シャルル=アンリ・サンソン

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アサシン
真名 シャルル=アンリ・サンソン
外国語表記 Charles-Henri Sanson
性別 男性
身長 178cm
体重 68kg
出典 史実
地域 フランス
属性 秩序・悪
一人称 僕/私[注 1]
二人称 貴方
三人称 彼/彼女
声優 宮野真守
デザイン しまどりる
設定作成 東出祐一郎
レア度 ☆2
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

暗殺者」のサーヴァント

略歴
Fate/Grand Order』『邪竜百年戦争 オルレアン』ではジャンヌ・オルタによって「狂化」を付与されたバーサーク・サーヴァントとして、西暦1431年のフランスに召喚される。
主人公側のマリーを狙い何度も現れるが、最後に相対した際、彼女にタイマンで打ち負かされた挙句「あること」を指摘されて姿をくらます。その後は暴走した状態でアマデウスと交戦を繰り広げるも敗れ、完全に消滅した。
『冠位時間神殿 ソロモン』では冠位時間神殿に召喚され、他のサーヴァント達と共にⅠの座を統括する溶鉱炉ナベリウスと交戦する。
『禁忌降臨庭園 セイレム』では主人公と共に劇団員としてセイレムに同行した。
人物
黒の外套を纏った青年。
好きな物は「平和」「幸福」「慈愛」。嫌いな物は「冤罪」。「人間」をこよなく愛し、「悪」を憎むが「悪人」は憎まない。神を信じているが、同時に神が「何も為さない」ことも理解している。それゆえ、己が「悪」を以て「悪」を断つという悲しい使命感を抱く。
処刑人という家柄から貴族並みに優雅な生活を営んでいたこともあり、落ち着いた性格をしており、基本的に温和で冷静沈着な人物だが、生前に最も敬愛していたマリーに対してだけ感情を爆発させてしまう。『邪竜百年戦争 オルレアン』ではバーサーク・サーヴァントとして召喚されて思考が歪められていたのを含めても、彼女にかなり過激なアプローチをしてしまった。
一方で、精神的に動揺する場面も見受けられており、シナリオ上では思考を歪められたとはいえ、第一特異点で民を虐殺するという処刑人として真逆な事を行っていることをマリーに指摘されて動揺して錯乱している。
召喚された理由がその殺しの腕を買われたということからマスターに対する心中はやや複雑で、最初は「自分は主の刃であるが、主の天秤でもある」、「正道を進んでいる限りは従う」と中立的なスタンスで接する。とはいえ、魂食いなどの邪悪な行為を強制しようとした場合は、自害を含めた敵対行為に出ることも。聖杯に対する願いはあるが、とても声高に言うほどのものではないらしい。
なお、お月見イベントでは、マリーの胸の話題になった途端に急にテンションが上がって食いついたり、一人だけアマデウス仮面の正体に気がつかなかったりと、かなりの天然。
能力
アサシンとして召喚されたが、厳密に言えば暗殺者ではなく処刑人である為か、アサシンのクラス別スキル「気配遮断」のランクは低い。しかし斬撃を相手に気づかせないほどの卓越した剣士であり、固有スキル「処刑人」によってその刃は「悪」属性の敵に対してより効果を発揮する。
独自に編み出されたサンソン家の医術を会得しており、医者としての顔も持っていた彼の医療技術は平均的な水準を上回っていたとされ、スキルにもその名残が見られる。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
アサシン 主人公 (Grand Order) D D C D A B 気配遮断:D 処刑人:A++
医術:A→A+
人体研究:B

宝具

死は明日への希望なり(ラモール・エスポワール)
ランク:A
種別:対人宝具
レンジ:1~10
最大捕捉:1人
由来:罪人を斬首する処刑器具ギロチン。
真の処刑道具、ギロチンの具現化。死ぬ確率は呪いへの抵抗力や幸運ではなく、「いずれ死ぬという宿命に耐えられるかどうか」という概念によって、回避できるかどうかで決定される。
いわゆる「精神干渉」系の宝具であり、戦死ではなく「処刑された」という逸話がある英雄には不利な判定がつく。
中距離レンジ以内で真名を発動させると、ギロチンが顕現し、一秒後に落下して判定が行われる。
標的が判定に失敗した場合はギロチンはそのまま落ち、首が刎ねられる。
ゲームでは、敵単体に超強力な攻撃に加え、低確率での「即死」と防御力ダウンの効果を持つ

