「ヴラド三世 (EXTRA)」の版間の差分
55行目: | 55行目: | ||
ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」のモデルとされる人物で、現代における「怪物」の代名詞と言えるまでになった、創作が現実を捻じ曲げてしまった最大のサンプルケースと言えるもの。<br>ただし、その全てが創作者の傲慢とは言い切れない。<br>ルーマニア人にとっては英雄だが、敵対するトルコ側からは悪魔の如く嫌われた。 | ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」のモデルとされる人物で、現代における「怪物」の代名詞と言えるまでになった、創作が現実を捻じ曲げてしまった最大のサンプルケースと言えるもの。<br>ただし、その全てが創作者の傲慢とは言い切れない。<br>ルーマニア人にとっては英雄だが、敵対するトルコ側からは悪魔の如く嫌われた。 | ||
− | 1462年、トルコの侵略に対する防衛戦において、ヴラド三世最大の串刺しが行われる。<br>トルコ軍15万に対し、ルーマニア軍1万。ヴラド三世は徹底した焦土作戦とゲリラ戦を指示。民衆をカルパチア山脈へと逃がし、首都ブカレストを空にしてトルコ軍を迎え撃つ。<br>その際、ブカレストの周囲に築かれたのが、トルコ兵の2万を越える串刺しの野原である。<br>長さ3キロ、幅1キロに及ぶこの串刺しの野原の異様さと、死体から漂う異臭は、勇猛であったはずのトルコ軍の士気を完全に挫く。「征服者」と呼ばれたメフメト二世すら、<br>「私はどんな人間も恐ろしくないが、悪魔だけは別だ」<br>と残し、軍を引き上げたという。 | + | 1462年、トルコの侵略に対する防衛戦において、ヴラド三世最大の串刺しが行われる。<br>トルコ軍15万に対し、ルーマニア軍1万。ヴラド三世は徹底した焦土作戦とゲリラ戦を指示。民衆をカルパチア山脈へと逃がし、首都ブカレストを空にしてトルコ軍を迎え撃つ。<br>その際、ブカレストの周囲に築かれたのが、トルコ兵の2万を越える串刺しの野原である。<br>長さ3キロ、幅1キロに及ぶこの串刺しの野原の異様さと、死体から漂う異臭は、勇猛であったはずのトルコ軍の士気を完全に挫く。「征服者」と呼ばれたメフメト二世すら、<br>'''「私はどんな人間も恐ろしくないが、悪魔だけは別だ」'''<br>と残し、軍を引き上げたという。 |
残忍にして合理的。目的のためには手段を選ばない。普通の人間以上の視野の広さを持った天才的な武人。<br>だがしかし、理解者には恵まれなかった。 | 残忍にして合理的。目的のためには手段を選ばない。普通の人間以上の視野の広さを持った天才的な武人。<br>だがしかし、理解者には恵まれなかった。 |
2016年1月17日 (日) 20:17時点における版
ランサー (EXTRA・黒)
- 真名:ヴラド三世
- 誕生日:11月10日 / 血液型:不明
- 身長:191cm / 体重:90kg
- 属性:秩序・善
- 性別:男性
- イメージカラー:赤茶
- 特技:焦土作戦
- 好きなもの:鉄の規律、信仰 / 嫌いなもの:不道徳、不覚悟
- 天敵:エルドラゴ
- CV:江川央生
「槍兵」のクラスのサーヴァント。ムーンセルの聖杯戦争において、ランルーくんによって召喚された。血のついた黒い鎧を着た男。
- 略歴
- 主人公の第四回戦の対戦相手。第一〜第三回戦の相手とは違い、猶予期間中は積極的に主人公と関係を持とうとしてはこない。例外は、監督役である言峰神父が仕掛けた追加の試練(タスク)『狩猟数勝負(ハンティング)』時のみ。「凛ルート」にて登場。
- 人物
- 信仰者であるが、その深すぎる信仰心ゆえに、人格に変調をきたしている。己の信じた価値に殉じ、その思いが純粋すぎた故、他者の思考が介在できない。この為、ほぼ会話は成立しない。
