「オーロラ」の版間の差分

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{{登場人物概要
 
{{登場人物概要
 
| 読み =  
 
| 読み =  
| 外国語表記 =  
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| 外国語表記 = Aurora
 
| 別名 =  
 
| 別名 =  
 
| 初登場作品 = [[Fate/Grand Order]]
 
| 初登場作品 = [[Fate/Grand Order]]
| 声優 =  
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| 声優 = こおろぎさとみ
 
| 演者 =  
 
| 演者 =  
 
| 種族 = 妖精國の妖精/風の氏族
 
| 種族 = 妖精國の妖精/風の氏族
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;略歴
 
;略歴
 
:Lostbelt No.6『[[妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ]]』で妖精國の都市のひとつ、ソールズベリーの君主にして「風の氏族」の氏族長として登場。
 
:Lostbelt No.6『[[妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ]]』で妖精國の都市のひとつ、ソールズベリーの君主にして「風の氏族」の氏族長として登場。
:人間に厳しいことを言う[[コーラル]]と比較しても主人公一行に好意的に接していた。
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:前編では[[オベロン]]に付き添われてやって来た主人公一行の事情に理解を示して協力を約束するなど、人間に厳しい事を言う側近の[[コーラル]]と比較してもかなり好意的に接していた。
:だが、ロンディニウム陥落の件などでところどころ不審な動きを見せており、後編のキャメロット陥落の際には『風の報せ』を使って真偽を織り交ぜた情報を意図的に流す事で王宮の上級妖精達にモルガンへの憎悪を植え付けて反旗を翻し、彼女を陥れて滅ぼしてしまった。
+
:だが中盤から後編にかけて、一行がオーロラからの情報を手掛かりに[[マシュ・キリエライト|マシュ]]を探して人間牧場に向かった矢先[[妖精騎士ガウェイン]]を含めた[[モルガン (Grand Order)|モルガン]]の兵士達と鉢合わせしたり、[[パーシヴァル]]達主力勢と共に遠征の最中に起きたロンディニウム陥落等、随所で不審な動きを見せており、円卓軍がキャメロットを侵攻した際には『風の報せ』を使って真偽を織り交ぜた情報を意図的に流す事で、王宮の上級妖精達に溜まっていたモルガンへの憎悪と不満を幇助させる形で反旗を翻させ、彼女を陥れて滅ぼしてしまった。
:そして戴冠式に際しては、新しい女王に即位するはずだった[[ノクナレア]]の元へ懐柔した「王の氏族」を送り込んでエディンバラと彼女の『秘密』を公の場で暴露する事で弱体化させつつ毒殺した後、『予言の子』と主人公達にそれらの罪を着せようとしたが、その過程で「大厄災」が発生。
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:そして終編の戴冠式では、新しい女王に即位するはずだった[[ノクナレア]]の元へ、あらかじめ懐柔していた「王の氏族」に下っていた同胞を送り込み、エディンバラと彼女の『秘密』を公の場で暴露する事で弱体化させながら毒殺した後、『予言の子』と主人公達にそれらの罪を着せようとしたがその過程で「大厄災」が発生。鐘撞き堂で籠城している間に当初は秩序的な行動を取っていたソールズベリーの住民が暴動と内乱化し、状況がどんどん悪化していくも、当人は対策も何も取らずひたすら傍観を決め込み続ける。そこへ運命を共にするべく[[妖精騎士ランスロット|メリュジーヌ]]が駆けつけると、これ幸いと言わんばかりに「弱々しい人間しかいない<ruby><rb>外の世界</rb><rt>汎人類史</rt></ruby>へ一緒に逃げよう」と提案。だが、彼女はオーロラが持つ妖精の『本質』上、あちらの世界では到底生き延びる事など出来ないと一番よく理解していたため、何よりオーロラ自身を慮った末に自分なりの感謝と決別を込めた粛清によって致命傷を負わされてしまう。
:大聖堂で籠城している間に状況がどんどん悪化していくも、対策も何も取らずひたすら傍観を決め込み続ける。そこへ運命を共にするべく[[妖精騎士ランスロット|メリュジーヌ]]が駆けつけると、これ幸いと言わんばかりに「外の世界(汎人類史)へ一緒に逃げよう」と提案。だが、彼女はオーロラが持つ妖精の『本質』上、あちらの世界では到底生き延びる事など出来ないと一番よく理解していたため、自分なりの感謝と決別、そして何よりオーロラ自身を慮った末の粛清によって致命傷を負わされてしまう。
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:その後も妖精國の崩壊間際まで半死半生で倒れたまま生き延び、既に全滅したソールズベリーの自室にて最期に自らを砕きながら空を舞うアルビオンに戻ったメリュジーヌを、羨望交じりに見上げながら息を引き取った。
:その後も妖精國の崩壊間際まで半死半生で倒れたまま生き延び、最期に自らを砕きながら空を舞うアルビオンに戻ったメリュジーヌを羨望交じりに見上げながら息を引き取った。
 