真名:シャルル=アンリ・サンソン

シャルル=アンリ・サンソン。パリにおいて死刑執行を務めたサンソン家四代目の当主。十八~十九世紀の人物。
フランス革命期という激動の時代、人道的配慮を突き詰めた処刑器具『ギロチン』を用いて、文字通りフランスの歴史に名を連ねた人物から無名の人まで、あらゆる階層の人間を斬首し、結果的に歴史上二番目に多くの死刑を執行した。
処刑人は代々継承されるものであり、彼は四代目にあたる。
暮らしこそ貴族に並ぶほど豊かだったが、「死刑執行人」という低い身分であるのと、人間を処刑する職業故に周囲の人々の偏見と無理解から蔑まれることも多く、若き日の彼は苦悩していた。
国王ルイ十六世と王妃マリー・アントワネットを敬愛し、彼らが治める国民をこよなく慈しみ、処刑によって培かわれた最先端の医療技術を貧しい人々に無償で提供していたが、激動の時代はシャルルの平穏を許さなかった。
フランス革命が起きてもなお、処刑者の職務を押しつけられた彼は、やがてフランス国王とその妃の処刑に立ち会い、執行する事となった。
しかし彼にとっても衝撃が激しかったらしく、処刑後、神父たちに懇願してミサを執り行った。それはフランス革命においては死罪に匹敵する「反革命的犯罪」であっても、彼はミサを繰り返し行った。
ルイ十六世とマリー・アントワネットの処刑を決めたマクシミリアン・ロベスピエールが、後のテルミドールのクーデターによって失脚し処刑される際にも、サンソンが処刑を執行した。
なお、彼は当時としては異例の平等論者だったとも記されている。彼は医者に見放された患者を救い、刑を執行される人間に苦痛と後遺症がないように研究を積み重ねた。
例えそれが、誰にも省みられない、報われぬものだったとしても。彼は苦痛に耐えて、「処刑人」という役割を全うし続けた。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order
メインストーリーでは1章に登場。ジャンヌ・オルタの尖兵として召喚された。

その他

ちびちゅき!
学生役。体育祭ではマリーと同じ組になりたいが為に(髪型で組を分ける予定だったので)髪型をリボンでツインテールにする暴挙に出た。

人間関係

Fate/Grand Order

マシュー・ホプキンス
亜種特異点Ⅳで共演した相手。
セイレムで往診の許可を取りに行ったのをきっかけに、処刑等について頻繁に意見を交わしていた。

生前

ルイ16世、マリー・アントワネット
敬愛する者達。フランス革命の動乱において彼らの処刑に立ち会う事となる。
とりわけマリーに対しては普段の人物像とは想像もつかない程の執着を見せている。
シュヴァリエ・デオン
同時代を生きた王党派の騎士。王家への敬愛の念は共通しているが、サンソンがマリーをギロチンに掛けた張本人という所には事情は理解しつつも分かち難い溝がある。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
犬猿の仲。人間への考え方もマリーとの関係も全部ひっくるめて互いに相容れない存在。
死を与える処刑人としては葬送曲という芸術で死を貶める彼は気に食わないらしく、ともにマリーと関わりがあったこともあって敵視している。
ジョゼフ=イニャス・ギヨタン、アントワーヌ・ルイ
ギロチンを処刑に導入するためにサンソンに協力した提案者と発明者。
ナポレオン
晩年に出会ったフランス皇帝。
ルイ16世を敬愛していたためか、彼の事は「陛下」とは一切呼ばなかったとか。
シャルロット・コルデー
生前ギロチンに掛けた女暗殺者。回想録で印象に強く残った者として記録している。