- マスターであるランルーくんのことを「妻」と呼び、彼女の「愛したものしか口にすることが出来ない」という在り方に、「同じヒトとして、吐き気をもよおさずにはいられない」と言いつつも、彼女の理解者として全肯定している。
- 能力
- スキル「信仰の加護」により自己の信心から生まれる精神・肉体の絶対性を持っている。ただし、このスキルの影響で人格に異変をきたしている。
- 更にマスター以外とは、まともなコミュニケーションを取ることが出来ない。しかし四回戦までに戦ったどの相手よりも攻撃力が高く、その上マスターのコードキャストと連動し、呪縛の槍を使うなど連携能力も高い。
- 「槍兵」としては敏捷性が極端に低いが、高い耐久力を備えた上に『戦闘続行』スキルを持ち、全体的に隙が無いため、「オスマン帝国を退けた串刺し公」の名が伊達ではない事を思い知らされる。
ステータス
クラス | マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 | クラス別能力 | 保有スキル | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ランサー | ランルーくん | B | A | E | A | D | C | 対魔力:C | 信仰の加護:A+++ 戦闘続行:A 無辜の怪物:A |
スキル
『Fate/EXTRA』で使用するスキル。
- 反逆耐性
- 3ターンの間、自身の耐久が上昇し、GUARD時の攻撃力が3倍になる。
- 粛清の儀
- 自身に槍を突き刺し、相手に魔力ダメージを与えるスキル。
残りHPが少ないほど与える魔力ダメージが増える。 - 呪縛の槍
- 空中に飛翔し、空からの落下と同時に頭上に振りかぶった槍の鉄槌を相手に振り下ろし、相手に筋力ダメージと呪いのバッドステータスを与える。
宝具
- 串刺城塞(カズィクル・ベイ)
- ランク:C
種別:対軍宝具
レンジ:0〜50
最大捕捉:三百人
由来:生前自国の貴族などに粛正として行い代名詞となった「串刺し刑」。 - 周囲の地面から無数の槍を生やし敵を処断する、魔槍から放たれる呪いと鉄槌の拷問魔城(ドラクリヤ)。敵対する敵兵全てを対象とするため、一対多で真価を発揮する宝具。
- その由来からか相手が持つ不義・堕落の罪に応じて痛みを増すという特性を持つ。粛正の対象、『逃走』『不道徳』『暴力』を犯している相手ほど破壊力が増加する。しかし犯罪経歴のないEXTRAの主人公にその効果はなかった。
- ゲーム的には、ランサーの持っていた槍が上空に浮かんでいくと同時に周囲に無数の槍を生やし、敵の足元に出現した巨大な刃とランサーの持っていた槍による同時攻撃を行う。通常ダメージに加えて、生贄効果による防御不可能の追加ダメージを与え、与えたダメージに応じて自身のHPを回復させる。
真名:ヴラド三世
ヴラド三世。串刺し公。ヴラド・ツェペシュ。
ルーマニアに名高い英雄。ワラキアの独立をトルコの侵攻から保った、キリスト教世界の盾とまで言われる高潔な武人。国土を荒廃させた元凶である貴族を粛清、敵対するトルコ軍2万を串刺し刑とする。だがその厳罰主義ゆえに配下に背かれ、貴族により暗殺される。享年46歳。
ブラム・ストーカーの小説「ドラキュラ」のモデルとされる人物で、現代における「怪物」の代名詞と言えるまでになった、創作が現実を捻じ曲げてしまった最大のサンプルケースと言えるもの。
ただし、その全てが創作者の傲慢とは言い切れない。
ルーマニア人にとっては英雄だが、敵対するトルコ側からは悪魔の如く嫌われた。
1462年、トルコの侵略に対する防衛戦において、ヴラド三世最大の串刺しが行われる。
トルコ軍15万に対し、ルーマニア軍1万。ヴラド三世は徹底した焦土作戦とゲリラ戦を指示。民衆をカルパチア山脈へと逃がし、首都ブカレストを空にしてトルコ軍を迎え撃つ。
その際、ブカレストの周囲に築かれたのが、トルコ兵の2万を越える串刺しの野原である。
