渡辺綱

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セイバー
真名 渡辺綱
読み わたなべのつな
外国語表記 Watanabe-no-Tsuna
異名 源氏綱、渡辺源次
性別 男性
身長 180cm
体重 77kg
好きな物 特になし
苦手な物 無用な殺し合い、血風の戦場、人間相手の手加減
天敵 茨木童子
出典 史実
地域 日本
属性 中立・善
副属性
一人称
二人称 あなた
三人称 彼/彼女
声優 赤羽根健治
デザイン
設定作成 東出祐一郎
レア度 ☆4
初登場作品 Fate/Grand Order
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概要

剣士」のサーヴァント。

略歴
『地獄界曼荼羅 平安京』にて、聖杯戦争に参加する天覧武者の一人としてメディア〔リリィ〕を召喚し、同じ四天王の卜部季武、碓井貞光を撃破していた。その後レイシフトしてきた主人公の事も天覧武者と看做して執拗に狙うも、鉢合わせた金時に諭され一度は見逃す。
人物
白装束姿の検非違使の男性。
四角四面の真面目な性格。
源氏の名を頂く武人として、京の都を守護する者としての仕事であり、毎日朝に出勤して京を見回り、鬼がいればそれを斬り、そして帰宅する。その繰り返しである。現代に生まれていれば、仕事を完璧にこなすビジネスマン(常に定時退勤)。
どんな状況であろうとも鍛錬は決して怠らず、技量を向上させ続ける、怪物的な人間。
人の営みは理解しているが、人の営みに自分が交わろうとは思わない。人の感情は理解しているが、それが自分に存在するかどうかもあやふやである。
厄介なことに、これは感情がないのではない。仲間や無辜の人間を命懸けで助けることはあるが、綱はそれを強烈な感情の発露として助けるのではない。言うなれば救助することを常としてプログラムされたロボットのようなもの。「そうしなければならない」から、「そうする」のであり、ただそれだけなのだ、と本人は言う。
人間という枠組みに、自己を置いていないせいか、鬼より人を斬る方が難しく感じている。以前、金時たちにそう零したことがあるが、当然のように絶句された。
幼い頃からの欠落者であり、はぐれ者。頼光四天王であること、武士であること、鬼を斬ることが、かろうじて自身を人間らしく見せている、と認識している。
ただし金色の髪を持つ、爛漫にして残虐な鬼のみが唯一無二の例外である。今は彼女だけが、綱の底にある感情を掻き乱す。
上記のように真面目な人物なのだが、トンチキな状況や冗談に対しても真面目に対応しようとするため、実際にはかなりの天然に見える。
能力
頼光より借り受けた宝刀「鬼切安綱」と、鬼退治により培った剣術を用いる。
その剣術には非常に卓越しており、頼光をして剣術では一歩譲ると評するほど。

ステータス

クラス マスター 筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具 クラス別能力 保有スキル 備考
セイバー 主人公 (Grand Order) B+ C A+ C B B 対魔力:A
騎乗:B
無窮の武練(対魔):A-
水天の徒:B
一条戻橋の腕斬:EX

宝具

大江山・菩提鬼殺
ランク:A
種別:対鬼宝具
レンジ:1
最大捕捉:1人
魔性、中でも鬼殺しに特化した一撃。
渡辺綱は決して魔術師などではなかったが、こと鬼に対してのみ、九字切りなどで自身への暗示をかけ、一撃で絶殺することが可能になった。
頼光や金時とは違う、人としての技量のみで行う鬼殺し。
『Grand Order』では「自身に〔魔性〕特攻状態を付与(1ターン)<オーバーチャージで効果アップ>+敵単体に超強力な〔鬼〕特攻攻撃[Lv]」という効果のBuster宝具。
鬼切安綱
ランク:C
種別:対人宝具
レンジ:1
最大捕捉:1人
元は頼光から預かった源氏重代の名剣。以前の名は『髭切の太刀』。鈴鹿御前との戦いに使用されたとも。
茨木童子の腕を切断した後しばらくして、髭切から鬼切へと改名した。
対魔・対鬼への特攻を持つ。
鞘から抜かれたこの剣を見ただけで、鬼種は無条件にランクBの重圧を受ける。ランクB以上の精神汚染、狂化、あるいは精神防護系のスキルがない限り、重圧からは解放されない。
『Fate/Grand Order』では基本的に通常武器としてしか使用されず、シナリオでも茨木童子の腕を斬り落とした経緯が正史と天覧聖杯戦争(特異点)でやや異なっているためもあってか、終始元の名である「髭切」と呼んでいる。

