遠野志貴
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遠野志貴 | |
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読み | とおの しき |
本名 | 七夜志貴(旧名) |
誕生日 | 10月15日 |
血液型 | AB型 |
身長 |
169cm 173cm(リメイク) |
体重 | 57kg |
好きな物 | 『努力、人間関係、思いやり、大型の猫』(リメイク) |
苦手な物 | 『吸血鬼、しりとり、自己完結している生命』(リメイク) |
天敵 | 『無限、混沌、完全』(リメイク) |
声優 |
|
初登場作品 | 月姫 |
概要[編集 | ソースを編集]
幼少期に経験した二度の臨死体験から直死の魔眼を得た少年。非常に優れた殺人鬼の素養を持つ。
- 略歴
- 旧名を「七夜志貴」といい、退魔の暗殺者「七夜一族」唯一の生き残り。
- 七夜襲撃事件の際に瀕死の重傷を負わされるも、襲撃を指揮した遠野家当主・遠野槙久によって、長男「シキ」と名前の読みが同じという気まぐれで生かされ[注 1]、養子となった。
- その後、槙久の実子である四季と秋葉、並びに遠野家に引き取られていた琥珀と翡翠の双子姉妹と幼少時を過ごしていた。しかしロアの転生によって義兄の四季が早発の反転を起こし、彼に襲われた秋葉を救った結果として、再び瀕死の重傷を負うことになる。
- 記憶を改竄されて病院で目覚めたとき、その眼にはあらゆるモノに死をもたらす線が視えていた。恐怖と孤独から自棄になっていたが、それを抑制する魔眼殺しと人生の在り方を蒼崎青子に与えられたことで、日常生活を送れるようになる。その後は遠野分家のひとつである有間に預けられていた。
- 数年後、義父の訃報をきっかけに遠野本家へ呼び戻される。そしてある女性と出遭うかどうかで、彼の運命は大きく変わることになる。
- 人物
- 性格は基本的には善人。しかし、これはあくまでも青子の教えによるもの。根底には世捨て人じみた考え方を持っている。
- また、病弱でいつ死んでもおかしくないという「死」を身近にした存在であるため、普通人にとって忌避される傾向があり、学校では孤立した存在。そういった性質を(意識しているにせよしていないにせよ)見抜いた上でつきあえる人間は数が少ない。
- 基本的に誰にでも中立で優しいため、志貴の纏う死の気配のことを受け入れることのできる人間の中では、多数の人間から好意を寄せられている。しかし、色恋沙汰に対して非常に鈍感で、各ヒロインから「野暮天」だの「朴念仁」だのと言われ続けている。
- 八方美人なようでいて、案外一途。琥珀さん曰く、「既成事実さえ作ってしまえば、自分から篭に入ってくれる」とのこと。
- 大切なもの一つにのめり込めば一直線である反面、他ヒロインのルートに入ると、ヒロインの前で余計なことを言ってはボコられるなんてことも多い。性別・好意の有無を問わず、平等に接する上に、根が優しいのが裏目に出てしまう。結果、八方美人の無自覚型女たらし。
- また、怒るとさらっと過激な発言をするなど、荒っぽい面がある。ものに対する執着心が乏しく、ほぼ無趣味。唯一あるとすれば刃物の収集。
- 殺人衝動の根幹は七夜の血統にある。ただ正しくは殺人衝動ではなく、むしろその「人」を脅かす存在の「魔」に対してのみ反応する退魔衝動である。それ故に人外に対する攻撃性が強く、作中で殺した相手は全て「純正の人間では無い者」ばかりで、一般人は殺したことはない。
- この退魔衝動に呑まれると哄笑を上げたり、性格が冷酷かつ嗜虐的に敵を殺す暗殺者に変貌する。他には、後の七夜志貴へと通じる叙情的な物言いをするようになる。
- この時の状態の呼称を混血のもののそれと同じく意識が「反転」したと呼ぶことがある。
- リメイク版の『A piece of blue glass moon』では、根底が変化しており、似たような台詞回しでもその内情が異なっている。表面的にはより感情豊かで明るい人物像になっているものの、それは意識的な演技のようなものであり、本質は非常に虚無的な人物である。
- それに伴い退魔衝動とは別の部分で尖鋭的な合理性を持っており、一度スイッチが入ると別人のように冷酷な言動を取る場面が見られる。その最たる部分が『必要であれば殺す/壊す。面倒であれば殺す/壊す』というもの。また『死の視える自分[注 2]』はいてはならない存在であると苦悩する様子が多く見られるようになった。それらの異常性や恐怖を青子に教わった善良さとその苛烈な人生と共に育まれた美意識[注 3]で補正し、善くあろうと努めている。