長さ3キロ、幅1キロに及ぶこの串刺しの野原の異様さと、死体から漂う異臭は、勇猛であったはずのトルコ軍の士気を完全に挫く。「征服者」と呼ばれたメフメト二世すら、
「私はどんな人間も恐ろしくないが、悪魔だけは別だ」
と残し、軍を引き上げたという。
残忍にして合理的。目的のためには手段を選ばない。普通の人間以上の視野の広さを持った天才的な武人。
だがしかし、理解者には恵まれなかった。
もともと、串刺し刑自体は当時において珍しい刑罰ではなかった。だがそれは、対象が一般庶民に限られていた。
ヴラド三世がルーマニア公に即位した際、堕落と腐敗をほしいままにしていた貴族のあまりの姿に彼は憤慨し、大粛清を行う。その際、本来貴族には適用されなかったはずの串刺し刑を、貴族にも容赦なく用いた。これは、貴族と庶民が厳しく分かれていた当時のワラキアの民に、相当のショックを与えたと言われる。
これ以後、串刺し刑は彼の十八番となる。法王庁に届け出のあった記録によれば、彼の生涯における串刺し刑の刑死者は、のべ10万人に達するという。
ちなみにこの数字に、ワラキア統治における刑罰とは関係のない、戦争における敵国人の串刺し刑は、含まれていない。
関連
- ドラキュラ
- ヴラド三世の別名とされる「ドラキュラ」とは、彼が愛用した通称のこと。厳密には、「ヴラディスラウス・ドラクリヤ」。ローマ式の署名。「竜(ドラクル)の息子」の意。彼の父、ヴラド二世が神聖ローマ帝国のドラゴン騎士団の一員であり、「ドラクル(竜公)」を名乗っていたことに由来する。「ドラクル」の末尾に、「子」を意味するaの発音をつけ、「ドラキュラ」となる。
ドラゴン騎士団の目的はイスラム勢力からキリスト教世界を防衛することであり、ヴラド三世がドラキュラを名乗ったのは、父の意志を引き継ぐという意思表示だった可能性もある。 - ゲリラ戦術
- ヴラド三世がキリスト教世界における初めてのゲリラ戦術(パルチザン)の組織者だとの意見もある。
- 無辜の怪物
- 精神に異常を抱えながらも武人としての誇りと人としての矜持を持つランサーだが戦闘後の浮遊や魔力や呪いによる攻撃を見る限り、このスキルの影響で確実に人外に近づいてしまっている。
登場作品と役柄
- Fate/EXTRA
- 第四回戦の対戦相手(いわゆる凛ルートにて登場。ラニルートには登場しない)。
- ちびちゅき!
- ハンバーガーショップ「レンレンバーガー」の店員。ちゃんとエプロンも付けているが、出される料理が何だか怖い。
人間関係
- ランルーくん
- マスター。「妻」と呼ぶ。
- セイバー (EXTRA・赤)
- 彼女から「貴様ら共に、バーサーカーなんじゃないか?」と評される。また彼女の生前の行いから互いに相容れない存在と認めている。
- ランサー (CCC・赤)
- 彼が召喚されなかった時のランルーくんのサーヴァント。クラスやスキルにこそ共通点はあるが、容姿からマスターとの仲まで似ても似つかない。
また、おかしくなってはいてもれっきとした英雄であるこちらに対し、彼女は反英雄である。
- ヴラド三世 (Apocrypha)
- 故国ルーマニアで召喚されたことで君主としての側面が強調された状態のヴラド三世。
名台詞
Fate/EXTRA
- 「――――奇跡だ。
奇跡だろう。奇跡である。奇跡でなくてなんと口にすればいい!
そうであろう、我が宿敵よ! なんという運命、なんという試練なのか!
我が生涯を捧げた伴侶には初夜にして裏切られ!
我が魂を捧げた信仰には、斬首をもって報いられ!
そう、かようにも我が信仰は砕かれた! 神の愛を見失い、神の愛を否定され、残されたのは堕ちるばかりの我が名声!
だが――! 無辜の怪物と創作されながらも、この手は、ついに真実の愛を得た!
そうであろう、妻よ! 過食にして拒食のマスター。"真に愛したモノしか口にできぬ"哀しき女(ひと)よ!
貴女に出会えただけでも、我が槍は滾り狂うというのに、おお……!
見ろ、あの極上の供物たちを! 神はさらに稀なる機会を与えてくださった!