真名:渡辺綱

渡辺綱。平安中期に活躍した武士。
源頼光の配下である坂田金時、碓井貞光、卜部季武と共に頼光四天王として活躍し、中でも綱は頼光の信任がもっとも厚い武士であり、三人からも兄のように慕われていた。
先祖の源融は紫式部が執筆した『源氏物語』の主人公・光源氏の実在モデルだったとされ、綱もまた美男子として有名であったとされる。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order
2部5.5章『地獄界曼荼羅 平安京』にて登場と共に実装。
期間限定イベント『聖杯怪盗天草四郎』では聖杯奪取作戦の突破口として大きな役割を果たした。

人間関係

Fate/Grand Order

メディア〔リリィ〕
2部5.5章で自身が召喚したサーヴァント。
綱は彼女の聡明な性格と魔術師としての有能さを買っており、メディア自身もさながら従者よりは副官のように仕えていた。
両者は一見理想的な関係に見えるが、互いとも「思慕故に相手を見定めておらず、その結果両者共に破滅してしまった」という共通点を抱えており、中盤ではそれが思わぬ形で露見してしまう。
カルデアでも平安京での記憶はないが、イアソンと幸せになってほしいと願っている。
イアソン
上記の結果「頼むから焚き付けないでくれマジで」と苦情が届き、相思相愛だと思っていたために困惑していた。
エリザベート=バートリー
「鬼界のアイドル」を自称する彼女を「立派なトカゲ」呼ばわりし顰蹙を買っている。確かに竜種の血が混ざっているので見えなくもないが…
鈴鹿御前
彼女もまた「鬼」の伝承を持つサーヴァント。
とはいえJK成分盛りだくさんな所には流石の綱も頭を抱え、「鬼とは言えない」と判断した。
その他鬼の血を引くとされるサーヴァント
非道な行いをするならば斬るが、『人』であろうとするならばそれは鬼ではない。と判断している。
ウィリアム・シェイクスピア
イベント『聖杯怪盗天草四郎』にて、聖杯奪取と相手を油断させるためにとある「細工」を施した。

生前

源頼光
かつての主君であり「鬼切安綱」の前の持ち主。
たとえバーサーカーであろうとも理性と知性は据え置きであると信頼しているが、マスターと金時関連のアレな言動は右から左に聞き流している。
坂田金時
同じく頼光四天王の仲間であり弟分。
なお召喚された際の現代知識で彼のカルデアでのファッションは「不良」であると理解してしまってショックを受けている。
茨木童子
かつての想い人の忘れ形見。
このためか、彼女に対してはこの上なく複雑な感情を抱いている。
酒呑童子
大江山の鬼の首魁であり、茨木童子の盟友。
鬼ということもあり敵であるが、茨木童子の事もあってかあまり強い感情は向けていない。
茨木童子を完全に鬼にしてしまった事には思うところはあるが、そうしなかったら早晩潰れていた事も理解しているため内心は複雑。
碓井貞光、卜部季武
同じく頼光四天王の仲間たち。
橋姫
離縁した夫の後妻への嫉妬に狂った末に鬼となった女性。後妻とその親類縁者を皆殺しにした挙げ句、見境無しに殺戮を続ける彼女を安倍晴明と共に一条戻橋にて退治した。

名台詞

Fate/Grand Order

戦闘

「臨・兵・闘・者・皆・陣・烈・在・前──我が剣、魔性を斬る物。『大江山・菩提鬼殺』!燃えろ、罪障が消滅する」
宝具発動。鬼を切る、魔性を切る。たった一つの執念が繰り出す必殺の一撃。

