『浅ましき欲望』をひた隠しにしながら生きていた。
普通の人間が持つソレを病的なまでに恥し、自ら「善行と人徳に満ちた紳士」であろうと生きていた。
やがてある友人と出会ったジキルは仕事をこなすうちに、この真理を確信したのだ。
善と悪。人間とは単一の性質から成るのではなく、二元的である。
同時に、『犯罪世界の皇帝』とも言うべき巨悪が存在する可能性を感じたジキルは悪に魅了され、それからは屋敷にこもって実験を行ってしまう。
科学と錬金術を用いて、人が有する善悪の要素を分離しようと―――
ジキルは自己の人格から「悪」を切り離そうとしたが、それは叶う事はなかった。むしろ「悪」を形にしたような人格『ハイド』が顕われ、肉体と精神は変質してしまう。
『二重人格者』となって、それぞれの人格の入れ替えを繰り返した彼は、否、ハイドは多くの暴力を振るい続け、やがて倫敦を騒然とさせた上院議員の殺人事件を引き起こしてしまう。
彼は徐々にハイドになってしまう事に恐怖してしまう。だが、人が人である以上、「悪」を切り離すことなど出来はしないのだから。
■月■日。ジキルは変死体となって発見された。彼は、「自滅」という形で酷く錯乱した末に服毒自殺を遂げたのであった。

関連[編集 | ソースを編集]

二重人格
一人の人間が二つの人格を持つ状態。

登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]

Fate[編集 | ソースを編集]

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
バーサーカーのサーヴァントとして登場。
Fate/Grand Order 英霊伝承 ~ヘンリー・ジキル/ハイド~
彼の生前の姿が描かれる。

その他[編集 | ソースを編集]

ちびちゅき!
生徒役。
体育祭の仮装競走では『プリズマ☆イリヤ』の格好が嫌だったために薬を飲んでハイドに押し付けるという黒い真似も見せた。
因みにこの作品のハイドはオマケでもメイド服を渡されるなど女装ネタが何故か多い。

人間関係[編集 | ソースを編集]

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ[編集 | ソースを編集]

來野巽
マスター。バーサーカーとは主従というよりは友情めいた関係を築いている。
彼と過ごした記憶はよほど印象に残っているのか、『Fate/Grand Order』で登場した際にもしばしば彼について言及している。
玲瓏館美沙夜
彼女を喰おうと襲い掛かるが、セイバーに阻まれる。
セイバー
戦闘を行うが終始圧倒され、劣勢に喘ぎ、憎々しい雄叫びを上げながら撤退を余儀なくされる。
再戦で敗れるが、狂った獣でしかない自分に対して最後まで「英雄」として向き合ってくれた事に感謝する。

Fate/Grand Order 英霊伝承 ~ヘンリー・ジキル/ハイド~[編集 | ソースを編集]

H氏
英国最高の探偵。生前のジキルは彼が解決した過去の事件の追跡調査などを行う、彼の協力者の一人だった。
彼の使用する資料を作成するため様々な事件を調査しているうちに、それらの事件の中心に「犯罪世界の皇帝ナポレオン」とも言うべき巨悪が存在する可能性を感じたジキルは悪に魅了され実験を行ってしまう。
W博士
H氏とジキルの友人である医学博士。なんらかの作品の発表も行っているらしい。
ガブリエル・ジョン・■■■■
知人の弁護士で、自殺したジキルの遺体を発見した人物。
名前は一部伏せられているが、フルネームはおそらく「ガブリエル・ジョン・アタスン」。原典である「ジキル博士とハイド氏」の登場人物で、物語は主に彼の視点で進行する。
サー・ダンヴァズ・ガルー
原典である「ジキル博士とハイド氏」の登場人物。ハイドによって殺害された。

その他[編集 | ソースを編集]