 
;人物
 
;人物
:まばゆい虹色の翅を持った非常に美しい女性。
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:まばゆい虹色の翅を持った非常に美しい女性であり、人間に対して厳しい態度を取るコーラルとは反対に何事に対しても鷹揚で好奇心旺盛。
:人間に対して厳しい態度を取るコーラルとは反対に何事に対しても鷹揚で好奇心旺盛な「妖精らしい」妖精。
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:一方で、風の氏族としての能力を最大限に悪用した腹黒い陰謀家としての面も持っており、これによって鏡の氏族すべてやモルガン、ノクナレアを含め数多くの有力者が死に追いやられた。
:一方で、風の氏族の能力を利用しての情報の収集と扇動を最大限に悪用した腹黒い陰謀家としての面も持っており、これによってモルガンとノクナレアを含め多くの氏族が謀殺された。
+
:しかし、彼女の本質は陰謀家ではなく'''「誰よりも一番に愛される」'''という妖精としての自身の目的のため、「その時自分を差し置いて輝ける存在を陥れて潰し、後になったら罪も行為も忘れ去ってしまう」というパターンで行動している、あまりにも自己愛に振り切れ過ぎた八方美人。それ故に感性そのものは''まるで子供のような「誰よりも妖精らしい妖精」''と称されている。
:しかし、彼女の本質は陰謀家ですらなく、そもそも自分が邪悪の類であるとつゆほども思っていない、'''「誰よりも一番に愛され、その時自分を差し置いて輝ける存在を陥れて潰し、後になったら罪も行為も忘れ去ってしまう」'''というこの上なく自己中心的な八方美人。
+
:『そこにいるだけで完璧な存在』『誰よりも価値のある妖精』という風の氏族の特性を良くも悪くも最も顕著に現した存在であり、自分を高めることは全く知らないため、自分より目立つ者、自分を顧みず褒めようとしない者が現れれば、''誰であろうと後先考えることなく足を引っ張って引き摺り落とすか、間接的に粛清する形で排斥''し、それが例えその場におけるただ一時の瞬間であっても「自分が輝き、周囲から褒め称えられている」という状況を最優先に保ち続けることが彼女の行動指針の全てであり、そのためなら刹那的に危険な行為も躊躇いなく行う。同時に善悪の認識だけでなく、損得勘定や責務などといった社会観念を露ほども持ち合わせておらず、自らの些細な言動がきっかけで予想以上の犠牲者が出たり事を荒立てたとしても、自分が原因だとは思わないまま放棄し「周りが何とかしてくれる」とひたすら他人に任せっぱなしにしてしまう。
:『そこにいるだけで完璧な存在』『誰よりも価値のある妖精』という風の氏族の特性をある意味顕著に現した存在で、「自分が輝き、周囲から褒め称えられている」という状況を最優先に保ち続ける為なら誰であろうと陥れるし、刹那的に危険な行為も躊躇いなく行い、同時に自分を褒めないものは平気で切り捨てる。この有様はまるで子供のような「誰よりも妖精らしい妖精」<ref group = "注">[[オベロン]]曰く「最も汎人類史の妖精に近い存在」。</ref>とされる。
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:あらゆる言動を当人さえ「真実」だと本気で思い込むほどに自己否定を全くしない上、領民たる妖精は元から疑うことを知らない者達ばかりなのに加え、人間の方も崇拝から来る極端な選民思想に染っていることも『オーロラがそう言うのだから本当』という思い込みを後押ししているため、口からの出任せなのかどうかの判断はよほど知恵の回る者に限られる。さらに強大な能力・権力を持つため彼女の『本質』を知り得るものはまず一番長く身近に居続けられる者に限られるので、未然にオーロラの本性を看破できた者は片手程度しか存在しなかった。<br/>そのうち[[オベロン]]は彼女との会話で「最も汎人類史の妖精に近い存在」「もっとも無垢な簒奪者」「加害者であり傍観者でもあったからここまで生きてこられた」と告げている他、メリュジーヌからは「オーロラが『一番輝ける存在』でいられるのは、本人と同じく純粋無垢に善悪を楽しむ者達がいるブリテン異聞帯だけ」と断言されている様に、オーロラの幼稚な性質と言動は汎人類史に移り住めた場合、「周りを貶めるしか能のない毒婦」としてあちらの人間及び妖精社会から爪弾きにされることは目に見えており、万が一上手くいったとしてもそれは運良く幸先がよかっただけの事でしかなく、時が経つにつれオーロラの本性が周囲に露わになれば、ゆくゆくは翅はおろか姿形も瞬く間に落ちぶれていき、されどモースとして死ぬ事も自己愛の強さから自害および発狂も出来ないまま、醜くなった姿を毎朝鏡の前でひたすら嘆きながら「明日になれば終わる」と都合のいい言葉でその場を誤魔化して心を殺す、惨めで地獄に等しい日々を送る羽目になるだろうと予想されていた。
:その為か損得勘定や善悪の自覚等もなく、自らの些細な言動がきっかけで予想以上の揉め事や大騒動が起こっても自分が原因だとは思わないまますぐさま放棄し「周りが何とかしてくれる」とひたすら他人に任せっぱなしな状態。その言動さえ当人が「真実」だと本気で思い込み、それに煽られる形で周りも「オーロラがそう言うのだから本当」なのだと思い込んでしまうので、口からの出任せなのかどうかの判断はよっぽど知恵の回る者か、彼女の身近にいて『本質』をよく知る者でなければ難しい。両者に該当するメリュジーヌ曰く、「オーロラが『一番輝ける存在』でいられるのは、本人と同じく純粋無垢に善悪を楽しむ者達がいるブリテン異聞帯だけ」であり、万が一汎人類史世界に移り住めたとしても周りを貶めるしか能のない自己愛に満ちた性格など、到底あちらの人間に受け入れられるはずもなく、翅はおろか姿形も瞬く間に落ちぶれ、その醜い姿を毎朝ひたすら鏡の前で嘆きながら心を殺す惨めな日々を送る羽目になるだろうとのこと。
+
:事実、女王暦になってからはモルガンの為政によって人間と妖精の数がある程度淘汰・制御され『自分を褒め称えてくれる者』が減少した結果、以前よりも翅の輝きが落ちている事を自覚しており、更にはメリュジーヌへの無意識下の羨望から来る嫉妬によって、自らが醜悪な生き物だと言う事実から目を背けきれなくなるギリギリまで来ていた。
 
;能力
 
;能力
:3000年もの年月を生きている故か妖精として高い能力を持っており、コーラルをあっさりと毛虫に変えてしまうほど。
+
:妖精暦から数えて3000年もの年月をモースにならずに生き永らえている故か、妖精として高い能力を持つ。その実態は不明だが、描写されている限りコーラルをあっさりと毛虫に変えてしまうなどの事はできるようだ。
:風の氏族長として広範囲から噂を蒐集し「風の報せ」で情報を広めて扇動する、社会操作において極めて凶悪な能力の持ち主でもある。
+
:また、風の氏族の共通能力である「風の報せ」は最高位のものであり、広範囲から噂を蒐集し任意の情報を風を通して拡散するものだが、妖精共通の気質と相まって、情報収集と扇動などの社会操作といった情報戦において強力無比な効果を発揮する事ができる。
  
 
== 登場作品と役柄 ==
 
== 登場作品と役柄 ==
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; [[Fate/Grand Order]]
 