名台詞

Fate/Grand Order

「僕は貴方の刃でありますが、同時に貴方を量る天秤でもあります」
マイルーム・初期の会話。前述の複雑な心境から、やはり距離感がある。
「首を刎ね、血に染まった手。そんなものに触れて何になると?」
マイルーム・絆レベル2にて。職務の名の下に多くの命を断罪した生前故か、その反応はまだつれない。
「罪人の命と罪を分かつ。それが自分の役割なのだと誓い続けてきた人生ですが……
 怖いですね、あなたの目は僕の迷いをあぶり出すようだ」
マイルーム・絆レベル3。
「貴方の刃は、曇りなく正しい。地獄の底まで、天の果てまでつきあいましょう」
マイルーム・絆レベル5。
「どうか聞かせてくれマリー。僕の断頭はどうだった? 君、最期に絶頂を迎えてくれたかい?」
処刑人の家に生まれ、処刑の技量を磨き抜いた果て。罪人に苦しみを与えないという当然を越え、文字通り死ぬほど気持ちいい処刑を心がけた彼が、生涯最高の一振りを向けた相手に尋ねる問い。どう聴いても変態である。
この発言時の彼は”竜の魔女”によって狂化していたので生前からこうだったわけではない、と、信じたいが……。
「マリー……マリー! マリー! マリア! やはり君と僕は、宿業で結ばれているようだ……! それが僕には、堪らなく嬉しい……!」
マリー・アントワネットを所持している状態で発生するマイルームの特殊台詞。
他の台詞は落ち着いたものばかりのなか、この時だけは狂化が付されていないのにも関わらずテンションがおかしい
「――詳しく! そのあたりの話、詳しく! 医学的に重要な資料になるからね!」
「マリーはたくさん食べると太らずに胸だけが大きくなる」「成長するとフランスでもトップクラスのからだになる」と聞かされた時の反応。彼は大人になった後のマリーと直に会っているはずなのだが。
「……神への祈りはもう随分昔に済ませました。これは、僕が手をくだした者たちへの祈りです――――。」
「……僕は多くの者の命を奪ってきた。彼等は罪を犯し、王に反逆し、神に背いた。そんな奴等、死刑囚に与えられるのは死で十分だ。その断罪は一切の希望が失われることなのだから。それ以上に深い絶望があるだろうか」
「けれど、僕は彼らに余計な苦しみを与え続けた。衆目の前で、辱め、死よりも恐ろしい苦痛を与えた」
「これは僕に与えられた得がたき贖罪の機会だ……」
「亜種特異点Ⅳ 禁忌降臨庭園 セイレム」において、マシュー・ホプキンスを殺害したラヴィニア・ウェイトリーを庇って拘束され、丘で住人たちに処刑される直前に語った彼の最期の言葉。生前に誰よりも人間を愛していながら、処刑人としての責務を全うし続けなくてはならなかった彼の本心と苦痛。終ぞ誰からも裁かれることはなかったその生涯は彼にとって何よりも耐え難い物であった。そして、いつ誰が裁判で処刑されるか分からないこの状況からカルデアの仲間たちを、大切なマスターを守る為…彼は己の命と誇りを捧ぐ。
余談だが主人公だけでなく、キルケ―やマタハリ、マシュが必死に彼を助けようと模索するなか、ただ一人…ロビンフッドだけは彼の行動が自分を含めたメンバー全員を守る物だと理解していた。セイレムに赴く前から反目しあっていた二人ではあったが、そこには確かな信頼があった。

その他

サンソン「(アレはアマデウスの超推理モード……!
     アマデウスは推理をする時に霊基再臨その3になる事で、こわ、アマ3こわ!
     と言われるほどのトランス状態になるんだ!)」
アマデウス「じっ―――――」(じっとサンソンを見抜く)
サンソン「はじまるぞ、アマデウスの名推理が……! 一体どうなってしまうんだ――――!」
アマデウス「じ―――――っ」(さらにサンソンを見抜く)
カメラ、サンソンの足下にズーム。マリーのガラスのヒールを履いている。
画面暗転の後、処刑台に連れられていくサンソン。
サンソン「確かにボクはマリーに関してのみ変態さ…… でもこれだけは覚えていてほしい。
     ボクもマリーの魅力に踊らされた、被害者だという事を……」
竹箒日記より[出 1]。ついに公式最大手からネタにされてしまった。さらに担当イラストレーターのしまどりる氏が自身のTwitterにてイラスト[出 2]を掲載している。―――どうしてこうなった。
元ネタは漫画『ギャグマンガ日和』の「名探偵うさみちゃんシリーズ」より。
一応のフォローとして、元ネタのキャラクター「クマ吉くん」は女子の私物を盗むのは勿論、露出、ストーカー、盗撮などの犯罪行為を何人もの女性に行っている救いようもない変態だが、サンソンがおかしくなるのは本人が言っている通りにマリーに対してのみである。

