概要
『月姫 -A piece of blue glass moon-』の登場人物。主人公が通う高校の教師。
リメイク後からの新規の登場人物。
- 略歴
- シエルとは同郷であり、面識もあったが、シエルが十七代目ロアの転生体として覚醒したことで惨劇に巻き込まれ町で唯一の生き残りとなる。そのため、聖堂教会からは汚染物質扱いされ、修道女として外界から隔離されて生きるか、死徒を狩る代行者として生きるかの2択しか生きる道がなく代行者を選んだ。
- 本編ではロアの転生に際してシエルとともに総耶高校に潜入しており、志貴のクラス担任として在籍している。潜入する際の偽名は「愛染ノエル」。
- 人物
- 包容力も経済力も才能も無ければ努力家でも無いと自称するレベルのダメ社会人。結婚願望や彼氏が欲しいという意思はあるが男運も無く、露骨なお姉さんアピールから女性ウケが物凄く悪い。
- 代行者としての心構えは一人前だが自分のことを凡人や雑魚と評するなど自己評価も低いが本人曰く雑魚なりのプライドはあるとのこと。
- 臆病な性格で脳筋で沸点も低い上に性根は卑しく、精神面は並以下で欲望を抑えるのが下手。また、臆病なのと常に最悪のケースを想像して自分を追い詰めてしまう性格が原因で本来の実力が発揮できず、自分でも自称するくらい自分以下の敵の対処は抜群に巧いが、同等以上のものにはめっぽう弱い。上司であるマーリオゥからはその臆病さと面の厚さは見所があり、逃げ足の速さを大切にしろとも言われている。
- 悪人でも完全な善人というわけでも無いが、吸血鬼から街を守る影の組織を格好良いと思っていることや街を守る正義のお姉さんを自称するなど良心や正義感が無いというわけではなく、実際、真祖であるアルクェイドと一緒にいたという理由で監視をしていた志貴をただの人間には手出し出来ないという理由で見逃したりする所やロアの転生体ではない志貴を保護するべきとマーリオゥに進言したり、『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』のノエルルートのエンディングでは路地裏に入っていった弓塚さつきを助けに行こうとするなど人々の為に働いてもおり、マーリオゥから「これでも、隣人の為に働き続けた女」と言われ、志貴からもシエルと共に「良い人で何度も助けてくれた」と言われていた。
- しかし、一人だとバランスが取れず、『おしえて!シエル先生』ではシエルという重しがノエルにはいい安全弁であったと言われていた。
- 自分の人生を奪った原因である吸血鬼に対しては激しい憎しみを抱き、彼らに対する復讐を生存理由としており、吸血鬼は人間にとって何であれ悪で人でありたいのなら、あの枠組み自体を悪として区別しなければならない、それが出来ない人間に人としての権利はないと言うほど。
- 転生体であったシエルや惨劇を引き起こしたロアに対しても同様の憎しみを抱いているが、シエルに対しては尊敬や憎しみを持ちつつも仲良くやれていたと思っていたなど複雑な感情を抱いていた。しかし、ロアからはロアに対する復讐心やシエルへの憤りは最初からなかったと指摘している。
- 能力
- 武器はハルバードと黒鍵を扱う。代行者としての才覚は平凡そのものだがⅢ階梯以下の吸血鬼ならば問題なく相手にできるがそれ以上の相手となると対等に戦うのは難しく、死徒27祖の19位であるヴローヴ・アルハンゲリとの戦いにおいては何の役にも立っていないという有様であった。
バリエーション
死徒ノエル
- 「夜の虹」ルート(シエルルート)において、逃亡・潜伏中のノエルが阿良句寧子に発見され、吸血鬼化する注射を投与されて変貌した姿。
- 今までの鬱積から開放されたせいかテンションが高くノリノリな性格になっている。しかし、臆病な所は代行者の時と変わっておらず、力に溺れながらも自分の器というものをわかっている模様で、臆病さは生存においての大事なパラメーターって考えの遠野志貴からはそういう所は素直に凄いと思われていた。
- デザインコンセプトは妖蝶。人間としての知覚、知能、価値観が吸血鬼という新しい形に変貌し、顔つきも変貌している。
- 人間だった頃の吸血鬼にだけはなるまいという誓いや生存理由であった吸血鬼に対する復讐という執念は完全に消え去ってしまっており、心も彼女が憎んでいた本当の吸血鬼と成り代わってしまった。