; [[Fate/Grand Order]]
 
:Lostbelt No.6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』で現地人として登場。
 
:Lostbelt No.6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』で現地人として登場。
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===Fate関連作品===
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;[[Fate/Grand Order フロム ロストベルト]]
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:第20話の主人公である妖精騎士ランスロットの相手役として登場。
  
 
== 人間関係 ==
 
== 人間関係 ==
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;[[コーラル]]
 
;[[コーラル]]
 
:側近。
 
:側近。
:それなりの期間部下にしていたが、厄災発生時に諫言を受けたためにあっさりと毛虫に変え、「うっかり」踏みつぶしてしまった。
+
:それなりの期間部下にしていたが、厄災発生時に諫言を受けたため、あっさりと毛虫に変えた上に『うっかり』踏みつぶしてしまった。
:後から考えると、「人間に厳しい態度を取る」彼女を「慈悲深い」自分の引き立て役にしていた可能性が高い。
+
:後から考えると、「人間に厳しい態度を取る」彼女を「慈悲深い」自分の引き立て役にしていたのと、上記の折に自己判断でソールズベリーの住民救助に当たっていた様が、自分を差し置いて輝こうとする姿勢に見えていた可能性が高い。
 
;[[妖精騎士ランスロット]]
 
;[[妖精騎士ランスロット]]
:かつて湖水地方で毒の沼から拾い上げ、「メリュジーヌ」の名前を与えた存在。命の恩人と想い人両方の意味で深く愛されていた。
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:かつて湖水地方で毒の沼から拾い上げ、「メリュジーヌ」の名前を与えた存在。命の恩人と想い人両方の意味で深く愛されていたが、オーロラからすれば『自分を褒め称えてくれるその他大勢の一人』に過ぎない。そもそも彼女を救ったのは「醜い存在を命がけで助ける」という行為で周囲の賞賛を得たかったからの利己的な行為であるが、その美しく純粋な姿には心惹かれ、またそんな風に新たに生まれ変わらせた自分の行動を、初めて心から「やって良かった」と感じ入っていた。
:彼女としては「醜い存在を命がけで助ける」という行為で周囲の賞賛を得たかったからの利己的な行為であるが、その美しく純粋な姿には心惹かれ、またそんな風に新たに生まれ変わらせた自分の行動を、初めて心から「やって良かった」と感じ入っていた。
+
:『[[Fate/Grand Order フロム ロストベルト|フロム ロストベルト]]』ではその一方で、彼女の美しさに昔の自分を重ね見て無い物ねだりに似た感情を抱いていた事と、それ自体が後々自身を脅かす存在となりうる事を密かに危惧しており、自分への思いを利用して目的の為に使い潰す形で無意識に抑えつけていた<ref group = "注">モノローグでも'''「自身を穢す悍ましいモノ」'''とまで吐き捨てるほど。</ref>事から、気づかなかっただけで周りとは一線を越す立ち位置に居た事が窺い知れる。
:汎人類史への脱出を持ちかけたところ、彼女の手によって致命傷を負わされ、空を舞う姿を羨望しながら命を落とすこととなった。
+
:汎人類史への脱出を持ちかけたところ、彼女のオーロラを慮った故の判断から致命傷を負わされ、空を舞う姿を羨望しながら命を落とす事となった。
 
;[[ベリル・ガット]]
 
;[[ベリル・ガット]]
:「風の報せ」の中で妖精國復興に使用されたのが、主人公達さえ知らないカルデア式召喚術を模倣したものだと言及していた事と、ベリルが時おり顔の見えない何者かと会話をしていたことを照らし合わせると、モルガンの正体に関する情報を彼から得ていた事が窺える。
+
:両者が統治する街の関係性、並びに『風の報せ』の中で妖精國復興に使用されたのがカルデア式召喚術を模倣したものだと、技術顧問のダ・ヴィンチを含めた主人公側のメンバーの誰もが気付いていなかった<ref group = "注">ダ・ヴィンチはマシュからモルガンが「救世主トネリコ」時代にカルデア技術を模倣した魔術を使用している事は聞いていたが、「女王モルガン」に変質した事で使用出来なくなったと考えていた。</ref>事実に言及していた事と、ベリルが時おり顔の見えない何者かと会話をしていたことを照らし合わせると、内通者としてモルガンの正体に関する情報を得ていた事が窺える相手。
 +
: 同時に目的は違えど、自分の命も平気で差し出す刹那主義かつ周りの犠牲を厭わない点で言えば一種の類友と云え、同時に一人の人物への恋心と執着心が、自身の破滅への引き金になったという皮肉な共通点を併せ持つ。
 
;[[スプリガン]]
 
;[[スプリガン]]
:モルガンを失墜させるため便乗して共闘したつもりでいた土の氏族長。
+
:モルガンを失墜させるため便乗して共闘したつもりでいた土の氏族長。ノクナレア謀殺・大厄災勃発とともに離脱し、その際に彼に本質を察知された。
:厄災の発生に加え、彼に本質を見抜かれた事から自然と縁が切れた。
+
:とはいえども、彼の行動だけで述べるなら単にオーロラの策略に乗っかっただけに過ぎないので、当の本人は歯牙にもかけておらず気付いてもいなかった。
 
;[[ウッドワス]]
 
;[[ウッドワス]]
:牙の氏族長。友好の証として[[レッドラ・ビット|自身の部下]]を下賜する位に好意を寄せられていたが、彼のモルガンへの忠誠心を巧みに煽り、失墜への一手とした。
+
:牙の氏族長。友好の証として自身の部下を下賜する位に好意を寄せられていたが、オーロラからすれば彼もまた『自分を褒め称えてくれるその他大勢の一人』に過ぎないため、モルガンへの忠誠心を巧みに煽り、失墜への一手とした。
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;[[レッドラ・ビット]]
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:ウッドワスから下賜された牙の氏族。
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:オベロンを通して「予言の子」一行の移動の足として貸し出すが、同時に皆の行動等を定期的に報告させる事で、間接的かつ当人のあずかり知らぬ形で諜報者の役割を果たしていた。
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: 終編で彼から本性を悟られ見切られたが、戴冠式での騒動直後だった事もありオーロラが気付くことは無かった。
 