マイルーム会話

「『髪の色が変わった』?ああ、鬼斬安綱の影響だろう……『強くなった』?かもしれないが、大したことではない。人間なんて、そんなに簡単に強くはなれないからな。日々修行に明け暮れるしか無い」
霊基再臨3。
この時渡辺綱の髪は、元々の薄墨うすずみ色の髪の毛先が赤銅しゃくどう色に染まっている。鬼切安綱の霊力が、綱の中の信念あるいは鋼の意志を表面化させた。という事なのだろう。
でもまさか付喪神の仕業とかじゃない、よね…?
「共に戦うか、あるいは後方にいてもらうか。どちらにせよ、俺には手『綱』が必要だろう。…いや、別に駄洒落というわけではない…。ないぞ。本当だ…」
マイルーム会話。
上手いことを言ってしまったと空気で察しハッとなる綱。
いくら言葉の綾でそのつもりは本人になかったとしても、言い訳のせいでそう意識せざるを得なくなってしまう気が……
「鬼を斬る方法か?それほど難しくはないぞ。鬼の動きは予測しやすい。だから例えば、腕を伸ばしてきたなら、その腕をまず斬り、返す刀で首を斬る。それでも動くようなら、胴体と足を斬れば事足りる。簡単だろ。ん?なにか変なことを言っているだろうか俺は?」
「俺からすれば、鬼や魔性より人を斬るほうが、よほど難しいと思うのだが…。あまり賛同してくれる人間はいないな。金時ですら、何言ってんだこの人って感じの顔で見ていたからな…」
共にマイルーム会話「絆Lv4」。
前者ではさも当然にこうすれば誰でも出来ますよとばかりに『鬼の斬り方』を講義するが、まずそれが出来るのは源氏武者、強いては貴方しか居ないと言う事に気付いた方が良い。そして後者に至ってはそもそも一般人は鬼を含めた魔性のものなど早々に斬る機会などないので、全面的に金時の反応の方が正しい。
「主。いや、マスターと呼ぶべきか。1つ質問がある。俺のような面白味のない男に、どうして辛抱強く付き合ってくれたのか、さっぱりわからないのだが。何故だ?だが、貴方がそうするならば、俺も最大の敬意を持って応じるべきだろう。この身は所詮、何かを斬る包丁に他ならず、存分に使ってほしい。貴方が振るう刃が、凶刃となることはあるまい。」
マイルーム会話「絆Lv5」。
自らを「所詮はものを斬る道具」と称する源氏武者。
だが、包丁が砥石で磨かれれば切れ味が鋭く美しくなる様に、絆と信頼関係が深まれば剣もサーヴァントも強くなり、技も磨かれる。マスターは綱にそんな風にあれと願っているのだ。
「茨木童子がいる……のか。いや、会うべきではない。会ってしまえば、俺は彼女のすべてを台無しにしかねないからな……それでも、斬るべきときはいつか来る。俺の人生と剣は、いつか彼女を斬るためにあったのだ。サーヴァントとなっても、それは変わらん」
マイルーム会話「茨木童子」。
綱にとっては因縁の相手にして憎き敵も同然の鬼。
『今度こそ、その首を討ち取る。』ただ一つの信念を再確認するが、果たして「その時」が本当に来た時、綱は迷いなく剣を振るえるのだろうか…
「酒天童子がいるのか、厄介だな……金時に任せたいが、それはそれで別の問題が生じる気がする。そもそも、縄を付けていないのが大問題だ。彼女は自由にさせていい鬼ではないぞ」
マイルーム会話「酒呑童子」。
こちらも茨木童子同様に、頼光四天王と因縁のある鬼。なにか起こる前に手綱を握っておくよう主人公にも注意を促す。
そこにはその『なにかが起きた』時、金時に立ち会わせることを避けさせる意図もある。
「彼等彼女等も、鬼の血を引いているのか……過酷な生き方だっただろう──ん?『斬らないのか?』とは?鬼と人を血で区分けするなら、非道に走った瞬間をこそ『鬼に成った』と呼ぶべきだ。普段、人であろうとするなら、どうあれそれは、鬼ではないさ」
マイルーム会話「鬼の血を引くサーヴァント」。
英霊になり、主人公のもとに来たことで誰かに尽くすために鬼の血を使った者もいると知った綱。それならその者たちは『正しく力を使った』のだ。そういう英霊達もいたのだと密かに喜んでいる。
「頼光様、これより綱、我が主の配下となります。先達としてどうか色々とお教えください。鬼、魔性を斬る準備ならば、既に整えております」
マイルーム会話「源頼光」。
同じサーヴァントとはいえ相手はかつての主君であり棟梁。生前の時と変わらず礼儀正しく振る舞う。
「金時…お前、その姿は……。この時代に毒されすぎではないか?いや。むしろ、その方がいいのか……その方がゴールデンなのか……なるほど…」
マイルーム会話「坂田金時」。
誉れ高き源氏武者、しかも頼光四天王の一人がヤンキーな格好で、その上別側面は改造バイクを乗り回しているのだから、流石の綱も気持ちは理解出来たとしても頭を抱えたくなってしまった。
「頼光様、普段より身軽な衣服ですな。夏専用、風紀委員……。うーん、俺にはよくわかりませんが…何かあればご命令を。斬るべきものがあれば、斬っておきますので」
マイルーム会話「源頼光〔ランサー〕」。
主君の格好はともかくとして『風紀委員』の意図は何となく理解したらしく、いつも通りの姿勢は崩さない。
「なるほど……。角は無いが狐耳と尻尾を持ち、携帯電話を持って制服とやらを着て歩く彼女が、鈴鹿御前なのだな。うん、盛りすぎだが、ここまで盛れば鬼とは言えまい」
マイルーム会話「鈴鹿御前」。
誰もが一度は思っていることを無表情かつ淡々と言いのける綱。彼にもJKは意味不明過ぎてお手上げという事か……
「伊吹童子、か……主が斬るなと言うなら斬らない。斬れと言うならすぐにでも。いま言えるのはそれだけだなあ。いずれにせよ、命懸けの任務になるだろうが…」
マイルーム会話「伊吹童子」。
分霊とはいえかの須佐之男命も苦戦した八岐大蛇を、『命懸け』の但し書き付きとはいえ斬れそうだと思っている時点で十分に綱の方が危ない。