ヘンリー・ジキル&ハイド
互いに分つことができない自分自身。
ハイドは都合の悪い悪性を全て自分に押し付けて品行方正に振る舞っていることから、ジキルを殺したいほどに憎んでいる。
ジキルはその時の精神状態によって、ハイドのことは越えるべき業、都合良く利用する相手、嫌悪の対象など見方が変わってくる。

名台詞[編集 | ソースを編集]

Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ[編集 | ソースを編集]

「そう、聖杯戦争は、魔術師たちの性質によって暗闘として定められてはいるけれど、しかし英霊の力は甚大だ。
 荒ぶる神話、伝説の再現として振るわれる彼らの力は、きみのお祖父さんが目にした大戦のそれにも等しいかもしれない。
 激化すれば、東京は文字通りの戦場と化し、多くの人々が犠牲となるだろう。だから、僕は」
「今度こそ、始めから正義の味方・・・・・で在りたい」
かつて、己の心から分離した悪性と対決し、己の命もろともその凶行を止めはしたが既に多くの犠牲を出した後だった、という生前に対する悔恨が言わせた言葉。
サーヴァントとしてこの世に再び降り立ったことで過去の悔いを晴らす機会を得、その志を快く肯定してくれるマスターもいる。もはや聖杯に願わずとも望みは叶っている──そう、思えていたのだが。
(きみの教科書を読ませて貰ったからね。いや、すまない)
(そうだね。ただ、宇宙空間でさえも人は宇宙服という叡智で生命を繋ぐことを可能としている。
 同じように、とはいかないけれど、僕はサーヴァントという性質によって死の森を進むことができる。
 対魔力スキルこそ所有していないが)
狂化していない状態では並の人間以上の知性を持ち合わせ、聖杯に与えられた以上の現代社会に関する知識を多々吸収している。
それはそうとして、そのスキルのあるなしが聖杯戦争においてはわりと即ちデッドオアアライブ。
「ヒヒ、ヒャハハ! 長かったぜぇ、やあっとジキルの野郎は引っ込んでくれたからよ!」
八年後。かつて大悪を抱きしものは黒き泥より生まれ抱いた彼は、正義の味方に成りたかったもう一人の自分を封じ込めた生粋の人類悪に感謝する。もはや人間としての姿も一時間しか持たぬであろう。
赤き槍を携えたクランの猛犬」との交戦が示唆されている。

ちびちゅき[編集 | ソースを編集]

「ヒャッハー!!暴れてやるぜー」
「ってなんだこりゃー。おい、ジキル!!出て来やがれー」
仮装競争でのハイドのセリフ。色々と可哀想。
なお、一位にはなったらしい。よほど恥ずかしかったのだろう

メモ[編集 | ソースを編集]

  • フランケンシュタインに続く創作小説のキャラクターが英霊化したサーヴァントである。またその性質上真名が二つある珍しい英霊。
  • 名前こそ伏せられているがH氏とW博士とはシャーロック・ホームズとワトソン博士、犯罪世界の皇帝とはモリアーティ教授のことだと思われる。
  • 宝具を使い続けると発生する副作用は2017年1月現在明言されていない。原作を考えると、「無意識の内に勝手にハイドに変わってしまうようになる」「ジキルに戻る為にも薬を服用する必要が出てくる」「むしろハイドに変身しない為に定期的にジキルに戻る薬を飲み続けないといけなくなる」あたりだろうか。戦力が欲しいマスターにとってはともかく、本人にとってはいずれもロクなものでないことは確かそうである。
  • Fateでは真名表記が「ヘンリー・ジキル&ハイド」でありハイドもハイドとしか自他ともに呼ばれないが、原典では「エドワード・ハイド」とフルネームが存在しており、つまりはハイドはファミリーネームである。
    • のちに新宿のアーチャーがFGO幕間にて「エドワード君」と呼んでいるのが確認され、明確にエドワードのファーストネームは型月でも健在の様子。

脚注[編集 | ソースを編集]

注釈[編集 | ソースを編集]


出典[編集 | ソースを編集]


リンク[編集 | ソースを編集]