- 特定人物と相対する場合は粗野な一面も見せるものの、普段(特に、『純正の人間』に対して)の言動は聖人君子のような好青年となっている。旧作とは違い、有彦や弓塚以外のクラスメイトと親しげに会話をする場面も増え、クラスにも馴染んでいる。また貧血で日に二度は倒れていた中学生時代から、本編の事件まで学校を休んだことは只の一度もない素行優等生。教師からの信頼も非常に厚く、本編の深夜徘徊を指して『遠野が事情もなく、そんなことをするわけがない』と言わしめるほどになっている。
- 四季による生命力奪取の影響で小食であり、朝は輪を掛けて食が細い。更に退魔衝動の発現後は、一口も喉を通らなくなるほど内臓機能が低下する。尤も、四季からの影響が何らかの要因で無くなった後は比較的健啖家な一面を見せる。
- 睡眠からもう二度と目覚めない恐れを抱えているため、入眠時にネガティブになり、また眠る事が苦手である。加えて自分の身体が『いつ死んでもおかしくない/今生きていることが奇跡』と正しく理解している結果として、自分の死に対して他人事で執着せず(していたら人生が立ちいかない。なにも出来なくなる)、能動的に行動を起こす部分が強調されている。つまり『体調が良い(なんとか生きている)』なら全力で動く、『体調が悪い(このままだと死んでいる)』なら大人しく止めるという具合になっている。
- 結果として、旧作以上に志貴の身を案じている秋葉のいう事を聞かず、自身の意志を優先するため手を焼かせている。
- なお本人の言う通り決して『身体が弱い』わけではなく、病弱と言えるかも怪しい。というのも、彼の不調はあくまでも生命力奪取に伴う貧血のような現象(衰弱死未遂)と、魔眼の反動で血管が切れたり脳が融解しかけていることによる頭痛と、退魔衝動による過剰な発汗と過度な動悸その反動などである。むしろ、そのような状態にありながら、風邪を引いて寝込んだり他の病に罹ったことは一度たりともないらしい。
- 上記のように根底が変化したため、明確な差異として旧作にはない"弓塚さつきに尊敬の念を抱いている"描写がある。
- 女性からの好意に対しても、自身の異常性や寿命を自覚しているため『鈍感』や『朴念仁』というよりも意図的に意識しないようにしているきらいがあり[注 4]、同時に旧作のステレオタイプの”デリカシーがない人物像”が”合理性による非人間像”として描かれている場面が多い。表面的には同じなのだが表現などで細かな調整がなされていたり、さらに旧作から気遣いや配慮をしていても逆効果でヒロインを怒らせる場面などが増えている。
- また、「しりとり」が苦手。弱いのではなく苦手であり、親友の有彦曰く「無理にやらせると泣き出すレベル」でトラウマを抱えている。そのため誘われると非常に強い拒否反応を示す。
- 能力
- 運動神経は悪くなく、むしろいい方であるが、体力的に脆弱で貧血が絶えず、体育は苦手。幼い頃に受けた鍛錬の名残か、極限状況における体運びや短刀の扱いには目を見張るものがある。
- 戦闘経験が月姫開始時点までは一切存在しないため、敵を殺す覚悟など戦う者の心構えがないために敵と相対しても動揺して本領を発揮できず追い詰められることが多いなど精神的なムラが激しい。
- しかし人外の者と相対して退魔衝動が高まると意識が「反転」し、敵と殺し合いを嬉々として楽しむ冷酷な暗殺者となる。
- この際の動きは実際に殺されたアルクェイド曰く、「自分を殺したその時の志貴をそのまま絵に閉じ込めたらこれ以上ないって言うぐらいの芸術作品になるぐらいに完璧な不意打ち」と評するほどの天才的な殺戮技巧を行い、生物としての戦闘能力なら人間を遥かに上回る人外とも対等に戦えるようになる。
- また反転していない状況でも歴戦により戦闘にある程度慣れ、本人なりに戦う覚悟を決めると、反転した時ほどではないが志貴としての理性を保ったまま一般人離れした体術や刃物使いを行うことも可能になっている。
- 直死の魔眼はもともと七夜の能力である「淨眼」が二度の臨死体験で変異したもの。死の線・点が視え続けるということは、脳や神経に非常に負担をかけるため、普段は「魔眼殺しの眼鏡」をかけて抑制している。ちなみに通常の視力は2.0以上で、レンズによる矯正はまったく必要ない。