;[[パーシヴァル]]
 
;[[パーシヴァル]]
 
:かつてソールズベリーの孤児院で育て、妖精騎士ランスロットの義弟となった騎士。
 
:かつてソールズベリーの孤児院で育て、妖精騎士ランスロットの義弟となった騎士。
:彼女としては「予言の子」の身代わりにするつもりだったが、選定の槍を使ったことで一気に肉体年齢が大人になったことからあっさりと見捨ててしまった模様。
+
:彼女としては「予言の子」の身代わりにするつもりだったが、選定の槍を使ったことで一気に肉体年齢が大人になったことからあっさりと見捨てた。また彼の率いる円卓軍の本拠地ロンディニウムにて、反旗を翻した住民と共に虐殺を行った兵団が粛清騎士の姿(ソールズベリーの手勢と共通)であった為、志願者の中にあらかじめ反乱分子となる自領の懐柔者を送り込ませ、内側から壊滅に至るよう仕向けたのもオーロラであると考えられる。
 
;[[モルガン (Grand Order)|モルガン]]
 
;[[モルガン (Grand Order)|モルガン]]
 
:妖精國の女王。
 
:妖精國の女王。
:内心では彼女の事をどう思っていたのかは不明だったが、好機と見るや躊躇なく追い落としにかかった。
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:オーロラからすれば「自分から一番を奪った厄介者」以外の何物でもない為、好機と見るや躊躇なく追い落としにかかった。
:一方のモルガンは彼女の本質に気付いており、キャメロット入城をただ一人禁じ氏族長会議には常にモニター越しで参加させていた。
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:一方彼女はオーロラの本質にすでに気付いており、キャメロット入城をただ一人禁じ、氏族長会議には常にモニター越しで参加させていた。
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;[[オベロン]]
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:キャメロットの内通者。
 +
:「モルガンを倒す」という共通した目的のため水面下で密かにやり取りをしていたが、自身の気まぐれが通用しない相手なのもあって、警戒心を崩さない文字通り紙一重の関係であった。
 +
:また、オーロラは「言った事を全て真実に変える」のに対し、オベロンは「言った事が全て嘘になる」対極の特性を持っており、互いにそこから来る一種の嫌悪感もあった模様。
 
;[[ノクナレア]]
 
;[[ノクナレア]]
 
:モルガンに後継者として指名されていた王の氏族の長。
 
:モルガンに後継者として指名されていた王の氏族の長。
:彼女に対する内心も不明だが、モルガンの死後自分よりも輝く存在となったため、戴冠式の席で間諜を使って毒殺してしまった。
+
:モルガンの死後自分よりも輝く存在となったため、戴冠式の席で間諜を使って毒殺してしまった。なので彼女もまた「一番を奪う厄介者」という見解を除けば、それ以上も以下も無かったと考えられる。
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;[[ハロバロミア]]  
 
;[[ハロバロミア]]  
 
:元はコーラルと同じく側近として仕えていた。
 
:元はコーラルと同じく側近として仕えていた。
:だが「正論好き」と吐き捨てていた通り尽くオーロラに反発していたため、翅を取り上げて「名無しの森」に追いやってしまった。
+
:だが「正論好き」と吐き捨てていた通り尽くオーロラに反発していたため、翅を取り上げて「名無しの森」に追放していた。
;[[主人公 (Grand Order)|異邦の魔術師]]
+
;[[主人公 (Grand Order)]]
:「汎人類史の世界」の事を教えてもらうため、彼/彼女だけは見逃してもらえるよう申し立てするつもりだった様だが、(耐毒効果をなしにしても)万が一戴冠式で皆と同じく毒酒を口にしていた場合の事を考えていなかった様である。
+
:予言における「異邦の魔術師」。
 +
:汎人類史…強いては外の世界を知る存在として興味を持ち、協力的な素振りを見せているが、一方でその活躍が注目される度『一番を取られない様に』無自覚の策略を仕掛け、[[アルトリア・キャスター|予言の子]]共々間接的に潰そうと目論んでいた。
 +
:戴冠式の騒動の際も、汎人類史の情報収集源として<ruby><rb>保護</rb><rt>捕縛</rt></ruby>するべく、彼/彼女だけは見逃してもらう様に申し立てする気でいたが、それは(耐毒効果を抜きにしても)毒酒を口にしていなかった故の生存による思いつきであり、していた場合を予想する考えは全くなかったと思われる。
  
 
== 名台詞 ==
 
== 名台詞 ==
 
=== Fate/Grand Order ===
 
=== Fate/Grand Order ===
 +
;「ふふ、こんにちは、愛らしい方。それともおはよう、がいいのかしら。私はオーロラ。あなた、お名前は?<br>せっかくお友達になったのですもの、お茶でもいかが?<br>もちろん、迷惑でなければの話だけど……」
 +
:Lostbelt No,6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』後編にて。湖水地方に浮かんでいた<ruby><rb>無生物</rb><rt>アメーバ</rt></ruby>だった[[妖精騎士ランスロット|メリュジーヌ]]を掬い上げての台詞。
 +
:オーロラ本人からすれば自己アピールのためだけにかけた、ただの取るに足らない『優しい挨拶の言葉』。だが同時に自身と彼女、双方にとって逃れられない運命の幕開けとなる言葉であった。
 +
 +
;「あの施設は内部駆除の機能も万全だから<br>指先ひとつで、みんな眠るように旅立てます。傷ついた『北の妖精』にはちょうど良いでしょう。」
 +
:同上終編にて、反逆者と看做された北の妖精達を幽閉・保護するために独断で『養育院』を解放した事を問うコーラルに対する返答。
 +
:「眠るように旅立てる」という言葉に、聞いた直後のコーラルが愕然とした表情になった事を照らし合わせると、『養育院』には'''何らかのスイッチを押せば屋敷中に毒ガスに似た気体が噴出され、そこにいる者たち全員の命を奪える装置が備わっている'''と解釈出来る。
 +
:つまり戴冠式で、祝杯に入れる毒を用意したのは………
 +
 +
;「消えろ、消えろ……高く、高く。どこまでも……高く」
 +
:瀕死のまま、残骸となりながらも空を翔る[[妖精騎士ランスロット|アルビオン]]を見送っての台詞。
 +
:あの日。自分が掬いあげた肉塊は涙と嗚咽をこぼし、誰よりも美しく無垢な『メリュジーヌ』という妖精になった。その有り様を愚かだと妬み、羨み、蔑み、誰よりも憎んでいたオーロラであったが、その美しさを誰よりも慈しみ愛していたのも、そんな風に生まれ変わった姿に喜んでいたのもまた、間違いなくオーロラ自身の心からの'''嘘偽りのない気持ち'''であった。
 +
:オーロラの最期の言葉には、遥か遠くで『燃え尽きてゆく』様もまた美しいと思う、彼女なりの拒絶と紛れもなく純粋な祝福の気持ちが込められていたのだった…
  
