シャの国
概要[編集 | ソースを編集]
ヒマラヤ山中、ガンジス河の源流にある王国。正式名称は「シャンバラ」。
人口数万人程度の小国で、その存在を知るものは一部に限られ、普通の地図にも載っていない。
当然、国際的に認知された正式な国家ではないことになる。
立地[編集 | ソースを編集]
ヒマラヤ山中に存在している。
単純に奥地にあるというだけでなく、純粋な座標としてヒマラヤの地中に位置しているはずなのだが、かつて山嶺法廷が設置した思想盤の影響のためか、普通に青空が広がっている異空間になっている。
国の山中には巨大な「柱」があるが、これは聖槍と同じ「世界を縫い留めるもの」としての性質を持つ。シャの国の人々からは「針」と呼ばれ、信仰の対象になっている。
この「針」には仙人が住んでいると言い伝えられ、山嶺法廷による星冠密議(グランドロール)が開催される場所でもある。
特徴[編集 | ソースを編集]
住民は外の世界の人間とは遺伝子が若干異なっており、肉体の一部が人間以外の動物に置き換わっていることもある。
それでも変化はごく一部に留まっており、頭部が丸ごと入れ替わるようなレベルのものは数十年に一人ほどとのこと。
肉体が置き換わっている者は呪術と類似した何らかの異能を持っていることがあるが、住民にとっては祝福として受け取られており、ごく当たり前の才能として扱われている。
文化[編集 | ソースを編集]
基本的には鎖国していて外の世界とはほとんど交流がないためか文明のレベルはあまり高くはない。
その一方で外部からの来訪者は新しい遺伝子が入ることを意味しているからか歓迎されることが多く、また国外へ行くものもごく一部の例外ではあるがいる模様。
実は交流ルートが確立されていて国外の動向には目を光らせており、現代社会や時計塔の状況についてはかなり正確な知識を持っている。
近年は宰相ザルザラの開国政策のために近代化が進んでおり、街中ではバイクや三輪オートリクシャーが走るなどしている。ただし発電施設が無いようで電気は使われていない。
関連人物[編集 | ソースを編集]
住民[編集 | ソースを編集]
- バルバド王
- 現在の国王。
- 外の世界にも詳しい聡明な人物で国民の多くに愛されるが、2年前に何者かに毒を盛られた。表向きは急死したことになっているが、実は死んでおらず医師団の処置により仮死状態のまま現在に至る。
- アヴィダヤ
- 王女。年齢は15歳程度。
- 上記のバルバド王の毒殺騒ぎのために、ペペロンチーノの手引きで国を抜け出してきた。エルメロイⅡ世たちの助力を得て国に戻り、毒殺事件の犯人を突き止めるべく奮闘する。
- アヴィダヤというのは無知という意味で、偽名であり、本名はシュリ。
- 予測の未来視の力があり、自分が余命いくばくも無いことを予知している。
- ヤシャクラマ
- 軍団長(セーナーパティ)。
- 身長2メートル、体重120キロを越える大女。頭部は雌虎のそれで、右目が潰れている。
- 戦闘狂なところがある強力な戦士で、右腕を大斧に変えたり、獣毛を自らの分身として生み出すなどの呪術も使う。
- ダルマス
- 司祭長(プージャリ)。
- 蛇の頭を持った男性。身長2メートルを優に超え、太い手足を持つ巨漢だが、物腰は丁寧で柔らかい。
- ザルザラを退けてアヴィダヤに女王として統治してもらおうと目論む。
- ザルザラ
- 宰相(マハーマントリ)。
- 中肉中背で、眉間から蝶の触覚を人間サイズにしたものが2本生えている男性。バルバド王の弟でもある。
- 毒殺事件後、王母シャンタの援助を受けて独裁体制を敷き、王護隊を解散させ、軍の9割を押さえる。外部への興味が強く、開国政策を進めている。
- 巧みな政治力と演説の力で、クーデターめいた政権奪取にも関わらず民の不満は少ない。
- 触覚を使って隠れている相手を探し出したり、相手の感情を読み取ったりできる。
- なおザルザラ・ダルマス・ヤシャクラマは同じ学び舎出身の幼馴染で、かつては三人組として仲が良かった。
- ビシュラガ
- 王護隊の元隊長。ヤシャクラマの武術の師匠でもある。
- 七十歳を越えるであろう老人で、額の片側から犀のような角が生えている。
- 自分の長い髪で作られた槍や鋼鞭剣(ウルミ)を武器とする。
- 己の血から何十人もの武装した骸骨の兵士を呼び出して高度な戦術行動を取らせたり、背中から4本の腕を生やして数百の魔弾を無傷で防いだりと、強力な呪術師でもある。
- ザルザラが毒殺事件の犯人と確信して、彼を襲撃する。
- シャの国で唯一「針」に登ったことのある人物で、ムシキの弟子。
その他[編集 | ソースを編集]
- スカンジナビア・ペペロンチーノ
- やけになって世界中の山をめぐっていた時にシャの国に迷い込み、そこでバルバド王との親交を得た魔術師。
- アヴィダヤを国外に逃がし、後にエルメロイⅡ世一行をシャの国に案内した。
- カルマグリフ・メルアステア・ドリューク
- 時計塔の鉱石科のロード。
- 彼からの助言を受けてバルバド王は大規模な治水を行い、多大な成果を上げた。
- 現在は助手のティカと共にザルザラに協力している。
- ズェピア・エルトナム・アトラシア
- 娘と共に星冠密議に出席するためにシャの国に訪れていた。ビシュラガと組む。
関連組織[編集 | ソースを編集]
- 山嶺法廷
- 国の設立に大きく関わっている組織。
- 山嶺法廷にとって重要な儀式である「星冠密議」が久しぶりに開催され、新たなルールを付け加えることを決議するという。
言及作品[編集 | ソースを編集]
メモ[編集 | ソースを編集]
- 『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』のアニメ版で魔眼蒐集列車の乗客として頭部が象やカエルのものになっている人物が登場していたが、この国の人間との関係は言及されていない。勿論、単なる被り物である可能性も否定できないが……
脚注[編集 | ソースを編集]
注釈[編集 | ソースを編集]
出典[編集 | ソースを編集]