- 月姫終了後の続編関連では、魔眼の力が眼鏡では押さえきれなくなっており、包帯を巻いて視覚そのものを封印している状態になっている。
- 「死」を見すぎるが故に「死」に近く、肉体は高い運動能力を持つものの、回復力に乏しい。直接の原因がそれだけとは限らないが、長くは生きられないことも作中で示唆されている。
- 魔術世界のことについては知識面も実践面もずぶの素人。ただし魔眼と精神が最高潮の状態では魔術式を「殺す」ことで対抗しうる。
- リメイク版の『A piece of blue glass moon』では、その能力ははっきり言って別物になっている。
- まず有間の家に預けられた七年間、せめて肉体は可能な限り鍛えようと道場での運動を行っており、貧血と後述する理由の影響でスタミナが致命的にないが、筋肉質な肉体をしており筋力は人並み以上にある。
- そして退魔衝動に呑まれることがなくとも、魔を相手取った状態であれば卓越した殺人技巧をかなり意識的に行える。そもそもとして戦いにおいて怯えや恐怖を見せることが減り、それによってポテンシャルを発揮できないということはない。あるとしてたら『普通の人間であれば、そのような行為はしないのに、自分はせずにいられない』という自身の異常性に対してのものになっている。
- 前述した根底の変化に伴い、旧作の『善良な少年が、退魔衝動に呑まれる苦しみ』という構造から『殺人鬼が必死に善良さで抑えている趣向を、退魔衝動をきっかけに呼び起される苦しみ』という構造に変化している。これによって旧作の『敵を殺す覚悟など戦う者の心構えがない』などという部分は減り、むしろ『その必要があり、その方が効率的であるのなら、殺す・壊すことを選べてしまう』人物であることが強調され、それに苦悩する様子が見られるようになった。それ以上に目を見張るのが往来の合理的思考による戦術の組み立てや戦況の分析と判断力であり、これによってリメイク版で性能的に大きな開きが出来た吸血鬼に対して肉薄することが可能になっている。
- しかし最も重要な事は、肉体そのものが(おそらく七夜の近親交配)配合による特別性となっている事である。持久力を捨てた『速筋過剰の瞬発力特化の筋肉』と『鳥のように軽い骨』を持ち『40mを6秒、場合によっては4秒』で走破するなど人間の
陸上世界記録保持者 に匹敵する身体能力を見せる。更には作中で「七年間の澱」や「全身いたるところが鈍っている」と言われており、これでも全開状態とは程遠い模様である。他には『無茶をすれば天井に貼り付いたり、壁を駆け抜けることも可能』と言われているが『軽いゆえに非常に脆いので、一手しくじれば死ぬ』とも言われている。これは人為的な才能であると言われており、『10秒を走るためだけに生まれてきた』と称されている。 - 端的にいって、完全な対混血用暗殺特化型短期決戦仕様の肉体である。先のスタミナ不足という欠点もこれが原因。
- これに旧作から引き継がれているだろう"奇跡とさえ謳われた父・七夜黄理を更に超える才能"と幼少期に覚えた護身術、そして父の技を盗み見て密かに練習した技の数々を無意識に駆使して、ようやく祖との戦闘をかろうじて可能としている。
- さらには『直死の魔眼』も旧作以上の性能を見せており、その一つが『死(零)を起点することによる過去視・記憶の観覧』である。さらには『対象の死ではなく、原理そのものの破壊による能力低下』も行っており、極めつけは(詳細不明であり後の展開の重要な要素とされている)『(空間そのものを殺すような演出ともに)遠隔で足場もろとも相手の脚を殺す』といった離れ業までやってのけていた。
殺人貴[編集 | ソースを編集]
未来における志貴の可能性の一つ。「殺人貴」の名は後に死徒たちから付けられた異名。殺人鬼と遠野志貴を合わせた造語である。
アルクェイドの護衛として、彼女とともにブリュンスタッド城に留まっているとのこと。二十七祖第六位・リィゾ=バール・シュトラウトは好敵手に当たる。この時期になると、魔眼の能力が高まり過ぎたため、魔眼殺しを以てしても、死の線が視えてしまうようになっている。このため、普段は両目に包帯を巻いて封印するようになった。
以上のように、本来は未来の志貴に二つ名として与えられる名称なのだが、ファンの間では先んじて、本編中のネロ・カオス戦などで描かれた、殺人衝動が強まって、志貴本来の意識が薄い状態の志貴をさす言葉として使われることもある。また公式でも、MBAAの七夜志貴ストーリーで白レンに敗北した場合、専用台詞として白レンが七夜を「殺人貴」と呼ぶ。
