「ルーン魔術」の版間の差分
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2019年9月4日 (水) 15:45時点における版
概要
魔術系統の一つ、ルーンを用いた魔術。一工程(シングルアクション)に分類される。
呪文の詠唱ではなく「ルーン文字」を刻むことで魔術的神秘を発現させる。それぞれのルーンごとに意味があり、強化や発火、探索といった効果を発揮する。
魔術としての歴史はそれなりに長いが、一時期の時計塔では廃れた魔術分野扱いだったところ、20世紀に学院時代の蒼崎橙子が研究して復刻した。『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』によれば橙子は共通(フサルク)ルーン24文字を魔術的に再生した他、原初のルーンも数文字、解析している。魔術協会に関係ないところでは、バゼット・フラガ・マクレミッツのフラガ家がアイルランドにおけるルーン魔術の大家である。
失われた魔術基盤である北欧のルーンは、魔術師たちによって再生が行われたもの。神代のソレに比べればあまりにもささやかだが、詠唱が短くて済むので便利。機能的でこと戦闘には役立つものが多い。主人公 (Grand Order)の礼装にもガンドなど一部応用されている。
原初のルーン
北欧神話に於ける最高存在、大神オーディンがかつて編み上げた神代の魔術基盤。
オーディンは多くを原初のユーミルの肉体から創造したと言われるが、ルーンは別物。
自分自身の命を一度捧げ、描かれる文字の形にこそ世界の深奥あり、と見出した。オーディンが見出した真実を導くカタチと言える。
その性能は凄まじく、死を刻めば死がもたらされるほど。
純粋な出力でも現代のそれの数百倍というとんでもない性能であり、宝具級ともなれば数百万倍という常軌を逸したレベルになる。
種類
- アンサズ
- 火のルーン。但し、真価は「知らしめる」ことにある[出 1]。
- 『空の境界』で橙子が使った時は死体1つ燃やし尽くせなかった。『Fate/stay night』でクー・フーリンが使った際はアインツベルン城を焼き落とした。
- 『Fate/unlimited codes』ではエワズ、イングズと共にレッドブランチ・ハイランスを構成する。『魔法使いの夜』ではソウェル、イングズと共に使われた。
- カノ
- 『Fate/unlimited codes』でバゼットが手に付与していた。この文字かは不明だが、ルーンを刻んだ拳は銃器程の威力があると語る。
- TVアニメ版『Fate/stay night[UBW]』でランサーはアンサズではなく、こちらでアインツベルン城を焼き落としている。現実のルーンにおいて、カノは松明の意味を持つ。
- ソウェル
- 火を意味するルーン。対象を炎で包む。『空の境界』で攻撃手段の1つに挙げられ、『魔法使いの夜』で実際に使われた。またアンサズ、イングズと共に使われることもあった。
- ベルカナ
- 探索のルーン。石に刻むことで対象を捜索する。
- エワズ
- ダガズと並んで、代表的な火のルーン[出 1]。
- 『Fate/unlimited codes』でバゼットが開始時に使う他、足に付与していた。またアンサズ、イングズと共にレッドブランチ・ハイランスを構成する。
- ダガズ
- エワズと並んで、代表的な火のルーン[出 1]。
- 結界を張るルーンを刻んだ石
- 『空の境界』で橙子が式が居る病室のドアの上に置いた。霊体を弾く結界を張るが、その霊体は死体に入り込んで結界をすり抜けた。
- ガンド
- ルーン文字を使わないが、ルーン魔術の1つ[出 2]。
- クー・フーリンの所有する全てのルーン
- 所有する全てのルーンを刻む事で発動させる上級宝具の一撃さえ凌ぐ結界。
- 探知される事無く唐突に現れるルーン
- クー・フーリンが探知される事無く唐突に現れるために使用するルーン。
- 加護のルーン
- バゼットの手袋に刻まれたルーン。
- 硬化のルーン
- 刻んだものを硬化するルーン。
- ケーナズ
- 遠見のルーン。双子館からでは深山町までは見て取れない。
- フラガラックに刻まれているルーン
- イングズ、アルギズ、ザガズ、ゲボと刻まれている。
- アトゴウラ
- 世に言うクー・フーリンの誓いのルーン。アルギズ、ナウシズ、アンサズ、イングズを刻む。