気高き眼差しに空に浮かぶ月さえ霞む。そなたこそオレが求めてきたミューズ!
そのしなやかな肢体をこの槍で貫く! 貫かずばおられぬ! 何故なら――
そう、何故なら。――おまえたちは、美しい。
真理を教えよう、好敵手よ。葬儀において神父は語る。故人は神様に愛されすぎて天国に召し上げられた、と。
然り。愛とは死だ。死こそが愛だ。俺は愛するが故に――おまえたちを殺したくて仕方がない!
今ここで、血祭りを繰り広げてもよかろう? 我が妻よ!」 - 初登場。途中、ランルーくんが茶々を入れたりもするが、一気にまくし立てる。
- 「おお……なんと惨たらしい。このような運命、このような非業を、なぜ主は許したのか。
そう思わぬか△△のマスターよ。世は根本からねじれている。愛するものしか口にできぬなど――
なんと。なんと純粋な在り方である事か!
この女は真実、その信仰を守っている! この世の誰に! 誰が! この愛を笑えようか!
その気高さの前では、我が受けし信仰の加護の全てを賭けても惜しくなどあろうか!
ふはは、待っているがいい妻よ! そなたの満たされぬ胎内 に、ようやく肉が戻るのだ!」 - 聖杯戦争参加の目的を問われたランルーくんが、主人公に答えたのを受けての発言。
- 「……なんと。この美しさを前にして、怪物という貴様は何者か。
人はみなおぞましいものだ。弱く、汚く、裏切りを知らない人間は、そも人間ではない。
その事実を踏まえた上で、なお我が妻を怪物というのなら。その証をたてるがいい、戦士よ」
「おお……! なんと痛々しい! 貴様らの批評 は蝿音 のようだ! 時空を越えてすら、我らを怪物 と蔑むか!
我が信仰の真実も! 我が妻の過食 の真実も! とうてい理解されぬこの結末!
然り! 然り! 然り! 世は根本よりねじれておる!
まっとうな良識なぞ、所詮、人には余る品物よ!」 - 「怪物」というキーワードに反応して。今までとは違い、暗く沈んだ声音で。
- 「そうであろうよ。愛するものしか口にできぬ女よ。その姿にこそ、オレはかつて失った愛を見た。
望むままに愛をむさぼるがいい、拒食の君よ。
生きるために食う獣などとは悲哀が違う。
生きる余興に愛する人間とは濃度が違う。
アナタに虚飾はない。獰猛な欲求。偽りない求愛。――あまりにも幼い、破綻したその恋慕。
同じヒトとして、吐き気をもよおさずにはいられない。ああ、だからこそ――
――愛に狂え。
その姿は、美しい」 - 決戦直前。全ては「愛」のために。
- 「然り。獣の数字、愛を知らぬ暴君よ、我が槍を以て煉獄に逝くがよい!」
- 対セイバー決戦開始時台詞。彼女の真名をに見抜いた上で槍を向ける。
- 「不義不徳の奴原どもよ! 無実無根の自覚はあるか!?」
「妻よ、これなる生贄の血をもって、その喉を潤したまえ……カズィクル・ベイ!」 - 宝具解放。「串刺城塞」。魔槍から放つ、正義の一撃。
- 「いえ、それには及びません。この身は貴女に愛される資格がない。怪物はこのまま消え去るのみ。
……ふふ。食べる食べると望みながら、その実、倒した相手を一口もしなかった哀しい女よ。
これだから―――人間というものは、美しい。正気を失いながらも、まだ、そなたは人間だった。
その魂にはまだ救いの余地があるのです。はは……故に、あなたは煉獄へ。我が体は、地獄に落ちるが定め。
それでは、しばしのお暇 をいただこう……」 - 敗北後。その最期は武人らしく。
メモ
- 「ワラキアの夜」の別名で呼ばれるタタリが最初に顕現したのはルーマニアであり、彼の地に根付いていた「ヴラド三世」の伝説を依り代にしたという。
- ヴラド三世はFate/Apocryphaにもランサーのサーヴァントとして登場している。
- 武内氏の描いた初期デザインでは、足元近くまである長いマントを羽織っている。