 
== メモ ==
 
== メモ ==
 
*名前の由来は天体現象のオーロラからと思われる。
 
*名前の由来は天体現象のオーロラからと思われる。
**ブリテン異聞帯の物語は「糸紡ぎの妖精」や「眠り続けるマシュ」など『眠れる森の美女』のモチーフが散見されるため、「悪い魔女を追い詰めるオーロラ姫」のイメージもあるのかもしれない。
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**ブリテン異聞帯における物語――特にマシュ側においては、「糸紡ぎの妖精」「マシュを助ける三人の妖精」「朽ち果てた城で眠り続けるマシュ」など、『眠れる森の美女』を連想させるモチーフが散見されるため、「悪い魔女を追い詰めるオーロラ姫」のイメージも推測されている。
 +
**ただし氏族長の中では唯一、イギリスの古い妖精伝承に基づく存在ではなく、その名前も自然現象と同じくローマ神話における暁の女神・アウロラが由来である<ref group = "注">ちなみにイングランドのサフォークでは、オーロラ現象について『ペリー・ダンサー』の妖精名が付けられており、これは[[妖精騎士ランスロット]]のスキル名になっている。</ref>。彼女のような妖精は、汎人類史では伝承にならない程度の存在であるということの暗示なのかもしれない。
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***リソースの有効活用、というメタ的な意味ではアウロラ、もしくはギリシャ神話における相当神エーオースとしての実装可能性も考えられるが、パーソナリティは完全に元のオーロラと切り離されるであろう事は想像に難くない。もっとも、エーオースの場合[[オリオン]]、[[ヘラクレス]]、[[アキレウス]]との因縁があり<ref group = "注">オリオンは'''元カレ'''、後二者は息子(メムノーンとエーマティオーン)の仇。</ref>、別の意味で地雷となる可能性も否定できないのだが…。
 +
*元々は16歳頃の姿を全盛期として『発生』した妖精だったが、ある時を境に20~24歳頃の今の容姿に成長してしまったらしい<ref group = "出">同人誌「Avalon le Fae Synopsys」</ref>。その為妖精騎士ランスロットの容姿は、'''成長前のオーロラを鏡のように写し取った姿'''と解釈するプレイヤーもおり、彼女にとっては愛憎両方の意味で『独占欲と執着』を抱いていたとも捉えられる。
 +
**成長した過程や時期についても不明だが、もしもトネリコが妖精國ブリテンを蘇らせた時期と同じだった場合、実は彼女がウーサー毒殺に裏で関わっており、その二の足を踏ませない為の処置とも推測出来る。
 
*「前編」の時点から黒幕であることを推測するプレイヤーも多かったが、「後編」で一気に腹黒さが明らかになり、「戴冠式」で腹黒さすら通り越した突き抜けっぷりに多くのプレイヤーが唖然となった。
 
*「前編」の時点から黒幕であることを推測するプレイヤーも多かったが、「後編」で一気に腹黒さが明らかになり、「戴冠式」で腹黒さすら通り越した突き抜けっぷりに多くのプレイヤーが唖然となった。
 
**そのあまりの刹那主義っぷりは、「気分で行動を変えて最終的に台無しにする」[[殺生院キアラ]]や、「勝手にオリチャーを入れて破綻させる」[[蘆屋道満|リンボ]]と比較しても、「そもそもまともなチャートを作らない」「頭オーロラ」と一種の畏怖を持って受け入れられた。
 
**そのあまりの刹那主義っぷりは、「気分で行動を変えて最終的に台無しにする」[[殺生院キアラ]]や、「勝手にオリチャーを入れて破綻させる」[[蘆屋道満|リンボ]]と比較しても、「そもそもまともなチャートを作らない」「頭オーロラ」と一種の畏怖を持って受け入れられた。
***上記のように「頭は悪くないのにその場その場しか考えず、圧倒的な力で周囲を振り回す」という意味では「もっとも妖精らしい妖精」とも言える。
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***上記のように「頭は悪くないのにその場その場しか考えず、圧倒的な力で周囲を振り回す」「『重要人物を毒酒で殺害させる』という原初の罪を繰り返した」という意味では「もっとも妖精らしい妖精」とも言える。
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***後に「頭オーロラ」は[[妖精騎士ガウェイン|翌年のバレンタインイベント]]で早くも使用された。ユーザー間のスラングが公式に拾われたと言えなくもないが、バレンタインイベントはフルボイスなのでブリテン異聞帯が公開される前の収録の可能性もある。
  
 
== 脚注 ==
 
== 脚注 ==
125行目: 158行目:
 
[[Category:登場人物あ行]]
 
[[Category:登場人物あ行]]
 
[[Category:Fate/Grand Order]]
 
[[Category:Fate/Grand Order]]
 +
[[Category:Fate/Grand Order フロム ロストベルト]]

2024年4月1日 (月) 22:51時点における版

オーロラ
外国語表記 Aurora
性別 女性
種族 妖精國の妖精/風の氏族
声優 こおろぎさとみ
デザイン TAa
初登場作品 Fate/Grand Order
テンプレートを表示