- 名誉をかけた一騎討ちを約束する、四方を枝で囲んだ決戦場か。
- 早駆けのルーン
- エイワズ
- 退去のルーン。姿隠しの魔術を解除した。
- 太陽のルーン
- 協会に届け出ていない蒼崎橙子独自の形状記憶ルーン。
- トゥール
- 勝利の加護のルーン。魔術を防ぐため勝利の加護を張り、さらに刻印の力で強化し、障壁とした。
- 原初のルーンのレプリカ
- 蒼崎橙子が魔術協会で復元・分生させた、失われた“原初のルーン”のレプリカ。
- 刻まれたルーンを一千万規模に膨張させる。
- 忘却のルーン
- 北欧の大神が戦乙女に使ったとされる、存在だけは有名な忘却のルーン文字。
- 厄寄せのルーン
- オルガマリー・アニムスフィアのコートに刻み、怪物を引き寄せた。
- 死のルーン
- 原初のルーンの一種。刻んだものに死をもたらすルーン魔術。英霊すらも殺せる。
- ただし、生物に対して効果のあるものなので、英霊は回復可能。
- 現実誤認のルーン(正式名称不明)
- 視覚を始めとする感覚の乗っ取り、現実誤認を誘発する魔術効果を発生させる原初のルーン。
- 本格的に励起させていないほんの片鱗でも、英霊でも容易には脱せない。
- 高速飛行のルーン
- 『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』で言及。
- 疾走のルーン
- 『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』で言及。
- 癒しのルーン
- 『無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング』で言及。
- 蘇生のルーン
- 『プリズマ☆イリヤ』で使用。条件ありの蘇生。絵を見る限り、ケーナズ、トゥール、ウルズ、ラグズ、ソウェルが刻まれている。
- 硬化、強化、加速、相乗
- 『プリズマ☆イリヤ』で使用。絵を見る限り、アルギズ、テイワズ、ライゾー、イングズが刻まれている。
- 古の雷避けのルーン
- 『プリズマ☆イリヤ』で使用。マグニの宝具『黄昏に響け父の雷葬』に対抗してしばらくは防御できるほどの力を持つ。
使い手
- 蒼崎橙子
- 様々なルーンを修得しているが、ルーン自体が「対人に効果を発揮する呪い」「一工程(シングルアクション)の魔術」であるという大前提があるため、基本的には大威力になりえない特性を持っており、戦闘には向いていない。作中で用いたのは、対象を炎で包む「炎のルーン」、姿隠しの魔術を解除した「退去のルーン」、防御に用いた「勝利の加護のルーン」など。
- ルーンはむしろ予め何かに刻んでおくなど、トラップ的な使い方に向いている。公園のレンガの地面に「太陽のルーン」(協会に届け出ていない橙子独自の形状記憶ルーン)をびっしりと三十万個余り刻み、久遠寺有珠のプロイキッシャー「夜の饗宴(ディドルディドル)」を封じたり、工房に切り札として「原初のルーン」のレプリカを宿した三枚のルーン石を配置し、刻まれたルーンを一千万規模に膨張させるという効果で青子の迎撃に使ったりしている。
- コルネリウス・アルバ
- 橙子より先に学んでいたが、追い越される。作中では使わない。
- クー・フーリン
- 探索のベルカナと炎のアンサズ、『Fate/hollow ataraxia』ではアトゴウラの四文字のルーンを披露した。探知される事無く唐突に現れるのもルーンの一つだという。
- また、全ルーンを使用する事で発動させた結界は上級宝具すら防ぐ代物。
- 他にも、ライダーの石化の魔眼を防いだり[出 3]、ルーン魔術と宝具を組み合わせることで一時的にAランクに届かせ、バーサーカーの「十二の試練」を突破する事も可能だとか[出 4]。
- クー・フーリン (Prototype)
- スカサハからルーン魔術を教わっている。
- クー・フーリン〔キャスター〕
- キャスターとして現界した彼はランサーとして現界したときとはうって変わり、スカサハから教えられた北欧の魔術であるルーンの使い手となっており、複数のルーンを使い分けることにより、強力で多彩な効果を使いこなす。ただし、ルーンの効果の併用は不可。
- 戦闘ではルーンによる遠隔攻撃を行い、熱・火炎攻撃を行う際はアンサズのルーン文字を空間に浮かび上がらせる。ルーン魔術によって筋力をAに強化し、オーク材の杖または剣で殴りかかる近接攻撃も可能。アニメ『First Order』では体を樹にして緊急回避する変わり身も行っている。
