「人智統合真国 シン」の版間の差分
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国土のほぼすべてを占める農村には一般的な娯楽といえるものは皆無で、始皇帝から祝い事で配布される「下賜」と呼称される薬物以外には存在しておらず、それらも汎人類史でいうところの酒やタバコ程度のもの。民衆は基本的に自分の村から生涯出ることはなく、子供が好奇心から外に出ることも非常にまれ。<br/> | 国土のほぼすべてを占める農村には一般的な娯楽といえるものは皆無で、始皇帝から祝い事で配布される「下賜」と呼称される薬物以外には存在しておらず、それらも汎人類史でいうところの酒やタバコ程度のもの。民衆は基本的に自分の村から生涯出ることはなく、子供が好奇心から外に出ることも非常にまれ。<br/> | ||
始皇帝が民衆が余計な苦しみを味わわないようにするために、高度な文化活動を「儒」と呼んで忌み嫌っており、文字・詩・歌といったものすら一般には存在していない。異聞帯の住民が「少年」「衛士長」などと呼ばれていたことから考えると、「名前」という概念が存在していない可能性すらある。<br/> | 始皇帝が民衆が余計な苦しみを味わわないようにするために、高度な文化活動を「儒」と呼んで忌み嫌っており、文字・詩・歌といったものすら一般には存在していない。異聞帯の住民が「少年」「衛士長」などと呼ばれていたことから考えると、「名前」という概念が存在していない可能性すらある。<br/> | ||
+ | 子供は農村全体で育てるために親子関係や家族関係もまったく存在せず、子供から見ても誰が親であるのか知らないままである。<br/> | ||
始皇帝とそのお膝元である咸陽には「芸術」と呼べるものが存在しており、各地の農村で見込まれた人間は咸陽に召し出され、芸術活動をすることが許されている。だが、そのような経緯で芸術活動をしているために内容は(始皇帝にとっては不本意だが)「始皇帝を褒め称える」もののみで、ダ・ヴィンチちゃんからは「こんなの芸術じゃない」と断言されてしまっている。<br/> | 始皇帝とそのお膝元である咸陽には「芸術」と呼べるものが存在しており、各地の農村で見込まれた人間は咸陽に召し出され、芸術活動をすることが許されている。だが、そのような経緯で芸術活動をしているために内容は(始皇帝にとっては不本意だが)「始皇帝を褒め称える」もののみで、ダ・ヴィンチちゃんからは「こんなの芸術じゃない」と断言されてしまっている。<br/> | ||
さらに、始皇帝は機械の肉体になっているために食物を必要とせず、それ以外の人間は上記の麦を食べれば事足りるため、「食文化」については概念ごと消失している。 | さらに、始皇帝は機械の肉体になっているために食物を必要とせず、それ以外の人間は上記の麦を食べれば事足りるため、「食文化」については概念ごと消失している。 |
2021年7月29日 (木) 01:31時点における版
人智統合真国 シン | |
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副題 | 紅の月下美人 |
異聞深度 | E |
年代 | BC.0210 |
シナリオ担当 | 虚淵玄 |
概要
Lostbelt No.3。芥ヒナコの担当地区である中国異聞帯。他の異聞帯と異なり、領域拡大に適さない。
異聞帯について一言でまとめるなら、「秦の始皇帝が不死を手に入れ、世界を統一した世界」。
歴史
本来の歴史では始皇帝は晩年は不死の探求に手を出し、不完全ながらも成し遂げていたが荊軻によって頓挫し、そのまま寿命を迎えたのだが、異聞帯では神仙の技術によって不死の肉体を手に入れ、そのまま君臨し続けた。
神仙の技術の応用によって高度に発達した秦は後に他国の侵略に乗り出し、インド、エジプト、ローマと次々に陥落させていった。
その後の経過の詳細は不明だが、800年ほど前に
それ以降は宇宙への進出などは考えず、宇宙から「何か」が来た際の防衛設備を地球周辺に建築したのみで、基本的には下記のような住民への政策のみに注力している。
特徴
下記のように「すべてが始皇帝に独占されている」というのが最大の特徴。
住民は技術や文化を持っていないが必要なものは始皇帝から配給されており、個々人が始皇帝と直接会話することも可能。生活のすべてを保証されている代わりに目に見えない形で寿命も管理されており、老衰の兆候がある場合には「下賜」に含まれる薬物の効果で安楽死できるようになっている。