使用技[編集 | ソースを編集]
MELTY BLOOD[編集 | ソースを編集]
無印では七夜と技は共通。
- 閃鞘・八点衝
- 前方を連続で斬り刻む。
- 閃走・六兎
- 斜め上方に鋭い飛び蹴りを放つ。
- 閃鞘・八穿
- 一瞬消えた後、相手の頭上から斬り付ける中段技。
- 閃鞘・七夜
- 一瞬消えた後、前方に突進しつつ斬り付ける下段技。
- 閃鞘・一風
- 一瞬消えた後、敵を掴んで投げ飛ばす。
- 十七分割
- アークドライブ。スローモーションで相手に飛び掛かり、一瞬で十七の死の線を斬る。相手の赤ゲージを大幅に削り、体力回復を阻害する。
- 元ネタはアルクェイドとの初めて見た際に殺人衝動に飲まれ十七の肉塊に解体したシーンから。インパクトもあってか志貴を代表する技の一つとされる。
MELTY BLOOD Re・ACT以降[編集 | ソースを編集]
- 切り札そのいち(大斬り)
- ダッシュしてナイフで斬り上げる。
- 切り札そのさん(閃鞘・八花鏡)
- やや前進しながら前方を連続で斬り刻む。前作における「閃鞘・八点衝」に近いが技の性質はやや異なる。
- 自分でもよくわからない蹴り(閃走・六魚)
- 斜め上方に鋭い飛び蹴りを放ち、さらに地上に蹴り落とす。斜め上方の飛び蹴りは前作の「閃走・六兎」とほぼ同じ。
- 突発的にでる蹴り(閃走・六鹿)
- 斜め上方に飛び膝蹴りを放つ。
- 切り札そのに(下段掬い)
- スライディングによる下段攻撃からの斬り上げ。
- 本気の構え(閃走・名月)
- 一瞬消えた後、ボタンに応じて様々な行動を取る。それぞれ蹴り、移動、投げ、フェイント。
- 夢中の反撃(閃鞘・八隼)
- 空中から斜め下に向かって突進して斬り付ける。
- 直死の魔眼 / 十七分割
- アークドライブ。スローモーションで相手に飛び掛かり、一瞬で死の線を斬る。相手の赤ゲージを大幅に削り、体力回復を阻害する。
- アナザーアークドライブは名称が十七分割になり、17ヒットする。
- 直死の魔眼・決死の一撃
- ラストアーク。すれ違いざまに死の線を斬り付ける。相手の赤ゲージを大幅に削り、体力回復を阻害する。
MELTY BLOOD: TYPE LUMINA[編集 | ソースを編集]
ナイフ攻撃はガードをしても削りダメージを与え、一部の攻撃はガード不可能という直死の魔眼の特徴の再現が行われている。 また今作からアークドライブ・ラストアークの相手の赤ゲージを大幅に削り、体力回復を阻害する効果が消失した。
- 閃鞘・一仭
- 前方を滑りながら素早くナイフで斬りつける。
- 閃走・二折
- スライディングによる下段攻撃からの斬り上げ。前作における「切り札そのに(下段掬い)」とは同一の技。
- 閃走・六魚
- 斜め上方に鋭い飛び蹴りを放ち、さらに地上に蹴り落とす。
- 閃鞘・七夜
- 一瞬消えた後、前方に突進しつつ斬り付ける下段技。「境界を視る」がヒットした後に使用可能。
- 閃鞘・八穿
- 一瞬消えた後、相手の頭上から斬り付ける中段技。「境界を視る」がヒットした後に使用可能。
- 閃鞘・八点衝
- 前方を連続で切り刻む。「境界を視る」がヒットした後に使用可能。
- 境界を視る
- アークドライブ。突進し相手を前後に往復しながら複数回斬りつける。成功後3つの技の使用が解禁される。
- 再証・十七分割
- ラストアーク。スローモーションで相手に飛び掛かり、一瞬で十七の死の線を斬る。
- 技の演出は前作までの十七分割とほぼ同じだが、スローモーションでの飛びかかりはヒット成立後の演出に統合された。
登場作品と役柄[編集 | ソースを編集]
月姫[編集 | ソースを編集]
- 月姫
- 主人公。アルクェイドの頼みから、吸血鬼や人外との混血たちの戦いに身を投じる。
- 月姫 -A piece of blue glass moon-
- 同人版に引き続き主人公。
- 歌月十夜
- 主人公。
- Talk
- アルクェイドのために腑海林アインナッシュに潜入し、実を探す。
- MELTY BLOOD
- 主人公(?)。シオンの依頼で、アルクェイドとの取りなしやタタリ討伐に協力することになる。
- tale
- 男の子。草原で魔法使いと出会う。
- the dark six(仮名)/ Prelude I
- 湖の死徒と呼ばれるルヴァレの討伐に赴き、バルトメロイと復讐騎にかちあう。
その他[編集 | ソースを編集]
- ちびちゅき!