- クー・フーリン〔オルタ〕
- ルーン魔術も使用はできるが、ほとんど身体強化や宝具使用の際の肉体再生にしか使用しない。
- 「抉り穿つ鏖殺の槍」を使用する際は、腕が引き千切れかけるほどに損傷する代償をルーン魔術による肉体の再生・回復で補っている。
- バゼット・フラガ・マクレミッツ
- 『Fate/hollow ataraxia』や『Fate/unlimited codes』で補助的に使っている。
- 『プリズマ☆イリヤ』では通常の強化魔術に加えて拳をルーンで強化したり、紙に書いたルーンで簡易的な結界を張ったりと多用している。特に、ギルガメッシュに心臓を貫かれた時には「蘇生のルーン」で復活してのけた。
- 玲瓏館美沙夜
- 習得しているが、特に使っている場面はない。
- ブリュンヒルデ
- 第二宝具の使用制限と引き換えに解禁される原初のルーンは第三の宝具とも言える強大なもので、魔術戦でキャスターを圧倒するほど。
- 最大稼働した場合、現代のルーン魔術の数百万倍というとんでもない破壊力に至るのだが、この状態は自我崩壊から来る暴走であり、令呪の拘束すら受け付けず、巨大な力の代償として自身の霊基は破壊され、魂と霊核を燃やし尽くして最後には自滅してしまう。また、カルデアで本格使用した場合、空間ごと異常をきたしてしまう[注 1]。
- スカサハ
- ルーン魔術にも長けており、原初のルーン文字を用いたそれは神代の領域である。また、ルーンを組み合わせれば時間と素材は必要だが、船をはじめとするモノは大抵作れる。
- 自身を触媒として、原初のルーンを用いてフェルグスやディルムッドといった自身と縁ある英霊をストックして召喚するなど、桁外れの力を見せていた。また、戦場からの逃走を有利にする盾のルーンを使用している。
- ルーンを使いサーヴァントの霊基を弄って、水着姿にしたりもしている。
- スカサハ〔アサシン〕
- 海辺に適応するため、腕輪に仕込んでいるルーンは海、水に関するものに特化されている。
- ルヴィアゼリッタ・エーデルフェルト
- エーデルフェルト家の宝石魔術は厳密には「魔力そのものの流動に宝石という媒体を使った、特殊なルーン魔術」である。呪文もかつてルーン文字を使っていた英語である。
- スルト
- 原初のルーンである、死のルーンを刻む事が出来る。
- シグルドの身体を乗っ取っていた時には、グラムでシャーロック・ホームズの右腕を切断すると同時に死のルーンを刻み付けた。
- シグルド
- 北欧の魔術刻印である原初のルーンを有している。
- ブリュンヒルデに教えを受けており、キャスターとして召喚される適性を持つほどの腕前。
- ただし、炎のルーンだけは使わない。
- ワルキューレ
- 原初のルーンを習得している。
- スカサハ=スカディ
- 北欧の神性であるため、原初のルーンを有する。そもそも、スカサハが原初のルーンを使えるのはスカディとの縁が元であるため。
- アイリスフィール・フォン・アインツベルン
- アニメ版『Fate/Zero』にてルーン文字を含む魔法陣を敷いていた。但し、原作で件の魔法陣は二重の六芒星などサーヴァント召喚の魔法陣を思わせる特徴を持ち、ルーン文字については特に述べられていない。
- 主人公 (Grand Order)
- 礼装のガンドなど一部応用されている。
関連
メモ
- 本来は北欧の大神オーディンに由来する魔術のはずなのだが、クー・フーリンを初めとするケルト系の人物によってよく使用されている。
- 彼ら曰く、本来ならオガム文字の魔術を使用するのだが、刻んですぐに効果を発揮するルーンは戦士としては使いやすいために多用しているとか。
- また、元締めであるオーディンも「優秀な戦士が生まれるのならそれでいい」と北欧以外の系列の人物が使用する事は問題視していないらしい。
- 『Fate/mahjong night 聖牌戦争』にてクー・フーリンが語っているところによると、「麻雀の起源にはルーンの流れもあり、アンサズ、スリサズ、ウルズ、ピンズ、ソーズ、マンズなどがある」らしい[出 5]。…まあ、作品が作品なのでほぼ完全に設定崩壊ギャグなのだろうが。
脚注
注釈
- ↑ エルメロイⅡ世の見立てによると、魔力回路を経路とした魔力逆流といったありえない現象も原初のルーンに侵された空間では発生してしまうとのこと。