そのためか、住民が自分たちで考えられるようになり思想を形成する「儒」というものを始皇帝は徹底的に忌み嫌っており、「儒」の兆候が見られた村や地区は始皇帝の手によって丸ごと消去されることもある。
また、この世界では過去に偉業を為した人物はコールドスリープされており、有事の際には「凍眠英雄」として解凍され、解決の任を受ける。始皇帝によってすべてが満たされているという異聞帯の特性とこれが合わさることで人々の間には「英雄への祈り」という概念そのものが存在しておらず、「英霊の座」へのアクセスができなくなっている。
技術
ロシアや北欧と比べると技術レベルは非常に高いが、その在り方は非常に歪である。
大半の民衆は原始農耕社会と大して変わらない生活をしているが、神仙のサイバネティクス技術を応用した生化学によって品種改良された麦は「撒けば勝手に生えてくる」レベルであり、それだけ摂取していても栄養バランスは崩れないし、病気になることもないという常軌を逸したもの。
基本的に技術のすべては始皇帝とその周辺が独占している状態であり、機械工学も宇宙に長城を建築したり傀儡兵を量産したり手に入れたばかりのシャドウボーダーを解析して量産体制を整えるように技術レベルは非常に高いものの、「大衆に普及させる」という目的がないために小型化が進んでおらず、通信技術に至っては始皇帝がメッセージを送ったり拾ったりする以外の用途がないため、まったく発展していない。
エネルギーについても上記の麦を利用したバイオエタノールを活用しているが、当然ながらそれを使った発電方法は火力。基本的にエネルギーを使用するのは始皇帝のみなので、エネルギー効率は完全に度外視されているがそれ故に環境問題も無視できるレベルに収まっている。
文化
技術同様、こちらも非常に歪。
国土のほぼすべてを占める農村には一般的な娯楽といえるものは皆無で、始皇帝から祝い事で配布される「下賜」と呼称される薬物以外には存在しておらず、それらも汎人類史でいうところの酒やタバコ程度のもの。民衆は基本的に自分の村から生涯出ることはなく、子供が好奇心から外に出ることも非常にまれ。
始皇帝が民衆が余計な苦しみを味わわないようにするために、高度な文化活動を「儒」と呼んで忌み嫌っており、文字・詩・歌といったものすら一般には存在していない。異聞帯の住民が「少年」「衛士長」などと呼ばれていたことから考えると、「名前」という概念が存在していない可能性すらある。
子供は農村全体で育てるために親子関係や家族関係もまったく存在せず、子供から見ても誰が親であるのか知らないままである。
始皇帝とそのお膝元である咸陽には「芸術」と呼べるものが存在しており、各地の農村で見込まれた人間は咸陽に召し出され、芸術活動をすることが許されている。だが、そのような経緯で芸術活動をしているために内容は(始皇帝にとっては不本意だが)「始皇帝を褒め称える」もののみで、ダ・ヴィンチちゃんからは「こんなの芸術じゃない」と断言されてしまっている。
さらに、始皇帝は機械の肉体になっているために食物を必要とせず、それ以外の人間は上記の麦を食べれば事足りるため、「食文化」については概念ごと消失している。
異聞帯の人物
- 芥ヒナコ
- この異聞帯を担当するクリプター。
- 蘭陵王
- 芥ヒナコのサーヴァント。
- 始皇帝
- 中国異聞帯の皇帝。肉体を機械化させる技術を獲得したことによって、不老不死を成し遂げた。
- 芥ヒナコが溜息を吐き、ポーカーフェイスを保てなくなるほどの野放図か剛胆な英傑。スカサハ=スカディからは論外と言われている。
- 会稽零式
- 始皇帝の配下。
- 傀儡兵の原型となった人造人間。
- 衛士長
- 始皇帝に仕える親衛隊のリーダー。
- 仙道によってその歳は百を越えている。
- 秦良玉
- 始皇帝の配下。凍眠英雄の一人。
- 反乱を討伐したことで名を上げた。
- 韓信
- 始皇帝の配下。凍眠英雄の一人。
- 国士無双と謳われる戦争狂の軍師。
メモ
- この世界が剪定事象で存在を許されなかった理由は始皇帝の世界統一後に宇宙開発等も行わず、上記の政策で100年後でも決して変わらない平穏のみが続く変化のない世界になったことが原因だと思われる。先の異聞帯である永久凍土帝国 アナスタシアや無間氷焔世紀 ゲッテルデメルングは先に進むことが出来ない状況下に置かれ、剪定に至った一種のディストピア寄りの世界だったのに対して、中国異聞帯は少なくとも平等で平穏な世界が保証され続けるというユートピア寄りの世界である事が話題となった。
脚注
注釈
- ↑ 原文ママ。ハプスブルクの誤字か?
出典
- ↑ 『Fate/Grand Order』第2部3章5節「白杆の女傑、国士無双」