永久凍土帝国 アナスタシア

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永久凍土帝国 アナスタシア
副題 獣国の皇女
異聞深度 D
年代 AD.1570

概要

Lostbelt No.1。カドック・ゼムルプスの担当地区であるロシアに発生した異聞帯。通称「ロシア異聞帯」。氷河期が訪れた地球で延々と歴史を積み重ねた人類史。
異聞帯の王はイヴァン雷帝。異聞帯としては不安定だが、王である雷帝は異聞帯の王の中でも最上級の代物とされる。異聞帯の中心には空想樹・オロチが生えているが、雷帝が空想樹の必要性を認めていないため、この異聞帯だけ空想樹が根付いていない。
分岐点は450年前の隕石落下で、舞い上がった塵によって空が覆われ、大寒波が発生し、その結果終わることのない氷河期が訪れた。地球上はどこへ行っても極寒の銀世界となっており、年がら年中吹き荒れる吹雪も、汎人類史のそれとは比べ物にならず、外気温はマイナス100度、下手をすればマイナス120度と、人間が防寒具もなしに外に出れば二分と持たない極寒地獄となっている[出 1]
また、異聞帯を包むスーパーセルは白紙化地球と異聞帯とを隔てており、あらゆる電波はそこから発せられるオーロラに阻まれ、嵐そのものも核爆弾級のエネルギーを有するため、物理的な突破は不可能[注 1][出 2]。当然ながら青空も見えない。 そんな過酷な環境で普通の生き物が生きていく事は極めて難しく、強靭な生命力と繁殖力を持つ魔獣という上位種が存在したこともあって、500年前までは存在した犬猫などはとっくの昔に絶滅している。ただし、ハエはこの極寒の地でも生き延びており、肉を発見するとすぐさま喰らいつく獰猛さを持っている。
絶え間ない吹雪と魔獣の脅威に対抗するため、人間は独自の進化を遂げてヤガとなり、旧種であるヒトは伝説として細々と語り継がれるのみである[出 2]。この世界の地球はもはや“人間”という古い種では生き残る事のままならない環境となり、寒さに慣れていない国は呆気なく滅びてしまったという。元々国土の多くが寒冷地で、常に寒さに対する備えがあったロシアはすぐに滅んだりはしなかったものの、それでも人口の九割近くが失われ、国そのものが消えてなくなる一歩手前まで追い詰められてしまった。当時の君主であるイヴァン雷帝魔術師と協同で対策を練り、ロシアの人間に魔獣と人間の合成術を施したことで“ヤガ”は誕生した。しかし、ヤガの生死のサイクルはゆっくりと、だが確実に早まっている。
この世界において、脆弱さは邪悪であり、死は敗北であり、強靭さこそが正義と讃えられる──まさに弱肉強食の理論を突き詰めたこの世の地獄である[出 2]。弱者の存在は「強者にとっての肉にすらならない」と言う意味を込め、ヤガたちはこの世界の法則を弱肉強食ですらなく「強食」とのみ表現する。
体制側に対する反乱分子への弾圧も目に余るものがあり、皇帝と親衛隊に従わない者や反抗な態度をとった者に対する財産は没収や家屋の焼却はまだマシな方で、最悪の場合処刑されることもある。恐怖による支配が布かれた450年間、叛逆軍が現れなかった時代はついぞ無く、貴族や食い詰めた農民がなっていたが、殺戮猟兵に虐殺され、常に無駄に終わっている。しかし、アタランテ〔オルタ〕が率いるようになってからは、従来と比べて一端に戦えるようになっているという[出 3]

異聞帯の人物

イヴァン雷帝
異聞帯の王。最初のヤガであり、500年に渡って君臨している。
パツシィ
変わり者のヤガ。

メモ

脚注

注釈

  1. FGO世界における現在の人類の技術であの規模のスーパーセルを突破できる乗り物は開発されておらず、ましてやシャドウ・ボーダーでは脱出はできない。

出典

  1. 『永久凍土帝国 アナスタシア』第1節「獣たちの帝国」及び、第17節「もはや雷光ではなく」。
  2. 2.0 2.1 2.2 『永久凍土帝国 アナスタシア』第1節「獣たちの帝国」
  3. 『永久凍土帝国 アナスタシア』第2節「ヤガ」

リンク