概要

Fate/Grand Order』に登場する妖精

略歴
Lostbelt No.6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』で妖精國の都市のひとつ、ソールズベリーの君主にして「風の氏族」の氏族長として登場。
前編ではオベロンに付き添われてやって来た主人公一行の事情に理解を示して協力を約束するなど、人間に厳しい事を言う側近のコーラルと比較してもかなり好意的に接していた。
だが中盤から後編にかけて、一行がオーロラからの情報を手掛かりにマシュを探して人間牧場に向かった矢先妖精騎士ガウェインを含めたモルガンの兵士達と鉢合わせしたり、パーシヴァル達主力勢と共に遠征の最中に起きたロンディニウム陥落等、随所で不審な動きを見せており、円卓軍がキャメロットを侵攻した際には『風の報せ』を使って真偽を織り交ぜた情報を意図的に流す事で、王宮の上級妖精達に溜まっていたモルガンへの憎悪と不満を幇助させる形で反旗を翻させ、彼女を陥れて滅ぼしてしまった。
そして終編の戴冠式では、新しい女王に即位するはずだったノクナレアの元へ、あらかじめ懐柔していた「王の氏族」に下っていた同胞を送り込み、エディンバラと彼女の『秘密』を公の場で暴露する事で弱体化させながら毒殺した後、『予言の子』と主人公達にそれらの罪を着せようとしたがその過程で「大厄災」が発生。鐘撞き堂で籠城している間に当初は秩序的な行動を取っていたソールズベリーの住民が暴動と内乱化し、状況がどんどん悪化していくも、当人は対策も何も取らずひたすら傍観を決め込み続ける。そこへ運命を共にするべくメリュジーヌが駆けつけると、これ幸いと言わんばかりに「弱々しい人間しかいない外の世界汎人類史へ一緒に逃げよう」と提案。だが、彼女はオーロラが持つ妖精の『本質』上、あちらの世界では到底生き延びる事など出来ないと一番よく理解していたため、何よりオーロラ自身を慮った末に自分なりの感謝と決別を込めた粛清によって致命傷を負わされてしまう。
その後も妖精國の崩壊間際まで半死半生で倒れたまま生き延び、既に全滅したソールズベリーの自室にて最期に自らを砕きながら空を舞うアルビオンに戻ったメリュジーヌを、羨望交じりに見上げながら息を引き取った。
人物
まばゆい虹色の翅を持った非常に美しい女性であり、人間に対して厳しい態度を取るコーラルとは反対に何事に対しても鷹揚で好奇心旺盛。
一方で、風の氏族としての能力を最大限に悪用した腹黒い陰謀家としての面も持っており、これによって鏡の氏族すべてやモルガン、ノクナレアを含め数多くの有力者が死に追いやられた。
しかし、彼女の本質は陰謀家ではなく「誰よりも一番に愛される」という妖精としての自身の目的のため、「その時自分を差し置いて輝ける存在を陥れて潰し、後になったら罪も行為も忘れ去ってしまう」というパターンで行動している、あまりにも自己愛に振り切れ過ぎた八方美人。それ故に感性そのものはまるで子供のような「誰よりも妖精らしい妖精」と称されている。
『そこにいるだけで完璧な存在』『誰よりも価値のある妖精』という風の氏族の特性を良くも悪くも最も顕著に現した存在であり、自分を高めることは全く知らないため、自分より目立つ者、自分を顧みず褒めようとしない者が現れれば、誰であろうと後先考えることなく足を引っ張って引き摺り落とすか、間接的に粛清する形で排斥し、それが例えその場におけるただ一時の瞬間であっても「自分が輝き、周囲から褒め称えられている」という状況を最優先に保ち続けることが彼女の行動指針の全てであり、そのためなら刹那的に危険な行為も躊躇いなく行う。同時に善悪の認識だけでなく、損得勘定や責務などといった社会観念を露ほども持ち合わせておらず、自らの些細な言動がきっかけで予想以上の犠牲者が出たり事を荒立てたとしても、自分が原因だとは思わないまま放棄し「周りが何とかしてくれる」とひたすら他人に任せっぱなしにしてしまう。
あらゆる言動を当人さえ「真実」だと本気で思い込むほどに自己否定を全くしない上、領民たる妖精は元から疑うことを知らない者達ばかりなのに加え、人間の方も崇拝から来る極端な選民思想に染っていることも『オーロラがそう言うのだから本当』という思い込みを後押ししているため、口からの出任せなのかどうかの判断はよほど知恵の回る者に限られる。さらに強大な能力・権力を持つため彼女の『本質』を知り得るものはまず一番長く身近に居続けられる者に限られるので、未然にオーロラの本性を看破できた者は片手程度しか存在しなかった。
そのうちオベロンは彼女との会話で「最も汎人類史の妖精に近い存在」「もっとも無垢な簒奪者」「加害者であり傍観者でもあったからここまで生きてこられた」と告げている他、メリュジーヌからは「オーロラが『一番輝ける存在』でいられるのは、本人と同じく純粋無垢に善悪を楽しむ者達がいるブリテン異聞帯だけ」と断言されている様に、オーロラの幼稚な性質と言動は汎人類史に移り住めた場合、「周りを貶めるしか能のない毒婦」としてあちらの人間及び妖精社会から爪弾きにされることは目に見えており、万が一上手くいったとしてもそれは運良く幸先がよかっただけの事でしかなく、時が経つにつれオーロラの本性が周囲に露わになれば、ゆくゆくは翅はおろか姿形も瞬く間に落ちぶれていき、されどモースとして死ぬ事も自己愛の強さから自害および発狂も出来ないまま、醜くなった姿を毎朝鏡の前でひたすら嘆きながら「明日になれば終わる」と都合のいい言葉でその場を誤魔化して心を殺す、惨めで地獄に等しい日々を送る羽目になるだろうと予想されていた。
事実、女王暦になってからはモルガンの為政によって人間と妖精の数がある程度淘汰・制御され『自分を褒め称えてくれる者』が減少した結果、以前よりも翅の輝きが落ちている事を自覚しており、更にはメリュジーヌへの無意識下の羨望から来る嫉妬によって、自らが醜悪な生き物だと言う事実から目を背けきれなくなるギリギリまで来ていた。
能力
妖精暦から数えて3000年もの年月をモースにならずに生き永らえている故か、妖精として高い能力を持つ。その実態は不明だが、描写されている限りコーラルをあっさりと毛虫に変えてしまうなどの事はできるようだ。
また、風の氏族の共通能力である「風の報せ」は最高位のものであり、広範囲から噂を蒐集し任意の情報を風を通して拡散するものだが、妖精共通の気質と相まって、情報収集と扇動などの社会操作といった情報戦において強力無比な効果を発揮する事ができる。