- 生徒の一人。相変わらず朴念仁。
- ALL AROUND TYPE-MOON
- 七夜に乗っ取られてあまり出番がない。
- Fate/Grand Order
- アーキタイプ:アースの第二再臨時の台詞にて彼と思わしき言及はいくつかあるが、当の本人は登場していない。
- だが、Lostbelt No.7『黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン』にて全く同じ能力を持ち、尚且つ立ち位置もほぼ一緒な、概念的同一存在ともとれる人物が登場している。
人間関係[編集 | ソースを編集]
月姫[編集 | ソースを編集]
- アルクェイド・ブリュンスタッド
- 本編冒頭で衝動的に殺してしまった女性。志貴が唯一楽しさを感じることができる相手であり、女性として他の人物を愛したとしても、彼にとって最も美しい存在としてあり続ける。
- 志貴はアルクェイドと出会うことで初めて自分の幸福を追い求めるようになり、彼が「自分のため」に行動する事ができるのはアルクェイドが関わる時だけである。
- シエル
- 学校に先輩として忍び込んでいる代行者。彼女の在り方を眩く想い、尊んでいる。ルートによっては彼女の幸福のため生涯を捧げることを誓う。
- 遠野秋葉
- 義妹。志貴を兄としてだけでなく男性としても慕っており、彼を遠野家に呼び戻し、とても心配している。
- 志貴にとっては大切な妹だが、志貴は「生涯を捧げる覚悟」をしない限り、大切な存在から極力距離を置こうとするので結果的に彼女の扱いが雑になっている。
- 翡翠
- 身の回りの世話をするメイド。
- 琥珀
- 義妹付きの家政婦。
- 弓塚さつき
- クラスメイト。すぐ側で殺されたことに遺憾がある。もっとも、彼女が死徒となって生きていること、彼女に恋心を寄せられていたことには気付いていない様子。
- リメイク版の『-A piece of blue glass moon-』では、彼女の好意やアプローチを認識しており、同時に「タイプの女子」「尊敬する人物」として慕ってさえいる。有彦からは「どっちも不幸になる組み合わせ」であり、付き合うのならやめておけと真剣に忠告されている。また、冒頭の病院において志貴の目覚めに気づき声をかけてくれた女の子の声が、彼女によく似ているとファン内では語られている。
- 有間都古
- 8年間暮らした家の娘。もうひとりの妹。慕われているのだが、彼女の行動から嫌われていると思っている。
- 蒼崎青子
- 精神的な師。「人として大切なこと」と魔眼殺しを授けてくれた恩人。なぜか彼女とのルートの可能性があったりするらしい。
- レン
- 使い魔。歌月十夜の終幕で契約を結ぶ。
- 七夜志貴
- 旧名であり、同一人物であり、志貴本人が内包する存在。
- 遠野志貴は七夜志貴の人格を基にした地続きであるが、七夜少年の精神は半ば独立しており、志貴の無意識領域に廃棄されている。そのためルートによっては志貴の精神死を肩代わりして完全に消滅することで、志貴を助けるなどしている。
- 七夜黄理
- 実父。志貴には"七夜の生き方"とは違う道を歩んで欲しいと願っていた。しかし、それを息子への愛だと気づくことはないまま最期を迎えた。
- 軋間紅摩
- 七夜壊滅と実父殺害の実行者。志貴にとっては死の象徴であり、(本来ならば)志貴がいつか「決着をつけなくてはいけない相手」とされる。
- 遠野槙久
- 養父。
- 乾有彦
- 友人。小学校からの悪友。
- リメイク版の『-A piece of blue glass moon-』では、中学からの付き合いになっている。互いに気兼ねなくモノを言い合える相手であり、冗談を飛ばし合う間柄。志貴が安心しきった無防備な姿を曝け出せる親友。 中学で日に二度は倒れていた志貴を傍で見ていたため、彼が貧血で倒れそうになる時に颯爽と駆けつけてくれる。本編開始以前の志貴は、有間の家に負い目を感じていたため、長期休みの際は彼の家に泊まり込んでいたらしい。
- 時南宗玄
- 主治医。
- 時南朱鷺恵
- 宗玄の娘。初めての人……らしい。
- フォルテ
- 『Talk』にて、アインナッシュの森で交戦して退けた魔術協会所属の魔術師。
MELTY BLOOD[編集 | ソースを編集]
- シオン・エルトナム・アトラシア
- タタリ事件の協力者。
- ネコアルク
- あまり共演することはないが、基本的に「どうでもいい」扱いのようで態度は辛辣。
MELTY BLOOD: TYPE LUMINA[編集 | ソースを編集]
- 牛若丸
- 別の世界から迷い込んできたサーヴァント。
- 志貴はあまりの死生観の乾きっぷりにドン引きし、
自分を棚に上げて「昔の人の価値観はわからない」と困惑していた。 - 一方彼女は志貴の眼を見て「この時代に浄眼とは」と驚いている。無理をすれば「自分と同じ動きができる」とも。