しかしながら、PSPというハードの限界か、3Dモデル製作の都合上「揺れ物」禁止になってしまい、現在のようなストール風の短いマントになってしまった。他に、作画のワダアルコ氏が武内氏デザインの鎧を気に入り、良く見えるようにしたかったという理由もある。 - 敏捷が高いことが基本的な要素であるランサークラスにおいて、その敏捷はまさかのE。その代わり耐久はAという頑丈さを誇る異端者。国防戦を生涯の大半に費やした人物なのである意味妥当といえる。
- また、それまでの五次ランサーや四次ランサーによる「ランサークラスは幸運E」というジンクスを打ち破りDであった点や、マスターとは基本険悪な関係で自害を命令され聖杯戦争から脱落した前述二名と打って変わり、自ら槍(杭)を身体に刺して自害する技を持っている、マスターのランルーくんとは常軌を逸脱しているが和気藹々な様子から「言われずとも自害する方のランサー」「ランサー一の幸せ者」等と言われたりしている。
- 小説版Fate/Apocryphaでは同名のヴラド三世があまりにも悲惨な最期を遂げてしまったため、こちらのランサーの幸福さがより際立っている。
- コミックス版ではなんと序盤で登場。マスターのランルーくんと共に予選突破後にあえて予選会場に戻り、残っているマスター達を狩りはじめた。その際シンジに言われた「化け物」という言葉に激怒し、宝具まで発動している。
- ドラマCD版についても序盤で登場し、ガウェインと交戦を果たすも流石に相手が悪かったのか、何とか斬り合うも宝具も通用せず、転輪する勝利の剣の一撃で敗北した。
- こちらでは予選時点で自身のマスターが殺されており、そのために暴走してしまっている。なお、マスターからの魔力供給が途絶えているにも関わらず宝具を幾度も使用し、さらにはガウェインと打ち合うことができたのは、マスターの死に際の祈りが令呪として発動したことが原因と推測される。
- ランサーというクラス、ランルー君をマスターに持つ、後に有名な吸血鬼のモデルとなった、竜の息子(娘)でありスキル「無辜の怪物」により容姿を歪められている、などなど電子の歌姫との共通点は驚くほど多い。くーしーざーしーで、ちーまーみーれー!
- 属性はまさかの秩序・善。性格がぶっとんでいるのは「信仰の加護」と「無辜の怪物」のスキルのせいであろう。
話題まとめ
- 貴族に裏切られたヴラド三世
- 自国の貴族に対して容赦のないヴラド三世だが、そこには「貴族によって肉親を殺された」ことによる背景・影響が存在したのかもしれない。
彼の父ヴラド二世および兄のミルチャは、ワラキアの地方貴族によって暗殺されたとされる。当時ハンガリーの摂政だったフニャディ・ヤーノシュとヴラド二世は対立していたため彼によって殺されたという説も存在するが、ヴラド三世がヤノーシュに敵討をした話はない。だが父と兄を殺したとされる地方貴族には復讐を行ったことから、実際に手を下したのはやはりワラキア貴族であったと思われる。元々ワラキアは貴族の力が強く、彼らによって君主が変えられることも度々だった。だがそうだとしても自分の父と兄を殺した(もしくは見殺しにした)ワラキアの貴族たちはヴラド三世にとって裏切り者に違いはなかっただろう。ヴラド三世が国内貴族に対して苛烈なまでの粛清を行った背景に、こういった出来事が影響していた可能性は否定できない。
- 12年間の幽閉生活
- 1462年、ハンガリー王マチャーシュ一世により身柄を拘束され幽閉の身となった。敵国であるオスマン帝国(トルコ)に協力していたという罪状で捕えられたが、これはカトリック王としての体面やオスマン帝国と衝突したくないという理由によりでっちあげられたものであると考えられている。
一種のスケープゴートにされたヴラド三世であったが、そのわりには罪人として扱われてはいなかったようで、一等の居城を与えられ、監視付きではあるが外出もできたようだ。さらにはマチャーシュ一世の妹マリアと結婚して子どもも儲けていた。
ちなみに幽閉されていた時の手慰みとして編み物を習っていたらしい。『Grand Order』でもう一人の自分が刺繍を趣味としていたのはこの事に由来していると思われる。