- ロズィーアンの原理血戒のレプリカを投与され、薔薇の魔眼を発現しており志貴とシエルを幻覚の世界に閉じ込めた。
- 他人の過去の記憶を読むことも出来るようで、とあるエンドでは志貴自身も知らない過去の記憶を観たりしていた。
- デザインした武内氏はイメージにノエルの持つ暗い情念の孵化というのもあるかもしれないとコメントしている。
- 能力
- 切り札としてロズィーアンの原理血戒である「薔薇の魔眼」を使う。詳細はリタ・ロズィーアンを参考。しかし、ノエルのレプリカは劣化品で、半分吸血鬼状態のロアの依代を夢の中で殺すための威力がない。
- ロズィーアンから写し取った異能の他に、ノエル本人の異能として鐘のついた槍を魔力で投影し、射撃する能力もある。原理の名前は「望郷の鐘」。幸福だった頃の記憶を呼び起こす、オトナになるほど残酷な聖夜の鐘。なお、鐘の音は戦場の構造を把握する為の探知波だとロアが推測している。
登場作品と役柄
月姫
- 月姫 -A piece of blue glass moon-
- サブヒロインの一人。志貴が通っている学校の女教師として登場。月姫ルートではマーリオゥの部下の代行者としてロア討伐の任に就いている。夜の虹ルートではヴローヴに吸血されたことなどが原因で次第に精神的に追い詰められていき、師匠であるシエルの真似事として吸血鬼に対しては人が変わり憑き物が乗り移ったかのように拷問などの過剰な暴力と制裁を行うようになっていく、最終的には今までの贖罪を嘘だと否定されたことが原因でシエルへの憎しみが強まり、ある改造魔により原理血戒のレプリカを注射され死徒化される。
- MELTY BLOOD: TYPE LUMINA
- プレイアブルキャラクターの一人として参戦。追加DLCで、死徒バージョンも参戦する。
人間関係
- 遠野志貴
- 潜入した高校の生徒。志貴のことを「裕福そうで、優しそうで、お人好しで、それでいて、人でなし。」「綺麗な子」と評していた。
- 彼の街を守りたいという理由を笑っちゃうくらい素敵な理由と語っていた。
- 志貴からは秋葉の方が美人だとか年齢考えろと散々な評価であったが、「良い人で何度も助けてくれた」と良い人にも思われていた。
- 弓塚さつき
- 潜入した高校の生徒。「弓」ということで何となく気に食わないために名前を憶えていた模様。
- シエル
- 代行者としてのパートナー。
- 「フランス事変」を起こし、幼きノエルの人生を奪い尽くした「先代のロアの転生体」であるため強い憎しみを持っている。
- とはいえ代行者として実力不足な自分を唯一助けてくれる相手でもあり、感情を捨てて死徒を殲滅するシエルの姿勢を尊敬していた。
- 憎しみはあるものの仲が悪いわけではなく(むしろノエルは仲良くやれてたとすら思ってた)、喧嘩をしたりちょっとした悪口を言い合う関係。
- しかし「夜の虹」ルートで自分が死徒に堕ちたというのに、人間性を取り戻したシエルを許すことができず、決定的な衝突へと発展する。
- 没シナリオとなった『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』の簡略化ノエルルートでは、ラスボスにシエルが登場しないことに苛立ち「アイツがいないんじゃ話にならない! 一から十まで意味がないっ!」と自分のヒロインルートを自分で否定する。
- ノエル自身の幸福な人生よりも、シエルへの感情の話がノエルにとって大事なことだった。
- マーリオゥ・ジャッロ・ベスティーノ
- 聖堂教会の上司。「夜の虹」ルートでは彼から「役立たずの凡人」の烙印を押された挙げ句、修道女として幽閉される事を宣告された事で死徒化への最後の一押しとなった。
- 阿良句寧子
- 遠野家に居候する改造魔。彼女の手で死徒となる。
- 蒼崎青子
- 『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』の蒼崎青子のルートで共演。
- たまたま出会った彼女に「自分にビビらないとか雑魚過ぎて実力差もわからないの?」と事情を知っていたら失笑モノの言葉を吐いていた。
- 七夜志貴
- 没シナリオとなった『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』の簡略化ノエルルートで組むはずだった相手で、ラスボスでもあった。旧メルブラとは違い、タタリの影響がないためか芝居がかった言動はしない模様。