登場作品と役柄

Fateシリーズ

Fate/Grand Order
Lostbelt No.6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』で現地人として登場。

Fate関連作品

Fate/Grand Order フロム ロストベルト
第20話の主人公である妖精騎士ランスロットの相手役として登場。

人間関係

Fate/Grand Order

コーラル
側近。
それなりの期間部下にしていたが、厄災発生時に諫言を受けたため、あっさりと毛虫に変えた上に『うっかり』踏みつぶしてしまった。
後から考えると、「人間に厳しい態度を取る」彼女を「慈悲深い」自分の引き立て役にしていたのと、上記の折に自己判断でソールズベリーの住民救助に当たっていた様が、自分を差し置いて輝こうとする姿勢に見えていた可能性が高い。
妖精騎士ランスロット
かつて湖水地方で毒の沼から拾い上げ、「メリュジーヌ」の名前を与えた存在。命の恩人と想い人両方の意味で深く愛されていたが、オーロラからすれば『自分を褒め称えてくれるその他大勢の一人』に過ぎない。そもそも彼女を救ったのは「醜い存在を命がけで助ける」という行為で周囲の賞賛を得たかったからの利己的な行為であるが、その美しく純粋な姿には心惹かれ、またそんな風に新たに生まれ変わらせた自分の行動を、初めて心から「やって良かった」と感じ入っていた。
フロム ロストベルト』ではその一方で、彼女の美しさに昔の自分を重ね見て無い物ねだりに似た感情を抱いていた事と、それ自体が後々自身を脅かす存在となりうる事を密かに危惧しており、自分への思いを利用して目的の為に使い潰す形で無意識に抑えつけていた[注 1]事から、気づかなかっただけで周りとは一線を越す立ち位置に居た事が窺い知れる。
汎人類史への脱出を持ちかけたところ、彼女のオーロラを慮った故の判断から致命傷を負わされ、空を舞う姿を羨望しながら命を落とす事となった。
ベリル・ガット
両者が統治する街の関係性、並びに『風の報せ』の中で妖精國復興に使用されたのがカルデア式召喚術を模倣したものだと、技術顧問のダ・ヴィンチを含めた主人公側のメンバーの誰もが気付いていなかった[注 2]事実に言及していた事と、ベリルが時おり顔の見えない何者かと会話をしていたことを照らし合わせると、内通者としてモルガンの正体に関する情報を得ていた事が窺える相手。
同時に目的は違えど、自分の命も平気で差し出す刹那主義かつ周りの犠牲を厭わない点で言えば一種の類友と云え、同時に一人の人物への恋心と執着心が、自身の破滅への引き金になったという皮肉な共通点を併せ持つ。
スプリガン
モルガンを失墜させるため便乗して共闘したつもりでいた土の氏族長。ノクナレア謀殺・大厄災勃発とともに離脱し、その際に彼に本質を察知された。
とはいえども、彼の行動だけで述べるなら単にオーロラの策略に乗っかっただけに過ぎないので、当の本人は歯牙にもかけておらず気付いてもいなかった。
ウッドワス
牙の氏族長。友好の証として自身の部下を下賜する位に好意を寄せられていたが、オーロラからすれば彼もまた『自分を褒め称えてくれるその他大勢の一人』に過ぎないため、モルガンへの忠誠心を巧みに煽り、失墜への一手とした。
レッドラ・ビット
ウッドワスから下賜された牙の氏族。
オベロンを通して「予言の子」一行の移動の足として貸し出すが、同時に皆の行動等を定期的に報告させる事で、間接的かつ当人のあずかり知らぬ形で諜報者の役割を果たしていた。
終編で彼から本性を悟られ見切られたが、戴冠式での騒動直後だった事もありオーロラが気付くことは無かった。
パーシヴァル
かつてソールズベリーの孤児院で育て、妖精騎士ランスロットの義弟となった騎士。
彼女としては「予言の子」の身代わりにするつもりだったが、選定の槍を使ったことで一気に肉体年齢が大人になったことからあっさりと見捨てた。また彼の率いる円卓軍の本拠地ロンディニウムにて、反旗を翻した住民と共に虐殺を行った兵団が粛清騎士の姿(ソールズベリーの手勢と共通)であった為、志願者の中にあらかじめ反乱分子となる自領の懐柔者を送り込ませ、内側から壊滅に至るよう仕向けたのもオーロラであると考えられる。
モルガン
妖精國の女王。
オーロラからすれば「自分から一番を奪った厄介者」以外の何物でもない為、好機と見るや躊躇なく追い落としにかかった。
一方彼女はオーロラの本質にすでに気付いており、キャメロット入城をただ一人禁じ、氏族長会議には常にモニター越しで参加させていた。
オベロン
キャメロットの内通者。
「モルガンを倒す」という共通した目的のため水面下で密かにやり取りをしていたが、自身の気まぐれが通用しない相手なのもあって、警戒心を崩さない文字通り紙一重の関係であった。
また、オーロラは「言った事を全て真実に変える」のに対し、オベロンは「言った事が全て嘘になる」対極の特性を持っており、互いにそこから来る一種の嫌悪感もあった模様。
ノクナレア
モルガンに後継者として指名されていた王の氏族の長。
モルガンの死後自分よりも輝く存在となったため、戴冠式の席で間諜を使って毒殺してしまった。なので彼女もまた「一番を奪う厄介者」という見解を除けば、それ以上も以下も無かったと考えられる。
ハロバロミア
元はコーラルと同じく側近として仕えていた。
だが「正論好き」と吐き捨てていた通り尽くオーロラに反発していたため、翅を取り上げて「名無しの森」に追放していた。
主人公 (Grand Order)
予言における「異邦の魔術師」。
汎人類史…強いては外の世界を知る存在として興味を持ち、協力的な素振りを見せているが、一方でその活躍が注目される度『一番を取られない様に』無自覚の策略を仕掛け、予言の子共々間接的に潰そうと目論んでいた。
戴冠式の騒動の際も、汎人類史の情報収集源として保護捕縛するべく、彼/彼女だけは見逃してもらう様に申し立てする気でいたが、それは(耐毒効果を抜きにしても)毒酒を口にしていなかった故の生存による思いつきであり、していた場合を予想する考えは全くなかったと思われる。