- 巌窟王 エドモン・ダンテス
- 別の世界からやってきた復讐者のサーヴァント。
- 志貴を「境界の男」と呼び、忘れている「心奥の怒り」を指摘してくる。加えて、あろうことか志貴の「運命の相手(宿敵)」が誰かさえ見抜いている。
名台詞[編集 | ソースを編集]
月姫[編集 | ソースを編集]
- 「───教えてやる。これが、モノを殺すっていうことだ」
- 志貴を象徴する台詞。
- 死が視える。それ故に世界がどれほど脆く、不確かで危ういものかを知っている志貴。紛い物で有頂天になった相手とは一線を画していた。
- 「────ありがとう。先生に会えて、良かった」
- かつて別れを惜しむばかりで言うことのできなかった、恩師への感謝の言葉。
月姫 -A piece of blue glass moon-[編集 | ソースを編集]
- 倫理/常識は残っていない。
- 展望/定形は思い出せない。
- 我を構成する
肉 は腐れ落ちた。 - 個を主張する
私 を取りこぼした。 - 俺は、もう、
- 人間でいる意味が、分からない。
- 遠野志貴は善良な人間ではない。前向さも優しさもそれらすべてはそう在ろうと努めたもの。意識的なモーフにすぎない。その本質は死人のような空虚さである。
- 彼を人として繋ぎ止める存在は喪われた。もはやそこにいるのは、世界を呪い殺す死神である。
- ───まずいな。
- コレ、ホントに殺せるぞ。
- 死徒化したノエルとの闘いでの言葉。瞬間的には七階梯に届くノエルと半死徒化状態でしかない志貴という本来ならば絶望的な戦力差の上での独白である。
- 重要なのが、彼はあくまで”時間稼ぎの防戦が目的”という事。殺し合いにおけるノエルの凡庸さと志貴の非凡さが窺える。
- ───面倒だ。殺してしまおう。
- 上記に続く言葉。選択肢での独白。
- ある意味では確かに、今作の遠野志貴という人物を象徴する言葉。
- 「うーん……大げさな物言いだけど、」
- けど、そんなコトは、
- 「つまり、貧血になっている時は、指先一つでコロッと逝きやすいってコト?」
- この七年間、毎朝、罰のように思い知っていた。
- 旧作から大きく変更がなされた『眩病月』へと続くシーンでの台詞と独白。表面的には旧作を踏襲しているが、本当に何も分かっていなかったようにしか見えない旧作とは違い、こちらはあからさまな茶化した発言と共に、裏腹の冷めきった内面が描写されている。志貴は、自分の貧血が『強制終了』ではなく『肉体側の防護策』であるという指摘に驚きはしたものの、その前提である貧血が『臨死状態』であるという事は正しく認識しており、そしてそれは『毎夜の就寝』で起きていることであり『いつもどおりの出来事』であると切り捨てている。彼からすれば『生死の境をさまよう』くらい騒ぎ立てていたら、日常生活を送ることすら出来ないのである。この性向は、本編のあらゆる箇所で見受けられる。
- 「だって、時間の無駄でしょう」
- 報復も鎮魂も、断罪も俺には不要に思えた。
- 過去の為に行う行動は人間的すぎた。
- 殺すと決めたのならば殺せばいい。
- 女と違い、俺にそんな余分な
時間 はない。 - 未来の事を考えるなら、事は淡泊に済ませるべきだ。
- かつて自分を陥れた死者の一人を解体する場面の言葉と独白。耐え重なる責め苦の果てに、死者は心底からの改心をした様子だった。しかし志貴にはそんなことはどうでもいい。それは決して彼へ怒りや憎しみがあったからでも、ましてや因果応報の正義感があったからでもない。ただその方が「手早く話が進みそうだったから」という理由でこの行動を選んだのだ。もちろん、これはロアの転生の影響が出た結果であり、BAD ENDへと続く分岐である。ただし同時に、これは彼の『本性』であり『一度(このシーン)で躓くと「中立・善」から「中立・悪」に戻ってしまう』と語られている。ロアはあくまでも自制しているものを後押しをしただけであり、その由来は志貴本人にある。
歌月十夜[編集 | ソースを編集]
- これで最期? これで最期だって?
そんな筈はない。
だってまだ右足は生きているしナイフだって握ったまま。
意識は何一つ欠けていないし、傷だって負っていない。
なにより俺はまだ、何一つだってしてやいない……!
―――――――ふざけるな、まだ俺は戦ってさえいないじゃないかっ……! - 自分を救おうとするレンを守るため、己が"死"の具現である軋間紅摩に立ち向かう。七夜もそうだが、なんだかんだ言って熱血属性である。
MELTY BLOOD[編集 | ソースを編集]
- 「例外はない。
限界 を知れ吸血鬼。
カタチがある以上、消え去るのが最低限の決まり事だ」 - PS2版MBAAで追加された対吸血鬼用の勝利台詞。
- ただしロアなどの専用台詞があるキャラクターでは表示されない。
- 「というかだな。おまえが行くと絶対にややこしくなって、被害も派手になるだろ?
