ハサン・サッバーハ

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概要

イスラム教の伝承に残る「暗殺教団」の教主。通称「山の翁」。
ハサン・サッバーハという名前は教団の教主に代々襲名されてきたものであり、聖杯戦争においてはこの名前を襲名した複数のハサンの中から誰か1人が召喚される。

暗殺者の語源というべき存在であり、冬木の聖杯戦争ではアサシンというクラス(もしくはアサシンという言葉)が触媒となり、必ずハサンが召喚される。

歴代当主は19人いたとされ、彼らは誰が「最強のハサン」なのかを競っており、自らの秘伝を同じ「ザバーニーヤ」という宝具に隠している。

キャラクターとして登場したのは以下の9人。ただし、“山の翁”は他とは異なる在り方をしている。(後述)

名前 宝具 初登場作品
呪腕のハサン 妄想心音 (ザバーニーヤ) Fate/stay night
ハサン・サッバーハ (hollow) 空想電脳 (ザバーニーヤ) Fate/hollow ataraxia
百貌のハサン 妄想幻像 (ザバーニーヤ) Fate/Zero
静謐のハサン 妄想毒身 (ザバーニーヤ) Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ
ハサン・サッバーハ (Fake) Fate/strange Fake
煙酔のハサン Fate/Grand Order
震管のハサン Fate/Grand Order
影剥のハサン Fate/Grand Order
“山の翁” 死告天使 (アズライール) Fate/Grand Order

メモ

  • ハサン・サッバーハはそれぞれが特別な技を修めた達人であり、その秘技に応じて「○○のハサン」という異名で呼ばれることもある。実際に、多数のハサンが登場する『Fate/Grand Order』では異名で表記することで区別化されている。
    異名が判明していないハサン・サッバーハ (hollow)とハサン・サッバーハ (Fake)、異名しか判明していない煙酔のハサン、震管のハサン、影剥のハサンについては同一のハサン・サッバーハである可能性もある
  • 「ザバーニーヤ」とはイスラムの伝承に登場する天使のこと。19人が存在し、地獄の管理をしているとされる。
    ハサン・サッバーハが19人存在するという設定はこれをモチーフにしたものと思われる。
  • 初代ハサンである“山の翁”は19人いるハサンの中でも特別な存在で、彼は歴代のハサンが治めた暗殺教団の本拠地にひっそりと生き続け、代々の翁がその長としての役目を果たせないと判断されたときその長を殺す、「山の翁にとっての山の翁」「ハサンを殺すハサン」である(静謐の最期の一つとして語られている「将軍がふと目を離した隙に何者かの手で斬殺されていた」説はおそらく彼によるもの)。また、ハッキリとではないがソロモンに続きグランドクラスの存在であることが示唆されている。グランドクラスである以上当然ではあるが、太陽のもとにいたガウェインまでも圧倒して見せるなど、直接戦闘を不得手とすることが多いハサンたちの中でも規格外の力を見せた。
    • 宝具名も他のハサンと違い、「アズライール」という名前になっている。これはイスラムの伝承に登場する天使の名前で、死を司ると伝えられる。
  • Fate/strange Fake』には「妄想幻像」を除いた18個のザバーニーヤを全て習得したアサシンが登場し、未登場のハサンのザバーニーヤ「夢想髄液」「狂想閃影」「断想体温」「瞑想神経」を使用している。また上記の宝具が判明していないハサンたちの中にこれらのザバーニーヤを使用するハサンが存在する可能性もある。
    • 『Grand Order』では「山の翁」はその代の暗殺者達の頂点がなるもので、何か一つ、誰にも真似のできない『業』が必須となることが判明。
  • Fate/Prototype 蒼銀のフラグメンツ』に登場する静謐のハサンはいくつかの候補設定の中から奈須氏が選んだものなのだが、その候補ハサンの中には「輝く星のハサン」という爆殺タイプのアサシンが存在したらしい。没キャラクターであるため設定として存在しているかは不明。
    • 字面、及び宝具の効果からあくまで説の一つとしてだが「震管のハサン」かつ「空想電脳」のハサンのことではないか、という推測がある。信管と震管、爆殺タイプの宝具という設定に対し相手の脳を爆薬に変える「空想電脳」という宝具がマッチするためである。
  • 作者のひろやま氏が「プリヤの設定が原作側に反映されることはあり得ない」としている『Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ』には宝具「亡奏心音」を持つハサンらしきアサシンのクラスカードが登場している。
    • 後に同作品内におけるアサシンのクラスカードは個別の英霊ではなく、「ハサン・サッバーハ全体と繋がっているカード」であることが判明。
      使用者に近しい、または縁のあるハサンのどれかに繋がる仕組みになっている。また、ハサンの性質が混じったり変質したりすることもあるという。
      劇中ではイリヤ百貌のハサンに、美遊静謐のハサンに変身している。また慎二呪腕のハサンらしき者に変身しているが、容姿・能力・宝具に大きな違いが見られることから、前述した性質の混同や変質が発生している可能性が高い。
  • 世界各地で亜種聖杯戦争が行われている『Fate/Apocrypha』の世界では、初期時代にはマスターの暗殺を行うハサンたちが猛威を振るい、召喚したハサンの能力を最大限に活用して3日で聖杯戦争を終わらせた強者も存在するなど俗に「暗殺者の春」と呼ばれるような状況だった。しかし、そのためにマスターたちは死に物狂いでハサンに対する防護を強化し、19人のハサン全員の能力に対策を講じ、最終的にはハサンの召喚=「その対策をハサンが潜り抜けて聖杯を勝ち取るか、その対策にハサンが撃退されて死ぬかのどちらか」というギャンブル的なサーヴァントとして扱われるようになった。
    • …初代“山の翁”が『Apocrypha』時空において召喚に応じたことがあるのか、そしてもしそうだとしたらあらゆるサーヴァントの中でも規格外の実力を持つ当人の対策はどのようなものだったのか、果たして大いに気になるところである。
  • どの代のハサンであるかは不明だが、獅子心王とその好敵手(おそらくサラディン)と共闘する形で第三次十字軍の戦場に襲来した死徒を討ち滅ぼしたハサンがいるとのこと。
  • 『Grand Order』におけるアサシン教団はその発端こそ同じではあるが、以後の活動は史実とは異なっている。
    発端となる教団の成立は、11~12世紀に生きた初代ハサン・サッバーハがイラン中西部のアラムート城砦を拠点に自らの教派を率いたところから始まっている。
    • 発端以後は史実と異なると書かれている通り、実際の教団(つまりイスラム教シーア派のイスマーイール派・ニザール派の宗教組織)とは活動内容も時代背景も異なっている。史実ではモンゴルのフレグなどによって拠点を全て失っているはずの1273年頃に呪腕のハサンが頭目を務めていることから、以降も19代目である百の貌のハサンまで教団が存続している節が見られる。

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