名台詞

Fate/Grand Order

「ふふ、こんにちは、愛らしい方。それともおはよう、がいいのかしら。私はオーロラ。あなた、お名前は?
せっかくお友達になったのですもの、お茶でもいかが?
もちろん、迷惑でなければの話だけど……」
Lostbelt No,6『妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ』後編にて。湖水地方に浮かんでいた無生物アメーバだったメリュジーヌを掬い上げての台詞。
オーロラ本人からすれば自己アピールのためだけにかけた、ただの取るに足らない『優しい挨拶の言葉』。だが同時に自身と彼女、双方にとって逃れられない運命の幕開けとなる言葉であった。
「あの施設は内部駆除の機能も万全だから
指先ひとつで、みんな眠るように旅立てます。傷ついた『北の妖精』にはちょうど良いでしょう。」
同上終編にて、反逆者と看做された北の妖精達を幽閉・保護するために独断で『養育院』を解放した事を問うコーラルに対する返答。
「眠るように旅立てる」という言葉に、聞いた直後のコーラルが愕然とした表情になった事を照らし合わせると、『養育院』には何らかのスイッチを押せば屋敷中に毒ガスに似た気体が噴出され、そこにいる者たち全員の命を奪える装置が備わっていると解釈出来る。
つまり戴冠式で、祝杯に入れる毒を用意したのは………
「消えろ、消えろ……高く、高く。どこまでも……高く」
瀕死のまま、残骸となりながらも空を翔るアルビオンを見送っての台詞。
あの日。自分が掬いあげた肉塊は涙と嗚咽をこぼし、誰よりも美しく無垢な『メリュジーヌ』という妖精になった。その有り様を愚かだと妬み、羨み、蔑み、誰よりも憎んでいたオーロラであったが、その美しさを誰よりも慈しみ愛していたのも、そんな風に生まれ変わった姿に喜んでいたのもまた、間違いなくオーロラ自身の心からの嘘偽りのない気持ちであった。
オーロラの最期の言葉には、遥か遠くで『燃え尽きてゆく』様もまた美しいと思う、彼女なりの拒絶と紛れもなく純粋な祝福の気持ちが込められていたのだった…

メモ

  • 名前の由来は天体現象のオーロラからと思われる。
    • ブリテン異聞帯における物語――特にマシュ側においては、「糸紡ぎの妖精」「マシュを助ける三人の妖精」「朽ち果てた城で眠り続けるマシュ」など、『眠れる森の美女』を連想させるモチーフが散見されるため、「悪い魔女を追い詰めるオーロラ姫」のイメージも推測されている。
    • ただし氏族長の中では唯一、イギリスの古い妖精伝承に基づく存在ではなく、その名前も自然現象と同じくローマ神話における暁の女神・アウロラが由来である[注 3]。彼女のような妖精は、汎人類史では伝承にならない程度の存在であるということの暗示なのかもしれない。
      • リソースの有効活用、というメタ的な意味ではアウロラ、もしくはギリシャ神話における相当神エーオースとしての実装可能性も考えられるが、パーソナリティは完全に元のオーロラと切り離されるであろう事は想像に難くない。もっとも、エーオースの場合オリオンヘラクレスアキレウスとの因縁があり[注 4]、別の意味で地雷となる可能性も否定できないのだが…。
  • 元々は16歳頃の姿を全盛期として『発生』した妖精だったが、ある時を境に20~24歳頃の今の容姿に成長してしまったらしい[出 1]。その為妖精騎士ランスロットの容姿は、成長前のオーロラを鏡のように写し取った姿と解釈するプレイヤーもおり、彼女にとっては愛憎両方の意味で『独占欲と執着』を抱いていたとも捉えられる。
    • 成長した過程や時期についても不明だが、もしもトネリコが妖精國ブリテンを蘇らせた時期と同じだった場合、実は彼女がウーサー毒殺に裏で関わっており、その二の足を踏ませない為の処置とも推測出来る。
  • 「前編」の時点から黒幕であることを推測するプレイヤーも多かったが、「後編」で一気に腹黒さが明らかになり、「戴冠式」で腹黒さすら通り越した突き抜けっぷりに多くのプレイヤーが唖然となった。
    • そのあまりの刹那主義っぷりは、「気分で行動を変えて最終的に台無しにする」殺生院キアラや、「勝手にオリチャーを入れて破綻させる」リンボと比較しても、「そもそもまともなチャートを作らない」「頭オーロラ」と一種の畏怖を持って受け入れられた。
      • 上記のように「頭は悪くないのにその場その場しか考えず、圧倒的な力で周囲を振り回す」「『重要人物を毒酒で殺害させる』という原初の罪を繰り返した」という意味では「もっとも妖精らしい妖精」とも言える。
      • 後に「頭オーロラ」は翌年のバレンタインイベントで早くも使用された。ユーザー間のスラングが公式に拾われたと言えなくもないが、バレンタインイベントはフルボイスなのでブリテン異聞帯が公開される前の収録の可能性もある。

脚注

注釈

  1. モノローグでも「自身を穢す悍ましいモノ」とまで吐き捨てるほど。
  2. ダ・ヴィンチはマシュからモルガンが「救世主トネリコ」時代にカルデア技術を模倣した魔術を使用している事は聞いていたが、「女王モルガン」に変質した事で使用出来なくなったと考えていた。
  3. ちなみにイングランドのサフォークでは、オーロラ現象について『ペリー・ダンサー』の妖精名が付けられており、これは妖精騎士ランスロットのスキル名になっている。
  4. オリオンは元カレ、後二者は息子(メムノーンとエーマティオーン)の仇。

出典

  1. 同人誌「Avalon le Fae Synopsys」

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