なんで、大人しく帰ってくれ。アルクェイドなりに事態を納めようとしてくれたのは分かってるけど、後は俺たちで解決するから」 - MBAAアルクェイドルート。とりあえず怪しい奴を殴るというアレなテンションで暴れ回るアルクェイドに対して。
- 言っていることはまっとうなのだが……最後に余計なことを言ったせいで、地雷を直撃で踏み抜くハメに。
カーニバル・ファンタズム[編集 | ソースを編集]
- 「死んで済むなら、死ねるだけいいじゃないか。きっと俺には、死より恐ろしいことが待っているだろう」
- 「ドキドキデート大作戦」より。リスクを考慮しそれでも困難に立ち向かう様子を見ながら自分の運命を諦観する…と、ここだけなら名シーンに見えるが、実際は士郎は3(本当は4)又、志貴は5(本当は6)又を掛けた上に同じ日にデートの約束をして二進も三進も行かなくなってる状況下なのでただの自業自得である。
- 「アルクェイドは映画好きだ、これで足止めする」
- 同上。「みんなとデートする」場合のアルクェイドの扱い。確かに彼女は映画に興味ありありだが、とりあえず映画館に突っ込めばなんとかなる扱いにされてしまった真祖の胸中やいかに。
メモ[編集 | ソースを編集]
- 劇場版の幹也とアニメ版の志貴は声まで同じである(共に鈴村健一氏が担当)。
- 志貴が「死」の気配を纏うのは、四季によってその生命力を奪われ、秋葉の能力によって生命力を補完されている、不完全な状態の「生」であるため。
- 愛用する短刀「七ツ夜」は七夜に伝わる宝刀。「宝刀」とは言うが、値打ち物ではない。年代物だが暗殺用らしく飛び出しナイフ。そんな構造でありながら、死徒の攻撃を受け止めるほどに頑丈。
- なお、現実世界で「七ツ夜」を持ち歩いた場合、普通に銃刀法違反。
- 瞳の色は、普段は灰色ベース(黒目の彩色)で描かれるが、直死をフルに発揮すると蒼と描写される。
- リメイク版の『-A piece of blue glass moon-』では、直死の発動は眼の中央に青く光が灯るように描写される。
- 並みの魔術師では契約する事は出来ないというレンと契約可能なので魔力量は中々のモノではないかと推察されている。
- 素質は不明ではあるが、魔術を習えばネロ戦で負傷した際に治癒に使った生命因子をネロのように動物の形で使役出来るかもしれないとアルクェイドは語っている。
- 月姫での実力評価は「ハートの3」(強いわけじゃないけどジョーカーキラー)。
- 『MELTY BLOOD』ではいろいろ補正込みで「スペードのJ」とのこと。飛び道具を持たないが、それを補って余りある性能を有す。
- シエル曰わく死の気配には敏感。その為に敵意持った攻撃や不意打ちに彼は反応しやすいとされる。尤も彼の身体能力を遥かに上回る速度で攻撃すれば無意味のようでシエルの攻撃に対処しきれずにねじ伏せられている。
- 父・七夜黄理から仕込まれた七夜の体術は無意識ながらも彼の身体に焼き付いている。この為か『MELTY BLOOD』での技名は「自分でもよくわからない蹴り」などと表記されている。
- 軋間と対峙した際に会わないで済むならそれで良かったとし、積極的に敵討ちをしようとする気はない。しかし、軋間は黄理の名を出した事で戦う事を決意する等、父に対しては思う所がある模様。
- 『MELTY BLOOD Actress Again』は月姫本編から2年後の話であるが、何故かまだ学ランを着用している。何らかのポリシーがあるのか、はたまた学校を休みすぎてダブったのか。
- 要は新しいグラフィックを用意しなければならないためであるが。
- 主人公が正ヒロインを17回斬りつけ17個の肉片にするというショッキングなシーン。17回切ったんだから肉片の数は18個ではないのか、というツッコミはしないように。
- (あくまでファンによる検証だが)「17回のうち、2回かけて身体を分断した傷がある」「17回のうち、分断に至らなかった傷が1つある」の2つの説がある。真相は不明だが「不可能ではない」というのが結論と考えて良いだろう。
- リメイク版の『-A piece of blue glass moon-』にてついに決着がつく事となる。結論として「十七回の斬撃で十七の肉片に解体した」で正しい。遠野志貴の罪の象徴としてイベントCGにその解体された結果の肉片が悍ましくも克明に描かれ、その製作に併せてどのような順番で解体したのかの「解体図」が設定資料集『月姫マテリアルⅠ-material of blue glass moon-』に記載されている。
- 蒼崎青子以外に対しては「先生」という敬称は使わず、学校などでは「教諭」と言っている。