イベント

「日本から来た宮内庁の渡辺です。」
『聖杯怪盗天草四郎』で、状況を作り出すために身分を詐称して名乗る。
……なのだが、彼の生前の身分である内舎人は当時の立ち位置としては「宮内庁の職員」とも言えるので厳密には詐称ではないのかもしれない。
それはそれとしてごく一般的な名字が妙にミスマッチである。
「これは……やはり俺も乗る流れか……!」
『ハロウィン・ライジング!』で、歌いながら喋るエリザベート=バートリー〔シンデレラ〕と、それにまさかの相乗りをした俵藤太を見ながら一言。
大真面目な顔から出てきた天然発言に主人公も思わずツッコミを入れることになってしまった。

その他

この戦いの真実も、結末も、やがて時間の流れに消えるのだろう。
誰にも理解できない、誰にも理解されない、
俺と彼女の殺し合いを。
絆礼装『終わりと始まりのものがたり』マテリアルの最後の文章。
あの時報せを聞いた渡辺綱が駆けつけた時、文字通り『全てが終わっていた』。大切な人を殺された。殺したのは『鬼』となったあの少女だったが、綱はあの『鬼の表情』を見た時全てを悟ってしまった。
手を差し伸べるのが遅すぎた自分か、一人で何もかもを抱えていたあの人か、それとも逃げ出すことも、助けを求めることもしなかった少女か、果たして悪かったのは一体誰なのか。
それでも綱は一人自問自答の末、決めた。「あの鬼を斬るのは、自分の役割だ。」と…
礼装のイラストからも垣間見える、一人の武士と金髪の鬼との、いつかは忘れ去られてしまうであろう悲しい因縁。

メモ

話題まとめ

  • 源頼光より借り受けた太刀「髭切」は元々、頼光の父満仲が打たせた一対の片割れで、罪人を用いた試し斬り(後ろ手に縛って跪かせた罪人の上半身を前傾させて斬首する)の際に首と一緒に顎鬚まで断つという切れ味の良さ(普通なら毛の表面で滑ってしまうはずである)により髭切と名付けられていたが、この太刀を借り受けた綱が鬼の腕を斬ったことで「鬼切」と名を変え、その後も源為義の代に「獅子の子」「友切」と名を変えていったが、源義朝の代になると保元の乱・平治の乱を経て源氏の勢力は衰え、その原因を八幡大菩薩に問うたところ「友切という名は縁起が悪い」と夢のお告げがあり名を「髭切」に戻したという。
    • FGOでは「鬼切安綱」としているが、兄弟刀の「膝丸/薄緑」同様、「髭切/鬼切(丸)」とされる太刀も複数存在しており、安綱銘のものは京都の北野天満宮が「鬼切丸」の名で所蔵している。
    • なお北野天満宮の鬼切丸には「安綱」の銘に手を加えて「国綱」に変えた形跡が残っている(北野天満宮側も学術的な場では「伝安綱」と表記する)。江戸時代以前の所持者はかつて奥州に勢力を誇った大名・最上家であるが、駒姫の父である最上義光の頃に当時名刀として名高かった太刀「鬼丸国綱」との混同を狙ったとも、武家の頭領の証である鬼切丸を召し上げようとする豊臣秀吉に対して違う刀であると言い抜けるために変えたとも、諸説ある。

脚注

注釈


出典


リンク