メモ

  • 処刑人という血なまぐさい生業であったがサンソン自身は残酷を好まずむしろ人権派であった。若い頃は自ら刀を使って罪人の首を斬っていたが、失敗した際に罪人に耐え難い苦痛を与える事を憂慮し「より人道的な処刑方法」をサンソンが議会に上表したことがギロチン発明のきっかけであったという。
    • このギロチンの発明で死刑が単純化・効率化され、自身が人類史史上2番目に多い死刑を執行した(約2700人)人間となったのは皮肉という他無い[注 2]。死刑制度自体の廃止を上表した事もあったがこちらは終生受け入れられることはなかった。[注 3]
  • 熱心な王党派として知られており、フランス王室への敬愛の念は強かったがロベスピエールらジャコバン派の台頭によってルイ16世やマリー・アントワネットの処刑も「仕事」として執行しなければいけなかった。
    自身が粛清の危地に立たされることも厭わずに死刑執行後に堂々とルイ16世の弁護を行った投書を新聞社に送ったり、極秘でルイ16世鎮魂のミサを行ったりしたほどである。
    • たとえ敬愛する王家の人間であった人物でも淡々と死刑を執行し続けた彼ではあるが旧交のあったデュ・バリー夫人(若い頃に男女の関係であったとも言われる)の処刑だけは正視するに耐えず、息子に任せたことがある。
    • 王党派である事を隠しもしなかったサンソンであるが粛清の嵐を逃れ、最終的には革命の立役者であるロベスピエールやサンソンに死刑の執行を指示してきたジャコバン派検事らも尽く断頭台にかけることになり、激動のフランス革命の生き証人としてその全てを見届けた。
  • サンソンは晩年、フランスの若きカリスマとなっていたナポレオン・ボナパルトと謁見する機会があったが、そこでナポレオンに「余に対して反乱が起きたらそなたはどうする?」と問われたところ「私はルイ16世も処刑した男です」と答えた。社会の動乱によって天秤が真反対に揺れたとしても淡々と「処刑」という仕事をこなすだけだと言い切ったサンソンにナポレオンは気味悪さを感じてサンソンを部屋から追い出したという。
  • 『Grand Order』の作中でも多少触れられるが、サンソンは個人的な趣味として音楽をたしなんでいた。後々ギロチンを制作した事で名が知られるシュミット工房も元々はサンソンの友人であるチェンバロ職人、トビアス・シュミットにサンソンが個人的なツテでギロチンの作成を依頼したことに始まる。
  • 二段階以上になると肩に馬を模したデザインの刃があしらわれるが、これはしまどりる氏曰く「八つ裂きの刑」のエピソードに由来するとのこと。
    • 「八つ裂きの刑」とは当時世界各地で行われた最も重罪な死刑法の一種で、被処刑者の四肢を牛や馬などの動力源に結びつけ、それらを異なる方向に前進させることで肉体を引き裂くという方法で「酷刑」「恐怖の馬走」とも言われる。サンソンが関わったのはこの内ロベール=フランソワ・ダミアンの処刑であり、サンソンはこの時の様子を詳細な手記を残していたという。
  • 同じく二段階以上になると、手に大ぶりの剣を持つ。銘には「Épée de Justice」と剣の先端に刻まれていることから、フランス・パリの死刑執行人であるサンソン家が司法省から授けられたという「処刑人の剣」に由来すると推測される。

脚注

注釈

  1. 基本的に「僕」であるが、稀に「私」も使っている。
  2. 人類史上、最も多くの死刑執行を行ったのはドイツのヨハン・ライヒハートで、ヴァイマール共和国からナチス時代にかけて3165人の死刑を執行している。彼が処刑した人物には重罪犯や反ナチスの活動家の他に156人のナチス戦犯が含まれている。
  3. フランスで死刑制度が廃止されたのは1981年だが、最後の死刑執行が行われたのは1977年である。

出典

リンク