- リメイク版の『-A piece of blue glass moon-』では「先生」という敬称を極力使わないが、必要であれば他の言葉を用いる。
- 『Fate/stay night』の主人公である衛宮士郎との相性は、「性格や倫理観が異なるので仲は良くない」というのが公式見解。
- ただし「カーニバル・ファンタズム 1st Season」に収録されている、奈須氏がシナリオを担当した音声特典「教えて!知得留先生」によれば、「双方温厚なので喧嘩にはならない」との事。なお設定では同年代だが、世代が違うという事で彼の方が目上になるらしく、カーニバル・ファンタズムでは「志貴さん」「士郎くん」と呼び合っている。
- 尚、この二人が戦った場合は直死の魔眼で投影宝具を片っ端から破壊するので志貴が優勢だという。但し、オーバーフローで自滅する可能性が高く、また士郎が魔力放出系の武器を使えば結果は覆る可能性が示唆されている。
- 共闘する場合を考えても「強力な武器を作れる」士郎と「平凡なナイフで必殺」の志貴はまるで噛み合ってない。
- 私服について、よく後輩主人公の士郎が「ユニクロ」等揶揄される事が多いが、彼も原作ゲームにおいて首袖がオレンジの青いシャツに青いGジャン、そして青いGパンという原作の発表当時で考えても少し変な格好をしている。とはいえ初めて彼の素顔及び立ち絵が描かれた際やMELTY BLOODでの影響からか学ランのイメージが強く私服姿は1シーン程度しかないので印象は薄いようである。
- 月姫読本に記された公式の口癖は「わからない」、カタカナで表示されることも多々ある。志貴が対魔の衝動に飲まれかけたり常識ではあり得ない事態に直面するなどシリアスな状況にで多用されることが多いせいか知名度自体は高くないがモノローグ含め百回以上言ってるらしい。ちなみにメルティブラッドシリーズ以降ではそのような思考をする場面も少なくなったため発言の機会はほぼ消えている。
関連年表[編集 | ソースを編集]
リメイク版準拠[編集 | ソースを編集]
- 1997年 誕生。
- 2003年 七夜家が襲撃され、一族が皆殺しにされ、自身も臨死体験をする。その後、遠野家の養子となる。
- 2006年 遠野四季に殺されかけ、直死の魔眼を手に入れる。その後、有間家に預けられる。
- 2014年 遠野家に戻る。月姫の事件。
話題まとめ[編集 | ソースを編集]
- 苦行
- 小遣いは日500円(昼食代扱い)、アルバイト禁止。門限ぎっちり、夜10時を過ぎれば屋敷内を動き回るのすら禁止。テレビやゲームなどの娯楽品も禁止。年頃の青少年からすれば文字通り苦行のような環境で暮らしていることになる(周囲が美少女ぞろいの件を除く)。
- 志貴自身も不満がないわけではなく、待遇改善を求めて妹に交渉するも、勝った試しはない。MELTY BLOOD無印で家政婦さんの協力を得てこっそりバイト先を見つければ、後日それを知った妹にキレられ、逃げ回るハメに。なんという鬼妹……!
- 最近では珍生物やそのパチモンから「生きろ」と同情されたり、「もう家出た方がいい」と忠告されている始末である。
- なお、別に妹はイジメのつもりでやっているわけではなく、「必要なものがあったらこちらで購入するので言ってください」とのこと。もちろん、大抵は却下される訳だが。
脚注[編集 | ソースを編集]
注釈[編集 | ソースを編集]
- ↑ この説明をした秋葉自身が『槙久は気まぐれで養子を取るような人物ではない』と疑念を抱いている。そして事実この行為は、七夜の血が遠野の反転への抑制となることを期待したものであったり、七夜一族を壊滅させた罪悪感に対する罪滅ぼしの意味合いなど、名前を含めた複数の事情が重なった結果である。
- ↑ まず実際問題として手先や足先の狂い一つで壊・殺してしまう可能性が有ること。そして、死(宙の終)というものがひどく無意味であり、万物は最終的にソレに行き着いてしまうということを観測し、またそれを証明出来てしまうこと。何よりそれを見せられた結果として、モノの価値が著しく低くなり、壊・殺すことに躊躇いが無くなってきていること。もっと言えば醜く歪な光景に耐えられず、さっさと線をなぞり消してしまいたい衝動に駆られるなど様々な理由が相互的に起因している。
- ↑ 記憶は封印されているとはいえ、七夜志貴は遠野志貴という人格の土台になっている。
- ↑ 具体的なものとしては、弓塚さつきの好意やアプローチを認識したうえで(その場の地の文を含めて)気付いていない素振りをみせている。
出典[編集 | ソースを編集]