名台詞
月姫 -A piece of blue glass moon-
MELTY BLOOD: TYPE LUMINA
ノエル
- 「ひぃぃぃ、ただでさえおっかない真祖が、しまっちゃう真祖になってるぅ~!」
- 暴走アルクエィドと対峙した時の掛け合い。アルクェイドからは呆れられるが、それにしてもしまっちゃう真祖って一体………
- 「え?うそ、アイツから一本とれちゃった!?インフルエンザでも罹ったの、シエル!?」
- シエル戦で勝利した時のセリフ。勝ったのはいいが、逆にシエルの事を心配している。
- 「超越者ぶってんじゃないわよ。人間以上だっていうなら、人間以外を相手にしなさいよ。」
- 吸血鬼に勝利した時のセリフ。
死徒ノエル
- 「わたし生まれ変わったんだ!すごい、なにこれ笑い止まんない!」
- 「ああ―――本当、夢みたい。わたし、一体何ができるんだろう!」
- 死徒ノエルルートにて。輝きを取り戻してとてもハイになっている。
- しかし彼女は自分が詰んでいることに気づいていない。
- 「今はまだまともな人間なのは知ってるけど、諦めてここで死んでね♡」
- 同上。異変を察知した遠野志貴と対峙する。
- 見た目だけなら確かに志貴は普通に見えるが、彼の底に抱えた異常性には何も気づいていない。
- 「……結局。わたしは、惨めな姿で、死ぬだけなの?」
- 同上。邪魔するものを全てなぎ倒し最高に楽しい時間を過ごしていたノエルは突然身体の不調に襲われる。
- 彼女の身体は血液を補充していたにも関わらず崩壊を始めていたのである。
- 人知れず滅びる運命は避けられないと知ったノエル。しかし幸か不幸か、その場には代行者が現れており…
メモ
- 『おしえて!シエル先生』のネコアルクの発言によるとサブヒロインの一人という扱い。
- 奈須きのこ曰く、書いていて熱がこもり筆が乗ってしまったキャラクター[注 3]。
- 奈須きのこは彼女のことを純粋な犠牲者と評し、フランス事変を生き残った末に一般社会に戻れなくなった人間。だから教会で下働きするか、代行者になるしか選択肢がなかったと語っている[注 3]。
- 奈須曰く、「月姫」ルートではサプライズ要員で、「夜の虹」ルートでは「悪人ではないけど善人でもなくて、努力もするけどサボりもする。ズルいところもあるし、自分かわいさで悪に走ったりもするけれど、でもそれって、責められる?皆だってそうでしょ?」といったような超人ではないからこその葛藤をプレイヤーに投げかける役どころだという[注 3]。
- 「夜の虹」ルート(シエルルート)での彼女が精神的に追い詰められていく様は『おしえて!シエル先生』でネコアルクに「追い込み方が堂に入っている。プロの仕事のようでえげつない。ひたすらにえげつない。」と言われるほど。
- 月姫リメイク後からの登場人物ではあるが、かなり早い段階から存在を明かされており、またあからさまにシエルと酷似した名前から聖堂教会の関係者であることは疑われていた。
- 遠野志貴やネコアルクからは「OL」と表現されている。
- 実年齢はおよそ27歳(13年前に起きたフランス事変の時に14歳だったため)だが、教師として潜入するにあたって25歳とサバを読んでいる。シエルはこのことを知らず、後に志貴の発言で聞かされた時はドン引きしていた。
- TYPE-MOON公式は『月姫 -A piece of blue glass moon-』発売(2021年8月26日)から2週間、ネタバレに対する配慮を求めていたが、解禁期間を待たず2021年9月2日に『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』公式Twitterが「ノエルの正体は聖堂教会の代行者である」というネタバレを発信する事態が起きてしまった[出 1]。
- また、その際公開された公式サイトのプロフィールにて、「埋葬機関の代行者」という誤表記が話題になった。(現在は「聖堂教会の代行者」と修正されている)[出 2]加えて、ゲーム内で見られるプロフィールの誕生日と血液型が月姫付属のマテリアルの表記と異なっており、こちらも後にアップデートで修正された。[出 3]
話題まとめ
脚注
注釈
出典
リンク